2013年11月のコラム
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●2013年11月29日(金)

バイク修理ネタ、ちょっと番外編。

昔のバイクってのは情緒があって良いですねぇ。
特にずーっと昔から長く続いているシリーズのモノだと、現在のモデルと違っている部分と受け継がれて変わっていない所なんかを知るとウットリしてしまいます。
骨董品的な魅力もあったりしますからねぇ。
そう言う訳でして、私A*imaもそこそこ旧いモデルに傾倒していたりします。

しかし。
機械としては、やっぱり新しければ基本的に優秀なのです。
昔の機械が現在のモノよりも性能的に優れているってコトはまずありません。
例外としては、外部的要因で例えば規制なんかで、本来のポテンシャルを封印されてる場合とかでしょうか。
つまり、旧車ってのは設計当時の時点で、現在のレベルから見ると機械として未成熟だったりするのです。
そういう不完全さも含めて愛でる位のゆとり・おおらかさが必要なんでしょうね。


そんなワケでして、純粋に1ユーザーとして楽しむのならば旧車は大好きですが、こと整備も絡んでくるとなると話しは別。
商売的にも本音を言うと、旧車なんてのはなるべく扱いたくない分野だったりします。

やはりメンテナンスをする上では「おおらかさ」があっては困ります。
より高い完成度を目指さなければ、ちゃんとしたリペアやメンテナンスなんか出来ませんからねぇ。
最初から「調子が出なくても、とりあえず動けばイイ」「代金だけ貰えれば何でもイイ」なんて考えではイケマセン。

しかし現実的に、難修理や場合によっては修理不可能になるケースがとても多いのです。
資料を集めたり、部品の調達からして苦労しますからねぇ。
でも例え修理が完成しなくても、必要経費のコストは掛かるのです。
果たしてそのコスト負担はどうするのかが問題です。
完全に道楽でヤルんならばそんなコトは考えないと言う手もありますが・・・・。

反対に、もし金に糸目は付けないという条件でも、部品調達が出来なければ修理も不可能です。
世の中にはどんなに頑張ったって、何ともならないコトってのはあるんです〜〜〜〜〜〜〜〜@
そうなると、金に糸目は付けないが故にタチが悪い。諦めるなんて選択肢は最初からなかったりします。

つまりどう転んでも八方塞に陥りやすいんですねぇ。


とか言いつつも、現実的にはそのような旧いマシンのメンテナンス依頼が入ったりします。
なるべくヤリたくはないと思ってても、向こうからキテしまうんですv
まぁ引き受ける以上は、なるべくベターな結果を出したいですねぇ。

今回は、旧カブです。
私の愛車かもめさんカブよりも更に古いモデルで、多分行灯以前のOHCになったC50初期らしいです。
ちなみにカブがOHCエンジンになった最初はC65の63ccモデルでした。
当時はOHVのC100が50ccカブでして、その上位機種として55ccのC105があったのです。
そのC105の後継モデル的なポジションに位置するのがC65なんですねぇ。
もっとも、すぐ一年後に50cc版のカブもOHC化されたのですけど。
それが昭和41年(1966年)の出来事です。
オマケとして、その後C65は更に排気量拡大されて72ccのC70へと進化して行ったのでした。


今回手がけたのは、その昭和41年デビューの初期型C50なのです〜〜〜〜〜〜@
整備内容は、ボアアップキットの装着。
吸排気系との兼ね合いもあるので、バランスの崩れ難い75ccキットです。
ちなみに6v系の腰上は一部例外を除いて最初から同じなので、基本的には使えるコトになってます。
でも、実際にはまず現物の細部を確認してみなければ判りません。
(実は・・・装着には加工が必要になり、大掛かりな作業になってしまいました)

初期型C50と、その後のとの差異はシリンダーベース部スタッドの、ノックピンの位置関係。
普通は対角線状に2つノックピンがあるんだけど、大昔のだと片方(カムチェーントンネル側)の縦二列に並んでいるんです。
つまり、普通のカブに準拠して作られているボアアップシリンダーを使うとノックピンが1本しかセット出来なくなっちゃうんですねぇ。
これには、ノックピンを一つ捨てる方法と、シリンダースタッド穴を追加工する方法が考えられます。
ノックピンを捨てろってのは、老舗のモンキー工場・早矢仕の親父さんの流儀ですねぇ。
私の気持ちとしては、元から付いてたモノを捨てちゃうってのには抵抗感があります。
やっぱり必要だから付けてあるはずなんで。
実際には後述の原因により、ノックピンでのシリンダー位置固定をしなくても全然大丈夫だったので、捨て捨て作戦で良かったんですが。

もう一つはとても深刻です。
最初のC50は、多分改造防止策だと思うんですがシリンダースカート部分の直径がかなり絞られています。
安直にC65のシリンダー&ピストンを流用させないようにでしょうか。
そしてクセンクケース側の穴の径もまた小さく作られてんですねぇ。いけずv
それ故に、普通のカブ準拠のボアアップシリンダーのスカート部分がクランクケース穴にすんなり入りません。
丁度54φピストンをモンキーに使うような感じで、クランクケース穴を広げる大加工が必要になるのです。
ちなみにそんな嫌がらせは後のモデルではされていなくて、クランクケース穴も常識的寸法まで大きくなってます。
ケース加工をする際に、シリンダースカートの寸法に合わせて削りますので、必然的にシリンダー位置固定がされます。
そうなるとノックピンが1本だけでも充分だったりしますねぇ。


実は、腰上だけじゃないんです。
旧カブはポイント点火ですから、ポイント部分のメンテナンスは必ず行わなければなりません。
特に排気量upすると熱的に厳しくなりますから、点火時期の厳密な管理と、失火防止は重要です。
じゃないとエンジンがオーバーヒートして壊れてしまいますよん。

それとコンデンサーなんかも含めて、旧くなるとトラブルが発生しやすくなんですねぇ。
コンデンサーがパンクすると、エンジン掛かっても吹けない・アイドリングせず止まっちゃう、なんて症状が出ます。
最悪の場合はエンジンが掛からなくなるコトも。
ちなみに、今回の直接依頼された修理内容はコレだったのです〜〜〜〜〜@


コンデンサーやポイントは、旧カブで同じモデルの中でも何種類かあります。
おおまかには日立製、ND製、三菱製ですねぇ。
今回は日立製のポイント・コンデンサが使われていました。

だがしかし。

いざ取り付けてみると、微妙に寸法が合いません。
取り付けネジの穴の位置がちょっとズレてんです。
もっと良く観察すると、ポイントアームの形状も微妙に異なりますねぇ。
つまり、ちょっと加工すれば物理的な取り付けは出来そうなんだけれど、キッチリ厳密な作動をするかと言うとちょっと怪しいです。
ポイントアームの形状はすごく重要ですからねぇ。
ポイント接点間のストロークがちゃんと確保されてないと、信頼性が得られません。
とりあえず接点が開閉してるだけではダメなのです。

そして現在入手できるポイントは、普通の旧カブ用(モンキーやダックスなんかにも使われてますが)のモノだけ。
普通じゃない初期型カブのポイントなんか、一体何処にあるんでしょう。
探してみましたがお手上げです〜〜〜〜〜〜〜〜〜@


仕方ないので、妥協策。
幸い今まで付いてたポイントはそんなに酷くは磨耗していなかったので、慎重に接点を研ぎ直して再利用しました。
あんまり削りすぎないように、かつ接触部分はキッチリ仕上げて信頼性を持たせてます。
あくまで故障原因はコンデンサーの方ですから、ポイントはオマケってコトで。

折角取り寄せた旧カブ(モンキー)用の日立製ポイントはお蔵入りになりました。
勿体無いけれど、こういうロスが生じるのは良くある事です。
まぁ勿体無いお化けが出るのを恐れて無理をすると、今度は貧乏神に祟られちゃいますからねぇ。


ちょっと妥協はしましたが、初期型C50カブは復活しました。
走った感じは、なんかイイですねぇ。
縦キャブなのでちょっと乱暴なフィールかつ不安定さはありますが、ツボに嵌まった時の吹け上がり方は感動的です。
まるで野獣の魂が宿っているようなカブですな。

まぁ実用的には、もちょっと安定性が欲しいトコなのですけど、それは贅沢な望みなのでしょうねぇ。

●2013年11月26日(火)

まだまだ続く、オートバイ修理のネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

と言うか、これこそがぶいぶいEg共和国の本来あるべき姿なんですが。
今回は、スポークホイールの組み付けです。

実はちょっと前に知り合いのクルマ屋さんから、かなり使い込まれたホイール振れ調整台を頂いたんですv
年代モノみたいでサビサビなんですが、注油しながら使えばまだまだ大丈夫。
ちなみにこれが無い時は、バイスにシャフト咥えさせてやってましたんで効率が悪かったんです。

もっとも、ハブベアリングに突っ込むコーンが片側欠品してますねぇ。
なので適当に太いボルトで代用してますけど、まぁなんとかなってます。


スポークの組み換えは、まぁ場数を踏んで上達するしかありません。
やり方としては、スポークの内側・外側をちゃんと区別して、最後に「外側スポーク」を組むようにするコトです。
内側スポークは後からじゃ入らないんです。

それと、スポークには内外だけではなく、左右で長さや形状が異なる場合もあります。
ハブが左右にオフセットされていないホイールならば、スポークにも左右の区別はないんですが。
今回はすでにスポークが外されてリム・ハブだけになってた状態から受けてますので、実は左右のスポークがどちらになるのか判りませんでした。
(結果的には左右入れ違えて組んでしまって、後でやり直ししましたが)


ニップルの締め込みは、全体的に3〜4回に分けて行う心がけでやっつけると良いです。
つまり、最初からしっかり締めこむのではなくて緩めにするんです。
全体的にカタチになったらホイールを振ってスポークを馴染ませ、それから全体のバランス良く締めて行くんですねぇ。
こうすると縦ブレを防ぐ事が出来るのです。
9割がた締め込んだ所で、リムの振れを調整して行って、調整しがてら本締めして行きます。
こればかりは感覚の問題なので、どこをどういじると結果がどうなるのかってのは経験次第ですねぇ。
やり方のアドバイスは、「真心込めて、丁寧に」に尽きます。


出来上がったので、ホイールを手で回して振れ具合の最終チェックです。
スマホのカメラで撮影しましたが、ちゃんと回ってる感じで撮れてますねぇ。

やっぱり、振れ取り台があると便利です〜〜〜〜〜〜〜@
しかし、これって場所を取って邪魔になるんですよねぇ。
なので私のモノなんだけど手元に置いてなくて、知り合いのトコに貸してありますです。
まぁそんなに度々使うモノではありませんからねぇ。


ちなみに、スポーク組み換えの工賃。
大きいバイクだと、フロント2.3H/リヤ2.4H位が標準です。
カブの場合では、フロント2.2H/リヤ2.3Hになってますねぇ。
つまり\16,500〜\18,000位なのでちょっと高いですな。

実は組み付け済みのホイールA'ssyでの供給もあります。
ホイール丸ごと補修する場合はこっちの方がお得だったりします。
大体は、ホイールA'ssyに含まれる単品部品の合計金額で設定されてますので、組み付け工賃分安いんです。

スポークは一輪分で\6,000〜\7,000位ですから、スポーク交換の全体費用ってのは\24,000-前後ですねぇ。
これは、ちょっとお高いです〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
もっとも、そんなマトモな工賃計算で請求させていただいたコトはありませんけど。

●2013年11月24日(日)

オートバイ修理ネタ、第2弾〜〜〜〜〜〜〜@

今回も、原付きスクーターですよんv
4サイクル50ccスクーターの、マフラー取り付け部分のスタッドボルト折損の件。

マフラーのボルトってのは、熱が加わり弱くなるのでちょくちょくこういうコトがありますねぇ。
特に原付きクラスになるとボルトがM6と細いんで折れやすいんです。
今回は自然に折れちゃったとのコトですけど、特にマフラーを取り外す際に起きやすいトラブルでもあります。

私はこうならないように、マフラーを外した場合は必ず「アンチシーズ」と言う焼き付き防止グリスをネジに塗布するようにしてます。
勿論、次に取り外すのは私でない誰かかも知れませんが、それでもイイんです。
とにかく不幸な事故が防げるんならば、それにこした事はありませんからねぇ。
(ちなみにデイトナのアンチシーズ「通称:スケベグリス」を愛用してます)
予め齧りつきそうなネジに塗布して組んでおけば、かなり次回の取り外し作業が安全に行えるんです。


まぁでも、折れてしまったモノは仕方ないですねぇ。
排気ガス規制が掛かってる4サイクルエンジンは希薄燃焼設定になってますから、排気漏れは深刻です。
このまま放置して乗っていると、エンジンが過熱してブローする危険性が高いのです。

ここで良く聞くのが、「たかがネジ1本」と言うセリフ。
実はそんな言葉を聞くと、私は内心心穏やかではいられないのです。
勿論実際に怒鳴りつけたりはしませんが、私の脳内ではそんなコトをほざいた相手を3マン回はしばき倒してます。
コラム記事だからこその告白ですけど。
まぁようするに、1本のネジに人の命を預けている部分とかはザラにあるんです。
ちょっと考えりゃ判る、簡単なコトなんですけどねぇ。
たかが、などと簡単に言う人には整備をして欲しくはありません。


このマフラー部分のボルトは直さないと、このエンジンが使い物にならないってコトになります。
しかし問題は、その折れたボルトの付いてる場所。
このスクーターのエンジンは下側にエンジンマウントがあるんです。
つまり、エンジンマウントの間の奥に、このボルトが存在するんですよねぇ。
さらに強制空冷エンジンですからシリンダー周囲はシュラウドで覆われてて、排気ポート部分だけ開口してる作りになってんです。

ようするに、ボルトは目視できるんだが、工具が入らないってコトです。


このような作業困難部位をやっつける場合に重要なのは、アプローチ方法です。
ノリや勢いだけで取り掛かってはダメ。
じっくり検討に検討を重ね、より安全で確実な作戦を立てる必要があります。

一番失敗するパターンは、思い付きで手当たり次第にやっつけるコト。
やってみなければ判らない。それはその通りです。
でも、やってみたら取り返しが付かない結果になるコトなんてザラにありますよん。
そうなった時に「やらなきゃよかった、間違いだった」と後悔しても手遅れです。
つまり、間違えないコトが大事。
やるべきでないコトはやらない。これ重要。

今回のようなケースでは、邪魔になる部分は取り外しておくってのが正解ですねぇ。
狭い隙間から無理矢理作業しても、まず上手く行かないでしょう。
なので、さっさとエンジンを車体から降ろします〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

この時に「エンジン降ろすの?そのままで何とか出来ない?」なんて言われると、内心心穏やかではいられません(またか)。
脳内では5マン回しばき倒しますねぇ。
エンジンなんてのは降ろしても、後で普通にちゃんと元通りになるんです。
でもそれをケチって取り返しが付かない、元通りどころか却って酷い状態にでもなったらどうすんでしょうか。
費用の心配をしてるんでしょうけど、それは別の話。

本来ならば、折れたスタッドボルトが付いてる「シリンダーヘッド」単体にまでするんです。
それをエンジンは開けずに済ましてやろうってんだから、それで充分でしょ。
て言うか、あんまり作業内容を細かく指示するんなら私はやりませんのでご自分でどうぞ、と言う話になります。
お客さんも修理屋も、お互いに信頼関係になければビジネスは成立しません。


で、エンジン降ろしてエンジンハンガーとかシュラウド、センサー類とかを取り外します。
そしてエンジンをひっくり返せるように、ブリーザーチューブなんかにオイルが出てこないよう栓をしておきます。

こうすると、患部が良く見えますねぇ。
上手い具合に折れ残ったボルト部分があって、バイスプライヤーで掴めそうです。
ちなみに折れていないもう片方のボルトもネジ山をチェックしてみたら、ちょっとダメージが見られました。
1本だけでマフラーを支えてて、ナットが噛んでいるネジ山部分が伸びて磨り減ってんです。
つまり、こっち側ももうすぐ折れる可能性が高いってコト。
こっちもボルトを抜いて交換しなければなりません。

まずは、メカニックの手にはいつものCRC5-56攻撃。
オイルがスタッドボルト基部のネジ山へ浸透するまでしばらく待ちます。
それからバイスプライヤーでボルトを引っ掴んで、回してみます。
固くて回らない場合は、一旦逆方向の締め側に力を加えてから正転方向に回してみたりします。
時には大胆に、でも繊細にですよんv

今回もう一つツイてたのは、それでスタッドボルトは比較的すんなり外れてくれたコトです。
ちゃんと工具をしっかり掛けられるように準備したからこそなんですが。
外したネジ穴はタップを通してキレイにネジ山を整えておきましょう。
こういう心遣いがとても重要なのです。

マフラーの取り付けは、スタッドボルトを新たに植えるんじゃなくて、ボルト直接で締めるように変更しました。
スズキのバイクなんかには良くこうなってますねぇ。
もちろん、そのボルトにはしっかりアンチシーズ「すけべグリス」を塗布しておきます。


後は元通りに組み立てるだけです。
これが難しいとか言っちゃってる人は、ビギナーですよん。
ちゃんと分解する時に組み付けを覚えておくのは常識です。
ジグソーパズルよりも簡単です。
だって元々組み立ててあった状態からスタートしてんですからねぇ。

今回は、作業開始から完成まで、2時間弱位でしたねぇ。
この車種は全バラにしてフレーム交換とかもしたので、構造は良く判ってるんで楽勝でしたv
カウル外装なんかで必要の無い部分はバラしてませんから。

ちなみにエンジンを載せる際、マウントボルトの位置あわせでちょっと苦労しました。
ジャッキを突っ込んで手回しして何とか合いましたけど。
ゴムブッシュを介してエンジンハンガーにテンションが掛かってんで、取り外すのはすんなり行くんだけど、取り付ける時には厄介なのです。

それとインジェクション車なので、配線コネクターがあちこちにあるのも注意しなければならない点です。
繋ぎ忘れとかがあるとエンジン掛かりませんからねぇ。
出来れば、完全に外装とか取り付ける前に始動チェックが出来る時に、一度始動テストしておいた方が良いです。
今回も、実はコネクタ1つ繋がってないのが判って、始動テストやって良かったですv
全部組んでからだったら、またバラし直さなきゃなりませんでしたからねぇ。


完成して、これで安心してまた乗れるようになりました。
修理代は、エンジン脱着の工数1.0H位が妥当でしょうか。
まぁオマケ込みで実作業時間の半分ってコトで。
折損の状態も良くラッキーだったし。

●2013年11月17日(日)

オートバイのネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

オートバイは長く乗っていると色んな故障をします。
修理をするに当たって、なかにはトンでもない壊れ方をしていてびっくりしたり。
また作業の途中で行き詰ってしまったりなんて出来事もあるのです。

今回のネタは、原付きスクーターのリヤタイヤ交換で、リヤホイールナットが固く締まってて取り外せなくなったとのコト。
私の所に来た時点で既にイロイロと弄繰り回されてましたねぇ。
ホイール真ん中が黒くなっているのは、バーナーで炙ったらしいです。
・・・・回転寿司のサーモンじゃねぇんだから、何でも炙りゃイイってもんじゃないですよんv
特にこういう大物の所では、バーナーで炙った熱はすぐに拡散してしまって、目的の部分に充分な熱が加わりません。
そもそも、ドラムブレーキなんだから、熱が拡散するように作ってあるんです。
じゃなきゃブレーキ使ってたら直ぐにフェードしてしまいますからねぇ。
炙るんならば、アセチレンとかの溶接機を持ってこなければダメでしょう。
もっとも、熱を掛けすぎれば当然焼きが戻りますので、アクスルシャフトの強度に影響してしまう可能性もあります。
ようするに、炙るべきじゃない場所なんですな。

ナットのナメてたりはしませんでしたので、まずはメカニックのお供、CRC5-56攻撃をしてみます。
ネジ山の隙間にオイルが浸透するようにスプレーして、しばらく待ちます。
うまく行くと、固まった部分がほぐれてナットが回ってくれるのです。


しかし、残念ながら世の中そう甘くは無かったようですねぇ。
相変わらずビクともしません。
ダブルハンマーの高トルクなエアーインパクトレンチでガンガンやっても全然ダメです。
こういう場合、一度逆方向(締める方向)に力を加えてから正転させてみます。
ネジが固まってる場合、緩め方向にネジ山が変な風に噛んでるコトがありますからねぇ。
勿論この際もCRC5-56攻撃は継続します。

それでもダメなので、これはもう「壊して外す」しかありません。
ココで重要なのは、やみくもに壊すのではなくて、よりダメージの少ない側を犠牲にするように考えるんです。
アクスルシャフトを温存してナットを破壊するんですねぇ。

そのような状況ってのは、実はジャンルを問わず整備全般で発生します。
実はそれ専用の、ナットブレーカという工具もあるんですねぇ。
ナットブレーカーはナットの側面に垂直にクサビを打ち込み、C型にナットを壊して取り外すんです。
なので使用ナットのサイズに応じて工具もサイズがあります。
サビサビのナットを除去するのには必需品ですねぇ。

で、取り出だしたるは・・・と言いたいんだけど、実はナットブレーカーなんて持ってませんv
だってお高いんですもの。しかも色んなサイズ揃えなきゃなんないし。
特殊工具が無いならば、無いなりに工夫して何とかやっつけるのを身上としているぶいぶいですから、今回も頑張ってみます。


ディスクグラインダーに切断と石をセットして、ナットに切り込みを入れます。
かなり神経を使う作業です。
だってホイールとかアクスルシャフトにまでキズを付けるワケには行きませんからねぇ。
時には大胆に、でも繊細に削ってイクのです。

そして切り込みが入ったら、トドメにタガネ&ハンマーで問題のナットを割ります。
タガネの打撃だけでナットを割るのは不可能ですから、出来るだけグラインダーで薄くしておくのが重要。
でも欲張りすぎると今度はシャフト側のネジ山がダメになってしまうので、絶対にそれは避けなければなりません。
難しいんです〜〜〜〜〜〜@


で、やっつけたのがタイトル写真上段。
取り外したナットを見てみると、皮一枚までグラインダーで切り込みが入ってて、イイ感じに割れてくれてます。
アクスルシャフト側をチェックすると、ネジ山へのダメージは皆無。
唯一、シャフト端のネジの入り始め部分1山にキズが入っただけです。
なので、新しいナットを使ってのホイール締結に関して、何ら問題ナシです〜〜〜〜〜〜@
そのキズ部分をオイルストーンで形状を整えて出来上がり。
ちなみに良品ナット(とワッシャ)は、部品取りのスクーターから外して使いました。


実は、こういう作業は得意だったりしますv
昔からボロばかり弄ってましたからねぇ。

でもここからいつも悩むんです。
一体この作業で、幾ら請求すべきなんだろうかと。
時間工賃の概念で考えれば、実作業時間で計算すりゃ良いんでしょう。
でもこの場合だと、技術レベルが高い人が作業すると、下手糞がやってるよりも安くなっちゃうというパラドックスが生じます。
ちなみに、実作業時間としては10分程度でしたかねぇ。
すると、\1,250-位になるでしょうか。ちょっと安過ぎみたいな気がします。損した気分?

メーカーの標準工数では、載っていません。
困難な作業は、作業者の判断に任せるコトになってます。
なので目安として、関連する部分の一番工賃が高いトコを参考にするんです。
今回の場合はアクスルシャフト(ファイナルギヤCOMP)ですから、この交換工数0.8Hを基準にします。
まぁだいたいの勘定で、その工数の半額ってことで0.4H。
つまり\3,000-位ですねぇ。ちと高いかな?

感覚的には、これらの間を取って\2,000-位が適正な気がします。
ぶいぶい名物の『一発\2,000-の法則』ですねぇ。
もっとも今回の場合は別の修理もありましたから詳細まで金額計算してないのですが。
タイヤ交換の工賃にちょっと上乗せとかが精一杯な時も結構有ります。

●2013年11月15日(金)

先日大きなトラブルから復活した、かもめさんカブ。
やっぱりワイドリム化は大正解でした。
旧カブならではのヨレヨレ感が解消されて挙動もシャッキリしましたからねぇ。
低μ路面の時でも、心配したようなシビアさはありませんでしたし、むしろ滑り出しの感じがリニアなので乗りやすいんです。
タイヤが新しくなった分もありますが。

それと宿題にしてあったブレーキドラムの研磨手直しもいたしました。
中古品での状態が悪くてちょっと苦労はしましたが、無事解決です。
ブレーキアームも新旧カブで長さが異なるんですが、新カブの短いアームの方が作動ストロークの点で良かったのでこっちを使います。
もちろんですが、ブレーキシューも新品のデイトナ青シューに交換しました。
このブレーキシューはとても良く効くので、ぶいぶいオススメパーツなのですv


思い起こせば、このかもめさんカブとの出会いは2010年3月でした。
もうアレから3年半ほど経ってんですねぇ。

しかし、今になって隠されていた新機能を発見してしまったのです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
ずーっと今まで気が付かなかったんですよん。

その機能とは、キーoffの状態でホーンボタンを押すと、前後左右ウインカーランプが点灯するのです。
点滅ではなく点灯、ボタンを押している間は点きっぱなしですよん。
ようするにパーキングランプっぽい使い方とかでしょうかねぇ。
当然ですがバッテリーの電気だけで32〜40wもの電球を光らせてますので、乱用は禁物です。

この機能は、そもそも行灯カブなんかに付いてましたねぇ。
サイドカバーにキーが付くタイプだと、鍵穴のすぐ脇にキー照明があったりしてとても便利でした。
(もちろんキーoffでランプ点灯という動作は一緒です)
かもめさんカブの場合はキーはレッグシールド左側面なので、キー照明の役割はあんまりありませんけど。


この全ウインカー点灯機能は、バッテリーの状態次第なのです。
バッテリーが弱いとさすがにそれだけの電球を光らせられないので、判んないんですよねぇ。
さらにバイクのホーンボタンなんてのは滅多に触らないモノですし。
もっとも私のかもめさんカブは純12v電装化してありますから、ランプの光具合は強烈です。
タイトル写真を撮影した時はちょっと薄暗い時間だったので余計にその光具合が強調されてます。

でも、そもそもバイクのホーンボタンなんて、あんまり押す事はありませんよねぇ。
ましてやキーがonになっていない状態で押すってのは、遊び半分じゃなきゃ普通ヤリません。
今回はたまたま手が触れてボタンを押してしまっただけなのでした。
新しい発見があるとは思いませんでしたねぇ。

ちなみにかもめさんカブの電装は、エンジンは12vプレスカブがベース。
でも車体ハーネスは元のまま使ってて、エンジンとの間に追加ハーネス(オリジナル設計)をかましてCDI点火&レギュレター搭載してあります。
そしてバッテリーケースとその周辺は12vカブの部品を流用してあって、サイドカバーの中は完全に12vカブそのものになってんです。
ウインカーリレーと全ての電球は12vに変更してあります。ウインカーブザーは追加してますよん。
ちなみにライトoff時のセメントレジスターは、そのままだと過熱してしまうので取り外し、その機能はレギュレターに任せてあります。
なので、元々の車体ハーネスに入ってる秘密機能はちゃんと温存してたんですねぇ。

●2013年11月09日(土)

土日で、豊川のB1グランプリが開催中ですv

土曜日は天気も良く、かなりの賑わいだったようです。
私は残念ながら終日お仕事がありましたので参加は出来なかったんですが、昼飯の時にちょっと足を伸ばして偵察してきました。
会場の中には入らず、周辺をぐるりとオートバイで回って来ただけなのですけどv

でも、会場付近一帯が屋台の「イイ匂い」をしてて、空腹だった私にはとてもキツかったですねぇ。
前日夜に焼肉を食べ過ぎた為、朝からずーっと胃もたれしてて飲み物すら重かった状態なのに。
雰囲気だけは味わえたので良かったと思います。
食欲も復活して、昼食も美味しくいただけましたし。

会場は、豊川稲荷大駐車場周辺と野球場周辺の大きく分けて2箇所です。
来訪者の方は結構徒歩で移動している方が多いみたいでしたねぇ。
自衛隊前〜イオン(旧サティ)の交通規制している道路なんかは人で溢れかえってました。
ただ、人の流れってのが混沌としてて、小さなお子さん連れの方には安全確保で苦労されていたと思います。
右側通行基本とかは出来てませんでしたからねぇ。
ちなみに周辺道路もとにかく人・歩行者が多くて、交差点の右左折には非常に困難を伴います。
横断歩道を渡る人の流れが、なかなか途切れないので。
横断歩道の無い所を横切る方も結構いるので、クルマやバイクの運転にはとても気を使います。

それと自転車のマナー最悪。
人の隙間を縫ってカッ飛ばしている輩が目立ちます。
(自転車も交通規制の対象になってますので、周辺道路でのお話)
大体、混雑している時にスピードを落とさないって神経が判りません。
オートバイも多かったですけど、そこそこ交通秩序はとれてましたよん。
自転車は無法地帯みたいですので、多分そのうち厳しく規制が掛かるのではないかと思います。
どうしてもブームになるとダメですねぇ。


明日日曜日は天気が悪くなるらしいので心配です。
お昼過ぎからは結構強く雨が降るとか。

・・・・私はどうせお仕事なんですけどね。だからこそ雨はイヤですけど。

ちなみに、食べりんクーポンは、会場の外の「協賛店」なんかでも買えたりします。
飲食関係だと早速今日使用した人とかがいますからねぇ。

●2013年11月08日(金)

今度の土日に、豊川市にて「B−1グランプリ」が開催されます。
以前から着々と準備が進んでいたのですが、何とな〜く一部のみでの盛り上がりっぽい感じがしないでもありませんでした。
しかし、地元で大掛かりなイベントがあるってのはとても良い事ですから、応援していきたいと思ってます。


タイトル写真の通り、あちこちにB−1グランプリ関連の案内看板とか出てたりします。
無料駐車場って書いてありますが、随分と会場から離れた所にもあるんですねぇ。
シャトルバスでの移動前提だそうです。
フタをあけて見なければ判りませんが、大勢の人手を見込んでいるそうなので、もしかしたら凄い交通渋滞が発生してしまうかも知れません。
運送業の方なんかには深刻な問題ですねぇ。
私としても、オートバイの機動性を活かして可能な限り近くにまで行って様子を見てこようかなとか思っとります。
もっとも、交通規制もありますから簡単には行かなさそうですが。


そもそも「B-1グランプリ」ってのは、ご当地グルメ、B級グルメの大会なのです。
なので、必ずしも美味しさってのだけを競うモノではなさそうですねぇ。
話題性とか地域性なんかも含めてトータルでの「人気投票」なのです。

味比べだと思ってたら、それはちょっと勘違いのようですよん。
ミスター味っ子や包丁人味平、美味しんぼなどのグルメマンガの影響を受け過ぎてはイケマセン。


現地での食べ比べにはチケットを買わなければ参加できないんですが、前売では売り切れ続出と相成りました。
これは幸先の良いスタートだと思われます。
当日会場でのチケット販売ブースでの購入も、もしかしたら並ばなきゃ買えなかったりして。
とりあえずは、会場の雰囲気だけは見て来ようかなとか思ってますです。



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