●2013年01月30日(水)
少し更新の間が空いてしまいましたねぇ。 ネタ詰まり気味ではありますが、まだまだ「おクルマ」の話題が続きます。 と言うか、今年に入ってからバイクのネタは出てきませんよねぇ。 唯一、正月のニューイヤーミーティングの記事のみです。 もしかして、クルマサイトになってしまうんでしょうか!? まぁ流れからして、切羽詰ってから二輪ネタ出すのも気が退けますから、今月は四輪ネタのまま続けます。
ココ最近は各種業界を挙げての「エコブーム」でございます。 環境ブームとも言いますねぇ。 それと付随して、省エネのブームも同時進行中です。 公害を出さないって点と、省エネルギーとは別の問題ではあるんだけど、やたら一緒に混ざってたりもしますね。 まぁ新しい技術によってそう言う製品がどんどん出てくるのはとても良い事だと思います。
しかし、自動車に関しては昔から公害問題とかでヤリ玉に挙げられるコトがありましたねぇ。 私が少年の頃、21世紀の未来になったらクルマは大幅に進化するって言われてました。 タイヤがなくなって、エアーか磁力か反重力何かで浮きあがってて、もちろん排気ガスを出さずに高層ビル間に張り巡らした透明チューブの中を走っている。 そんなイメージだったのです。 ちなみに未来人ってのは、金色にピカピカ光る全身タイツのような服を皆着ているんでしたよねぇ。 でも、21世紀になって13年も経った現在、そんな風には全然なっていませんな。 相変わらずクルマにはタイヤが付いてるし、全身タイツスーツなんか着てたら変質者扱いですし。 しかし、電気自動車に関してはちょっと無理矢理感はあるんだけれど一応実用化されて市販車として世の中に出ています。 半分だけ電気自動車のハイブリッドカーに関しては、かなり普及していますからねぇ。 やっぱり未来カーってのになって来てんですな。 エンジンが「ブーン!」と唸って排ガスがドバーッと出るクルマってのは、昔のモノになりつつあるのでしょう。
電気自動車の仲間なんだけど、今回のネタは「セニアカー」なんですv タイトル写真の製品でして、スズキ製ET4Aというモデルです。 現行よりも一つ前のモデルですねぇ。 ひょんなコトから私の所にやって来ました。 高齢者用としてのイメージが強いですけど、実際には老若男女問わず誰でも乗る事が出来ます。 つまり、運転免許は不要でして、お子様でもokなんですねぇ。 あんまり大きな声では言えませんが、酔っ払いも乗るのを禁止されてはいないんです。 と言うのもこのセニアカーは法律的には「自動車」には該当しない「電動車椅子」なのです。 歩行者と同じ扱いがされているのです。 一応スーパーなんかへの乗り入れは制限されてたりしますのでその点だけ要注意です。 似たようなのにゴルフカートがありますが、アレは公道ではない私有地内でしか乗る事が出来ません。
最高速度は、6km/hまでに決まっています。 これは丁度早足で歩く速度ですねぇ。 そしてスロットルレバーから手を離したら自動的にブレーキが掛かるような仕組みになっているので、お年寄りにも簡単に運転が出来るのです。 もちろんですが、手動ブレーキも別に付いてます。 スピード調整はスロットルレバーの押し込み具合で加減が出来ますし、ダイヤル設定でトップスピードを制限する事も出来ます。 このダイヤル調整範囲は2km/h〜6km/hです。
このモデルは素晴らしい事に、バックも可能です。 後退時の速度は2km/hまでですよん。 それとハンドル切って曲がる際にも自動的にスピードが絞られるようになってますねぇ。 まさしく至れり尽くせりです。
但し、現状ではどうやらバッテリーが消耗しているようでして、満充電にはなりません。 ちょっと走るとすぐにバッテリーが無くなっちゃいます。 バッテリーは昔ながらの鉛バッテリーで、比較的大きいのが2個入ってます。 これがちょっと高いのが難点ですねぇ。 1個2万円弱します。 タイヤもそこそこ消耗してますねぇ。 実はこのタイヤはノーパンクタイヤでして、空気ではなく発泡ゴムが充填されてます。 いわゆるムースタイヤって奴ですねぇ。 これがまた高くて、1本6千円ほどするのです。 タイヤはともかく、バッテリーは要交換でしょうな。
ちょっと乗ってみました〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ さすがに気恥ずかしさがありますが、割り切って近所を乗り回します。 ようするに「何か年寄りみたいに見られる」恥かしさを感じますねぇ。 特に、本当の高齢者だと年寄り扱いされるのに強い抵抗感を持ってたりしますから、やっぱり「割り切り」が必要な乗り物なんだなと思います。 走り出すと、中々トルクがあって力強い感じがします。 でも、やっぱりスピードが出ませんから最初はイライラしますねぇ。 どうしても意識だけ先走ってしまって「前のめり」姿勢になりがちです。 ここは意識改革をして、おおらかな気持ちでのんびり行こうと決めるしかありません。 そうすると、とっても優雅で気分が良い走行ができるようになります。 つまり、「割り切り」「おおらかさ」というメンタル部分がキモとなる乗り物ですねぇ。
で、ちょっと走り回って遊んでてふと気が付きました。 今まではどうしても「クルマ」「乗り物」って意識があったんだけど、そもそも車椅子なんだから本当は「歩行者」で考えなきゃダメなんですよねぇ。 すると、歩くよりも遥かに楽が出来て、しかも買い物とかして荷物が多くなっても全然大丈夫なんです。 こんな良いモノはありませんねぇ。 試しに私の母に乗せてみましたけれど、最初ほんのちょっとだけ戸惑いはあったけどすぐに慣れて軽快に乗っていただけました。 本人はとても楽しくて便利だなと喜んでいましたよん。 しかし、いざ自分の足とするかどうかと聞くと、「それはまだヤダ」だそうな。 やっぱり、メンタルな部分での抵抗感が強いんですねぇ。 運転操作が簡単な反面、細かい操作がとてもやりにくいです。 狭い場所での切り替えしとかは、惰性が強いので難しいですな。 シート座面を跳ね上げるとこのモデルはクラッチがフリーとなって手押しが可能なんだけど、車重がジャスト100kgありますから中々大変です。 (現行モデルは背もたれ裏側にクラッチレバーがあり、握るとフリーになります) 足回りは前後にサスペンションが付いていますが、タイヤ径が小さいので乗り心地はちょっと固いです。 段差とかは結構拾いますねぇ。 でも、どんな乱暴な運転をしてもそう簡単に転倒したりしません。 こういう安全対策はバッチリしてありますな。
道路を走ってて怖いのが、ちょっとした通りを横断する場合です。 車通りがあって、しかもスピード出して走ってくる道路だと、こっちが横断完了するのでの間の安全が確認できないと中々横断に踏み出せません。 セニアカーは人力と違って、移動速度が機械に決められちゃってますので、咄嗟の場合にサッと動けないのです。 街中なんかで信号がある横断歩道を渡るにしても、かなり余裕を持って渡らないと怖いですねぇ。 場合によっては、一つ信号が変わるのを見送って待つ必要があると思います。 それともう一つは、交差点の出会い頭に関してです。 この場合には相手がいるコトなんだけど、飛び出された時に背筋が凍ります。 スロットルレバーから手を離すだけなんだけど、でもイザって時は大抵固まっちゃいますよねぇ。 そうすると、スルーっと滑走してってしまうのです。 見通しの悪い角は、いちいち止まって安全を確認するようにしなければ危ないですな。
ご近所のお年寄り達が集まってる所に持ってって、ちょっと見せてきました。 概ね好評なんだけれど・・・・やっぱり自分が乗ろうって気持ちには中々ならないようです。 前述の通り「割り切り」「おおらかさ」があって、慎重に安全確認できて、さらに足腰は弱くても他が元気のあるお年寄りにしか向かないってコトですな。 なかなか売れないとセールスさんが嘆いていましたが、何となく判るような気がしました。
ちなみに新車の価格は、約34万円。 高いですねぇ。 実際、かなり贅沢な乗り物だと思いますよん。
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