●2013年02月22日(金)
今回は、バイクネタに微妙に被っている「工具ネタ」です〜〜〜〜@ バイクなどの整備には、色んな道具が必要です。 一般的なレンチなどの他に、ちょっと特殊な用途の工具なんかもあります。 整備全般を行うのならば沢山の道具を揃えておかなければなりません。 この先行投資ってのが結構大変なんですよねぇ。 道具がないと作業ができなくなっちゃいます。 勿論ですが、無いなら無いなりに工夫して何とか凌ぐコトも考えるんですが。 しかし、質の高い作業を行う為には、やっぱりちゃんとした道具・設備は必要でしょう。
でも、工具類ってのはイロイロと揃えようと思うと結構な金額になります。 なので私なんかは長年掛かって少しずつ買い足して行きました。 ですから手持ちの工具の中には、すでに25年以上使っているモノすらあります。 一番長く使っているのは、35年モノですよんv それでも、イザという時には道具が無くて困る事があります。 特に、私の所で比較的良く行う作業にベアリング交換がありますねぇ。 ホイールハブのベアリング、クランクケースやギヤボックスに打ち込んであるベアリング、クランクシャフトのベアリング・・・。 特に重整備をメインに引き受けている事情もあるんだけど、でも何故かその手のややこしい作業が勝手に押し寄せてくるんです。 もっとも、困難な仕事にブチ当たると燃えるタイプですからその方が面白いのですけど。 しかしベアリング交換する作業ってのは、頻繁にあるワケではありません。 忘れた頃にポツリポツリと来るのです。 以前使ってたベアリングプーラーは破損してしまったので、その作業の必要性が生じた時にはとっても困るんです。 知り合いの所に持ってって、工具をお借りしたりして凌いでましたが限界ですねぇ。 こう言う場合は、道具を購入するか、もしくはその仕事をお断りするかです。 対応できない仕事を引き受けるわけには参りませんからねぇ。
ちょくちょくネット相談なんかで聞くセリフに、「バイク屋の工賃が高い」ってのがあります。 確かに、お金を支払う側の感覚だと高いな〜と思いますねぇ。 でも、作業する側の立場だと、それほど高いってワケでもないんですよん。 技術料って名目なんだけど、そこには必要な工具・設備のコストもちゃんと含まれているのです。 もちろんですが修理に必要な技術を習得するのに掛かったコストも入ってるんですけど。 修理代が高い安いって話では、チューブレスタイヤのパンク修理の事例があります。 基本的にバイク屋さんでの修理代ってのは、一穴一発2千円が相場ですねぇ。 作業としては、異物が刺さった箇所を特定して、専用リーマでグリグリやって、補修プラグ(ヒモ)をブチ込む。 余った所を切り落として空気を入れれば完成なのです。 スムーズに事が運べば、簡単に直ってしまいます。 「たったこんだけで2千円?」と思いたくなる気持ちは判りますよん。 でも、これには落とし穴があるのです。 まず必要な設備コストとして、パンク修理の材料。それと空気入れですねぇ。 パンク修理キットは色んなのが売られていますが、使い物になるレベルですと\1,500〜\2,500-位の商品です。 空気入れも、ある程度ちゃんとしたヤツだと\2,000-弱はしますねぇ。 なので、都合4千円ほどの先行投資が必要です。 つまり2回パンクして修理すれば元が取れるって計算になります。 しかし残念ながら現実にはそんな単純な話しにはなりません。 と言うのも、そんな頻繁にパンクするかどうか判りません。 何時使うか判らない道具類をちゃんと管理しておくのも大変です。 さらに、パンクと言っても色んなパターンがあるんですよねぇ。 特に私が良く遭遇するのは、チューブレスタイヤの場合はエアバルブの劣化損傷です。 それと、タイヤがかなり磨り減ってしまってての結果のパンクってコトがありますから、この場合タイヤ交換が必要です。 つまり、自分で作業してお金の節約をしようと思っても、なかなか元を取るまでに時間が掛かってしまったり、場合によっては無駄な投資になるリスクもあるのです。 使用頻度がある程度見込めれば、設備投資しておいても安心なのですが。
そんなワケですから、特殊な工具を購入するか否かってのには大いに悩みます。 もちろんそういう道具は合った方が良いに決まっているのですけど、後でちゃんと費用回収が出来るかどうかですねぇ。 まとまってその道具を使う仕事がドッサリと来る見込みでもあれば喜んで買っちゃうんですけど。 ベアリングプーラーに関しては、まさにこういう事情でした。 欲しかったんだけど二の足を踏んでて、すでに随分経っています。 でも、たまたまなんだけどスクーターの修理で、続けてベアリング交換するモノが来たのです。 この仕事を回してもらえれば、そのお代で念願のベアリングプーラー新調が出来るんです。 まぁその場合でも入ってきたお金は全部工具になっちゃうんで残りませんけど。
てなワケで、買いました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ 今回のは以前のとはちょっと違ってて、スライドハンマーが付いてるタイプです。 奥深く打ち込んであるベアリングは無理ですけど、ツライチで打ち込まれてるヤツなら数回ガシガシやるだけで外れます。 チャック部分の作りもちょっと余裕がありまして、耐久性も高そうです。 随分とでかいサイズのまで付いてるのが気になりますが、これは必要が無くても付いてくるので仕方ありません。
と言うか、ベアリングプーラーのサイズは好みのを選んで、安く購入できるようにならないんですかねぇ。 バイク整備の場合だと、10φと12φを頻繁に使います。 それ以上のサイズの場合はあんまり使いませんねぇ。 大きいバイクのホイールハブベアリングくらいですから、その場合は溶接でブリッジ作って反対側から叩く作戦でも充分だったりします。 ちなみに、かもめさんカブのハブベアリング交換は、このブリッジ溶接作戦でやっつけてます。 もっとも作業準備の手間が余計に掛かるのが難点ですねぇ。 それと、安い3つ爪プーラーってのが良く売られています。 でも先端の爪のサイズがギリギリ12φに対応していません。 ちょっと削って加工すれば行けそうな気もしますがどうでしょうねぇ。 このタイプの工具の、巷での評判はなんか微妙な様子です。 また、コンクリートアンカープラグで代用して抜く方法も聞いた事があります。 いずれも、確実にベアリングを外すのにはちょっと難しい点があるようなので、やっぱりちゃんとした工具がイイです。
話は戻りますが、タイトル写真のが購入したベアリングプーラーです。 早速、実践してみました。(修理のお代を頂く前に買ったので) 足が付いてるヤツは、ちょっと足の長さが災いして剛性不足を感じますねぇ。 なので傾かないよう慎重に押えつつネジを締めこんで行かねばなりません。 ちなみに回すのは、クランプ状のの上のでかいナットなのです。 ベアリングのチャック部やそれに連結したボルト部を回転させずに引き抜ける、凝った構造になってます。 これは壊れかけてガタガタになったベアリングを抜くのに、とても良いですねぇ。 造りとしては面白いんだけど、やっぱり使うのにコツが少々必要です。 なので、ちょっと慣れない人には使わせたくないですねぇ。 そして念願の、スライドハンマーです。 実は以前使ってた工具にもオプションでスライドハンマーがあったんだけど、それが結構高いのです。 実践したのは、原付きスクーターJOGのギヤボックス内のベアリング抜き。 昔のヤツだとここは10φなんだが、台湾JOGだったので12φと強化されてました。 プーラーをセットし、スライドハンマーくっ付けて、「カツン!カツン!カツン!」「ポロッ」。 いやいやいや。素早いですねぇ。 こりゃイイですよん。 さらに調子付いて、125ccスクーターのフロントホイールハブベアリングもやっつけました。 スライドハンマーでガツガツやっても、残念ながらピクリともしません。 やっぱり嵌め合い代がキツいのは無理みたいですねぇ。 クランプ型に付け替えてやっつけたら、パキリと音がしてその後ズリズリッと抜けてくれました。 固そうな場合は素直に最初からクランプ型でやるのが良いみたいです。 ベアリングチャックは、対応するサイズに幅があるので、ちょっと適合するのが判り難いですねぇ。 とりあえずケースのラベルに説明があるんだけど使い勝手を考えマジックでサイズを書いておきました。 ネジ類の加工精度も材質も、そこそこ良さそうです。 構造も結構凝ってますねぇ。 でも、肝心の力が加わる部分が、やっぱりもうちょっと丈夫に作ってあればと思いました。 これは道具をいたわって使う必要がありそうです。 なので、ベアリング抜きの作業の際には「油をさす」「トーチで炙る」等を併用しようと思いますです。
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