●2014年12月27日(土)
バイク修理のネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ いろいろ手広くヤッていると、中にはとても作業難易度が高いのに当たります。 基本的に修理代(工賃)の計算はメーカーが出してくる標準工数に基づいて行っていますが、この基準は時には実状に合わなかったりするコトもありますねぇ。 まぁ大抵は、「そんな時間で出来るワケないだろ〜」的な方向に行っちゃっているのですけど。 とにかく手間が掛かる作業ってのは、一重に構造・設計が良くない場合なんですねぇ。 丁度それが2つほど続きましたので、愚痴も交えてご疲労・・・・披露します。
まず一つ目は、ヤマハの旧セロー系で。 オフロードバイクは足回りのストロークが大きく取ってあるので、スイングアームにはチェーンスライダーやガードなどしっかりしたのが付いてます。 そして、日常的にそれらが擦れて使うようになっているので、いわば消耗品の扱いなんですねぇ。 このチェーンスライダーは、スイングアームの根元部分に装着されています。 通常の形状は、平べったい板状のをU字型に曲げてピポッド部分を包み込むようにするタイプ。 もしくは、H字型形状になってて、スイングアーム後方側から差し込んで固定するタイプですねぇ。 しかし、何故なのか旧セロー系に関してはトンデモナイ構造になってんです。 それは・・・・スイングアームをフレームから取り外さなければ交換が出来ない形状なんですねぇ。 ちょうどA字型になってて、ピポッド部にはまり込んでいるんです。 しかも材質が硬い樹脂製でして、経年劣化により脆くなり割れてしまうコトが良くあります。 そして部品代も、約4千円ほどとお高いんですねぇ。(海外製の偽物部品もありますけど)
交換作業は、当然ながらスイングアームを取り外さなければなりません。 しかし、リヤサスがリンク式になっており、さらにスイングアームはフレームだけではなくクランクケースにも共締めされているんです。 そして足つき性の良いコンパクトな車体故に、リヤサス周辺はスペース的にぎゅうぎゅうなんですねぇ。 更にトドメとして、最初のセローは後輪ドラムブレーキで作られ、その後で無理矢理ディスクブレーキ化された経緯がありますから、後ディスクのモデルだとリヤサスリンクのボルトを取り外すのにブレーキ廻りのパーツが邪魔になるんです。 リンク部分を分解すれば当然楽に作業は出来るんだけど、とにかく狭いですからねぇ。 まぁ実際にはスイングアームは完全に取り外さずとも、リヤサス下部とアームピポッドシャフトを外して根元を上方へズラし、フレームの三角部分に合わせれば、隙間からスライダーを入れることは可能なんですが。 そしてトンデモナイコトには、この作業工数がなんと驚きの、0.1Hになっているコトです。 ヤマハはパーツリスト(ネットの部品システムではなくて、冊子になっている奴)に主要パーツの交換工数が記載されているんですよん。 これは絶対にミスプリントだと思いますねぇ。 もしくは、最初の頃はチェーンスライダー形状が違ってて、もっと楽に交換できたとか。 この手のバイクのスイングアーム関連の工数は、大体1.0〜1.1Hが標準です。 なので、多分単純なミスプリントだろうとは思いますが・・・・・長く続いているシリーズなのにずっと訂正されてないですねぇ。 部品代と合わせて、1万2千円ほどのお会計になるはずです。
ちなみにセロー系のリヤサス周りは生意気にもリンクサスになっているのです。 このクラスはシンプルで簡略化された造りになってるのが殆どなんですが。 その代わりと言っちゃァナンだけど、軸受けは全て樹脂ブッシュで構成されてんですけどね。 ここまでニードルローラーベアリングとか使えとは流石に言えませんな。バイクが高くなっちゃいますし。 なので、もしもチェーンスライダー交換をする場合には、この周辺の全てのブッシュも取り替えてあげたくなります。 走行距離や使い方にもよりますが、少なからず消耗している部分ですからねぇ。 ちなみに耐久性としては、意外に結構あったりするのです。 まあ他の、軽二輪クラスまでのバイクの中にも樹脂ブッシュの軸受けを使ってるモノも結構多くありますからねぇ。 分解清掃して給脂でも良いけど、まぁ予算とかに応じて作戦を立てて欲しいですな。 でも、ヤルんなら一度にやっつけるのがオススメです〜〜〜〜〜〜〜〜@
もう1つ。 モンキー/ゴリラのフロントサスペンションですが、原付きスクーターなんかに良く見られる構造ですねぇ。 ダンピングとか剛性は弱いんだけど、ミニバイクなのでこんなモノってな感じになってます。 しかし、激しくコキ使っていると当然ガタが来てしまいますから修理をしなければなりません。 このサスペンションも樹脂カラーが使われてて、グリスがたっぷり封入されてる所をコスコスコスコスと擦られながら作動しています。 この樹脂カラーが消耗するんですねぇ。 ちなみにエンジン改造とかをしてスピード域が高く使ってると勿論、磨耗も早くキてしまいます。 それとノーマルフォークを使用したディスクブレーキなんかでも、特にキャリパーが付いてる側がすぐにダメになりますねぇ。 本当にたま〜の休みにちょっと乗るペースならばイザ知らず、日常的に乗り回すとか、ビュンビュン走らせるなんて使い方をする方には絶対にフロント足回りの見直しをオススメする所以です。 と言うのも、ここの部分のメンテナンスはちっと手間が掛かるんで、修理代がお高くなるからですねぇ。
今回はサスペンションのオーバーホールではなくて、フォークシールの劣化が気に入らないから新品にして欲しいと言う要望でした。 部品代としては対したことはないんだけれど、このフォークの構造を知らない方だと簡単に交換ができると勘違いする人がそこそこ居るんですねぇ。 外から直接見えてて触れますから、そう思ってしまうのも仕方ないんですが。 実際には、左側(メーターギヤ側)のシール交換は簡単です。 ホイールを取り外してフォークの下から差し替えるだけで済みますからねぇ。 工数としては大体0.2〜0.3H位なモノでしょう。 しかし、ブレーキが付いてる右側はそういうワケには行きません。 ブレーキケーブルの受けと、ドラムプレートのストッパーがあるので、シールはフォーク下には抜けません。 なので、一度インナーパイプ/スプリング部分を抜き取ってから分解してって、フォークパイプ単体にしなければならないのです。 すると、インナーパイプ(右)交換と同等の0.6H位の作業になってしまうんですねぇ。 てなワケでして、シール両側交換すると0.8H(=\6,500-位)に部品代が\1,500-位の、合計\8,000-ほど掛かるんですな。 これもある程度距離を走ってる場合には、カラーもついでに新品にしてあげると、足回りがシャキッといたします。 カラーは上下・両側で、\2,000〜位ですねぇ。
自家整備でも良いんだけど、サークリップの脱着がやりにくいとか、4mmのロールピンを抜くのが大変とか、グリスでベトベトな中での作業ってコトで心して取り掛からなければなりません。 簡単に交換が出来るなんて勘違いは、困りますよん。 いくらチャッチィ構造のフォークだからって、やっぱり足回り部分なんですから、メンテには相応に手間が掛かるんです。 むしろ構造なんてそんなに問題になりませんねぇ。(部品代の方には違いが出てきますが) ちなみに、最初のセロー系チェーンスライダーでもそんなんだけど、部品に切れ込みを入れて後で接着し楽に取り付ける手法もあるようですが、これはオススメ出来ませんねぇ。 力も掛かる部分ですし油もありますから、接着しても後で必ず剥がれて来ます。 とりあえずその場しのぎで、という考え方が透けて見えてて、私はこういう流儀は好きではありません。 そんなやり方がされていたら、壊れているのと同じ扱いですし、他の部分のメンテナンスの信頼性も疑ってしまいます。 やっぱり修理したらずーっと安心して使いたいです。
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