●2012年04月21日(土)
バッテリー充電器のネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ バッテリーが上がってしまったり、新品のバッテリーを初充電するのに活躍するのが充電器。 その仕組みはと言いますと、バッテリーの状態に応じて制御した「定電流電源」なのです。 バッテリーへ充電をするのには、バッテリー電圧よりもちょっと高い電圧の電気を外部から供給してあげればokです。 例えばバッテリー端子電圧が11.5vとすると、外部から12vを加えると0.5vだけ電圧が高いので、外部→バッテリーへと電流が流れます。 これが充電電流でございます。 外部との電圧の差が大きければ充電電流も大きく、反対に電圧の差が小さいと充電電流も少なくなるのです。 つまり、外部から加える電圧を上下して、予め設定された丁度良い充電電流を流すように充電器ではコントロールしてんです。 そして充電が終わる頃にはバッテリー端子電圧も上昇して来ますので、それも検知してより高度な制御をする充電器もあります。 「過充電防止回路」が内臓されてるタイプなんががそれですね。
また、充電器のカタログなんかを見ていると、「トリクル充電機能」なんてのに出くわします。 このトリクル充電と言うのは、細流充電とか維持充電と呼ばれているモノでして、バッテリーの放電を防止する機能です。 例えば、たまにしかバイクに乗らない状態が続くと予想される場合には、バッテリーの自然放電の対策をせねばなりません。 そのままにしておけば完全放電してしまい、バツテリーがダメになっちゃいますからね。 そういう場合に最も良い方法は、バッテリーを車体から取り外しておいて、定期的に充電をしてあげるコトです。 ある程度放電しかかった所で充電してあげればバッチリです。 しかし、手間が掛かるのが難点ですねぇ。 そこで「トリクル充電機能付き」の充電器の登場です。 この充電器を接続してスイッチをONしておけば、あとは放置しておいて構いません。 バッテリーは満充電の状態から徐々に自然放電して行きますが、そこに少しずつ充電電流を流して補いますので、満充電状態を保持するのです。
その他の機能としては、「アンチサルフェーション機能」とか「バッテリー回復機能」なんて呼ばれているモノがあります。 サルフェーションというのはバッテリーを使わずに放置しておくと見られる現象でして、バッテリー液である希硫酸に鉛が溶け込んだ「硫酸鉛」が飽和して結晶化するのです。 通常の使用では、放電した後にすぐまた充電をすればこの硫酸鉛はイオン化されバッテリー液に溶け込み結晶はなくなります。 しかし放電したままにするとこの結晶が、電極にガッチリと付着して固まっちゃうんですな。 そして電極が覆われた状態となり、バッテリーの化学反応の邪魔をするんです。 そうするとバッテリー性能が大幅に低下してしまってダメになっちゃうんですねぇ。 いくら充電をしようと頑張っても中で化学反応が起こらないので、充電電流が流れ込んでいきません。 つまり、終わってしまったバッテリーになっちゃうんです。 パルス充電器ってのは、パルス状の充電電流を与えることによりこの結晶を電極から剥がすような働きをするのです。 するとバッテリーの性能が回復して、また使えるようになるのですねぇ。 また放電が進んでしまったバッテリーは充電電流が流れにくくなってるんですが、そこに高い目の充電電圧に設定して、ちょっと無理矢理電気を詰め込む「深充電」作用をするのもあります。 通常、解放状態でのバッテリー端子間電圧が10.5v以上無ければ充電器に繋いでも充電はされません。 それよりも電圧低下してしまったら充電不可能ってコトで、バツテリーがダメになったと判断されます。 しかし深充電対応の充電器だと、最初無理矢理高い電圧でブッ込んで充電しますので、寝た子を起こすようにして回復させるんです。 電気でガンガン叩く、無理矢理押し込んでみる、と色々やってあげて性能低下したバッテリーを活性化させるんですな。 バッテリーのリサイクル業者さんなんかは、内部を洗浄して特殊な充電器でガンガン回復充電させてリサイクルして中古バッテリーとして販売していたりもします。 色んな方法・テクニックを駆使してあげると、かなり性能が回復するんですねぇ。
オマケなんだけど、安物のバッテリーの場合電極の構造が単純で鉛の使用量も少なく、一旦ダメになったら中々回復しません。 鉛の純度なんかも低かったりしますからねぇ。 電極の設計はバッテリーメーカーのノウハウの蓄積により、色んな工夫がしてあるのです。 日本製のしっかりしたバッテリーは性能低下がしにくく、また万一弱くなっても回復するコトが多いのです。 同じ形式のバッテリーでも、激安海外製品のはなんか持ってみると妙に軽かったりしますねぇ。
さらにバッテリーの充電中ってのは危険が伴います。 まずは、充電中に発生する水素ガスですな。(ちなみに水の電気分解なので酸素も生じます) 引火・爆発の可能性がありますので、火気を遠ざけておくと共に換気を良くしてあげなくてはなりません。 ちなみに急速充電などをすると、より水素ガスの発生量が増えますのでリスクも高くなるのです。 MFバッテリーに対応してるかどうかってのは、この部分なんです。 補水不要のために密閉してありますので、強く充電すると内部圧力が高くなりやすいんですな。 下手をすると破裂してしまいます・・・・。 なので基本的にじんわりじんわりと時間を掛けて充電してあげなきゃなりません。
水素ガスの爆発の破壊力と言えば、去年の地震で深刻なトラブルに陥り爆発してしまった福島第一原子力発電所の事故があります。 もっとも本当に水素ガスで爆発したのかどうかってのは不明瞭でもありますけれどね。 原子炉は元々扱ってるエネルギー量が桁違いなので、事故の時の被害もそれに比例して甚大になります。 バッテリー程度では家が一軒吹き飛ぶ所まではなかなか行きませんけれど、それでもバツテリー容器が破裂し中の希硫酸が飛び散り周囲に影響を与えるコトは充分考えられます。 また、充電中にバッテリー液が噴出するコトもあるのです。 実は新品バッテリーに液を注入する際に、一気に入れると電極との反応により同様に噴出する事故が起こります。 なので万一そういうコトが起きても大丈夫なように、樹脂製のバットの上なんかで作業するのがお薦めですねぇ。 くれぐれも塗装の施された製品の近くとかでやらないようにしたいモノです。 大きなエネルギーを溜め込むんですから、ある程度の危険は付き物です。 なのでちゃんと取り扱い説明書などを熟読して、慎重に扱うべきなのですな。 気軽に適当にやってると、そのうちに報いを受けてしまいますよん。
充電器を買う場合には、まず使用目的と状況に合わせなければなりません。 ちょくちょく相談を受けるんだけど、ここが全くあやふやだと正直選び様が無いのです。 「高ければ良い」「大きければ良い」と単純に考えちゃってる人もまた多いんですが・・・ちょっと違いますねぇ。 先ほど触れたトリクル充電機能が必要な場合は、それが付いてないと話になりません。 またバイク用のバッテリーとクルマ用では、バッテリー容量が全然違います。 それと密閉型(MFバッテリー)と開放型とは充電特性が違うので、充電器の対応状況も確認しておかなければなりませんねぇ。 ちなみに、安物の充電器でも一応充電はします。 単純に電気を流せばバッテリーは充電されますからねぇ。 でも弱ったバッテリーには対応できなかったり、乱暴な充電方法をしてたり、完全充電までいかずに止まっちゃったりと色々あります。 高級高機能な充電器はこの辺りが違うんです。 つまり、安物の充電器でダメなバッテリーも、高級な充電器だとしっかり充電できたりするコトがあるんですな。 安物の充電器を使いこなす工夫としては、早め早めの対処に尽きます。 バッテリー上がりに見舞われた場合には放置せず、すぐに充電するのです。 弱くなってきた時点で充電しておくのも良いですねぇ。 そして充電が出来たならばすぐに自動車に積んで走行して、仕上げの充電をしてあげるのが良いです。 充電器には定格がありまして、充電可能なバッテリー容量の最大と最小のが決められてます。 その定格から外れるとダメですよんv ・・・・と言いつつもこの間クルマのバッテリーが上がった時には、定格外だけどバイク用の充電器で充電しちゃいましたが。 使い方としては間違っているので、良い子はマネしてはいけません。 ちなみに、バイク用と自動車用の充電器は兼用できれば良いのですが、なかなかそういうワケには行かないようです。 中にはどちらも対応が可能な製品もありますが、定格がちょっと微妙なのです。 原付きバイククラスの4L-BSなど小さいバッテリーが充電可能な製品だと、クルマのバッテリー容量の最大が36〜48Ahまで。 クルマのバッテリー容量がそれより大きい〜72Ahまでのクラスになると、小さいバッテリーは7Ah〜となってたりするのです。 もっと大きい100Ahクラスまで充電できるタイプだと、ほとんどクルマ専用のしか見当たりませんねぇ。 「大は小を兼ねない」んですな。 中型以上のバイクとクルマでなら、両対応の充電器がありますのでそれ一台でokでしょう。 でも、原付きクラスほどの小さいバイクに対応させるんならば、やはり個別に充電器を用意するしかないみたいです。
ちなみに軽トラックのバッテリーは28Ahなので掟破りのバイク用充電器の1.2A充電だと、単純計算で24時間掛かるコトになりますねぇ。 普通の自動車用充電器の場合、大体3〜4A程度の充電電流で使うようになってます。 すると28Ahのバッテリーは7〜9.5時間で満充電となる計算ですな。 二輪四輪両対応の充電器は、充電電流モードを切り替えられるようになってんです。
写真の充電器は長く使ってて、ちょっとホコリが堆積してたのでお掃除をしたのです。 GSユアサになる前の、「ユアサバッテリー」のモノで、MB-2012と言うモデルです。 仕様として、出力15/20v 最大1.2Aまでとなってます。 MFバッテリー対応、オートストップ(過充電防止回路)内臓、深充電対応です。 対応バッテリーは12v 2Ah〜18Ah。 具体的に言うとYTR4A-BS、YT4ZL-BSみたいなスクーター用バッテリーから、YTX20-BSまでの充電に対応しているのです。 ちなみに開放型バッテリーでも同様に使えるんです〜〜〜〜〜〜〜〜@ 販売価格は確か\18,480-(安売りだと\12,000-?)位だったと思います。 業務用として使えるクラスなので、ちょっとお高いですねぇ。 すでにモデルチェンジにより生産終了しているとのコトです。
オートバイ用として、同等のモノだとデイトナから出ているのがお薦めですな。 品番:65928で、定価\23,100-です。 ちなみにオートクラフトのP2020EV3ってのも同じ製品です。(定価\24,675-) こちらはトリクル充電回路も付いてるので、繋ぎっ放しにしておけるのが強みです。 でも個人ユースならば、もっと安いクラスので充分だと思いますねぇ。
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