●2014年08月17日(日)
先日紹介しました、ヤマハの新モデル★トリシティ125を試し乗りして来ましたv キャッチコピーが「ナニコレ!?」ですので、いっその事この三輪の名称は「ナニコレ125」と呼んだ方が宜しいのではないでしょうか。 まぁその後に、珍百景と続きそうな感じはしますが。 呼称は、ヤマハ・ナニコレ珍百二十五で決まりでしょう。 おさらいしますと、ヤマハが9月に発売する新しい三輪バイク。 最大の特徴は、前輪が2つ、後輪が1つという特殊な乗り物なんですねぇ。 メリットとしては、前輪の安定性が非常に高い。 かつ、ハンドリング特性がとても良いんだそうな。 そもそも、バイクの前輪は昔からさして変わらない大きさのままずーっと来ている。 後輪に関して、往年のレーサーと現代のスーパースポーツを比較するとサイズが物凄く太くなっているにも関わらずです。 何故、フロントタイヤはそんなに太くなっていないのかと言うと、どうしても太くするとハンドリング特性が悪くなるから。 でも基本的にタイヤは太いほどグリップ力も高くなりますので、グリップ力とハンドリングを両立させるのには矛盾を解決しなければならないんですね。 んで、細いタイヤを2つ並べてあげて、グリップ力を稼ぎつつもハンドリング特性をスポイルしないと。 そんな考え方から、前輪2つのトリシティが生まれたとのコトであります。 ちなみに、この形式の乗り物はイタリアのピアジオ社が先駆となってるいるので、ヤマハが最初ではないですよん。
で、まずは実際に乗ってみたインプレ。 着座姿勢は普通のスクーターよりも「お上品」な感じです。 足元周辺が狭いってのもあるんだけれど、目線も高いんですよねぇ。 なので、オフロードバイクを乗っている感じにちょっと似ています。 スタートからの加速は、車重をかなり感じるものの結構力強いです。 「うわっ、速ぇー」なんてコトはありませんが、充分に実用的な加速をしてくれます。 直進安定性の良さは、まぁそこそこってトコですねぇ。 と言うのもアイポイントが高いので、どうしても腰高感=不安感に繋がるんです。感覚的な問題なのですが。 慣れてしまえば何てことはありませんけどね。 何となく、フロントタイヤはすごく太いヤツを履いているような感じです。 しかも、そのタイヤはクルマ用みたいに四角い断面の。 それでも違和感まではいかず、バイク(二輪)に乗っているんだって気持ちは失うことはありませんよん。 乗り心地は比較的良好。 ホイール径の大きさもあって、125ccと言うよりか250ccのビクスクに乗ってる感じです。 でも足回りはちょっぴり硬い目なので、フワフワする感じはありません。 で、バンクさせて旋回状態に入ると、この乗り物の本領発揮です〜〜〜〜〜〜〜〜@ とにかく、ステアリング舵角が決まった状態での安定性は尋常ではありません。 ビターッ!!とフロントタイヤが路面に吸い付いてグイグイと曲がってイクのです。 普通のスクーター感覚で曲がると2倍位コーナーの内側に入って行きますねぇ。 ※試乗で最も判り易い試し方は、定常円旋回だと思います。 切り返しもそこそこ軽快です。 これは良いですなv さらに、曲がりながらギャップに突っ込んでみます。 前片輪のみハネる状況では、本当にビクともせず何事も無かったように乗り越えて行きます。 これは内側でも外側でも同じ。 次にちょっと意地悪して、前両輪が同時にギャップに掛かるようにすると・・・・さすがに乗り越える一瞬、ステアリングが反応しますねぇ。 でもフロントが外側に飛ぶのではなく、上下に跳ねる感じですのでラインがそれほど乱れません。 これが普通の二輪だとフロントが暴れて振られ、収束するのにしばらくバタバタする所でしょう。(いつもカブでやってます) ナニコレ125では、本当にごく一瞬ビクッとキックバックがくるだけなんです。 ここまで試すと、「もしかしてコレって、相当転び難いバイクなんじゃないか?」と思うようになります。 逆に言うと、ここまでやんないと良く判んないんですねぇ。 訴求力ってのは弱いと感じました。 ジャイロシリーズのような、判り易い転び難さってのは感じられないんです。 人に余りにも優しすぎて、それが売れ行きに対し裏目に出なければ良いのですが。 ブレーキングの時も、とにかく安定しています。 コーナーリング中に軽くフロントブレーキを当ててみましたが、ラインは膨らみも巻き込みもしません。 この曲がりのフィールはとても良いですねぇ。 これまた、ハンドリングに拘るマニアのレベルじゃないと「ふーん」で終わってしまいそうな気もするのですが。 何回も言いますが、旋回中の安定性はスゴく良い感じなのです。
誉めてばかりではぶいぶいコラムらしくないので、重箱の隅を突付いてみます。 敢えて細かいフィールを追求させていただくと、と言う前提ですよん。 真っ直ぐ走っている所から。旋回モードに入る「極初期応答」が甘いですねぇ。 つまりバンクさせてからフロントが内側へ向くまでのタイムラグと言うか、無反応の部分がちょっと気になるのです。 四輪で言う所、ハンドルの遊びがあるみたいな。 これは、連続スラロームする時だとはっきり判りますねぇ。 でも初期応答性ではなくて、極初期応答性なんです。 この曲がり初めのルーズさは、ハンドリングの重さを感じる部分でもあります。 しかしフロントが反応して曲がり始めてしまえば、今度はそこから自在に旋回度合いを替えられますんで、ハンドリングは軽快だと感じるんです。 この、重たい→軽快のフィールの不連続性はちょっと気持ちが悪いですな。 もっともここの甘さがあるので楽に乗れる、って考え方もありますから一概に悪いとは言えませんよん。 それと、なんかステアリング軸が立ち過ぎている感覚があるんですねぇ。 クルマで言うと、トラックとか旧ミニを運転しているような感じ。 これはポジションのせいもあるかも知れませんが、どうしてもハンドルにしがみ付くような乗り方に近くなってしまいます。 どちらかと言うと、この手のバイクはふんぞり返って乗りたいなーと思いますねぇ。 最もバイクのステアリング軸ってのは足回りに直結しているのが普通なので、キャスター角に応じた後退度に自然になるんです。 キャスターが立ってる車種だと必然的にフロントに覆い被さるようなポジションになりますねぇ。 でもこの三輪バイクの場合、ステアリング軸とフロント足回りを支えている軸とは別なので、この辺の自由度はあると思うんです。 例えばステアリング軸だけ後ろに傾けて、ピロボールでリンク軸を結合するとか。 もっとも、初めての三輪モデルなんだからここまで細かく気にするのはナンセンスかも知れません。 もしも次モデルがあるのならば、ポジション(ステアリング軸含む)とか車体パッケージングもより洗練されて行くと思います。 ここからは要らん心配と言う事で。 三輪バイクってのは、ズバリ初心者やお年寄りへこの安定性=安全性をアピールしたい所ですよねぇ。 この点、ホンダ・ジャイロシリーズはバッチリでした。 しかし問題は、この立派な車格。 125ccと言いつつも、取り回しや扱いは250ccビクスクに近いモノがあります。 つまり、大きさ・重量のおかげで、ある程度バイクの扱いに慣れていないとひょっとしたら持て余すかも知れません。 初心者に対して、優しいんだか厳しいんだかって矛盾を抱えちゃってますねぇ。 この点もジャイロの場合にはパーキングブレーキで自立するってコトと、バンク機構のラバークッションで中立させやすくしてあって、初心者やお年寄りにも扱いやすくなっていました。 ナニコレ125の場合、中立付近の落ち着きはかなり高く、信号待ちスタンディングも楽々なんだけど、如何せん目線が高すぎます。 バンク時にもアイポイントの高さ故、オフ車とかに乗りなれていないと「高い所から逆さまに落ちて行く感じ」恐怖感に悩まされるかもしれませんねぇ。 慣れてしまえばどうってコトはないんですが、取っ付き易いバイクかどうかってのははっきり回答ができにくいですな。 面白がって乗ってくれれば良いんですけど。 まぁコンセプトからして迷走気味ですから、仕方ないのかも。 旋回中の安定性と曲がりのフィールが絶品バイク、としか言いようがありませんな。それと奇抜な見た目。 ちょっと手厳し過ぎたかな??? でも基本的な乗り味はしっかり煮詰めて作ってあって良い仕上がりですよんv
今回のコラムは、長文です〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ 新しい三輪バイクなので張り切ってますからご容赦を。 ぶいぶいらしく、改造・カスタムの可能性を探って見ますv 既にワイズギヤからはアクセサリー関連が用意されてます。 長いスクリーン、ローシート、お洒落シート、リヤキャリヤ、ボックス等など。 でも私にはこんなの興味ナ〜イv そもそも、125ccの三輪バイクってのは、法律的にどうなんでしょうか。 実は2008年に法改正されて、トライクやサイドカー等の三輪車の規定が見直しされました。 きっかけになったのはピアジオ社のMP3、つまり伊ナニコレですけどね。 三輪ってのは法律の隙間に位置する感じの乗り物なのです。 ミニカーに関しては、ジャイロ改造やモンキー・ゴリラトライク改造なんかで市民権を得ています。 色んな規定があるんだけど、その中で最大のポイントは「ミニカー=50cc未満である」こと。 つまりエンジンパワー不足でも排気量upなんかしてしまったらダメっちゅうことですな。 ミニカーではなくなってしまうんです。(何になるのかは後述) で法改正のポイントは、ずばり「特定二輪車」にあります。 これは50ccを越えるクラスの三輪車に対する規定なんですよん。 (1).3個の車輪を備えるもの (2).車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に備えられているもの (3).同一線上の車軸における車輪の接地部中心の間隔(トレッド)が460 mm 未満であるもの (4).車輪および車体の一部、または全部を傾斜して旋回する構造を有するもの これらの項目を満たすと「特定二輪車」となり、運転には自動二輪(オートバイ)の免許もヘルメット着用も必要となります。 つまり、三輪だけどバイクって扱いですねぇ。 ちなみに125ccならば、普通に第二種原付きになるんです。 じゃあ特定二輪車になれない場合はどうなるのか。 (1)の項目は置いといて、(2)ですがこれは形態的に側車・サイドカーになりますねぇ。 但し側車付き二輪車ってのの中には「第二種原付」なんてクラスはありません。 50ccを越えていたら一律「側車付二輪自動車」なのです。(軽と小型の区分はありますが) で(3)もちょっと置いといて、(4)のスイング機構の有無なんだけど、スイングしないんならば「トライク」になるんですねぇ。 ちなみにトライク=クルマ(四輪の仲間)なので、ヘルメット不要・クルマの運転免許が必要となるんです。 ここで先ほどの改造ジャイロ等のボアアップ車で考えてみると、そもそも(3)の項目はミニカー登録する時に500mm幅以上にしてますので該当しなくなります。 モンキー・ゴリラトライクなんかだと車体がスイングしないので、(4)の項目に該当しなくなるんですねぇ。 つまり特定二輪車にはなり得ない、と言う結論になります。 何になるかと言うと、「側車付き軽二輪」名目のトライク(クルマの仲間)なんです。 つまり250ccバイクと同じ、白いでかいナンバープレートが付くんですねぇ。 トライクの法律的な立場は、道路運送車両法上では側車付二輪車/道路交通法上では普通自動車とみなされます。 判りやすく言うと、税金や登録はバイク・運転時(免許など)はクルマという扱いなんですよん。 50cc以下のトライクはミニカーという特別な種類になります。 50cc〜250ccまでは、登録の名目上「側車付軽二輪」です。登録書類の記載は「軽二輪車」ですが。 250cc〜だと車検が必要になり、車体形状は「側車付オートバイ」と記載されます。 でも、トライクはいずれもクルマの免許が必要で、ヘルメットは不要ってのは同じです。 ちなみに50ccを超えるトライクは合法的に高速道路を走れるのですよん。(これはサイドカーでも同様) 制限速度も、一般道=60km/h,高速道=80km/hとクルマと同じなのです。
トリシティは125ccの三輪ですねぇ。 前輪が2つ、後輪が1つなので「逆トライク」とか「リバーストライク」と呼ばれるカタチです。 これもトライクの仲間になりますよん。 でも、最初に書いた「特定二輪車」に該当するのです。 (1)の項目はok。(2)の項目も左右対称なのでokですね。 (3)に関しては、前輪のトレッド幅を測ってみると実測で390mmでした。 (4)の項目も、バンクさせて曲がりますからok。 つまり、ナニコレ・トリシティは125ccの「特定二輪車」に該当するのです。 ようするに三輪だけど、二輪オートバイとすべてに於いて同等なんですねぇ。 お墨付きなんです。 ここから、ぶいぶいEg共和国らしく、ちょっと改造プランを練って見ますv 多分何処かのショップがやると思いますが・・・・特定二輪車ではなくしてしまおう計画。 (1)〜(4)の項目の中で、改造によって非該当にする現実的な方法は、(3)のトレッド幅の見直しでしょうね。 タイヤの数は減らせないし、増やすとトライクではなく四輪になっちゃうんでややこしくなりますからダメ。 タイヤの付いてる位置関係もイジりにくいですな。 また足回りの構造上バンクさせる以外に曲がりようがありませんし。 実測値でトレッド幅が390mmですので、460mm以上にする為には70mm以上幅を広げなければなりません。 つまり片側35mmずつ外側へ前輪を追いやってあげれば、目出度く特定二輪車から脱出するんです。 ホイール周りの構造を調べてみると、片持ちなのでホイールシャフト(ボルト)が片側から刺さっているだけですねぇ。 つまり、ホイールとボトムケースの間に35mm以上のスペーサを突っ込み、ホイールシャフトもそれに応じた長さの物に交換。 ブレーキディスクの位置が変わると困るので、ディスクの取り付け部に同寸法のスペーサを取り付けて調整。 35mmと言うと、タイヤの幅が90mmなのでそれぞれ約半分位外側に移動するってコトになります。 つまり、スペーサとホイールシャフト(ボルト)だけで一応完了です。 ただワイドトレッド化をすると当然ホイールシャフト部分へ大きい力が加わりますので、スペーサの組み合わせだと強度に少し不安が出てきます。 足回りの基部はごつい造りになっているので、そんなに心配したコトはないでしょうね。 ブレーキディスクのオフセットに関しても、強度・剛性の心配がありますから出来れば削り出しでしっかりしたスペーサを製作したいですな。 もっともこれらの問題点は改造ジャイロでも同じなんですが。 アライメントが変わるので、当然ハンドリングも変化するでしょう。 しかしそもそもが特殊なレイアウトの乗り物なので、それを再セッティングして仕上げるってのは苦労しそうです。 実用上問題のない範囲内で収まってくれれば良いのですが。 それとフェンダー位置も変更しなければなりませんねぇ。 ただこのフェンダーは足回り部分を覆っている形状なので、カットするとか単純な加工では解決できなさそうです。 格好を悪くしないで何とかなれば良いのですが・・・・。 外してしまうと見た目から寂しすぎますねぇ。作り直しするのが理想です。
で、ワイドトレッド化をしたら、ナニコレ125改は軽二輪トライクになります。 どう変わるのかと言いますと・・・・・ ●高速道路を走れる ●クルマの免許が必要。(バイクの免許は不要) ●ヘルメットは被らなくても良い デメリットは税金や保険料が高くなるコトです。 ちなみにナンバープレートは、250ccと同じ白いでかいのが付くはず。 問題は、手続きですねぇ。 まぁボアアップミニカーと同様なので、方法はあると思います。 改造した証明は、ミニカー改造と同じように写真添付かな。 (タイトル写真中段みたいじゃなく、幅と車体番号とが明確になるようにしなければならない) 面白そうなので、機会があればやってみたいですねぇ。 ノーヘルで走ってたら、何かと物議を醸し出しそうですが・・・・・。 軽二輪ナンバーが付いているからって、寸法測ってみなければ「トライク改」なのか何なのかが判んないんですからねぇ。 ノーヘルは見た目ですぐ判るのに、改変内容は書類見るなり測定しなければ判んないなんて、ややこしいです。 取り締まる側にとってはた迷惑な乗り物になりそうですな。 バイクの免許を持たない人も乗れるようになるけれど、実質バイクの乗り方を要求されるんで安全性の点で大いに問題アリでしょう。 安全性って言えば前述のノーヘルも同様ですねぇ。 残りは高速道路走行だけなんだけど、実際125ccクラス(しかも重量級)ではあんまり走りたくない雰囲気ではあります。 いずれにせよ、話のネタとして楽しむのが正解のようですねぇ。
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