●2015年07月07日(火)
最近、なんか忘れているような?と思っていたのですが、このぶいぶいコラム更新がすっかりおろそかになっていました。 暑くなってくるとイロイロと忙しくなって来てしまいましたからねぇ。 てなワケで、久々に再開ですv
カラオケ・オーディオのネタの続きになります。 カラオケで一番大事なのが、マイクアンプ。 マイクロホンの音声にエコーなどの効果を加え、ラインレベルに増幅して、音楽(伴奏)とミックスする装置です。 つまり、カラオケがカラオケである為の機械なんですねぇ。 カラオケ専用の機器なんだけれど、現在販売されている製品はそれほど多くはありません。 なのであんまり選択の余地ってのはなかったりするのです。 業務用機器ならば、例えば中古品なんかも結構出回っていたりはするのですが。 もっとも業務用のだと筐体サイズが大きかったりとか、音源等まで内蔵していて高価だったりするので要注意です。 一番使い易いのは、やはりVHD/レーザーカラオケ時代の製品ですねぇ。 でも細々とですが、家庭用のカラオケ機器として販売されている製品があります。 その1つが、今回紹介するコレ。 マルチ・エコーマイク・ミキサー NEWハイパーもりあげくん TKY-18 [潟<fィアコム製] 参考価格は、\7980-です。
この「もりあげくん」は、家庭用で手軽に使えるように設計されたマイクミキサーなので、性能(音質)とかはプロ用に比べると貧相に感じます。 特に外観を含め全体的に作りがチャッチイですねぇ。 ノイズ対策なんかもかなり甘くて、マイクがonになっていなくても本体を叩くと、音声出力にその音が出てきたりもします。 しかし必要最低限な機能に絞り込んでありますから使い勝手はかなり良いのです。 こういう音響関連機器ってのは、とかく多機能にはしりがちなんだけど、それが使用方法が難しくなってしまう要因になってんですねぇ。 私も当初の、造りの安っぽさに正直不安になりましたが、実際に使ってみてとてもよくまとまった製品だと思いました。 音質やノイズレベルだって、家庭用として考えれば充分実用レベルにありますからねぇ。
機能紹介です。 本体パネルには、2つのマイク入力ジャックと、4つのボリュームがあります。 ボリュームは、2系統のマイクそれぞれの音量、マイクのトーンコントロール(音質)、エコーの係り具合。 背面には、ステレオ音声入力とステレオ音声出力端子があります。 それぞれRCAピンとM3ステレオの両方のジャックが付いてて、変換アダプタ不要で幅広い機器に接続できるようになっているのです。 但し、入力も出力もあくまで1系統しかありませんから、ピンとプラグの同時使用は想定されておりません。 接続方法は、音源→「もりあげくん」→パワーアンプ・スピーカー、という順番につながります。 PCを使ったカラオケシステムの場合、PCとアクティプスピーカー(アンプ内臓スピーカー)の間に接続するカタチになりますねぇ。 またテレビ(LAN接続付き)の通信カラオケの場合も、やっぱり外部にアンプ・スピーカーを繋げる前提になります。 ヘッドホン出力はありませんから、独りカラオケ練習用だとヘッドホンアンプが別に必要になります。
トーンコントロールの効き具合は良いです。 実際の使い方としては、最初高音側に振っておいてハウリングが生じないレベルにまで下げるのが殆どです。 まぁスピーカーによっては高音域を抑えたい場合もありますから、その時は低い側にしますけど。 エコーに関しては、一般的なアナログディレィですが、音質は結構良いしノイズも少ないですねぇ。 ちなみにマイクも付属して来ます。 まぁチープさココに極まれりと言いたいんだけど、マイク本体ボディは金属製でずっしりと重量感もあるし、音質は思ったよりも良いのが意外でした。 それと指向性はマイルドで感度も高いので、カラオケ用として使い易い印象を受けました。 でもケーブルは断線しやすいようでして、私が入手したモノもジャック部分で断線してましたねぇ。 修理してて思ったんだけど、芯線が細過ぎ。 しかも端子部分は金属ではなくプラスチック製にメッキしてあるタイプ。 まぁ、コスト的に抜くところは徹底的に抜くって感じでしょうか。 本体のマイク端子にしても、接点部分が貧相で、カッチリとした接続感はありません。 ちゃんと刺さって音が出ると言う点では問題ないんだけれど。 てなワケで、オール・イン・ワン的なパッケージになっており、使いやすさと実用性に特化した製品だと思いました。
そして、内部を見てみますと・・・・かなりシンプルですねぇ。 機能を考えれば、そもそも複雑な回路構成なんてのは必要ないのですけど。 ICが4つ。中身はスカスカです。 筐体はプラスチック製で、電源もACアダプタから、7809と言う3端子レギュレター一発で安定化させてるだけです。 高級機との大きな違いが、こういう電源周りとノイズ対策にあるのです。 素子単体で言うと、随分技術の進歩で性能が進化していますから、安くても良い音質が得られるようになりましたから。 基盤の謎の大きな切り欠きは一体何なんでしょうか。 当初は乾電池のスペースかと思ったんですが、もしかしたらクロストーク対策とかかも知れませんねぇ。 一番入力レベルが小さいマイク入力端子と、電源部分とは対角線上にレイアウトされ離してある点からしても、限られたコストの中で最大限の工夫がされているのが伺えます。 半田付けが少々粗くて、私の入手したモノは電源ジャック部分に半田浮きが発生していました。 そこ以外も一通り手直ししておいたので安心して使えます。 こういう不具合があってこそ分解したのです。必要が無いのにバラすのは良くないですからねぇ。 (もっとも必要があっても、むやみに分解するのは絶対にオススメしません)
とりあえず、PCカラオケのつもりで接続してみます。 ヘッドホンで聴くと無音時のノイズが目立ちますが、スピーカー経由ではそれほど気になりません。 以前のトランジスタ式でのマイクアンプ/エコーとは比較にならないほど、歪みが少ないのがイイですねぇ。 大きいスピーカーのシステムで使ってみましたが、こちらもなかなかに良い感じでした。 さすがにノイズが目立ちますけど、気にしなければ何とかなるでしょう。 多分、ほどほどの音量で楽しむシステム前提で設計されてんでしょうから。 ぶっちゃけ、音が良いのかどうかと聞かれれば、自信を持って「良いです」と答えることができます。 ちなみにマイクアンプのゲインは結構ありますので、付属以外のマイクを使っても大丈夫です。 もちろんファンタム電源に対応していませんから、プロ用のコンデンサーマイクなんかは直接つなげませんけど、そもそもそんな使い方は想定外ですから。 でもちゃんとしたボーカル用マイク(ダイナミック型)を繋いでも、そこそこの音量で鳴らす事が出来るのです。
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