●2014年05月16日(金)
まだまだ続くよ、かもめカブc97製作ネタ。 本日は、カブ90(HA02)のタイカブ97cc仕様ボアアップの詳細に付いてです。 CD90も腰上に関しては同じですから、同様の改造が可能です。 カブ90は、ボア×ストロークがφ47.0mm×49.5mmで、85.9cc(公称85cc)です。 そしてピストン流用するタイカブ100EXのピストンはφ50.0mmで、ストロークはカブ90と同じですから97.2cc(公称97cc)ですねぇ。 ちなみにタイカブ100EXにも以前オーバーサイズピストンが用意されてました。 +0.25,+0.50,+0.75,+1.00mmの4段階あったんだけど、一番大きな+1.00mmOSを使うとボアがφ51.0mmなので排気量は101.1ccと大台に乗るんです。 もっとも後述しますが、シリンダーのボーリング代に余裕があればなんですが。 素朴な疑問として、ノーマル85ccと改造97ccでそんなに差があるのだろうか? ピストン径で言うと3mmですからねぇ。 でも答えは「はい、かなりの違いが体感できます」です。
ボアアップ改造に関しては、排気量の絶対的な数値ではなく、増加する割合でイメージしなくてはなりません。 つまり13%の増加ってコトですから、パワーもトルクも13%増えるっぽいイメージですねぇ。 (実際には正比例して増えるワケではないですが) エンジントルクが1割以上も向上すると、これはなかなかの違いですよん。 もっとも、駆動系への負担とか発生する熱なんかも同じように増えてしまうので、その対策もしなければなりませんが。 まぁトルクが増える代わり、他の部分が同じならば高回転の伸びが悪くなります。 計算では今までのレブリミットの88%位までと言うコトになりますから、ギヤ比をちゃんと見直さなければトップスピードが低下してしまいますねぇ。 カブ90のスプロケットは15/39Tですから、ドライブ側スプロケットを16Tへ変更する位はやっておきたいです。 1T増しならチェーンの引き代が1/2コマ分前に行くだけで済みますから、チェーンの道連れ交換はしなくて済みそうです。 つまり、千円位をギヤ比セッティング部品代として考えておかなければならないのです。 ちなみにドリブン側スプロケの丁数で小さいヤツは純正だとカブ70の36Tしかありません。 もちろん補修用パーツメーカーのNTB製も出ています。 社外品だと私も使ってるキタコ35Tとかが良いですねぇ。 まぁここはゆくゆく細かく詰める時ってコトで。 ((この項目でのチューンナップ部品予算は、約1千円ちょい))
駆動系への負担増・熱対策に関しては、まずはオイル銘柄の選定で対策するのが宜しいかと。 カブの自動遠心クラッチはオイルとの相性が結構キツイようですから、高性能オイルの中から合うヤツを探さなきゃなりません。 こればかりはイロイロと入れてみなければ判りませんが・・・・。 ちなみにぶいぶいでは、ヤマハのプレミアムを推奨しております。 値段はちょっと高い(2千円ちょい/1L)けれど、その分優秀なオイルですよん。勿論長年に渡ってカブへの相性は実証済みです。 ホンダのオイルは、実はG2しか試していなかったりするのですが。 (G2は普通クラスの銘柄なのです。ちょっと熱ダレに弱いかな?) クラッチに関しては、これは基本メンテをしっかり行うしかありません。 距離を走っているバイクの場合は、念の為早めにクラッチ板の交換をしておくと良いでしょうな。 今回の作戦でも、やっぱりクラッチ板はOH交換するコトにしてますです。 部品代は確か4千円位だったかと思います。 それと、オイルポンプ強化ですねぇ。 これは社外の強化品でも良いけれど、ぶいぶい推奨はタイカブ100EX流用です。 タイカブオイルポンプは以前とは品番が変わっています。 品番[15100-KWB-600] 税抜き参考価格\2,624- (※現時点にて) オイルポンプのガスケットは別途ですが、\300-位だったかと。 でもFIカブになってからこのガスケットは省略されているんですねぇ。なので要らないのかも。 カブ90のオイルポンプローター厚みは7.0mmだけど、タイカブ100EXは9.0mmあるので沢山のオイルを回す事が出来ます。 ((この項目でのチューンナップ部品予算は、約5千円ちょい)) ※クラッチOH含まず
そして、純正シリンダーのボーリング加工が出来上がりましたv シリンダーのスカート部分に余裕が少ないので、かなり作業には気を使ったとのコトです。 実測で、スリーブ外径は52.5mmほどですから、そこに50.0mmの穴だと壁の厚みは1.25mm位しかありませんねぇ。 ここはモデルが古い場合だと、もっとスカート部分の寸法は大きかったりするようです。 確か以前、φ51.0mmのピストン使うのにボーリングして、スリーブ厚残り2.0mm位ありましたんで。 新しくなるにつれて50cc版準拠でスリム化でもしたのかな? とにかく、この部分はちょっとした運試しみたいなモノでしょう。 ちなみにガスケットですが、以前から社外品を使用しております。 φ50mmピストン用と言えば、以前は武川eステージ80cc用のガスケットを愛用しておりました。 でも最近は、いわゆる台湾ボアアップキット用の80ccが出回ってて、それ用の補修用ガスケットもイロイロとあるので助かります。 写真のガスケットセットは、約1千円と安いけれど材質や精度も上々で、中々宜しいですよん。 タイカブ100EXピストン関連ですが、品番と現時点での参考価格を書いておきます。 当然なんだけどお値段は段々値上がりしていきますから要注意ですよん。 ピストン [13101-GN5-912] \2,764- ピストンリング [13011-GN5-315] \2,548- ピストンピン [13111-087-000 ] \432- サークリップ [13115-GN5-910]2つ\236- ※2つ必要 --------------------------------- 合計金額 \5,980- ヤフオクで、このセットを1万円のお値段で販売してるのを見かけました。 品番調査の手間賃にしては、ちょいとボリ過ぎですよねぇ。 だいぶ前は5千円弱で揃ったんだけど、純正部品の値上がり幅の大きさは恐るべしってトコですな。 ((この項目でのチューンナップ部品予算は、約1.4万円))
カブ90@97改造の関連部も含めた部品代を合計すると、約2万円となるのです。 (クラッチOHもすれば、約2.4万円ですねぇ) ちなみに、作業工賃は概算で2.7hですから2.2万円位です。 つまり、ボアアップ代の合計金額は4.4〜4.8万円位となるのです。 ぶっちゃけ、5万円コースってトコでしょうか。 キャブのセッティングは含んでいませんけど、場合によってはMJを一段階upしなきゃならないかも。 工数計算はちと難しいけど、0.6h×2の1.2hで、部品代と合わせて1万円位かな。 ここは吸排気系の組み合わせとかでケースバイケースなので、別勘定と考えておいた方がよさげです。 本日のコラムでは関係無いけれどオマケとして。 カブの完全ロータリー化に要する費用も計算してみます。 ガスケットはクランクケースも腰上も全て必要ですから、この場合単純に完全ロータリー化のみ依頼されたと仮定します。 ガスケットは社外品を使うとして、クランクケースセンターはPOSH製\1,620-、腰上はキタコ製で\1,800〜\2,000-。 ガスケット代の合計は、3.6千円ほどですか。 エンジンオイルの交換も必要です。0.8Lの普通のクラスのオイルだと、1千円位。 一番のメインは作業工賃だけど、工数は4.0h位ですから、約\3.2万円です。 すると、合計金額は、約3.7万円となりますねぇ。 完ロリ化ってのは大掛かりな作業になるだけあって、お高いんですね。 「レバーとバネを取り外すだけ」と一言で済ますのは暴言に相当すると思って良いでしょうな。
カブ90乗りの方、参考になりましたでしょうか。 ぶいぶいオススメのリーズナブル改造プランなんだけど、やっぱり金は結構掛かりますねぇ。
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