2012年10月のコラム
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●2012年10月31日(水)

今月もお終いです。
暑い暑いと汗流していたのが、いつのまにやら寒くなってますねぇ。
お風邪など召しませぬように。

●2012年10月26日(金)

先日のコラムの続き・・・・ではありません。
ちょっと別の件のバイクネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

我が愛車、TT250R-"18モタード仕様は最初期型のTT-Rをベースにしてます。
1993年発売のモデルですので、現在19歳でございます。
ちなみにTT250Rは2000年の排気ガス規制に対応が出来ないので、1999年をもって国内モデルの生産を中止してます。
つまり約6年間しか存在しないバイクなのですが、輸出仕様はその後しばらく継続して販売されていました。

オフロードバイクってジャンルは、昔から全体的なイメージがあんまり変化がありませんので進化の程度や移り変わりが判り難いですね。
まぁ21世紀になってからのモデルだと、スタイル的に尻尾がピン!と跳ね上がってるのが流行なようです。
20世紀のオフ車の場合は大抵が垂れ尻になってんですねぇ。
私のTT250Rも垂れ尻ですv


バイクとして随分古くなってしまいましたけれど、この時代のマシンはどれも元気が良く、またメカニズムも熟成が進んでおります。
これよりも少し前の80年代では、まだまだ進化の途中で、ハイパワー競争があったり、エポックメイキングな珍車が出たり混沌としてました。
現在、中古で買うとしてもちょっと90年代前半モデルは年数が経過しているので、コンディションには十分注意する必要があります。
やはり、古くなってくると劣化してくる部分がありますからねぇ。

そしてご多分に漏れず、私のバイクも磨耗消耗によるトラブルを抱えているのです。
その内容は・・・・セルスタータ。
バッテリーはまだまだ元気が良いのですが、乗り始めの一発目にセルが回らない時がありました。
ただし一旦セルが回ってしまえば、その日はずーっと快調なのです。
また、一発目が不発でも、続けて二回目・三回目でキュキュキュ〜っと回りだすんです。
なので、騙し騙しその状態で使い続けていましたv


しかし、ちょっと前に別件でホンダXR250R(MD30)のセルモーター修理をしました。
さらにほぼ同じ時期に、スズキ・アドレスV125のセルモーター不良も対応してます。
2つもセルモーターのトラブルが続いたので、やっぱり自分のもヤラなきゃと思ったんです。

そして、事態は少し悪化してしまいました。
出先にて帰ろうかとセルボタンを押しても、「カチ!カチ!」とリレーの作動音はするものの不発。
そしていつもとは違い、何回も再トライしてもセルは回ってくれないのです。
「やべっ!?これは後でサルベーシするしかないのか??」と正直焦りました。
ちなみにTT250Rにはキックスタータはオプション扱いで、標準装備されておりません。
私のも勿論キックは付けてないのです。

でも、ちょっと間をおいたら「キュルキュルキュル〜」っと突然セルが回ってエンジンが掛かったのです。
「あー良かった、助かったv」
そう思うと共に、やっぱりちゃんと修理しなきゃダメだなと考え直ししたのです。


私の想像するに、やはりセルモーターの消耗部分がダメになってしまったのではないかと。
セルモーターの内部には「ブラシ」「コミュテータ」という接触部分がありますから、使えば使うほど減るのです。
バイク事態が古いし、走行距離は不明だけど結構走ってるはずですから、要オーバーホールなのは確実ですな。

TT250Rのセルモーターの消耗部品は、「ブラシAss'y」しか供給されていませんので、それを交換します。
ケース密閉用のOリングもあるんだけど、まぁそれはイイかなと。
(ちなみに以前修理した時の部品取りがありますので、Oリングも使い古しだけど良品があるんです)

しかし、部品が高いですねぇ。
[4GY-81800-00] スターテイングモータアセンブリ (\28,980)
[3KS-81840-00] ブラシホルダアセンブリ (\3,812)

セルモーター丸ごとだと3万です。
もちろん交換作業の工賃が本来なら発生するので、実際には3.5万円位になるんです。
こりゃ大変ですねぇ。
ブラシに関しては取り付けのプレートからスプリングなども全部セットになってるのです。
実は、ここは他車種流用すると半額位でできるようなのですが、今回はマジメに純正部品で修理します。
バイクメーカーによって、製造会社が同じ部品でも随分お値段が変わりますからねぇ。
ちなみにヤマハの部品は全般的に高いコトが多いようです。


セルモーターの脱着は、バイクによって随分作業難易度が変わります。
TT250Rのセルモーターはシリンダ背面に付いていますので、入り組んでて困難な部類ですねぇ。

実は、このセルスターター機構はホンダXRもヤマハTTRも、カワサキKLXですら殆ど同一です。
しかし先回ホンダXR250(MD30)では、このスターターギアの部分に「マヨネーズ化現象」が発生してました。
具体的には、オイルと水分が乳化して混じり合い、とっても悲惨な状態となるのです。
これはMD30モデルのみに見られる現象だそうな。

★参考★エスファクトリーのブログ

別のショップではセルモーターの勘合部からの水分混入を疑っているようですが、それならば旧XLR系やほぼ同一の構造を持った他車種にはあんまり見られない現象ってのの説明が付かないですねぇ。
なので私が思うに、排気ガス規制対応したためにブローバイガスの処理にマズい部分が出てしまったのではないかと思ってます。
完全燃焼を追及した結果、水分の発生が多くなったと。
そして、その水分がクランクケース内のオイルに混入し、熱せられ蒸発して丁度形状的に「オイルキャッチタンク」みたいな、このスターターアイドルギヤ室で結露。
そしてどんどん溜まってって、こんな状態に陥ったと。
旧型や他車種の場合、そこまで燃焼が良くならないか、もしくはブローバイガスが他の部分からどんどん抜けてって悪さをしにくいと考えられます。

でも心配なので、一応開けてチェックして見ますねぇ。
もしもMD30のように悲惨なマヨネーズになってたら困りますし、成り掛けならお掃除しとかなきゃなりません。
この部分のフタはネジ3本で止まってて、周りにOリングが嵌まって密閉してるので、気軽に点検が可能です。

結果は・・・何にも問題ありましぇん。
まぁこの部分は3〜4年前に一度手を入れてますけどね。
やっぱり、MD30系特有の現象みたいです。
もっともこれからも、この部分の点検は機会がある度にやろうと思っとりますけど。
だってセルモーター丸ごとパーになっちゃうと、数万円飛んで行きますから困りますよね。

ちなみに、ここのフタ部分は最後セルモーターを取り付ける時に、ギヤの噛み合いや収まり具合を確認したいのでそのままにしておきます。


で、セルモーターをごそっと取り外すワケですが、その為に邪魔になるパーツをどんどん外して行かなきゃなりません。
TT250Rの場合、エキゾーストパイプはもちろん、リヤサスのリザーバータンク、オイルデリバリーパイプ、それとカムチェーンテンショナーも外すんです。
ちなみにセルモーターへの配線はモーターのボディ端子ではなく、スターターリレー出口側端子から外した方がスムースに行きますよん。
場所は写真上段右に写ってますけど、リヤサスタンクステーのすぐ脇です。
(バッテリーを取り外して行わないとすぐ隣の端子に常時+のノーヒューズラインがあるので危険です〜〜〜〜@)

ここでいつも思うんですが、TT250Rのエキパイ脱着作業ってのはとても困難ですねぇ。
もうちょっと、あと5mmパイプの曲がりとか、フランジボルトが短いとか、ケースとのクリアランスが広ければ数段楽になるのに。
いつでもエキパイが外せなく(組み立て時は取り付けられず)格闘するコトになります。
グリグリとエキパイの向きをアチコチ変えていると何故か突然スッと脱着が出来ちゃうんですねぇ。
しかしそれを再現しようと思うと、何故か上手く行かないんです・・・・。
まぁ何度もやる作業ではないと思いますから、コツとかを覚えて無くてもイイかな。

セルモーターが外せたら分解して、内部クリーニングをいたします。
ちなみに回転子の前後端にスラストワッシャが入っているのですが、これが数枚重なってんです。
でも張り付いてて一枚のワッシャだと勘違いすると、突然バラけてワケが判んなくなりますから要注意。
磁力が強い部分があるので、上側(ピニオンギヤ側)から順序良くバラして行きましょう。


磨耗状態を見ると、不思議ですねぇ。そんなに消耗していません。
多少コミュテーター部分も焼けはありますが、減ってはいないんです。
プラシはそこそこ磨耗しているのでちょっと押し付ける力が弱まってはいるはずだけど、こんな程度でトラブルになるのだろうか。
ちなみに、セルモーターの状態は写真下段の左と真ん中です。

ここで感じたコトは、後になってやはり正解でした〜〜〜〜〜〜〜@

まぁ折角バラしたんだし、オーバーホールはやって損するコトはありませんから良い機会だと思って丁寧にやっつけます。
ここは、自分のバイクでもお客様のバイクでも全く変わりません。
以前は仕上げに差を感じたりはしてましたけど、いつの間にか同等に作業できるようになったみたいです。

んで、セルモーターを組み立てて取り付けをいたします。
先ほどのXR専門シヨップのサイトでの解説でセルモーターの納まり具合の件がありましたが、私の場合はOリングにシリコングリスを塗布して突っ込むようにしてます。
こうすると余計なテンションがOリングに掛からずに、とてもよい具合に収まりますからねぇ。
名付けて「ラブラブ・ローション大作戦」です〜〜〜@
まぁ卑猥だけど、原理的には一緒ですから。自然の摂理ってのは偉大だなv


ここで、ちょっとオマケ。
下ネタが炸裂したついでに、マフラー関連の取り付けボルト類に、例の「スケベイスグリス」を塗っておきます。
スケベグリスってのはアンチシーズ(焼き付き防止・高耐熱グリス)でして大抵は銅の色をしてんだけれど、何故かお値段が一番安いデイトナのは「金色」なんですねぇ。
その毒々しい色使いがまるで「スケベ椅子」のようですから、「スケベイスグリス」と命名したのです。
ちなみに性能は折り紙つきでGoodですよん。

話を戻すと、マフラー取り付け関連のボルトってのはとにかく固着し易いですねぇ。
そして取り外そうとするとガッチリ固まってるとかポッキリ折れちゃうなどの事故が発生しやすいんです。
なので、一旦取り外したならこういう齧り込み防止策を講じておくと、後々で安心できますです。
もっとも今の時点で固着しちゃてれば、外す際のリスクは一緒なのですが。
ノリノリで作業してる時なら、それでもスムーズにネジを緩めるコトが出来たりしますね。


で、サクっと出来上がり。
いざエンジン始動!っテコトで、キーonにしてスターターボタンを押します。

すると「カチッ」「・・・・・・・。」 ←デューク東郷?

おやおや、セル回りませんねぇ。
再度ボタンを押し直すと、今度は「カチギュルルッ〜」「バイーン!」。

確かにセルモーターの回転力はかなり良くなってて、オーバーホールした甲斐がありました。
何度かセルを回し直してみても、やはりギュルギュル回ってくれます。
しかし肝心の、一発目の不発はいただけませんねぇ。
ようするに、直ってないんです。

ここで、セルモーターを分解した時に感じた疑念が確信に変わりました。
どうやら本当の原因は、スターターリレーの接点不良のようですねぇ。
大電流を断続してるので、長年の使用により焼損・磨耗して接触不良を起しているようです。
リレー接点には自己清浄作用ってのがありまして、カチカチ作動してると接点が勝手に磨かれ接触がある程度回復します。
今まではそのおかげで、再トライするとセルモーターが回ってくれてたんですねぇ。
しかしモノには限度ってのがありますので、磨耗が進行してって回復しにくくなっちゃったと。
リレーは分解出来ませんので交換しかありません。
しかも使ってれば減る部分ですから、中古品じゃなく新品部品で替えるしかありませんねぇ。

[3SX-81940-00] スタータリレーアセンブリ (\4,368)

おおおっ〜また微妙にお値段がよろしい部品ですねぇ。
これも電気的定格さえ満足してれば、他車種だろうがなんだろうが流用可能です。
今月はこれ以上予算的に厳しいので、「検討中」ってコトで交換修理は先送りです〜〜〜〜〜〜〜@

その間の、動態保存サイクルでは自宅から出発して、エンジン掛かったらノンストップでぐるぐる走り回って帰って来るパターンにしとかなきゃ。
現状では、一旦エンジン止めちゃうと次にセルが回るかどうか判んないですからねぇ。

●2012年10月24日(水)

整備をやっていると、様々な工具を使います。
中には、どうしても必要になって仕方なく調達するような、特殊なモノもありますねぇ

今回は、ブレーキ関連のメンテナンスをしていてそういうモノに遭遇いたしました。
ブレーキキャリパーなんだけど、対向ピストンになってて左右分割の2ピース構造です。
このような構造のキャリパーを整備する場合に、どこまで分解しようか考えてしまいますねぇ。


オーバーホール整備なんだけど、通常のメンテナンスではシール類の交換、ピストンのクリーニングと磨耗点検。
それとフルードラインの清掃が作業内容となりますねぇ。
対向ピストンの場合はピストンを抜き出す作業が一番苦労します。
とにかく後のプロセスを良く考えて、先手・先手でイロイロやっとかなきゃいけません。

まだブレーキマスターから液圧を掛けられる時に、複数あるピストンを僅かでも良いので動かしておきます。
出来れば何度か戻したりしてピストンとシールとの固着を完全に取っておくと良いですね。
やはり工具などを使って引っ張り出すよりも、マスターから液圧を掛ける方が強力ですから。

そしてキャリパー単体にしてからは、エアー圧を使ってキャリパーピストンを動かすコトになります。
これがなかなか上手く行かないんですよねぇ。
複数有るピストンの1つだけ先に外れてしまえば、その後エアー圧は掛からなくなってしまいます。
なので途中で止めておかなきゃなりません。
私の場合はパッドの代わりに小さなレンチなどでつっかえ捧をしておきます。
ちなみに、ピストンをエアー圧で抜く作業ってのは結構危険なので注意しなければなりません。
外れる瞬間に「パン!」と音がするコトから判るように、運悪くピストンが飛んで行ってしまうとかなりの破壊力があります。

そして、全てのピストンがいつでも外せるようにしてから、キャリパーボディーの分割に入ります。
もっともどの対向ピストンキャリパーでも分割できるとは限りません。
1ピース構造のモノもありますし、そもそもセンターのシールが補修部品として供給されていなければ組み立てる時に困ります。
シール類ってのは、特に古くなったモノだと分解したら新品へ交換するのがセオリーだからです。
古いシールってのは柔軟性に乏しくて漏れやすくなってますので、分解・組み立てすれば信頼性がなくなってしまうからですねぇ。


ここで不思議なコトに、キャリパー整備への考え方がバイクメーカーによってかなり違いがあるんです。
2ピース構造のキャリパーに関しても、センターのシールが部品供給されていないコトもありますし。
ヤマハとかはセンターのシールやボルトは供給されていません。
ボルトは普通のキャップボルト(六角レンチで回すタイプ)になっているにも関わらずですよん。
つまり「分解するな」と言うコトになります。

しかしホンダの場合は、ちゃんとそれらのパーツは供給されています。
でも、ニッシン製キャリパーに多いのが、そこのボルトが「トルクス」になってんです。
このトルクスってのは、主にヨーロッパの方で使われている高締結ボルトの規格ですねぇ。
なので、日本での使用例ってのはあんまり高くないのです。
私の知ってる範囲だと、ポルシェやBMWのシリンダーボルトに使われてる位かな。
頭が六芒星になってんですな。金平糖のようにも見えますです。
とにかく強い力で締め付けるのに適した形状として生まれたんですよん。
高張力ボルトとの組み合わせで使われる事が殆どなのはその理由からです。

ちなみにアメリカ車にも似たような星型の頭のボルトが使われてますけど、今回のトルクスとはちょっと種類が異なります。
アメリカは8角や12角のが多いんですねぇ。ハーレーとかがそうです。
また、星型の尖がった部分が曲面のと、真っ直ぐのスプライン形状のとがあります。
弄り止めってワケではないんですが、実に様々な形状・規格のがあるんですよねぇ。

つまり、トルクスボルトはバイクでは殆ど使われていない特殊な部類に入りますから、ホンダのキャリパーに関しても実質的に分解するのが困難だとも言えます。
でも折角シール類が出るんだから、是非とも分解して完全にスッキリメンテナンスしてあげたいですよねぇ。
特にブレーキは重要な部分なので完璧にヤリたいんです。


と言う事で、工具を買ってまいりました〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
この手の種類の工具だとホムセンでは扱っていないので、必然的に専門店になります。
ネット通販が便利なんだけど、単価が安いモノの場合送料の占めるウェイトが多すぎますねぇ。

なので、今回は直接工具専門店に行きましたv
「ファクトリーギア 豊橋店」です。

このお店は、私は密かに「悪魔の棲む館」と呼んで、恐れおののいているのです。
すごく危険な場所なので、気持を引き締めて出かけなければなりません。
何故ならば・・・・・知らず知らずのうちに、あれこれと予定外のモノまで買ってしまってお金が底をついてしまうから。
ヤバいんですよ〜〜〜〜〜@

やっぱり、上質な工具を見ているとあれもこれも欲しくなりますねぇ。
しかし高級ブランドの工具ってのはべらぼうに高いんです。
小さな小さなスパナが1本3千円とかしますからねぇ。(ちなみにホムセンで買うと800円程度です)
そして工具ってのは、使用する多様な状況に応じて色んな形状・大きさのがあればあるほど良いのです。
つまり、「あ、これあるとイイな」と思ってしまうモノが実に沢山並んでいるのですねぇ。

ですから店の入り口でまず、本日の買う物と予算上限をきっちり復唱して自分に言い聞かせなければなりません。
「今日はコレを買う」「今日の予算はxxx円!」と。
そして本日の目的は、トルクスのソケット1個なのです。


ちなみに、ホンダのキャリパーに使われているトルクスボルトの規格は「E12」ってのでした。
E型トルクスってのが頭の形状でして、12ってのがサイズなのです。
このサイズの呼称もちょっとややこやしいんですねぇ。
星の対辺が11mmありますのでそこから調べて行くのです。
もっとも、工具を買う時にもちゃんと外したキャリパーを確認用に持って行きましたが。
もし間違った工具を買ってしまうと作業できませんからねぇ。
ちょっと格好悪いけれど、より確実性をとるのです。

ソケットのコーナーを見ると、E12トルクスのソケットは通常のとディープ、それとインパクト用の3種類しかありませんでした。
通常のソケットで良いんだけれど、メーカーはKTCとコーケンのがあるようです。
しかし、コーケンの方は売り切れてましたねぇ。(別のサイズのはありました)
コーケンの方がちょっと安いので、出来ればそっちの方が良かったんですけど。
もっとも、KTCのソケットでも1個千円弱でしたのでそんな価格的な差はありません。
まぁ使用頻度が低いので高級なモノじゃなくても良いんです。

これで買い物は済みました。


ちなみに、「悪魔の棲む館」は高級工具がメインなんだけど、それ以外の安いブランドのも置いてあります。
台湾製品のDEEN(ディーン)って銘柄のですねぇ。

価格ははっきり言って、かなり安いです。
思わず、超ロングな300mmエクステンション(3/8"角)を買ってしまいました〜〜〜〜@
この手のエクステンションはホムセンでも見掛けますが、大体3千円ほどしますからねぇ。
それがナント!! \900-なのです。

造りとしては、そこそこ良い感じですねぇ。
メッキの仕上がりも悪くないですし、形状はむしろ良いですな。
しかしちょっと気になる点が。
それは・・・・これ、Snap-onそのもののデザインですよんv
ロゴの入ってる部分なんかそのものですから。

他のDEEN製品を見ると、やっぱりデザインは色んな一流ブランドのを模倣というか完全にパクってますねぇ。
まぁ機能に繋がるデザインは似せてたりするのはどのメーカーでも少なからずありますが、ここまで潔くヤッてるのには笑っちゃいます。
調べて見ると、DEENってのはファクトリーギアのオリジナル製品みたいですねぇ。
これは同じような大型工具店のアストロプロダクツにも「クレバーツール」ってシリーズがありますし、良く知られている「SIGNET」なんかもパクリ系安売りツールの仲間です。

工具ってのは沢山の種類を揃えた方が作業には有利となりますので、お値段が安いコトも重要だと思います。
趣味の対象=工具なら、一流ブランド品で揃えるに限りますけどねぇ。
文字通り道具として使うんなら、ある程度の品質レベルで妥協して、その分種類を増やした方が良いって考え方もアリでしょう。
まぁ業務用として酷使する場合だと、やっぱり高品質な製品じゃなければあっという間に壊れてしまいますけどね。


で、DEEN製品はどうなのか。

品質として、まず表面の仕上げはかなり頑張っていると思います。
デザイン形状は前述の通りのSnap-onそのものです。
つまり偽スナップオンだと言っちゃってもイイでしょうねぇ。

肝心の寸法精度なのですが・・・ちょっと粗いかなと思います。
エクステンションなので嵌め合い精度になるんですが、グラ付いたりはしませんけど差し込んだ時のクリック感が甘いです。
剛性もちょっとな感じがありますねぇ。
ロングエクステンションだと、固いボルトを扱う時に多少の捩れ・たわみが生じるコトがあります。
それがちょっとばかり多い目なんですねぇ。
試しにガッチガチに固着したボルトを外そうとしてみましたが、力を加えて行くと捩れにより伝達トルクが逃げてしまいました。
もちろん本気で、例え工具が壊れても構わないほど(壊れればコラムネタになるv)のパワーを出したけど、折れたりはしませんでしたねぇ。
なので丈夫ではあるけれど、剛性は高くないんです。
結果的には、エクステンション使用してこのボルトを緩める事は出来ませんでした。

これがSnap-onのエクステンションだと、「パキッ!!」と怖い音を立ててボルトが緩む所までイクのです。
まぁ本来のSnap-onならではの特長なんですけどね。
これが一流ブランドの実力なのです。伊達に高いだけしゃないんですよん。

プロ仕様ってのは、要求される性能が高いんです。
何故ならば、なかなか緩まないボルトに遭遇した時に、どうしてもやっつけなければならないのがプロの立場。
これがホビーユースならば他所に頼むとかの逃げ道がありますからねぇ。

なので、残念ながらDEEN工具はプロ仕様としては使えないと思われます。
もっとも値段がとても安いので、高級品と同じ土俵に上げて評価するのは可哀相ですが。

まぁ少し工夫すれば充分に使う道はあるのです。
例えば今回のように超ロングなエクステンションならば、8/3角ではなく1/2角と一つ太いのを選ぶとかですね。
そうすれば剛性も確保出来て、実用になるでしょう。
つまり、選択時も使用時にも少し気を使えば大丈夫なのです。


やはり、偽Snap-onにしたデメリットがありましたねぇ。
安物工具なりに、もっとゴツい造りにしてれば気兼ねなく使えて、プロ仕様としても使えたのに。
ホムセン工具の中にもちゃんとプロ仕様として実用性のある製品は沢山ありますよん。
まぁさすがに100円均一のモノのなかでだと使い物になったためしはありませんでしたが。


もう一つ、「悪魔の棲む館」で見つけたのが真鍮ブラシです。
これもブレーキキャリパーのOH作業には必需品ですねぇ。
やはりこびり付いた汚れ・異物をしっかり取り除きたいですから。

普段、この手のブラシはホムセンで調達する事が殆どです。
消耗品ですからそんな高級なモノじゃなくても、どんどん新しいのに替えますからねぇ。
しかし、今回は悪魔に魅入られてしまったのです。

見つけたのが、ソケットと同じKTCブランドの真鍮ブラシ。
これ1本で300円弱でした。
ちなみに普段使ってるのはその半額ですからねぇ。

でも、後で比較してみたらお値段が倍だけの違いがちゃんとありました。
何てったって、ブラシの毛の密度が段違いなのです。
KTCブラシは安物の2倍の密度ですから、お値段なりなんですよん。
もちろんぎっしり毛の詰まったブラシの洗浄力はとっても高くて、作業効率も断然良好なのです。
やっぱり高いモノは良いですわ。


結局、千円弱で済むはずの買い物が二千円チョイ超えになってしまいました〜〜〜〜〜@
やはり、悪魔は棲んでいましたねぇ。
まぁこんなもんで済んだのでまだマシなんですけど。
(以前は万札が知らない間に飛んでったコトがありました)

そしてE12トルクスのソケットの使い心地は・・・実に良いですねぇv
ハイテンションボルトの方が負けそうな程のトルクを掛けられそうな感じです。
さすがにKTC製品は優秀ですな。
まぁネプロスって高級ブランドの方はちょっと華奢な造りをしてるので、私の好みではないんですが。
と言いつつも8mm短スパナを1本だけneprosのを愛用してたりしますけど。


具体的な作業の詳細については、後日に続きます〜〜〜〜〜〜〜@

●2012年10月22日(月)

クルマネタです〜〜〜〜〜〜〜@
と言っても、バイク関連とも被っているのですが。

お題は「クルマのブレーキフルード交換」です。


バイクやクルマのブレーキシステムには、ワイヤー式のと油圧式のが使われています。
もっともワイヤー式はバイクではまだまだ多く使われているものの、クルマの場合はせいぜいパーキングブレーキ系位ですねぇ。
圧倒的に、油圧式が多いです。

でも、ブレーキフルードってのは文字通り「液」ですから、いわゆる油ではありません。
昔の人とかはブレーキオイルって呼び方をしたりしますけれど。
なので正確には、液圧式と言った方が良いですねぇ。
私は少し昔の人間なので、それでも「油圧式」の方が馴染みがあるんですが。


ブレーキフルードには、DOT3とかDOT4などの規格の区別の他に、「グリコール系」「シリコン系」「ミネラル系」の種別に分かれています。
種別の異なるブレーキフルードは混用してはいけません。
グリコール系のフルードが最も一般的に使われています。

シリコン系のフルードはレース用のフルードに良く使われていました。
それとハーレーの純正指定もシリコン系フルードでしたねぇ。
もっとも、2005年モデル以降はハーレーもグリコール系へ移行して行ってるようですが。
ちなみに、シリコン系のフルードはどうしてもシール類の劣化が多くなりますので、定期的なブレーキシステムのメンテナンスをする前提が必要となります。

ミネラル系ってのは鉱物油のコトでして、文字通り「油」なのです。
もっともこれは今では殆ど使われていません。
ちなみにシリコン系のフルードもれっきとした「油」なんですが。
つまり、グリコール系フルードは油ではないんだけど、現在はこれが主流だから「ブレーキオイル」ではなく「ブレーキフルード」と呼ぶようになったんです。


規格の区別の、DOT5に関してはレース用と言われてますねぇ。
昔はシリコン系フルードしかありませんでしたが、今ではグリコール系フルードのも出てます。(DOT5.1と表記してあります)
その他にはスーパーDOT4って規格のモノもありますねぇ。
走り屋さんなんかは、とかくブレーキ強化の一策としてこの手の製品を愛用してますな。
ただ、グリコール系フルードは吸湿・劣化の問題があります。
なので、普通に乗る場合にはあんまり欲張らなくてもイイんです。
純正で指定されていない限りは、「普通」が一番ですv

DOT3とDOT4に関しては、前者がクルマ用で後者がバイク用と大雑把に区別されてます。
もっともスポーツカーとか大きいクルマだとDOT4が指定されてたりするんですが。


今回は、私の愛車ホンダ・アクティトラックHA3のブレーキフルード交換をしました。
そのキッカケは、我が家の乗用車の方が来月車検なのです。
2回目の車検、つまり5年経過していますから、ブレーキフルード交換が必要です。
ちなみに本来は2〜3年で交換しなさいってコトになってます。
思いっ切り引っ張っても、最低5年に一回は交換しなければダメなんですよん。

で、ディーラーにフルード交換だけの作業依頼をしたのですが、思ったよりも高かったんですねぇ。
この「思った」根拠が、車検の見積もりなんだけれど、工賃がその金額より大幅に盛ってあるようです。
乗用車一台分だとフルードは約1L近く使いますので、それも含めて8千円ちょっとの請求でした。
私にとって修理代ってのは普段「貰うモノ」ですから、こっちから払うのは好きじゃないですねぇ。

まぁこんな請求ルールだと車検代が幾ら掛かるのやら心配なので、今回もユーザー車検で行こうと思っとります。


と、ここでふと気が付いてしまいました。
そういえばアクティの方は全然ブレーキフルード交換していませんでしたねぇ。
かれこれ7年過ぎておりますので、由々しき事態です。
ちなみにバイクの方は、やはりずーっとノーメンテでしたので少し前にオーバーホールした経緯があります。

これは、やらねば。
丁度、最近のマイブームが「ブレーキメンテナンス」ですから、ここんとこブレーキフルード交換作業は沢山やってたりします。


クルマのブレーキフルード交換作業は、基本的にバイクと変わりはありません。
ただしブレーキシステムからして、フルード系統が4つもありますから手間が掛かります。
しかもクルマの場合、ホイールを外さなければブレーキキャリパー(シリンダー)が見えませんからねぇ。
お約束として、マスターシリンダーから遠い順番にヤるのです。
日本車なので左後輪→右後輪→左前輪→右前輪、の順序ですねぇ。

ブレーキフルード選定に関しては、結構重要です。
前述の通り、様々な製品が存在しますからちゃんと合ったモノ・使えるモノを選ばなきゃなんないです。
ちなみにバイクの場合フルードの必要量は300〜500ml位。
(前後とも油圧ブレーキとしてです)
クルマの場合だとちょっと多くて、700〜1000ml位ですかねぇ。
今回のように、長年使い古したフルードをしっかり入れ替えしたい場合は多い目にフルードを使います。

もっとも、バイク修理で使うのがホンダのDOT4なんです。
これのストックがありますので、今回は軽トラですけどDOT4でイクことにしました。
写真の通りのボトル入りなんだけど、内容量が500mlですからもう一本買ってきます。
ちなみに近所のホムセンにも安く売ってましたねぇ。千円弱です。
隣にトヨタ純正DOT3が同容量の同じようなボトル入りでありましたが、値段まで一緒でした。
まぁ余った残りのフルードをまたバイク修理で使うつもりなので買いませんでしたけど。

ブレーキフルードは時間が経つと劣化しますので、あんまり長期間ストックしておくわけには行かないんです。


交換作業は、道具次第ですねぇ。
道具が無い場合は二人作業で行えば作業可能です。
ブレーキペダルを操作する人と、ブリーダーを操作する人ですな。

私の所にはブレーキフルードを吸い出す道具があるので、1人で作業が出来ます。
もっとも、リザーバータンクへの液補充はその都度やんなきゃなりませんが。
クルマ屋さんだとタンクの上にくっつけて、フルードの連続補充する道具があるんですよねぇ。

ブレーキフルードのリザーバータンクは、運転席ドアを開けた所に付いてます。
最初何処にあるのか判んなかったんですけど。
それとマスターバック(真空倍力装置)もちゃんと付いてるってのを初めて知りましたv
だって、今までエンジン切っても全然ブレーキの踏み加減とか変わんなかったですからねぇ。
てっきり、昔のクルマみたいにノーアシストだと思い込んでいたのです。
まぁABSとかは付いてないので、シンプルな機構であるコトには変わりませんが。


ホイールを外して、ブレーキシリンダー(前輪はキャリパー)のブリーダープラグを探します。
そこにレンチを掛けて、吸出し装置をセット。
後は吸出しながらブリーダーを緩めて、リザーバータンクの中身残量を注意して適せん補充していきます。
新しいフルードをどんどん送り込んでって古いのを排出するので、ブレーキ回路の中の分も含めた量も見越して交換したいですねぇ。
このタンクの大きさだと、後輪なら3杯・前輪は2杯くらいでしょうか。
排出されるフルードの色も見ていると、どの程度新しいのに入れ替わったのかの見当が付きます。

しかし、いつもながらホイール脱着ってのは大変ですねぇ。
いちいちジャッキを掛けなきゃなんないし、何て言ったって4本もありますから。
でもコツコツやってりゃそのうち終わりますので、余計なコト考えずに作業します。
この点はバイクの方が断然楽ですな。


結局、フルードは1本と半分使用しました。(約800ml)
交換した後は、さすがにブレーキのタッチが良くなりましたねぇ。
踏み加減が軽くなって、しかも奥でカッチリしてます。

「これがDOT4の威力か!?」

・・・なんてお目出度い考え方は出来ませんな。
そもそも、ちゃんとフルード交換してなかったんですからねぇ。


ちなみに、ディスクブレーキが付いてるスクーター、バイクにお乗りの方。
ブレーキフルードを交換したのはいつですか?
マスターシリンダーの点検窓から液が見えるのなら、色はどうでしょうか。
許せるのは「ほうじ茶」レベルまで。
ウーロン茶・コーヒーの色だと完全にアウトですよ。
もしも長い間メンテナンスしていない場合は、この機会に是非整備してあげて下さいね。

特に車検の無いクラスのバイクでリヤ側、それと原付きスクーターはあけてびっくりってコトが非常に多いです。

●2012年10月20日(土)

気が付けば、すっかり秋です〜〜〜〜〜〜〜〜@
ちょっと前まで日中はクソ暑かったんですが、今では肌寒かったりしますからねぇ。
そろそろ長袖で活動しなければ風邪を引いてしまうかも。

このシーズンは、柿が最盛期を迎えております。
豊橋市石巻町から北の方では柿の栽培が盛んでして、見渡す限り柿だらけなんですねぇ。
もっとも私はあんまり柿は食べませんけれど。

柿の他には、そろそろ稲刈りも盛んに行われています。
収穫の秋って感じですねぇ。
もっとも新米は普通にご飯として炊くのなら美味しくいただけますけど、お寿司なんかにする場合には水分含有量が多いので不向きです。
我が家では昔から、このご飯を炊くコトに関してなにやら具合がよろしくないようでして、はっきり言うと下手クソでマズい時が多いんです。
具体的な状態は、ベチャベチャしてておモチっぽく、米粒の存在感が希薄。
こんなの食べてると必ず胃もたれがするんです。

でもご飯を炊くと言ってもほとんどのプロセスは「炊飯器」がやってくれますのでおかしいですよねぇ。
不思議でしょうがなかったんですが、自分でやってみても何故失敗するのかが判りません。
おコメを研ぐのと、水加減位しか気を付ける事はありませんからねぇ。
もしかしたらおコメを「研ぐ」のと「洗う」のを混同してるのかも。
水加減に関してだと、例えばやたら焦げ付きを恐れて無意識の中で多めにする習慣が付いてるのかもしれませんな。
もっとも、マズいのにそれをはっきり口に出さなかった私も悪いんですけどねぇ。

こういう事情があって、昔から外食が大好きだったんです。
だって、同じような料理でも根本的に造りが違うんですから。
しかも、それが一流店でなくて、そこそこレベルの店であってもです。
まぁ今では自分で造って解決するコトが多いので、この外食依存はなくなりました。


で、毎年恒例なんですが新城市の富岡町のコスモス迷路を見に行ってきましたv
相変わらず見事に咲いております。
やはり、このシーズンの一押しは「コスモス」ですねぇ。


しかし・・・残念な事に、最近また腰を痛めてしまったようでして、この時は歩行困難寸前なほどツラかったのです。
もっとも腰と言っても関節ではなくて、どうやら筋肉痛みたいですけどねぇ。
最近連続して、ずーっと同じ姿勢でゴチャゴチャした作業をぶっ続けてたので、キてしまった様子です。
ストレッチとかをちゃんとして、出来るだけ早く直すように心掛けたいと思います。
湿布はあんまり効かないですねぇ。
まさか、太ったので薬剤の浸透が妨げられているとか???


コスモス迷路ですけど、沢山咲いている中で珍しい「黄色い秋桜」を見つけました。
ごく一部にしかなかったので、本当に珍しいみたいですねぇ。
コスモスと言えば、赤〜ピンク〜白ってのが相場なんですが。
突然変異なのか、外来種との掛け合わせなのか。

●2012年10月15日(月)

本日はバイクネタです〜〜〜〜〜〜@

ここんとこコラム更新が鈍くなっているのは、ちょっと忙しいからなのです。
実にイロイロなアクシデントがありましたのでネタには困らないんですが・・・。

例えば、身の回りの機器が3つも同時に壊れてしまいました。
一つはカーナビ。
これは中古品を買ったんだけれど、久し振りに起動させようとしてもダメでした。
OSの起動画面(実はWinCEで動いているそうですが)のまま、固まってます。
原因は不明ですねぇ。
八方手を尽くしたのですが万策尽きました。

次に、親父のPCです。
これは連続稼動させて使っていた様子でして、どうやらHDDドライブの認識を見失う時がある様子。
そしてブルースクリーンになって、OS起動できず。
代わりのドライブに、そっくりそのまま「HDD引越しツール」にてシステムをコピーしたのですが同様の症状になります。
修復インストールその他イロイロやったんだけれど、一旦新規にインストールするしかダメみたいです。
また以前と同じ構成・環境を構築し直しするしかないんだけれど、とても手間が掛かります。
そう言えば、IDEのインターフェースを持ったHDDってのは既に入手が難しくなっているようです。
そろそろ規格の寿命なのかも知れませんねぇ。

3つ目は、私のリブリブことlibrettoL2です。
こちらも起動不可能。
しかもピクリとも反応しません。
以前落下してPCカードスロットが故障した基盤がまだありますので差し替えてみると動作します。
(当然ですが壊れてるPCカードスロットは使用不能です)
これまた、メイン基盤の上の回路故障のようですねぇ。
オークションで中古部品を手配して到着待ちですが、そろそろこの機種も替え時なのかも。

ほぼ同じタイミングでの故障ですから不気味です。
太陽フレアかECMでも焚かれたか核兵器でも爆ぜたのでしょうか。


バイクの修理はイロイロとやってますけど、現在はNSR250R(MC18)の修復ですねぇ。
モデルから言うと'89ですので、23年経過しているバイクです。
とても人気があったのに、補修部品は欠品・廃盤だらけなので苦労します。
どうやらよく壊れる(壊す?)みたいで、補修部品が売り切れちゃったようですな。

細かい苦労話は沢山あるのですが、とりあえずキャブレター部分の記念撮影です。
ちょっと不動期間がありましたのでメンテナンスをしたのです。
ちなみに、このNSR特有の整備ポイントってのがいくつかありますよん。
MC18の場合はキャブレターのジェットニードル/ニードルホルダが磨耗しやすいんで、ここは慎重にチェックしなければなりません。
どうやら吸気脈動でニードルがプラプラして減るみたいですねぇ。
対策部品が昔あったんだけれど、現在の供給はどうなってんでしょうか。
もっとも今手がけている車体に関しては、磨耗は僅かでした。

しかし、フロート油面がちょっと不安定ですねぇ。
どうしても「お不動様」はフロートバルブの密閉が悪くなっちゃう場合が多いです。
もっともそんなに深刻にオーバーフローするワケではないんですけど、ちょっと溢れて滲んで来るかな?って感じです。
でもMC18には「突然のプラグ被り」と言う固有の持病があります。
突然と片肺になっちゃって不調に陥るんですねぇ。
大抵はフロントバンク(水平側)がダメになるんです。
そしてプラグを交換してあげると何事も無かったように、またバンバン吹ける様になります。


この「ブラグ被り病」だけではなく、NSRという車種には実に様々な伝説・流言が渦巻いてます。
まぁ爆発的人気があったバイクですし、それだけに怪情報も紛れ込みやすいのかも知れませんな。

プラグ被りに関しては、どうやら燃料で被るのではなくオイル被りをする疑いもあります。
点火時期に関してもMC18の場合は全てPGMユニットで制御してまして、アイドリング付近では前後バンクで点火時期を変える高度なコントロールがされてます。
中低速域でのドライバビリティを追求した結果なんですが、どうやらそういう特殊な制御をしているので片方だけおかしくなりやすいとも言われてます。


ちなみに、MC18の電子制御は多岐にわたって行われているのです。
点火タイミングの制御はもちろん、キャブレターのメインエアジェットにソレノイドバルブが付いてて燃調もイジってます。
それと排気デバイス(RCバルブ)とオイルポンプの制御もやってますねぇ。
現在ではすっかりインジェクション(FI)が主流となりつつありますが、こと電子制御に関してはかなり昔から取り入れられているのです。
それだけに、一旦調子を崩してしまうと修理するのがなかなか大変なのですな。

ちなみに、今回の車両ではキャブのエア制御配管の不具合と、ソレノイドバルブ配線の断線が一箇所見つかりました。
キャブの内部は比較的良い状態にも関わらず、不動前はあんまり調子が思わしくなかったらしいのですが、この辺に原因があったようですねぇ。
もっとも火花が飛ばない状態でしたので調べると、パルスジェネレータの不良が見つかったりして色々と紆余曲折があったのです。

もちろん各種リミッター制御もPGMユニットが行ってます。
そして裏モードが存在するんですねぇ。
'89モデルの場合は配線を1本繋ぎ替え(対アース→+12vへ)れば、制限の解除されたモードになってフルパワーになるのです。
具体的にどのような制御に変わるのかは諸説交々ありますので、不明です。
但し180km/hを超えても速度リミッターが働く事は無くなるってのだけは判明してますよん。
制御マップまで差し替えてあるのかどうかが判れば良いんですけどねぇ。
伝説によれば「ハイオクを使うべき」とか「プラグの熱価を上げよ」とか言われてんですが、そこまで特性を変えているのかどうかが判んないんです。
低速がスッカスカになっただとか色んな事を言われてますからねぇ。
ちなみに社外パーツメーカーから出ている「リミッターカット」も内容としてはこの裏モード移行だけのようです。
年式によって裏モードへの変更方法は異なるんで要注意です。

もっとも、修復中なのでまずはノーマルモードからにしておきます。
調子が出てから色々と試してみるのが良いでしょうな。


現在は、とりあえず点火制御系の修理も出来てエンジンが掛かる状態です。
調子はかなり良いみたいですから、もう一度バラしてしっかり仕上げたいなと思っとります。
折角キッチリと手を入れる良い機会ですから「動いてるからok」なんてレベルではやりたくないですねぇ。
しかも、次に壊れたら部品が無くて修理できない可能性もありますので。

NSRはとても優秀なバイクですけれど、個人的にはあんまり神格化したくはありません。
かなり凝った造りをしていますので苦労も楽しみも大きいんですけどね。
でもやたら大げさに騒ぎ立ててあれこれ妄想を膨らませるよりも、素直に乗って楽しめるようにするのが一番だと思います。
その為には手間が掛かっても一生懸命に修理をするんです〜〜〜〜〜@

●2012年10月09日(火)

かもめさんカブのパワーアップ・・・ではなく適正化のネタの続きですv

吸排気系のバランスに一抹の不安を抱えているかもめさんカブ。
やっぱり、全体的に一通りちゃんとやらなくてはダメだなと反省して、見直し作戦を進めております。

先日までは、一回り大きい口径のキャブレターと、それに対応するインテークマニホールドをそれぞれ純正部品流用で用意しました。
そして問題のマフラーなんですが、なかなかちょうど良いモノの入手に手間取っていたのです。

当初は安い補修用部品として売られている、東南アジア製のマフラーを考えていました。
外観も中身も、ほぼカブ70/90の純正マフラーに準拠しているとのこと。
もっとも造りってのは大抵粗雑で、メッキは長持ちしないし、内部崩壊までの寿命が結構短めだったりするんですが。
そもそも、かもめさんカブ自体のマフラーは既に3本目を使ってて、次のは4本目になりますからねぇ。


マフラー交換について。
とにかくバイクを弄ろうと思ったら、まず最初に思い浮かぶのがマフラー交換でしょうねぇ。
その理由は、音とかデザイン、それと軽量化なんかもありますが、やっぱり一番はパワーアップ(フィール向上)でしょう。

マフラーを替えるとパワーが出るのかどうか。
実は設計の良い排気系パーツはシリンダーへの混合気充填効率が良くなる効果が期待できるのです。
そうすると沢山の混合気を燃やせるから、トルクが向上するんですよねぇ。
また、高回転までエンジンが回せるようになるコトも多いので、結果的にパワーがアップするんです。

だったら最初からそういう設計をすれば良いじゃないか。
そう重いますよねぇ。
メーカーの技術者なんだから当然、どうすればパワーが出るのかは判っているのです。
しかし排気系の設計にはエンジン特性以外にもイロイロと考えなければならない面があるのですねぇ。
騒音レベルとか、耐久性とか、コスト的な制約なんかもあるのです。

その点社外アクセサリーメーカーは気楽なモノでして、ある程度割り切ってしまえるので、エンジン特性重視とかをするには有利なのです。
パワーだけ出てりゃok、値段がバカ高くてもokてな具合にです。
もっとも設計思想ってのはそれぞれの会社によりますから、中にはデザインだけ重視してるトンでもないマフラーもありますけどね。


実は、4miniブームなんて言われている割に、エンジンの元祖であるはずのスーパーカブは車種として冷遇されてます。
社外マフラーに関しても、ラインナップが意外と少ないんですよねぇ。
そもそも車体デザインが独特で古風なので、それにマッチさせるのは大変なんでしょう。
カーボンサイレンサー付きのカチあげスタイルなんてちくばくで不似合いですからねぇ。
(中にはそういう製品もあったりするのですが)

やっぱりスーパーカブには、デザイン的にキャプトンスタイルとかまでかなと思います。
個人的には、排気音が静かじゃないとなんかイメージ的な違和感も感じてしまうんですけど。
迫力の有るレーシングサウンドってのはやっぱり似合いませんねぇ。
ポトポトポト・・・とかベチベチベチベチ・・・・スコココココ・・・・そういう貧相なサウンドじゃないとしっくり来ません。

さらにノーマルマフラーは結構長さがあり、サイレンサー容量も大きい目だったりするのです。
かなり優秀な設計がされているので、下手な社外マフラーを付けちゃうと調子が悪くなりますねぇ。
なので、無難な造りにするしかなさそうですが、そうするとわざわざ高い社外マフラーに替えなくても良いじゃないかって話になるのかも。
カブユーザーはコストに厳しい方が多いのもあって、社外マフラーはあんまり売れないのかもしれません。


ちなみに、スーパーカブは日常的に街中で見掛けるとてもメジャーなバイクではありますが、在りふれているからって決して安いバイクではないのです。
勿論ビジネス用主体ですから豪華絢爛で高価なマシンではありませんが、少なくともスクーターなんかよりも高いんですよねぇ。
特に中古車になるとなかなか人気が高くて、そこそこボロい程度のモノでも結構なお値段が付いてたりするのです。
丈夫で長持ちしますから、中古でも人気があるんですねぇ。


そう言えば、冷遇されている4miniカブ系車種って言えばベンリィCDがありますな。
旧くはスポーツカブを先祖に持つ、由緒正しいスーパーカブの兄弟マシンなのに。
父っつぁんバイク=トツバイなんて呼ばれてて、駐在さんのバイクになってたりしました。
その後、デザインがちょっとスポーティーになったCDsシリーズ、CLシリーズなんかの派生モデルもありましたねぇ。

でも、何故か人気は今ひとつの感があります。
実は燃料タンクが約7リットルと大きく、マニュアルクラッチですから燃費にも有利で航続距離がとても長いという特長があるのです。
マフラーやタイヤはカブと同じですからねぇ。
ちなみに、マフラーに関してはカブ用ならどれもすんなり使えるようです。
しかし前述の通りラインナップは脆弱ですから選ぶのに苦労しますが。
とても良いバイクだと思いますよん。
レトロスポーツと言うジャンルでもあれば、その仲間に入れたいですねぇ。
もしかしたら長い間不変のスタイルが、地味な人気の原因だったのかも。

雑誌とかイベントとかでも、モンキー/ゴリラにダックス・シャリィ、それからカブにジャズにモトラと続いて、CDはその他扱いされることが多いですな。
ソロとかジョルカブなんかと一緒に括られてしまったり。
<HR>
で、カブのマフラーなんだけれど、結局はホンダ純正の中古で探すコトにしました。
もちろん目標は12v系の90ccモデルですよん。

90ccモデル用ってのはエキパイ部分が太くて、排気量が増えたエンジンとの相性が良いのです。
もっとも、びっくりするほどのハイパワーとか、暴力的なフィールにはなりませんけどね。
やっぱり純正マフラーですから、静かで大人しいのです。


で、調達してきたのが写真のマフラーでございます。
車種はなんと、HA03/ベンリィCD90用なんですねぇ。
なぜカブ90じゃないかと言うと、カブ90用だって言うだけで価格高騰するんです。
ベンリィでもカブでも同じなのに・・・・。
なので、ちょっとした隙間狙いでやっつけた次第です。

まぁ中古品なので仕方ないですがちょっとサビが多いですねぇ。
なので、サビ落としをして塗装で補修が必要です。


マフラーの入り口は、やっぱりでかいですな。
この大きい口こそがこのマフラーならではなのです。
出口ですけれど、こちらはそんなに大きくはありません。
まぁ十分に消音されてて、排気ガスの膨張も終わっていれば後はスルーっと排出するだけですからねぇ。
スーパーカブ(本当はベンリィCDだけど)のマフラーは大きく長いので、大容量を生かした結果がこのおちょぼ口なんでしょう。
ちなみに750ccクラスのマフラーの出口だって、意外と小さいんです。
つまりこの大きさで充分なんでしょうな。

※写真は、水排出穴が上になっているので天地逆さま状態で持ってますv


只今補修中ですので、塗料が乾くまで交換作業はお預けとなります〜〜〜〜〜@


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