2014年05月のコラム
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●2014年05月31日(土)

さてさて、リードの大修復作戦、最終版です〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

ちょっと回り道をしてしまいましたが、新品のシリンダーとピストンを組み込んで修理完了です。
もちろんですが、台湾製の補修部品を使用しました。

結局、クランク(CM製)とシリンダー・ピストン(KJT製)は全て台湾パーツでの修復です。
もっとも台湾製品の品質は悪くは無いので、そんなに心配することはないんですけどね。
でも一応、2時間近く掛けて腰上部品の詳細なチェックとバリ取り作業をしました。
細かく見て行くと、加工精度はそこそこ良好だが、仕上げの点でちょっと雑な部分がありますねぇ。
ポート開口部のバリ取りは、小さなリューターでガーッとさらっただけって感じになってます。
この部分は、ピストンリングが引っ掛かるととても困りますので、しっかり滑らかに仕上げたいモノですな。


ここで、そもそもの状態に付いて再度見てみましょう。
「びっくり修理」がしてあったんですが、そのクランク端のボルト止め加工ってのは写真の通りです。
多分、端のネジ部を折ってしまったので何とかしようと頑張ったんでしょうな。
私の感覚だとそんなのクランク交換すりゃイイのにって思うんだけど、普通は腰下整備なんてのは大事ですからねぇ。
気軽にクランクシャフトを取り替えようって思う方がオカシイんでしょうな。

M8ボルトで止められるようにしてあるんだが、如何せん手加工ゆえの悲しさ、ボルトは若干斜めに入っちゃってます。
そもそもキックスターターギヤが絡み付く部分にボルト頭が来るので、キックが使えなくなってます。
そして、気になったのがプーリーフェイスの部品がどう見ても新品に交換してあるんです。
もしかしたら、クランク端のネジ部はエンジン稼動中に折損したのかも知れませんね。

プーリー部に過大な力が加わったと見えて、クランクシャフトが少し曲がってしまっています。
クランキングをすると、シャフト端で約3mmほど振れてます。
ここは中々曲がる所ではありませんので、相当な無理をしてたようです。


さらに、シリンダーがどうやら社外品で、しかも粗悪品のようです。
シリンダーを修正して新しいピストンを入れたんだが、ちょっと回したらすぐダメになってしまいました。
しかも、排気ポート脇に強く当たった様子が見られます。
普通、こういう異常な当たり方はしないんです。
もし慣らし不足の場合だと、ピストンピンから見てラジアル方向、排気ポート方向とその正反対側にキズが多く入ります。
つまりピストンの首振り方向・シリンダー壁に擦れますから、そこが焼き付いてキズが付くのです。

排気ポートと反対側の掃気ポート左右に強く当たってる場合は、ピストンリングの馴染みが悪い場合。
ポートの縁に引っ掛かってたり、ピストンのリング溝への収まりが悪い場合なんかもそうですね。
これはピストンリングの合口がキズを付けるのです。

潤滑油不足で焼きついた場合は、ピストンピンとコンロッド小端にダメージが生じます。
もちろんピストンはシリンダー壁面に強く擦られてキズが付きますけど、ピストンピンもダメになるのが特徴です。
またサークリップが外れてしまってキズが付くケースもありますねぇ。

最初の状態も、新品ピストンを入れて一度回してみた後の状態も、ほぼ同様の壊れ方をしてました。
よくよく見ると、シリンダーのボアがセンターからズレて加工してあるようです。
しかもズレている方向がピッタリと、ピストンにダメージが生じた向きと合致してんです。
つまり、センターにシリンダーボアが無いので、ピストンが傾いて動いてる状態だったんですねぇ。
さらに一旦ダメージを負ったシリンダーなので、修復しても修復し切れなかったと。
それよりもピストンクリアランスが修正により広がったため、より傾き方向に寄って無理が掛かったようにも思えます。
ホンダ純正のシリンダーだと、まずこんな加工状態になってるはずはないのですけどね。
コスト制約を意識し過ぎて見落とした(と言うか、イケるのではないかと考えた)私のミステイクです。


社外品のシリンダーが必ずしもダメだと言う訳ではありません。
あくまで粗悪品がダメなだけで、ちゃんとしていれば十分使えるんです。
問題は、そのちゃんとしているかどうかをしっかりチェックしてから組まなければならないってコトですな。
・・・余計な手間が掛かるんだから、もしも工賃に反映させたらコスト的なメリットって無くなっちゃうような気もするのですが。
今回の大修復は、一旦私のモノになってからの話しなので、ぶっちゃけ工賃コストは除外して考えるので、どれだけ手間や愛情を掛けても大丈夫な特殊ケースです。

そもそも、リード90のクランクに関しては、大昔にやらかしたトラウマを抱えてたりします。
純正パーツを取り寄せて組もうと思ったら、間違えて50cc用のクランクを注文してた事件ですねぇ。
リードはAF20/HF05(50cc/90cc)が一冊のパーツリストになってるので、一段間違えるとこんな大事件になってしまうのです。
もう10年以上も前の話しだけど、未だに思い出しますねぇ。
だからこそ、その復讐と過去の清算を兼ねて、愛情たっぷりに今回のリード90をバッチリ修復したいのでした。

ちなみにオイルポンプのシールもダメになってましたが、これは社外品のシール単体で交換修理しました。
ホンダ純正だとオイルポンプA'ssyで交換になってしまいますからねぇ。
ちなみにオイルポンプA'ssyでも社外品が出ているのですが、シール単体の方が圧倒的に安いです。
しかもオイルポンプ本体は悪くないのでシール交換のみとしました。


組み付けてから、しっかり慣らし運転をする計画をたてました。
まずプラグですが、イリジウムが付いてたんだけどこれを普通タイプに交換しました。
慣らし運転中はどうしてもオイル被りを起こしやすいので、普通タイプのプラグの方が良いのです。

慣らし運転モードでは、まず最初に燃料タンク内のガソリンもオイル混合をしておきます。
混合比の目安は、私の流儀だと通常混合比の2倍ほど。
25対1の場合は50対1、40対1の場合は80対1です。
これは分離給油システム側からもオイルが来るので、あんまりビビって混合比を高くするとオイル過多となり、オイル被りが起きてむしろ燃焼状態も悪化します。
キレイに完全燃焼させてあげないと、ちゃんとした慣らし運転にはなりませんからねぇ。
さらに、混合油として使う銘柄は、私は出来るだけ「混合専用」のレース用オイルかそれに近いのを使用します。
やはり少量でも強力な油膜を生成してくれるのが頼もしいですからねぇ。
まぁ出来るだけ混合で入れるオイルを少なくしたいって気持ちもあるのですが。

燃焼状態から考えれば、オイルなんてのは余計なモノでしかありません。
ガソリンと空気だけが理想なのです。

そしてオイルポンプからのエア抜きをしっかり行ってから、実走行に移ります。
スクーターの場合は「速度縛り」で慣らし運転をするのが良いですな。
スロットルは1/2までしか開けないと決めて、後は最高60km/hまで。
第2種原付きだからこの速度なんだけど、走行コースを選べば充分実用速度域の中で慣らし運転が出来ますねぇ。

慣らし運転をどの位行うかと言うと、目安として燃料タンク1杯分。
混合燃料になってるガソリンを使い果たして、新しい100%ガソリンに入れ替えるまでは行いたいです。
その状態でまたキャブレターの再調整をする必要がありますからねぇ。
大体100〜200km位走行しなければならないでしょうな。

ちなみにリード90の燃料タンク容量は、7.2Lです。
床下タンクなので最後の一適まで使うワケには行きませんが、燃料計の残りが赤い目盛りに入るまでは使いたいです。
概ね5L位消費して新油注入ってトコですね。
燃費は大体30km/L位でしょうから、約150km走行する必要があります。


慣らし運転は、28日(水曜日)に行いました。
その前日にも少し慣らし運転をしたのですが、あくまで近所をグルグル・ウロウロしてただけです。
別件の仕事を早々に済ませ、まずお昼前に出掛けたのです。

平尾の自宅を出発して、まずは駒場ダム周辺道路をクルージング。
ここは慣れている道なので調子を確認するのに持って来いです。
(YouTubeにもビーノやカブで走行した動画がアップしてありますからね)
まだ組んだばかりなんだがある程度カドが取れた状態みたいで、スムーズに動いてます。
しかし、まだ無理は禁物。

駒場から萩へ抜け、南下して国道一号線(上り)に出ます。
そこから八幡町・筋違橋を通り、千両街道へ。
・・・ここまでで、本格的に慣らし運転をしても大丈夫そうと確信しました。
やっぱり途中で止まっちゃったら困りますからねぇ。

千両街道をずーっと北上し、新城市まで到達。そこから151号線に出ます。
横浜タイヤの工場の前を通り、豊川を渡って一鍬田方面へ。
そのまま直進し、コスモスで有名な富岡町まで行き、そこから豊橋鳳来線を南下して行きます。
豊橋市に入り、石巻まで来たら豊川IC方向へターン。
でも151号線に出たらまた南下して、五社稲荷手前まで行き、豊川市民病院の通り経由で帰宅。
ここまでで、約60kmほど走行する事が出来ました。


昼食を取って、昼過ぎから慣らし運転第2弾。
自宅を出てから、国府方面国道一号線に出て、今度は下り方向へ。
そのまま本宿町まで行き、新箱根を通って蒲郡に出ました。
蒲郡市役所近くの、とっておきのコーヒーショップに立ち寄り、コーヒーを飲んで休憩。
慣らし運転中は時々休憩してエンジンの熱を開放してあげるのが良いのです。

それから、バイクの写真撮影をする為に蒲郡は豊岡湖公園に行きました。
景色がとても良いスポットなんだけど、残念ながら午後だと太陽の位置が逆光になるのでその絶景が入れられません。
でも、バイクの写真は沢山撮影するコトが出来ました。
慣らし運転中で山道ってのはちょっと心配ではありますが、ある程度走行したら負荷を掛けてみるのも大事です。
もっとも2サイクル90ccですから全然余裕がありますけどね。
ちなみに60km/h縛りでも、平日昼間の道路ならば全く実用域で走れます。

それから、ちょっと燃料の残量を見ながらの走行です。
23号線を通り、途中151号バイパスに移り、ひたすら北上。
このまま一気にまた新城市まで行きます。
この辺りから燃料ゲージはどんどん減って行きますので、ちょくちょく走行中でもチェックしなければなりません。
結局は新城市に入ってバイパスを通り、馴染みの洋菓子屋さん隣のJAスタンドで給油しました。
この時点で、約150km走行で、給油量は4.9Lほど。
燃費は28.6km/Lです。

ここで新油を入れたので、それまで75対1の混合ガソリンだったのが240対1となりますので、ほぼ完全にガソリンのみとなります。
少しすると新油がキャブに回って来たようで、回転フィールがスッキリしてきました。
それを感じながら、千両街道を今度は反対に自宅方向へ走ります。
自宅に着くちょっと手前で、ふと買い物をしなければならないコトを思い出したので、そのまままた国府町のスーパーへ行きました。
そして買い物を済ませて、帰宅です。

あっちこっちウロウロし続けて、慣らし運転は約170kmほど行う事が出来ました〜〜〜〜〜〜〜@


さすがに下半身は疲れで重たいですねぇ。
特にお尻が痛いです。
でも、リードの乗り心地はとても良くて、原付きスクーターに乗ってた割には疲労度合いが少ないですな。
それと慣らし運転モードで大人しく走っていたのですが、そもそもそういう乗り方こそがリードの真骨頂なので、ストレスも溜まりません。

エンジンの調子はとても良く、もうスロットル全開しても大丈夫でしょう。
まぁ、燃料タンクにもう一杯ほどガソリンを使ってからにした方が無難ですが。
面白い事に、最初と同じスロットル開度にしても、当初は60km/hだったのが自然に70km/hまで速度が上がってんです。
当たりがしっかりとれた証拠でしょうねぇ。

60km/h縛りで走ってれば、振動は意外に少ないです。
吸気音が高効率エアフィルターの為にちょっと気になりますがすこぶる静かなモノです。
台湾クランクってのは結構使える精度と剛性があると思います。
(腰上パーツはあんまり振動には関係ない)


台湾パワーですっかり復活した、リード90。
生活の足として、とっても優秀なマシンです。

リードって便利だな♪

●2014年05月26日(月)

さてさて、台湾クランクシャフトの続きです〜〜〜〜〜〜〜@

折角エンジンを降ろしてバラバラにしたので、良い機会ですから念入りにチェックをしました。
駆動系は、とても良好な状態です。
と言うか、修理した形跡がありますねぇ。
多分、この駆動系の修理時に、例のクランクシャフト端の損傷をしたのではないかと思われます。

エンジンの腰上は・・・ここで重大な問題を発見。
当初は問題が無いだろうと思ったピストン・シリンダーなんだけど、分解してみると排気ポート右脇部分のみがかなり擦れて荒れています。
しかもピストンピンの固着も著しくて、なかなか抜けてきません。
焼き付きにしては、荒れてる箇所が妙ですねぇ。
もしかしたら、クランクシャフトのブレによりピストンの当たりが変になって無理が加わったのが原因なのかも。
いずれにせよ、ピストン関連は完全に使用不可能です。

シリンダーは、なんとか手直し修正をすれば使えそうな気がしますねぇ。
と言うのも、このエンジンは90ccなので、シリンダーボアが結構大きいのです。
ボアが大きければ、多少修正しても影響は少ないから、何とかなる可能性が出てきます。
もしもこれが50ccエンジンだったら、完全にアウトですけどね。
こればかりは、やってみなければ判りません。


当初から、必要最小限での修理と言うテーマで今回はやってます。
でも、オイルポンプからのオイル漏出が結構多いのが気になりますねぇ。
これは、ポンプシャフトのオイルシールがダメになっている様子。

本来、ホンダ純正部品ではオイルポンプはアッセンブリーにて供給されてます。
つまり丸ごと交換しなさいってコトですな。
しかし、社外補修品としてオイルシール単体で販売してる所があるんです。
ちなみにホンダの場合、2種類のサイズが出ているようですねぇ。

以前からこのシール単体での補修は気になっていたので、今回試して見るコトにしました。
シールの打ち込みは、元々付いていたのを参考にして行いましたが、結構神経を使います。
オイルポンプはクランクケース室に付けるので、オイルシールの向きは普通と反対向きに付けなければなりません。
取り外した古いシールを利用して、新しいシールを奥までしっかり打ち込みます。
そして、ポンプ内にオイルを充填してからポンプシャフトを回して入れ込みました。
ポンプの入り口にもオイルを満たしてシャフトを手で回してみると・・・中々好感触です。
このエンジンは、スロットルワイヤーを分岐してオイルポンプの吐出量を加減してますので、そこを全開にしてシャフトを回すとガンガンとオイルが吐き出されます。
これで、そこそこ内部のエア抜きが出来ますねぇ。


ピストンに関しては、これもクランクシャフト同様に、台湾製補修メーカー部品を使います。
台湾ピストンは色々出回っているのですが、選定には大変気を使います。
中には使い物にならないようなモノもありますからねぇ。

その中で、私の所で使用実績がある「KN企画」の製品を今回も使いました。
これは純正補修部品と遜色の無い精度で作られてて、そこそこの信頼性もあるのです。
まぁさすがにビジネス用・プロユースでは使おうとは思っていませんけど、でもイイ感じですねぇ。
うれしい事に予めピストンリングが組み込まれた状態でパッケージされてるんです。
この荷姿は是非ともパイクメーカーさんにも見習って欲しいですな。
ピストンピンのサークリップは、確実に脱着のしやすい「の」の字型で、これもありがたいです。

腰上ガスケットも、やっぱり台湾製。
「KJT」の製品で、これもよく見掛けます。
ベースパッキン、ヘッドパッキン、マフラーパッキンの3点セットになってて数百円ととても安いです。
ちなみにクランクケースセンターのパッキンは分解時にダメージ無しで剥がせましたので、液体パッキンで補強して再利用です。
メーカー補修部品として廃盤になってるので仕方ないですねぇ。


つまり、今回の修理は「クランクシャフト」「ピストンset」「腰上ガスケットset」、それと「オイルポ゜ンプシール」の交換となりました。
心配なのはクランクベアリングだけど、これは最終的に回してみなければどうなのか判りませんねぇ。
一応手回しでチェックした感覚だと、全然大丈夫そうですが。


台湾エンジンパーツでの組み付けには、コツがあります。
とにかく微に入り細に渡ってバリ取りを施すこと。
軽く動くべき所は特にその動きを阻害していないかどうかを厳しく見なければなりません。
やはり、日本のメーカー製品とは品質が違いますからねぇ。

それと組み立て時にも、都度嵌め合わせや動きを細かくチェックしながら行う必要があります。
ガスケットなんかの場合はネジ穴の位置がズレて無いかしっかり見るのです。
そして少しでも問題があれば、「まぁいいか」は禁物。キチンと手直しして対処しなければなりません。
この細かい気配りをして始めて、日本製品並みに信用して使えるようになるのです。
くれぐれも気軽にポン付けで済まそうとは思わないコトですな。
面倒だけど、それ以上に安いんだから仕方ないのです。

ちなみに2サイクルエンジンの組み付けに使うオイルは、私の場合ヤマハのモトクロッサー用(レース用・混合仕様)の銘柄を使用してます。
ちょっと固い目なんだけど、それが組み付けオイルにはとても良いんですねぇ。
さらに強力な潤滑性能がありますので、最も当たりのキツイ初期馴染み以前の状況には頼もしいです。
燃焼性は良くないけれど、ずーっと使い続けるワケじゃないですからねぇ。
慣らし運転用に混合ガソリンとして使う場合でも、通常の混合比の2〜3倍ほどと薄くしますから、心配はないんです。


まずマフラーは仮組み状態で、エンジン始動させてみました。
タイトル写真の右上の状態ですから、シュラウドは付けてません。
エンジンを回してみて、もしクランクベアリングに異常があれば、再度エンジンを降ろして分解する予定でしたから。

エンジンを掛けて回してみた結果は、良好ですv

アイドリング時に少しスラップ音が出ていますが全然許容範囲内。
シリンダー壁と言うよりか、変速プーリー近辺にも思えますからねぇ。
そして回転をちょっと上げてみても、異常振動はありませんでした。
エンジン振動は結構少なくて、こりゃ台湾クランクの造りはかなり優秀じゃないかと思われます。

ちなみに、台湾補修部品ってのは色々出回ってる中に、それを模造した支那製品もありますので要注意。
支那製のニセモノは使い物にならないレベルの粗悪品も結構多いですからねぇ。
見分け方の目安は・・・やっぱり価格かな。


とりあえずエンジン始動確認までしたので、本組み立てに移ります。
シュラウドもしっかり取り付け、マフラーもプラグもキッチリ組み付けて行くのです。
あとちょっと、あとちょっとと作業してたら、何時の間にかほぼ完成状態になってましたv

残す所はサイドカバー左右の取り付けのみです。
これはキャブ調整とかをする場合に、サイドカバーは邪魔なので、テスト走行までやってからで良いんです。
ちょっと気になったのは、キックスタータの時のストロークが深すぎる事。
もしかしたら、キックギヤのフリクションスプリング固定部分にかなりの遊びがありましたから、それが原因かも知れませんねぇ。
もう一度パーツリストを確認して、パーツが欠品してないかチェックしてみます。
またエンジンパーツは当たりが付いて来ると調子がかなり変わりますので、アイドリング調整をし直す必要があるかも知れません。


とりあえず組み立て完成しましたので、いよいよテスト走行です。
慣らし運転をしながら、様子をしっかり見たいと思います。


次の日にテスト走行開始。
しかし、アクセルをある程度あけてしばらく走行するとエンジンが止まってしまう現象が発生しました。
燃料の供給がうまく行っていない感じ?とも思いましたが、少し違うみたいですねぇ。
エンジンを掛け直せばまたすぐに動きます。
一旦、完全にエンジンを冷却してから、またエンジンを掛けてみると・・・・メカノイズが大きくなってますな。
これは抱き付きの症状です。

すぐに腰上を分解してチェックしてみると、やはりピストン・シリンダーにダメージ発生してました。
ペーパーで修正して使うことも考えましたが、シリンダーを良く見てみるとどうやらこれは社外品みたいですねぇ。
今までホンダ純正品だとばかり思っとりました。
いろいろ考えましたが、やはりシリンダー・ピストンはまた新しいのに交換することとしました。
最初からケチケチせずに、交換しておけばよかったですねぇ。
無理してシリンダー手直しで使おうと思ったのは間違いでした。

早速、部品注文。
早く来ないかな・・・・・。


ちなみに、リードの整備性はかなり良くて、メットインボックスを取り外してエンジン腰上を開けるのに10〜15分位で出来ます。
気軽にささっとチェック出来るのがせめてもの救いですねぇ。

●2014年05月24日(土)

バイクのエンジン整備ネタですが、カブではありません〜〜〜〜〜〜〜〜@

私は飽きっぽい性格ではないんだけど、同じコトを何回もやるのはどうにも性に合わないですねぇ。
エンジンだって色んなのをやっつけるのが好きなのです。

ちなみに商売上、なぜかモンキーなどカブ系エンジンの専門家っぽく思われてますけど、実はそうではありません。
エンジン整備の機会はむしろ2サイクルのスクーターとかの方が圧倒的に多いんです。
それと古い4発とかもちょくちょく触って来ています。

やっぱり、壊れるコトが多いモノ=整備する機会が多い、のは当然なんですけどね。
つまりあんまり壊れないモノは触んないんです。


で、最も得意技とする2サイクル原付きスクーターのエンジンで大掛かりな修理をする案件が入って来ました。
具体的には、「クランクシャフト交換」です〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

と言うかついこの間もスクーターのクランク交換してたんだけど、あっちは新時代の水冷4サイクル50ccですからねぇ。
今回は空冷2サイクル90ccなのです。


そもそもの故障状況は、お客さんが個人売買(オークション?)で購入したスクーターの不調から。
買ってからあんまり乗る機会がなくて、バッテリーが上がってしまったのが発端です。
それまでは何故かキックの戻りが悪くて使えないので、セルだけで掛けてたんですねぇ。
激安バッテリーをネット通販で買って来て、初充電をしっかりやって組み込んだんです。
しかし・・・・何故かエンジンは掛かりません。
クランキングもせずに、「ググッ」とすぐ止まってしまうんだそうな。
結局お店に引き上げて来て、ベルトケースを開いて見てみたんです。

すると、何と言う事でしょう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

プーリーの取り付け側のネジが、妙なコトをしてあるのです。
通常クランクシャフトの端がネジになってて、プーリーなりフラホなりはナットで締め付けてありますよねぇ。
それが不思議な事に、ヘックスローブボルト(六角レンチで回すヤツ)で植えてあるんですな。
しかもドライブフェイスだけ妙に新しいんです。

これは何処かで、変態修理をしてあるんですねぇ。
多分クランクシャフト端のネジ部が折れてしまって、苦肉の策としてドリルで穴開け&タップ立ててボルト止めしたんでしょう。
そのお陰でキックギヤがボルトに干渉するので、キックが踏めなくなっちゃったんです。
しかもプーリーの固定が甘かったのか、あろうことかクランクシャフトが完全に曲がっちゃってます。
つまり、スーターターギヤの付いてる方に曲がった向きが来ると、ギヤの噛み合わせがキツクなり過ぎてクランキング出来なくなるんです。
もっともスーターターギヤはクランク根元に近い部分に付いてんで、ちょっとした加減でまたクランクシャフトが回せたりするんですが。


これではイケマセン。
買ってしまった方は気の毒ですが、ババ抜きでジョーカーを引いてしまったようなモノです。
(ちなみにこのエンジンはジョーカー90と同系統ですけど)

とりあえずこれ以上触らずに、概算での見積もりをすることにしました。

修理見積もりをする場合には、原則的にメーカー純正部品のみでの組み合わせで行います。
社外の補修部品でも使えるモノもありますけど、やっぱり後々の修理保証が出来ませんからねぇ。
クランクシャフト交換の場合、シールやベアリングも当然同時交換が前提です。
さらに腰上部品に関しても、分解してみなければどこまでダメージがあるのが判んないので、常に最悪の事態前提の予想で計算しなければなりません。

工賃は3.2h位なので、\2.6万円位になります。
そこにクランクシャフトとベアリング類、ピストン&シリンダーに駆動系部品をちょっと加えると、とてつもない金額になっちゃうんですねぇ。
大雑把に計算して、部品代は\5〜6万円は見ておきたいですな。
つまり、約8万円前後と言う修理見積もりになるのです。

そもそもの曰く付きなので、お客さんにはこのバイクの修理はオススメできませんねぇ。
大変お気の毒様でした。


で、スクラップにするにしても診断コストの回収を考えなくてはなりません。
タダ働きはゴメンですから。
分解して部品売りにするか、いやいやゴミが残るのが煩わしいから丸ごと不動状態で売るか。
でもキックが降りないとなると価値が低いですからねぇ。

ふと思い出しました。
この車種には、社外補修部品メーカー製のクランクシャフトがラインナップされていたコトを。
台湾メーカーの製品でして、結構評判も悪くなく安いんです。
ちなみに、メーカー純正部品の1/4〜1/5位のお値段で手に入ります。

クランクシャフトと言えば、ヤマハの場合だとリモコンジョグ以降〜BJなんかは完全に台湾製の部品を使ってます。
3KJクランクと同じモノなんだけど、コンロッドのスラスト方向にワッシャが入っている造りが特徴ですねぇ。
寸法公差の許容度を広げる為だろうと思います。
回してみると、日本製の3KJクランクよりはちょっと振動が出るかなと思いますが、まぁ実用範囲内ではありますね。
以前BJの修理でクランク交換し、メカノイズが消えず悩んで結局3KJクランクを入れて解決した覚えがあります。
期せずして台湾クランクVS日本製クランクの比較となったんですが、僅かなフィールの差としてしか感じられませんでした。

早速、腰上を分解してチェック。
使用感はそこそこありますが、ちょっと手直しすれば充分実用になりそうなコンディションです。
末永くガンガン乗る用途には向かないけれど、ちょっと近所の買い物用になら充分okですねぇ。
じゃあクランクだけ交換すりゃ、一応乗れるレベルにまでは修復できるだろうと結論が出たのです。

勿論ですが、お客さんのバイクでのこのような修理の仕方は請ける事は出来ません。
いくらその場で納得してても、エンジンの腰下まで開けるんならばフルオーバーホールが大前提なんです。
そうじゃないと折角大枚はたいて修理しても、またすぐにOH修理をしなくてはならなくなりますからねぇ。
二重に修理代を使わなきゃならなくなるし、クレーム案件になりやすいですから、中途半端なご要望にはお答えすることは出来ないのです。
しかも重要部分にメーカー非純正部品を使おうってんですから、品質保証は全く出来ません。
品質保証が出来なければ、お代を頂戴するワケには行かないのです。
だからってタダ働きはゴメンなのです。つまりビジネス不成立ですな。


もっとも、クランクシャフトを簡単に交換しようって思う時点で、ちょっと頭がおかしいですねぇ。
本来ならばとても大掛かりな作業になるので、できるだけやらずに済まそうと考えるのが普通なんです。
この変態修理をした人だってそう思ったからこそ、苦労してボルト加工までしたんでしょうな。

しかし、ぶいぶいの感覚は相当変なんです。
まぁ、もっと厄介な機種の修理とかやってるんで、所詮は2サイクル原チャリですからねぇ。

・・・そう言えば、この車種のクランクシャフト交換はかなりの昔ですが、やったコトがありました。
確か部品発注する時に間違えて、90ccではなく50cc用のクランクシャフトが新品で来たのでしたねぇ。
その新品クランクはずーっとお蔵入りしてたのを約10年ぶりに発掘し、適合を細かく調べてヤフオクに格安出品して売ったんだった。
誤発注のショックもあったけれど、確か作業ではそんなに苦労はしなかったように記憶してます。

てなワケで、台湾クランクの手配をして、ガスケットも補修用のヤツを注文したのです。
とにかく今回の修復コンセプトは、できるだけ使える物は使って必要最小限コストで実用レベルまで持って行くってコトです。
基本的にはメーカー純正部品は使わないんだけど、特殊品のロックワッシャのみホンダ純正です。

果たして、どのような結果になるのか。


台湾クランクは、手配した翌日に届いてしまいました〜〜〜〜〜〜〜@
まだガスケットとか全然来てないのに。

なので、部品単体にてじっくり眺めて楽しもうと思います。
見た感じの仕上げは、そこそこキレイですねぇ。
台湾製品って雰囲気が出てます。
ちなみに粗悪品が多い支那製品の場合、見た感じから貧相なのです。

工作精度に関しても良さそうですねぇ。
簡易的な判断方法として、ネジ部分とかの仕上げ精度を観察するってのがあります。
ネジ山がキレイにスパッとした形状で整っているかどうかで、大体の見当が付きます。
試しにナットを入れて回してみればその辺はバッチリ判ります。
工作機械の良いヤツを使っている製品は、おのずと工作精度も高く出来るんです。

ちなみに粗悪品ってのは、切削の時にチビた刃物を使って無理矢理ガリガリ削ってたりするコトが多いです。
鋳造加工に関しては金型で作っていると判りにくいですけど、シリンダーのフィン部分なんかは判別しやすいですな。


そう言えば、ヤフオクで見つけたんだが安物補修部品のシリンダーを「純正シリンダー新品」と言って売ってるヤツがいるんです。
多分そいつの言い分は、ボアアップ用じゃないよ、純正(=ノーマル)寸法のSTDシリンダーだよってコトでしょうねぇ。
ちなみに私も丁度探してた車種のモノだったので最初心が動きましたけど、写真での姿だけでも何か妙だと感じたのです。
鋳造の表面が粗くて、さらにバリ取りでグラインダー掛けした跡があまりにも乱暴なんですな。
ちょっと刃先がすべって余計な所にキズつけてますし。
(ちなみにどのメーカー純正部品でもしっかり検品しているので、こんな不良品は出回る事はありません。)
実物があったので比較してみると、完全にアウトです。
ちゃんとメーカーと機種モデル刻印が入っているはずなのに、そいつの出品物には排気量刻印しかありませんでした。
最近、この手の不誠実な出品者が増えたような気がします。
ご注意を。



さてさて、台湾パーツにての復活作戦はどうなることやら。
実際に作業を進めて行って初めて判る問題点とかも覚悟しとかなきゃなりませんねぇ。
ちなみにクランクケースセンターにガスケットが入ってんだけど、部品はメーカー廃盤になってたりします。
他にもちょくちょく出てきそうな予感がします〜〜〜〜〜〜@

●2014年05月23日(金)

いよいよ完成した、かもめカブC97。
しかし・・・・外観の変化は全くありません。
ステップやスタンドは旧カブのモノに戻しましたが、これは2代目エンジンの時と一緒ですからねぇ。

ステップの新旧の違いに付いて。
カブのステップは、80年の大幅モデルチェンジによりモダン化されました。
それまでのステップゴムは「かまぼこ型」と呼ばれるモノでして、ダックスなんかにも使われてました。
それが「ういろう型」とでも言うのか、足が乗る上面内部が中空になったブ厚いタイプへ変わったのです。

ステップ部分は意外と振動が集まりやすく、それが乗せている足を伝わってとても不快です。
長い時間運転していると足に力が入りにくくなったり、疲れが激しくなったりします。
でもあんまりプニプニして剛性に乏しいと、乗り味が少し不安感が出てくるのです。
ちょうど良さってのは、使用状況や個人の好みで様々でしょうから、メーカーの設計も大変ですねぇ。
ちなみに私の好みとしては、カッチリしてる旧型かまぼこゴムの方が好きですねぇ。
おにぎりモンキーもわざわざこっちのステップラバーに変更した位ですから。
(ちなみに差込み部はほぼ同寸だが、周り止めの溝が新旧で上下正反対なので取り付けには工夫が必要です)

スタンドについては、旧型は金属の足そのまま。
新型の方は、戻し忘れ対策のゴム足が付いてて、さらに足底とかが強化してありました。
一般的なスーパーカブだと金属パイプをプレス加工した単純な形状のモノが殆どなので、ちょっと特殊な仕様なのかも知れませんねぇ。
ちなみにプレスカブになると、サイドスタンドは超強化対策としてスイングアームに付くようになります。
当然ながらステップ部分にはサイドスタンドのマウントはありません。
バネ下にサイドスタンドが付けば、荷物満載してもディメンジョン変化はありませんので安定してスタンド立てが出来るんです。
社外品の後付けタイプでこれと同じのもありますよん。
私は、必要があれば使おうかと思ってましたが、どうやら旧カブオリジナルのままでよさそうですね。
もちろんぶいぶい名物「配達ツノ」が溶接してあります。これ必需品。
やっぱり、配達ツノが付いてるスタンドの方が絶対に使いやすくて良いですな。


マフラーに関しては、ステーの穴位置を本来の場所の方にしたらピッタリと取り付けが出来ました。
若干穴位置でキツイ部分もありますけど、まぁ許容範囲ですねぇ。
但しキックアームはちょっと干渉するので、マフラーの干渉部分を少しハンマーでどついて凹ませました。
多分、この時代はモナカ合わせのマフラーだったので、キックペタルの形もそれに合わせてたんだと思います。
それがもっと後のモデルの太いマフラーに変わっちゃったので、干渉するんでしょう。
キックアームも新型に交換すれば解決だけど、メッキ仕上げが異なるので外観がショボくなります。
旧カブはピカピカのクロームメッキ。新型はザラザラのメッキなのです。

キャブに関しては、MJ=#78が付いている事を確認しました。
随分とリーン気味のセッティングでしたねぇ。
しかしこの番手でも、80cc&POSHハイカムの組み合わせではちょっとリッチ気味に感じましたが。
排ガスが結構臭くて黒煙も出てましたし。


で、早速シェイクダウン走行です。
エンジンの掛かりはちょっと悪いですねぇ。初爆はあるんだが後が続きませんな。
アクセルを微妙に開けるとバッチリ掛かります。
アイドリングは安定してますねぇ。ちょっと回転絞りすぎたかも。

空吹かしでの吹け具合は上々です。
エンジンのフィールは、ちょっと重々しい感じですが意外と軽快に吹け上がります。
文章での表現は難しいけれど、「ドコドコ・バコバコ」って感じですよん。
これは純正90(85cc)にはちょっと無いフィールです。

クラッチ関連は、調整をシビアに追い込まなくてもキチンと動作してました。
やはり代エンジンの50ccよりも、シフトペタルが重たいですねぇ。
念願の完ロリミッション動作も、すこぶる良好です。
キッチリ、キッチリとギヤチェンジ動作をしてくれます。
これはベースエンジンの状態がとても良かったのが幸いでした。
どうしてもカブ90エンジンの中古ってのは、駆動系が経たってるモノが多いんです。


スタートすると、異次元の加速トルクですねぇ。
スイッと発進して加速して行きます。
スロットル操作を乱暴にすると、ちょっとビビりますねぇ。
でも、チューニングしたエンジンのフィールではなく、限りなく純正っぽい感じになってます。

ちょっと走って慣れてくると、最初の感激は薄れてごく普通のバイクに乗ってる感じになります。
一応慣らし運転モードではありますが、とりあえずアタリが付いて来た頃にちょっと燃調チェック。
最も判り易い2速での加速感と上限回転を試してみると、意外に良く回るエンジンなんですねぇ。
頑張れば2速で60km/hを僅かに超える所まで伸びます。
しかし、パワーが感じられるのはもう少し低い回転域でして、それ以上の高回転はオマケっぽい感覚です。

計算すると、パワーバンド的には上限8,400rpmで、レブリミット回転は9,500rpmでした。
これまた純正ノーマル的なスペックですねぇ。
計算上の最高速は、8,400rpmの時は87.4km/hです。

燃調に関しては大体合ってはいるけれど、少しリーン気味にも感じました。
排ガスは全然臭くないですし、ちょっと走った後の発熱は結構大きいみたいでマフラーがチンチン鳴いてます。
とにかくエンジン自体の底力があるので、多少リーンのセッティングでもトルク感を伴って加速しちゃうんで判断しづらいですねぇ。
プラグのチェックを行って、あんまり焼けるようならばMJ=#80へ上げてみようかと思います。
特筆すべきなのは、スロットルを空けてから回転が伸びる全域でスムーズなコト。
ボアアップエンジンはどうしてもアクセル開け始めのツキが悪かったり、何処かで燃調が荒れる状況が出るんだけど、それらが一切無いのです。
キッチリキッチリとエンジンが仕事をしている感じでして、これはイイですねぇ。
どうしても荒れたフィールのエンジンを扱ってると、無意識の内に操作のタイムラグ分修正したりするので、疲れるんです。


乗ってて「速い!」と言う感じは正直ありません。
でも実用スピード域では、確実に余裕のトルクのおかげで楽しいし、楽ができそうです。
慣らし運転を兼ねて、ちょっと走ってみると、何かカーブが苦しいんですねぇ。
最初は気が付きませんでしたが、良くみてみると従来ではありえなかったスピードでコーナーリングしてたのです。
カーブの中ってのはちょっと失速気味になってて自動的に減速してたんだけど、それが無くなったんですねぇ。
こりゃイイですわ。

でも、タイヤとブレーキは確実にメンテナンスしておかないと困りますねぇ。
とにかく普通に運転してても簡単にスピードが出るので、止まる方は大変です。
今回はタイヤもブレーキも前後新品にしますので、大丈夫ですが。
あ、リヤタイヤですが、2.25-17ではエンジントルクに負ける兆候が見られます。
次の交換時にはサイズアップして、2.50-17にしなければ。

エンジンの振動は、流石にちょっと大きく重い感じになりましたねぇ。
まぁあんまり回して使う特性のエンジンでは無いし、無理にスピードも出さなくてイイって思って運転してれば問題ありませんが。

早速、翌日の配達業務に投入です。
でもしばらくはいたわって、慣らし運転モードで使う予定です。
実践テストして、燃調とギヤ比のセッティングが完成するんですからねぇ。
特に雨天使用も考えなきゃならないので、大変です。



次の日に、実践投入開始しました。
まずは、発進トルクがとても豊かなのでストレスがありません。
意外と回転の伸びも良く、ギヤ比は計算通りでバッチリ合っています。
トップスピード狙いで欲張らずに設定したのが良かったようで、2速の守備範囲が広く使い勝手がとても優秀ですねぇ。

全体的にボーッとして上品なエンジン特性なんだけど、低中回転域のトルクの出方が特に良いですねぇ。
アクセルを大きく開けると「ぐわっ」とトルクが溢れてくる感じ。
代エンジンでのノーマル50ccに慣れたからかも知れませんが、今までとは運転の仕方が根本的に変わりました。
従来はスロットル開け開けで如何に急ぐかってな感じで走っていたのが、今はむしろスロットルをムダ開けせず絞ってゆったりした気分で乗ろうとするんです。
エンジン特性から来る意識改革ですねぇ。

厳しい言い方をすると、ワクワクしない穏やかな特性なのですが。
オフロードなんかだとかなり使えるフィールじゃないかと思います。

何が一番楽になったかと言うと、やっぱり発進加速ですねぇ。
スッと出て行くので、幹線道路への合流や横切りの時には何も苦労がありません。
従来は高回転特性だったので、ちょっと吹けるまで待たされる感じがありましたからねぇ。
その反面、乱暴なスタートダッシュを繰り返せば駆動系やタイヤの消耗が激しくなりそうな感じがビンビン伝わって来ます。
特にリヤタイヤのグリップは、ちょっと負け気味のようですな。
今まで通りの2.25-17のサイズで新品に交換しましたが、次回からは2.50-17にしようと思います。
丁度ストックしてあったタイヤが残り1本になりましたので。(これはフロント用にします)
どうしても2.25-17だと過積載状態の荷重に負けてしまうので、細いタイヤのメリットが薄くなると思われます。
つまり消耗が早いだけで、転がり抵抗はトレッドの変形ロスなどで喰われちゃうんですねぇ。
むしろ、高荷重に負けないだけの太さがあった方がタイヤの性能を発揮させやすいのかも知れません。
まぁエンジンのトルクに余裕が出来たからこそ、そう思った次第ですけど。


燃費に関しては、しっかり慣らしが済まないと判りませんが、あれだけ高トルクなんだからちょっと悪くなっても仕方ないかなと思います。
出来れば3.8Lタンクのリザーブに入らない領域で4日間は持たせたいですねぇ。
ちなみに燃調に関しては、MJ=#78のままで良いみたいです。
アイドリングの安定性もレスポンスも回転の戻りも全て良好。
エンジン始動時と始動直後はちょっと暖まるまで不安定気味ではありますが、それもごく僅かの時間だけですねぇ。
ちなみにチョークを使うまでもありませんでした。今は気温が高いですし。
ピストンのアタリが付いて来てからは、この冷えている時の不安定さはどんどん解消されて行ってます。


ミッションの完ロリ化は、やっぱり配達業務用にはコレしかないですねぇ。
大掛かりな作業になるので何度かためらいましたけど、やって良かったし、絶対にやるべきだと思います。
サイドスタンドの配達ツノとの併せワザで、全然疲労度が違いますねぇ。
もっとも、ニューロータリーのままで配達している人も沢山いるので、好みの問題でもあるのですが。


かなり大掛かりなリニューアルをしてお金も沢山掛かった割りに、全然外観の変化が無いってのは正直寂しいですね。
ワンポイントで何処かにアピールできる部分を作っとくべきだっただろうかとも思っちゃいます。
そもそもかもめさんカブのコンセプトは、「ひっそり高性能に」ですけど。
とにかくこれで、かもめさんカブの第3世代エンジン97ccネタは完結です〜〜〜〜〜@

●2014年05月22日(木)

ようやく完成しました〜〜〜〜〜〜〜@
これが、かもめさんカブ「第3世代エンジン」でございます。

・・・と言っても、外観上に今までのエンジンとの違いってのはありません。
強いて上げれば、シリンダーの排気量刻印がホンダ純正の85cm3になっただけですねぇ。
クラッチ側クランクケースカバーも今までのを使っています。
これはかもめさんカブの特徴である、耳付きデザインのタイプなので絶対にはずせません。

後は、車体への積み込み作業を残すのみです〜〜〜〜〜〜@


車体へ載せるのに考えなければならない部分はまだ残っています。
まずは吸排気系。

吸気側は従来のキャブを使っていますので、物理的な取り付けに問題はありません。
ただしエンジン仕様の違いにより、セッティングが変わる可能性が高いです。
こればかりは走らせてみなければ何とも言えませんけれど、もしかしたら今付いてるジェットから1つ番手を上げなきゃならないかも知れません。
という事は、車体へ載せる前に一旦キャブ内部を見て、現在使っているジェットをチェックしておく必要があります。
キャブは元々オーバーホールする予定で、パッキンセット&フロートバルブも以前取り寄せて準備してありましたので、これも一緒にやっつけます。

毎日毎日業務で使っていると、やっぱりまとまったメンテナンスをする機会ってのは、このように大掛かりに壊れたとき位しかありませんからねぇ。
タイヤだって、すでに前後共に磨耗し切ってて、即時交換が必要な状態になってます。
ちなみにタイヤはまだミシュランM35(2.25-17)のストックが3本ありますから、それを使います。
将来的にはリヤタイヤサイズを2.50-17へアップさせるつもりです。
このエンジンならばサイズアップしても走行抵抗に負けないだろうし、また増加したトルクに対して寿命を伸ばす意味もあります。
ブレーキシューも交換できるよう準備してあるのです。

・・・・なんか、部品は既に取り寄せて準備してあるモノばかりですねぇ。
悪くなる前の備えって意味が殆どでして、決して壊れているのを騙し騙し使っていたワケではないですよん。


排気系は、ちょっとした変更が必要です。
カブは、50/70cc版に比べて90cc版はシリンダー長が6mmほど長くなってます。
つまりマフラーの取り付ける所も6mm前方になりますので、今までのマフラーが付かなくなってしまいます。
でも大丈夫。
かもめさんカブに使っているのは、ベンリィCD90の純正マフラーでステーの取り付け穴を追加工してあるのです。
この加工したステーの取り付けを元に戻せば、CD90ノーマル状態へ完全に戻るんです。
とてもラッキーでしたv


後は、ギヤ比のセッティングですねぇ。
基準として考えるのは、カブ90純正ノーマル状態です。
2代目エンジンのベースはプレスカブなので、ミッションのギヤ比は相当特殊でローギヤードです。
そしてカブ90よりも排気量を増やした分高回転が抑えられますから、ハイギヤード方向に振らなければなりません。

その辺をひっくるめて計算するとスプロケットの組み合わせはほぼそのままで行けそうです。
フロント15丁、リヤ35丁ですねぇ。
もしかしたら、フロント16丁に上げた方が良いかも知れませんが、これは走らせてみてから。
ある程度のトップスピードがあれば充分ですが、その反面低いギヤでの使い勝手は重視したいので、実際に走らせないと判んないですな。
トップスピードは具体的に言うと、80km/hで充分です。
エンジン的には勿論もっと出せますよん。(4速ミッションと組み合わせれば確実に3桁の大台に乗せられます)

もちろん2代目エンジンを製作してた時にフロント16丁は一度テストした事があるので、チェーンはそのままでも大丈夫なのは確認済みです。
かもめさんカブはスプロケット4丁分の変化も許容してくれるチェーン引き機構が付いているので、とても助かりますねぇ。


電気配線は、今使ってる代エンジンと同一のカプラーなので、そのままokなのです。
ステップバー&サイドスタンドは旧カブオリジナルに戻します。


つまり、作業的には問題になりそうな部分はありません。
セットアップ走行してからの確認事項が多いってだけなのです。


でも、代エンジンの方にちょっと宿題があります。
クラッチの具合が良くないんですねぇ。
キックする時に滑りますので、これはクラッチ板の寿命が来ている証拠です。
エンジンを降ろした時ついでにメンテナンスしておかなきゃ。
新品のクラッチ板は新エンジンに使ってしまったけれど、そこに入ってた部品はまだ充分使用可能なコンディションなので、使い回そうかと思います。
また、クランクケースカバーも新エンジンに付いてたヤツはキレイなので、それに替えようかな。
壊れてしまった2代目エンジンも修復するつもりはありますけど、でもまず第一は故障部分の少ない代エンジンの方が優先ですねぇ。
また万一アクシデントが発生した時に対処できるようにして、保管しておきたいのです。


写真は、オイルを注入しに持って行く為に、入れ物に載せてある状態です。
カブ用に使う銘柄はストックしてありませんからねぇ。ヤマハの高いオイルです。

●2014年05月20日(火)

我が家の、ちょっとしたバリアフリー化作戦です。

門の所と玄関へのルートに段差があるんですが、これをどうにかしたいと思っとりました。
特に、タイトル写真左側の門扉のところの段差は深刻です。

段差の高さは約5cmほどとたいしたことはないんだけれど、私のオートバイの出入りをする時に通る部分です。
そしてその段差がタイヤに突き刺さるんですねぇ。
いつもいつも「ガンッ!!」と段差を乗り越えるのはすごく気分が良くないのです。
こういう衝撃は、まず足回りを傷めます。
それとタイヤ、特にチューブに良くないですねぇ。

なので、自分の愛車を労わるつもりで、段差解消のスロープを検討していました。
もう一つの玄関へのルートの段差は、以前私の母がココで足を踏み外して転倒し怪我をすると言った事故が起きていますので、こちらも何とかしないとと思っていたのです。


段差解消スロープは、色んな材質のが売られています。
一番安価なのはプラスチック製。
でも雨なんかで濡れると滑りやすいとか、軽いので風などで動いてしまったりするコトがあるとのこと。
それと、経年劣化に弱くて割れちゃったり。

その次には、コンクリート製。
これは結構長持ちするんだけど、やはり割れてしまうコトがあるそうな。
それにお値段も高いですからねぇ。
まぁこういう別部品を設置するのではなくて、タタキの工事をしてコンクリートのスロープを作り付けるって方法がベストなのかも知れません。
傾斜部分をコンクリで作るのは結構難しいらしいんだけど。

後は、ゴム製。
これは一般的に良く使われているモノでして、濡れても滑り難いとか、ある程度の重さがあるので風とかで動きにくい利点があります。
経年劣化はもちろん考えなければなりませんけれど、これはそれぞれの製品品質によってかなりの差があるとのコト。
良い製品はかなり長持ちするんだけど、粗悪品はすぐにボロボロになってしまうんだそうな。
で弱点は、お値段が相当高いってコトでしょうねぇ。

でも、ヤフオクなんかで製造工場直にてB級品を売ってたりするので、そういうのの中から良いモノを選ぶとかなり安く調達が出来ます。
私も色んな通販業者を当たってみましたが、結局辿り着いたのは製造工場直販のヤフオク出品物でした。
再生ゴムを使っていないので滑りにくく長持ちするんだそうな。
ちなみに、岐阜のメーカーさんです。


で、モノが到着しましたので早速設置。
とりあえず置く場所周辺を掃き掃除してから設置します。

門扉の出入り部分に関しては、これはとっても効果が高く、バイクの出入りがスムーズで楽になりました。
これは元々必要だったんだと思わずにはいられません。
厳密に言うと、敷地部分からわずかにはみ出してんですが、まぁご勘弁を。

玄関の段差に付いては、ちょっと効果があったかどうなのか判りません。
私の場合、沢山荷物など抱えてこの段差部分を通る事が多いので、足を踏み外してスッ転ぶ危険が少なくなったのはとても有意義だったと評価します。
でも、普通に通る父親はむしろ、このスロープがあると転びそうな気がするという感想です。
車椅子とかで通るんなら絶対にスロープはあった方が良いんですが、人間の足の場合は必ずしもそうとは言い切れません。
ここは暫く様子見の必要がありますねぇ。


●2014年05月16日(金)

まだまだ続くよ、かもめカブc97製作ネタ。

本日は、カブ90(HA02)のタイカブ97cc仕様ボアアップの詳細に付いてです。
CD90も腰上に関しては同じですから、同様の改造が可能です。

カブ90は、ボア×ストロークがφ47.0mm×49.5mmで、85.9cc(公称85cc)です。
そしてピストン流用するタイカブ100EXのピストンはφ50.0mmで、ストロークはカブ90と同じですから97.2cc(公称97cc)ですねぇ。

ちなみにタイカブ100EXにも以前オーバーサイズピストンが用意されてました。
+0.25,+0.50,+0.75,+1.00mmの4段階あったんだけど、一番大きな+1.00mmOSを使うとボアがφ51.0mmなので排気量は101.1ccと大台に乗るんです。
もっとも後述しますが、シリンダーのボーリング代に余裕があればなんですが。

素朴な疑問として、ノーマル85ccと改造97ccでそんなに差があるのだろうか?
ピストン径で言うと3mmですからねぇ。
でも答えは「はい、かなりの違いが体感できます」です。


ボアアップ改造に関しては、排気量の絶対的な数値ではなく、増加する割合でイメージしなくてはなりません。
つまり13%の増加ってコトですから、パワーもトルクも13%増えるっぽいイメージですねぇ。
(実際には正比例して増えるワケではないですが)
エンジントルクが1割以上も向上すると、これはなかなかの違いですよん。
もっとも、駆動系への負担とか発生する熱なんかも同じように増えてしまうので、その対策もしなければなりませんが。

まぁトルクが増える代わり、他の部分が同じならば高回転の伸びが悪くなります。
計算では今までのレブリミットの88%位までと言うコトになりますから、ギヤ比をちゃんと見直さなければトップスピードが低下してしまいますねぇ。
カブ90のスプロケットは15/39Tですから、ドライブ側スプロケットを16Tへ変更する位はやっておきたいです。
1T増しならチェーンの引き代が1/2コマ分前に行くだけで済みますから、チェーンの道連れ交換はしなくて済みそうです。
つまり、千円位をギヤ比セッティング部品代として考えておかなければならないのです。

ちなみにドリブン側スプロケの丁数で小さいヤツは純正だとカブ70の36Tしかありません。
もちろん補修用パーツメーカーのNTB製も出ています。
社外品だと私も使ってるキタコ35Tとかが良いですねぇ。
まぁここはゆくゆく細かく詰める時ってコトで。


((この項目でのチューンナップ部品予算は、約1千円ちょい))


駆動系への負担増・熱対策に関しては、まずはオイル銘柄の選定で対策するのが宜しいかと。
カブの自動遠心クラッチはオイルとの相性が結構キツイようですから、高性能オイルの中から合うヤツを探さなきゃなりません。
こればかりはイロイロと入れてみなければ判りませんが・・・・。
ちなみにぶいぶいでは、ヤマハのプレミアムを推奨しております。
値段はちょっと高い(2千円ちょい/1L)けれど、その分優秀なオイルですよん。勿論長年に渡ってカブへの相性は実証済みです。
ホンダのオイルは、実はG2しか試していなかったりするのですが。
(G2は普通クラスの銘柄なのです。ちょっと熱ダレに弱いかな?)

クラッチに関しては、これは基本メンテをしっかり行うしかありません。
距離を走っているバイクの場合は、念の為早めにクラッチ板の交換をしておくと良いでしょうな。
今回の作戦でも、やっぱりクラッチ板はOH交換するコトにしてますです。
部品代は確か4千円位だったかと思います。

それと、オイルポンプ強化ですねぇ。
これは社外の強化品でも良いけれど、ぶいぶい推奨はタイカブ100EX流用です。
タイカブオイルポンプは以前とは品番が変わっています。
品番[15100-KWB-600] 税抜き参考価格\2,624- (※現時点にて)
オイルポンプのガスケットは別途ですが、\300-位だったかと。
でもFIカブになってからこのガスケットは省略されているんですねぇ。なので要らないのかも。
カブ90のオイルポンプローター厚みは7.0mmだけど、タイカブ100EXは9.0mmあるので沢山のオイルを回す事が出来ます。

((この項目でのチューンナップ部品予算は、約5千円ちょい)) ※クラッチOH含まず


そして、純正シリンダーのボーリング加工が出来上がりましたv
シリンダーのスカート部分に余裕が少ないので、かなり作業には気を使ったとのコトです。
実測で、スリーブ外径は52.5mmほどですから、そこに50.0mmの穴だと壁の厚みは1.25mm位しかありませんねぇ。

ここはモデルが古い場合だと、もっとスカート部分の寸法は大きかったりするようです。
確か以前、φ51.0mmのピストン使うのにボーリングして、スリーブ厚残り2.0mm位ありましたんで。
新しくなるにつれて50cc版準拠でスリム化でもしたのかな?
とにかく、この部分はちょっとした運試しみたいなモノでしょう。

ちなみにガスケットですが、以前から社外品を使用しております。
φ50mmピストン用と言えば、以前は武川eステージ80cc用のガスケットを愛用しておりました。
でも最近は、いわゆる台湾ボアアップキット用の80ccが出回ってて、それ用の補修用ガスケットもイロイロとあるので助かります。
写真のガスケットセットは、約1千円と安いけれど材質や精度も上々で、中々宜しいですよん。


タイカブ100EXピストン関連ですが、品番と現時点での参考価格を書いておきます。
当然なんだけどお値段は段々値上がりしていきますから要注意ですよん。

ピストン    [13101-GN5-912] \2,764-
ピストンリング [13011-GN5-315] \2,548-
ピストンピン  [13111-087-000 ]  \432-
サークリップ [13115-GN5-910]2つ\236-
※2つ必要
---------------------------------
合計金額 \5,980-



ヤフオクで、このセットを1万円のお値段で販売してるのを見かけました。
品番調査の手間賃にしては、ちょいとボリ過ぎですよねぇ。
だいぶ前は5千円弱で揃ったんだけど、純正部品の値上がり幅の大きさは恐るべしってトコですな。



((この項目でのチューンナップ部品予算は、約1.4万円))


カブ90@97改造の関連部も含めた部品代を合計すると、約2万円となるのです。
(クラッチOHもすれば、約2.4万円ですねぇ)
ちなみに、作業工賃は概算で2.7hですから2.2万円位です。

つまり、ボアアップ代の合計金額は4.4〜4.8万円位となるのです。
ぶっちゃけ、5万円コースってトコでしょうか。

キャブのセッティングは含んでいませんけど、場合によってはMJを一段階upしなきゃならないかも。
工数計算はちと難しいけど、0.6h×2の1.2hで、部品代と合わせて1万円位かな。
ここは吸排気系の組み合わせとかでケースバイケースなので、別勘定と考えておいた方がよさげです。



本日のコラムでは関係無いけれどオマケとして。
カブの完全ロータリー化に要する費用も計算してみます。
ガスケットはクランクケースも腰上も全て必要ですから、この場合単純に完全ロータリー化のみ依頼されたと仮定します。
ガスケットは社外品を使うとして、クランクケースセンターはPOSH製\1,620-、腰上はキタコ製で\1,800〜\2,000-。
ガスケット代の合計は、3.6千円ほどですか。
エンジンオイルの交換も必要です。0.8Lの普通のクラスのオイルだと、1千円位。

一番のメインは作業工賃だけど、工数は4.0h位ですから、約\3.2万円です。
すると、合計金額は、約3.7万円となりますねぇ。

完ロリ化ってのは大掛かりな作業になるだけあって、お高いんですね。
「レバーとバネを取り外すだけ」と一言で済ますのは暴言に相当すると思って良いでしょうな。


カブ90乗りの方、参考になりましたでしょうか。
ぶいぶいオススメのリーズナブル改造プランなんだけど、やっぱり金は結構掛かりますねぇ。


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