2012年02月のコラム
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●2012年02月29日(水)

なんやらバタバタしております。
色んな用事が一遍に重なってしまって、とても大変なことになっちゃってますです。

せめてもの救いは、今年はうるう年なので1日余計にあってちょっと助かったv
しばらく、このバタバタ感は続きますが・・・がんばってコラム更新したいと思っています。

●2012年02月25日(土)

真面目にバイクネタです〜〜〜〜〜〜〜〜@

以前、我が愛車のTT250Rでシート表皮を文字通り「一皮むいた」記事を書きました。
過去記事を調べてみると、2011年8月17日ですねぇ。
それまでは社外アクセサリー品のスペシャルシート表皮が装着されていたんですがボロボロになっちゃってて剥がしたんです。
そしたら中から元々のシート皮が出て来て、それが意外と状態が良かったのでしたねぇ。

しかし寄る年波には敵わず、やはり表面の硬化がありました。
ごく僅かですけど微妙なヒビ割れも出てきましたので寿命みたいですな。
どうしても柔軟性が失われると、傷みの進行が早くなっちゃうんです。


で、今回思い切って張り替えを決行しました〜〜〜〜〜〜@

以前から言ってたように、ツートーンカラーにしましたよんv
オンロードバイクやスクーターだとシンプルな「黒一色」でも構いませんが、オフロード車ベースなのでそんなのは絶対に似合いません。
だからと言って、ノーマル準拠のプレーンなシートに拘るつもりもないです。
バイク自体が改造車(カスタム車)ですから、正直今の状態は物足りません。
なんか華が無いって言うか、ちゃんとカスタムしてんだぞってアピールがないんですねぇ。
ちょっとはお金掛かってんだよ、お手軽じゃないよって主張が多少でイイので必要だと思います。
で、耐久性に関しては黒が最も優れているんです。
なのでもっとも傷みやすい座面は黒い方がイイですねぇ。
てなワケなので、シートもカスタマイズするコトにしたのです。

さらにもう一つ。
今まで見てて、何かが気になってました。在るべきものが無いんですねぇ。
それは、シートベルト(シートバンド)です〜〜〜〜〜〜〜@
これはタンデムする場合に必要な「乗車装置」でして、法的に後ろの人が掴まる所が必要です。
シートベルトもしくはグラブバーが無いってのは困りますねぇ。
パッと見た印象で、「ちゃんとしていないな」って判るので、それが気になってたのですよん。
まぁ他にもチェーンガードの問題とかがあるんですけどねぇ。

オフロードバイクのシートは座面が長くフラットですから、そのノッペリとした感じをどうにかしなければなりませんな。
型押しとかタックロールとかを付けても良いけれど、何とかツートーンカラーの配置で解決してみたのです。
そしてシートベルトはアクセントとしても役立ちますから、ちゃんと付けますです。

さらにノーマルシート皮状態の時の感想なんだけど、滑りが良いと動きやすくてマジ走りモードには良いけれどマッタリ走行では落ち着きません。
やはり滑り止めがちゃんとしてないと疲れますねぇ。
シート表皮にはいくつもの種類があるので、その中で滑り止め効果が高いディンプル表面のを選びました。
また側面はちょっと硬い方が型崩れしませんので、そういう皮にしました。


で、シコシコと張り替えです〜〜〜〜〜〜@
作業は当然、自家整備になるんだけれどやってる最中の写真はありません。
コツとかがあるけれどそれは企業秘密な部分も含んでいますからねぇ。
まぁシートの形状と皮の特性で、順番にバランス良く張って行くんですv
もちろん防水の為のビニールシートも最初に貼り付けてます。

で、出来上がりがタイトル写真です〜〜〜〜〜〜@

とてもイイ感じに出来ましたねぇ。
色使いにしても今回スケッチ画像とかは作らずに脳内イメージでやっちゃったので、ちょっと不安でした。
特にシートバンドに関しては余りにも鮮やかで浮き気味かな、失敗しちゃったかなと思ったんですが。
シート単体では判らない、バイク車体との兼ね合いってのがあるんですねぇ。
問題のシートバンドは丁度フレームと似たような感じで、良いアクセントになりました。

座り心地もイイですなv
シート自体が変わっているワケではないんだけれど、なんかしっとりとしてて新品みたいです。


実は今まで、シート固定のボルトが1本折れ込んでいたのです。
つまりシートがたった1本のボルトでしか固定できず、微妙にパカパカと浮いてたんですねぇ。
それの除去とネジ穴再生も、今回のミッションのひとつでした。
もちろん方法は、手持ち型の電ドルを使って、細いキリでど真ん中に穴あけして、それを少しずつ大きくしていくのです。
問題のボルトはM6ですから、ネジの谷径だと5.1mmってトコですから、3.0mmスタートで5.0mmまで0.5mm刻みですねぇ。
と言う事は、5回ほど穴あけすりゃイイってコトになりますな。
折れ込みボルトへの穴位置決めってのはちょっと難しいんだけれど、それは気合でやっつけますです。
センターが決まって、キリの垂直鉛直がちゃんとしてればあとは簡単です。
てなワケで無事に折れ込みボルト除去は完了しました。
仕上げにタップをさらさらっと通して、代わりのちゃんとしたボルトを用意して終了です。

・・こういう作業は商売で散々やりましたけど、いつも悩むのは「お代を幾ら頂戴すりゃいいのか」ですねぇ。
作業の難易度を考慮して決めてましたが、具体的な金額になるとコレで良いのかどうか考えちゃいます。
基本的には「一発千円」なんだけど、その根拠ってのは実は昔田舎のストリップ劇場のポラロイド撮影料金が「一枚千円」だった所からヒントを得ただけなのですv
今回の作業も、千円相当で良いかなと思います。


バイクがより立派になったので、とても満足です〜〜〜〜〜〜@

●2012年02月23日(木)

ちょっとブレイク。

てな訳でして、ラーメンを食べに行ったついでに、そこの隣で売っていたタイ焼きを買ってまいりました。
勘のイイ方だとここで既にピン!と来ていると思いますが、ラーメンは三河開化亭でございます。

タイ焼き、と言えばまず真っ先に思い出すのが往年の大ヒット曲である、「およげ!たいやきくん」ですね。
タイトルの正式表記がこの全ひらがななんですv

下門正人のパンチが効いた歌声がとても印象的でした。




※YouTube再生の際には、ぶいぶいBGMを左メニューより停止もしくは再生終了までお待ち下さい。




しかし無茶苦茶懐かしい動画ですねぇ〜〜〜〜@
この紙芝居みたいなアニメ手法ってのがまた独特でして、現在見直してみてもすごく良い演出技法だと思います。
この妙なチープさ、貧相さが元々「在り得ない」たいやきくんの世界を見事に表現しています。

当時私はシングルレコードを苦労して購入した覚えがあります。
どこに行っても売り切れしていて、たまに入荷して店先に積まれててもすぐに無くなっちゃうんですよねぇ。

その後随分経ってからですが、CD化されていたようです。
そのシングルCDも購入したのですが、B面の曲が変わっていました。
アナログレコード時代のB面は、なぎら健壱の「いっぽんでもニンジン」だったんですけど。
ちなみにこれは子供が替え歌で「一発でも妊娠」なんて歌っていたのを聞いてショックを受けた覚えがありますです。


そして3年ほど前に、DVDがセットになったCDが登場したようです。
★Amazon.co.jp/およげ!たいやきくん(DVD付き)★
こちらのB面はバッチリ、いっぽんでもニンジンですねぇ。
ビデオ動画もオリジナルのが付いてるそうです。
このコラムを書くに当たって調べたので、今は買ってしまおうか悩んでますです。
まぁ高音質な音源はシングルCDですでに持っているので、ビデオ動画のみが目的ですからねぇ。
もっとも、このビデオも別に高画質である必要性なんか全然ないんです。
想い出はセピア色の記憶の彼方・・・なんてワケで、上のようつべ動画の方がとてもイイ味出してます。


で、買って来たタイ焼きなのですが、なんとフチが付いたままですねぇ。
このフチの部分は成形でいう「バリ」なんですが、熱がしっかり通ってて香ばしいのです。

タイ焼きと言えば、大抵お祭りなんかの屋台で売られていたりします。
もしくはスーパーの一角のフードコートで、焼きそば・お好み焼きやたこ焼き、そして大判焼きと共に売られてますねぇ。
ここで子供の時からの大いなる疑問なんですが、「タイ焼き」と「たこ焼き」は1文字しか違わないし言葉の響きも良く似ているんだけれど、食べ物として全然異なるってコトです。
タイ焼きはあくまで形状が「鯛」をモチーフとしているだけで、食材に使われていません。
でもたこ焼きはメイン食材がそれ自体でして、形状はタコはおろか海産物を髣髴とさせるイメージではないんです。
それらが同じ場所で売ってるので不思議だなーと思っとりました。

もっとも、タイ焼きに関しては他のキャラクターでも成立してしまいます。
実際に見た事があるのは、パンダ焼きですねぇ。
それと魚は魚でも鮒(フナ)焼き。
韓国のモノらしくて本当は「鮒パン」と呼ぶそうですよん。


まぁ日本人ならば、鯛ってのは「尾頭付き」と称してありがたがるんです。
そしてお祝いの目出タイ時に食べる、特別な扱いをされていますので、その形状を取り入れる意味がちゃんとあるのですが。
寿司ネタでもタイやヒラメが昔は一番格上だったんですよねぇ。
今ではすっかりマグロに人気をさらわれてしまいましたけど。


タイ焼きが嫌いって人も、中にはいるようです。
理由を聞いてみたら、アンコの入ったお腹の感触が妙にリアルで生々しくで嫌なんだとさ。
確かにそう言われればそうなんだけど、でもちょっと気にしすぎではないかと思うんです。
捌いてアンコを取っちまったら、皮しか残りませんからねv

●2012年02月19日(日)

長らくバイク関連ネタばかり続いたので、ちょっと息抜き。

この間ドリンク(※注:私は飲み物をこう呼ぶ)でも買おうかな〜と小銭入れを引っ張り出しました。
中のコインをまさぐって、取り出したのは500円硬貨。

この500円硬貨ってのは、昭和57年(1982年)に初めて登場したのを覚えています。
それまでは500円は最も小額な紙幣だったのですねぇ。
なんか子供の時に、お年玉袋に入れる際に格好だけ付くってので、この500円札は良くお目見えしたのです。
今ではお年玉は上げる方だからその気持ちは良く判りますが、当時はこの500円札に対して恨めしく思ったモノですな。
実は昔々に100円紙幣ってのもあったらしいんですけど、私は良く覚えていません。
もっとも実物は見た事がありますけどね。(板垣退助の肖像のモノ)
100円紙幣は昭和49年(1974年)まで使われていたとのコトなので、私の世代にギリギリ引っ掛かっているはずなのですが・・・・。
でもお年玉にも入って来なかったので良かったと思います。
流石にお年玉一口、数百円ってのは可哀相過ぎますから。


その500円玉は最初の頃、なんか高級感を感じた覚えがあります。
確かにその当時でも今でも500円あれば、結構色んなモノが買えますからねぇ。

物凄く値上がり高騰したタバコにしても、まだまだ500円玉で大丈夫ですし。
牛丼だと玉子に味噌汁とか付けてもイケちゃうんです。
喫茶店の場合はランチだとちょっと厳しいけれど、モーニングなら店によっては大丈夫ですねぇ。
ガソリンならば3.5リットル入りますんで、原チャリならほぼ一杯に入れられます。
お酒だと、缶ビールが350mlの2本は買えますねぇ。500mlなら一本でつまみのイカフライ1袋付きで。

そう考えると、500円玉はまさしく「小銭入れの王者」ですねぇ。


しかし発行されて間もなく、韓国の500ウォン硬貨が殆ど同じ材質・大きさで重量だけちょっと重いコインとして発行されました。
500ウォンは当時だと65円位の価値ですから、1/8なんです。
しかしお隣の国の高額硬貨の都合を知らないはずがないのに迷惑なコトをしてくれましたねぇ。
もしかしたらワザとやったんじゃないのかって言う人もいました。
案の定、500won硬貨を「ドリルで彫る」「フライスでさらう」などで0.5gの軽量化をして偽金を作る不貞の輩が続出しました。
私も自販機の入れ替えをしてて、実物を見た事があります。

自販機側の対策としては、暫定的に500円硬貨を受け付けないようにするってのがありました。
機械の設定と、コイン投入口に中から鉄板の絞りを取り付けに回るお手伝いをした記憶があります。
もっともこれは利便性が悪くなりますので、あくまで暫定的処置という扱いでしたねぇ。
コイン認識度を精密に行う改良も何度かされましたけど、どうしても100%の認識率には届かなかったと聞いています。
識別方法や仕組みは厳秘なので詳しくは判りませんが、物理的・電気的・光学的なのを組み合わせてるんだそうで。
光学的な識別アルゴリズムを強化したら、最初の「ドリル揉み」加工の偽金は判別可能となったのですが、すぐに偽物の方が「フライス加工」に変えて対策してしまいましたからねぇ。
こうなると紙幣同様のパターン認識で強力に識別しなければならなくなりますが、当然その分自販機のコストが上がるんです。
そうなれば自販機を設置するお客さんへの負担が大きくなるのですねぇ。

強力な識別メカが入った高価な自販機にするか、不便な500円仕様不可で安く行くか。
ユーザーさんは二者択一を迫られました。
このおかげで随分とメーカー側へも苦情がありましたねぇ。

悪いのは、当時のお隣の国の政府です。
嫌がらせなのか経済テロなのかと言うレベルだから、本来なら厳重抗議しなきゃならないのに。
でも我が国政府は、お隣の国に対して腰がひけちゃうんですねぇ・・・。

こんな状態が、平成12年(2000年)まで続きました。


しかしようやく対策が取られたのです。
かなり大幅に仕様変更、つまりモデルチェンジがされ「新500円硬貨」として生まれ変わりました。
とは言っても見た目や大きさはそれほど変わらないように見えますので、しばらく気が付かない人も居たようです。

材質が変わったので、コインの色がちょっと黄緑色っぽくなりましたねぇ。
厚みと重量もちょこっと薄く軽くなったのです。
そしてデザインも良く似てはいるんだけれど、細かい部分が改良されました。
判別するポイントで一番判り安いのが「フチ」ですねぇ。
旧500円硬貨は文字だけだったのが、新500円玉はギザギザが斜めに入る凝った加工になっています。
それとコイン額面の「500」のゼロの中が埋まりましたねぇ。

で、恥ずかしながら私もこの12年間気が付かなかったんだけれど、そのゼロの中に秘密が隠されていたのです。
それは、このコラム記事最初の「ドリンクでも飲もうかな」と取り出した500円玉の、そのゼロの中に一瞬文字が現れたんですねぇ。
タイトル写真の通りで、縦書きの「500円」ってのです。

これは潜像ってのでして、見る角度によって文字が現れたり消えたりする特殊な加工らしいですな。
ホログラムの仲間ですが、ここまで凝っているとは思いませんでした。
ちなみに新500円硬貨を虫眼鏡を持って来て細かく観察してみると、紙幣同様の「隠し文字」がアチコチに認められます。
以前の硬貨では無かったほどの細かい作り込みですねぇ。
「真似されてたまるか!」と言う造幣局職人の意地と執念を感じますv


てなコトで、職人さんへの経緯を込めつつデジカメで100円玉を撮影し、その後美味しいドリンクに化けたのでした。
普段から見ているモノでも、実際には良く知らない・実は良く見ていないってコトはちょくちょくあるんですねぇ。

直接関係ないけど、もっとマクロ撮影がキレイに写るカメラが欲しいですねぇ。
USB接続の顕微鏡がたしかマイクロソフトとかから出てたけど、アレもいいですな。
今使ってるデジカメは充電電池の調子が良くありませんので、そのうちバッテリーだけ新しくしようかと思ってます。

●2012年02月15日(水)

なんか自分縛りルールじゃないんだけれど、とにかくバイクネタが続きます〜〜〜〜@

スクーターのお話ですよん。
タイトル写真は、スクーターのドライブベルトでございます。

スクーターは「自動変速」がウリですねぇ。
私みたいな頭の古い人間にはちょっと拒否反応を示すんだけど、世の中の趨勢は四ツ輪も二輪もATが主流なのです。
運転操作には、基本としてハンドル・アクセル・ブレーキがあるんだけど、元々はそれに加え「変速」もあったのですよねぇ。
ただし変速はアクセル/ブレーキ操作の補助的な役割も担っていたのです。
頭の古い人間ってのは、そこの役割も含めた運転感覚を持っているので、自動化されると違和感を持ってしまうのではないかと思います。
特にバイクみたいに運転感覚がシビアに問われる乗り物だと、感じる違和感がより大きくなるのかも知れません。


自動変速機の歴史ってのは、意外と長かったりします。
トランスミッションのギヤを油圧で切り替える方式とか、遠心クラッチ機構によりギヤを繋いで行く方式とか色々ありました。
油圧作動のモノだと、駆動軸に直結した油圧ポンプを回して、設定圧力で作動するプランジャーでギヤを切り替えるんです。
もっともこの方式はバイクでは採用例はほとんど見当たりません。
機構が複雑になりコスト高と大型化するからだろうと思われます。

遠心クラッチでのギヤ切り替えは、初期の原付きバイクに良く見られた方式です。
大抵は2段または3段変速でしたねぇ。
これも今ではすっかり廃れてしまいましたが。


バイクでの自動変速の主流は、ベルトを使ったCVTです〜〜〜〜@
プーリの幅を可変させて減速比を変える仕掛けを使った方法です。
ブライブプーリ裏面にはウェイトローラという錘(おもり)が入ってて、回転力が遠心力になってローラを外周側へと動かします。
するとローラを格納している案内溝の傾きにより、ドライブプーリ全体が押し付けられてプーリの幅を狭くするのです。

ドライブベルトが掛かっている反対側の、ドリブン側プーリはセンタースプリングという大きなバネの力で常時プーリ幅を狭めようとするテンションが掛かってます。
そのテンションはベルトを伝わって、ドライブプーリを常に広げようとしてんですね。
ウェイトローラの遠心力による移動力と、センタースプリングによるテンションのバランスによって、双方のプーリ幅、つまり減速比が決定されるのです。


つまりウェイトローラが重ければ重いほど、低回転で変速が開始されて丁度「2速発進」で「すぐにトップギヤに入れる」ような運転となります。
反対に、ウェイトローラが軽いとなかなか変速が開始されずに、いつまでも低いギヤで高回転まで引っ張るような運転パターンとなるんですねぇ。

またセンタースプリングの方で見れば、バネが弱ければウェイトローラが重たいのと同じ。
そしてバネが強ければウェイトローラを軽くしたのと同様の特性となるのです。
ただしセンタースプリングの強さはベルトのスリップ量にも関係しますし、またあまり強すぎると変速メカ自体を作動させる力としてロスにもなります。
同様に、ウェイトローラがあんまり軽過ぎると今度はドライブプーリを移動させる力自体が弱くなるのです。
終いには、変速幅一杯までドライブプーリーが使われないと言った事態に陥りますので、何事も限度があるのです。

チューニングの時には、加速を重視するためにウェイトローラを軽くする方向に調整します。
もちろんですが、変速プーリを目一杯使い切れる範囲内でです。
また排気系などをチューンすると大抵は高回転型のエンジン特性となります。
よってこちらも高回転域を効率良く使えるようにウェイトローラをかなり軽い目にしなければなりません。
更に低回転域はスカスカとなってしまった場合には、変速プーリだけではなく遠心クラッチの動作点も変えなければ発進が遅くなってしまいます。
センタースプリングの強さに関しては諸説ありますが、ベルトのスリップ量が問題となる場合には強くしなければなりませんねぇ。
レース用として強化センタースプリングが推奨されるのは、主にコーナーリング時の再加速レスポンスを良くする為なのです。
スロットルオフでささっと変速プーリーの位置関係を戻さなければ、次に加速する時に高いギヤのまま状態になっちゃいますからねぇ。

ちなみにハイスピードプーリってのは、変速幅自体を広げてあげるワイドレシオ化がされてるモノが主流です。
もっとも物理的な寸法の制約がありますので、拡大する変速幅ってのも限界があって、車種によってはそれが意外と狭かったりもするんですが。


ちなみに、50cc原付きの場合、ノーマルの変速メカの設定は結構「目一杯頑張ってる」状態になってる場合が多いです。
なので改造するポイントってのは、大抵が平坦路での最高速向上を目指すってのですねぇ。
もっとも車体やブレーキの限界もあるし、そもそもスピードを出してると違反の検挙ターゲットに挙げられやすいのが難点ですが。

で、現在流行りの第二種クラスとなると、ちょっと事情が変わってくるのです。
排気量がちょっとあるので、発進・加速が慣れないと怖くなってしまいやすいんですねぇ。
さらに経済的な性能(つまり燃費)を重要視するユーザー傾向があります。
元々ターゲットユーザーが比較的高齢者だったりしますから、ノーマルの変速設定はちょっと穏やかにしてある場合が多々あるのです。
デチューンと言ってしまうと何かイメージが悪いんですが、より扱い易さを重要視していると思えば納得できますでしょうか。
いくら鋭い加速力を持っていても乗る人がアクセルを大きく開けられなければ何の意味もありませんからねぇ。
さらにハイギヤード状態で走行させれば燃費も良くなるのです。


しかし、ここで何故か御国事情が出てきたりします。
と言うのは、私は便宜上「台湾仕様」とか呼んでますけど、第二種クラスが盛んな東南アジアでは、変速セッティングは目一杯頑張ってる状態なのが主流です。
ターゲットユーザー層が幅広くて、若い人もガンガン乗りますからマイルドで穏やかなのは「遅い」とダメ出しされちゃうんです。
それと一番の足枷である、騒音規制が日本だけ超厳しいって事情もまたあるのです。
特に第二種クラスだけ理不尽とも言える厳しさでして、他の車種でも規制対策には相当苦労しているのですねぇ。
確かに騒音規制ってのは大事ですが、もうちょっと緩くても良いのではと思います。

なので、車種にもよるのですが多くの第二種クラスではちょっとした設定変更だけでかなり機敏な動きが蘇ったりする場合があるのですねぇ。
立派なチューニングなんですが、そんな言葉を使うのもおこがましいほどの、ちょっとした設定変更です。
スクーターの具体的な変速設定で言うと、ウェイトローラを少し軽いモノにするパターンが殆どです。

ベルトによる自動変速のデメリットとして、駆動力の限界が低い事と、耐久性があげられます。
実は走行中の変速メカは大変な熱を持つんです。
当然ですけど摩擦力がその熱源なんですけどねぇ。
歯車などによる駆動力伝達機構とは根本的に異なり、あくまで摩擦により駆動トルクを扱っていますのでいわば宿命でもあります。
これが大きなパワーに対応が難しい理由なのですねぇ。
なのでベルトのスリップ量が多目な場合、センタースプリングを少し強くすると熱の発生が少なくなる場合があるんです。
が、テンションを高くすれば当然ベルトに対する負担も大きくなりますので、耐久性の点で不利にもなるのです。
高熱で使ってても劣化するし、張りを強くしても消耗するしで、その辺は上手にバランスを見て妥協点を探らなきゃなりませんけどね。

峠仕様なんかで変速メカも酷使する場合、最後にはここの「変速メカの熱対策」で行き詰ります。
カバーを取り外して放熱重視仕様にすれば今度は雨天に対応が出来なくなるのでストリートユースには不向きとなる・・・なんてジレンマに陥りますねぇ。
第二種クラスだと最初から変速メカへの風通し対策とかがしてあるのが殆どですけど。
つまり、ノーマル状態でもそれだけ掛かってる負担が大きい証明でもあるのですな。


と、ここまでCVTの悪口を並べたんだけど、でも最近はクルマにも使われていますよねぇ。
果たして大丈夫なんだろうか?という疑問が沸いてきます。
昔は軽自動車位にしか採用されてませんでした。
(当時のスバル・ヴィヴィオのCVT車に乗っていた時期がありましたねぇ。ぶいぶい丸って名前つけてました)
それがいつの間にやら、かなり大きいクルマにも使われるようになって久しいのです。

ちなみにニッサンの誇る「トロイダルCVT」ってのはベルト駆動ではない全く違う方式です。
CVTのVはベルトのVではなく、可変(バリアブル)のVですからねぇ。

これはどうなっているのかと言いますと、ベルトがスチール製の独自のタイプになっていたり(最近のはゴムベルトのもある)、
オイルと言うかフルードを掛けて冷却したりと色々な工夫や方法を取っているのです。
年々改良進化しており、現在ではかなり大きな伝達トルクまで対応できるようになったとの事ですな。
実はその進化の中にはCVTフルードの改良なんかも含まれますので、液体交換をする際には銘柄・種類にも気を付けなければなりません。
昔からATのフルードはちゃんと専用の品を使え、多メーカー品を安易に使い回すなと言われて来ましたが、それがより厳密になっているようですねぇ。
フルードの性能や特性に頼っている部分が結構あったりするみたいなので、それぞれのおツユは特別な調合になっているのです。

そこそこ普及したとも言えるCVTですが、各自動車メーカーさんと関係者は多大な苦労をしている様子です。
やはりCVTに関するトラブルはとても多くて、車種によっては対策が追い付かない状態になってたりするようでして。
スカッとぶっ壊れてしまえばまだしも、例えば滑りやジャダー等のフィーリング的な故障になると、遭遇したユーザーさんも対応するメカニックも苦労するんですよねぇ。
とにかく自動車のミッションってのはとても大掛かりな装置でして、ほいほいっと交換したり分解整備するワケにも行かないですし。
某メーカーのディーラーメカニックの方がこっそりと教えてくれたのは、「初モノは買うなよ」ってコトです。

ちなみに、クルマのCVTの変速はスクーターとは異なり、油圧で変速プーリの開閉を行っています。
なので任意のギヤポジションを作り出すことも可能ですし、また変速パターンも自由自在にコントロールが出来るのです。
もっともビクスクの中にもこの高級なメカを持つ車種ってのがありまして、MTモードみたいなのが装備されてますからすぐにそれと判るのですv
・・・前述したばかりなので、それを選択するか否かはとりあえずノーコメント、悪口も言いません。


実車の加速フィールは、まさしく原付スクーターのそれです。
散々原チャリを弄くり回して変速系のセッティングに悩んだ経験をお持ちの方だと、はっきり変速中のプーリの動きをイメージとして感じられるはず。
グッ!とスタートして直後、エンジン回転上昇カーブよりも車速上昇カーブが上回ってスピードに乗り、その後はエンジン回転の吹け・伸びで車速が伸びて行く。
この途中の、何とも言えない気持ち悪い加速感覚がまんま原チャリなんですねぇ。


で、ベルトによる駆動トルク伝達を行っている仕組みから、当然ですがベルトは消耗します。
もっともバイクの場合だとチェーン駆動車にしてもチェーンだって消耗品なんですけどねぇ。
唯一シャフト駆動車の場合はこれと言った消耗品ってのはありませんので、いわば別格でしょうな。

スクーターのドライブベルトは、強化繊維製の芯が入ってて表面はゴムで出来ているのが普通です。
但しゴムと言っても特殊なモノなので、耐摩耗性はかなりあるんですけどね。
もっとも油の付着は寿命が短くなってしまうんで気を付けなければなりません。
そしてベルトの幅が磨耗により仕様限度規定値よりも細くなってたら交換する決まりです。

具体的な目安として、どの位持つのか。

排気量クラスとか車種によっても異なりますが、50ccの原付きスクーターの場合だと2万km位と言われています。
それを超えると加速もトップスピードも顕著に出にくくなるので、交換推奨です。
ちなみにウェイトローラも同じように消耗するので、「ベルト&WR」で同時交換するのがセオリーです。

そして第二種クラスのスクーターだと、目安として半分の1万kmの点検を強くオススメいたします。
私の経験だと、消耗によるベルト切れってのは第二種クラスにてちょくちょく見聞きします。
50ccクラスのベース設計で強化して使ってる場合がありますから、そういうタイプのバイクだと比較的寿命が来るのが早いんですね。
もっともあんまり駆動系をガッチリしっかり作ると、それ自体のロスが大きくなって走りが鈍くなるジレンマがあるのですが。
近年多くなった、元来150〜180ccクラスの基本設計を持つ車種だと整備マニュアル通りの交換サイクルでokなんですけどね。
(大体、2万kmくらいになっているコトが多いです)

ちなみに50ccクラスでも、駆動系の設計が弱くてヘタリが早い車種もあります。
また、パワーがあって加速が良いモデルだとその分、消耗も激しくて当然です。
なので、私としては基本的に全て「1万kmごと」に交換したいな〜と思っとりますね。
もっとも4スト50クラスだとかなり駆動系は長持ちするので、それに当てはまりませんな。


分解しないでの判断だと、やはり加速のフィールとかスピードのノリ具合ですねぇ。
原チャリクラスだと最高速チェックがとてもやりやすいので、ちょっと走ってみればヘタリ具合はすぐに判ります。
もっとも確実に距離を走れば減る部分ですから、もしも知り合い等から個人的に譲渡された中古スクーターを入手したならば、
とりあえず消耗品全般の点検および交換メンテナンスをしてみるのも良いと思います。
もっともドライブベルト交換には一般の工具だけでは無理なのですが、それでもベルトの消耗具合のチェックは普通の道具があれば大丈夫です。


で、肝心のドライブベルトの調達ですが、純正部品以外に、補修用やチューンナップ用のが各社から出ています。
昔は社外品と言えば「強化ベルト」しかなかったのですけどねぇ。

ここで気を付けなければならないのは、ドライブベルトの物理的な寸法は、スクーターの駆動系セッティングとシビアに直結してるってコトです。
強化品に良く見られる、「ちょっと長いサイズ」のモノを不用意に使っちゃうとトップスピードが出なくなりますねぇ。
いくらドライブプーリ側が閉じてベルトの掛かりが外周寄りになっても、反対のドリブン側プーリの開き具合が甘くなりギヤ比が上がりません。
ちょっと長いサイズのベルトはあくまで、ハイスピードプーリと併せて使うんです。

また補修用として売られているモノでも、この寸法問題に関していい加減な製品がまたあるんです。
サイズが多少異なっても走らなくなるワケじゃないですし、そもそも50cc原チャリクラスだと最高速を出すコトに対して絶対悪視される風潮もありますからね。
例えトップスピードが低下しても、「原付きは30キロまでだから、速度なんか出なくていい」なんてワケの判らない言い訳がまかり通ったりするんです。
(不思議なのですが、どのクラスでも法廷速度はかなり低い目に決まってる事実は何処へ逝くのでしょうか?)


でも純正補修部品だと、ドライブベルトはかなり高価です。
50cc原付きクラスだとおおよそ2〜3千円ですねぇ。
これが第二種クラスともなると、モノによっては6千円超なんてのもあるのです。
なので社外の補修品も活用するんですが、それだと1/2〜2/3位のお値段になったりするのです。
もっとも「使える社外品」と「イマイチ」なのが激しいんですねぇ。
使用実績によりそれら使える奴を見つけて行かなければなりません。

私が補修用で推奨するのは、KN企画やNTBのモノです。
グロンドマンのも使った事がありましてなかなか良い感じでしたね。
特にお気に入りはKN企画のベルトなのですが、調達ルートの都合でちょっと入手しづらいのが難点です。
※エンドユーザー様ならばKN企画へ直接、通信販売で購入されると良いでしょうな。

反対に使用感が悪かったのは、キタコやデイトナの製品です。
これらは強化ベルトとして販売しているので、まず寸法的に合いません。
さらに材質が非常に固いのですが、これが良くないのですねぇ。
用途が限定されていると言えばそうなんでしょうけど、私としての感じではなんか造りが荒っぽいなーと思います。
くれぐれもノーマル補修用として使えるなんて思わないのが正解でしょう。
(もっともこれらは昔からの話ですが、もしかしたら改善されている可能性もあります)

そもそも、ノーマル補修用に「強化ベルト」を使うのは正しくありません。
しなやかで、かつ必要充分な強さがあるってのが良いフィールと高い伝達効率を生むのです。
ノーマルには純正相当で判断するのが賢明ですねぇ。


ちなみに、クルマのCVTのドライブベルト寿命はどうなっているのか。
これに関しては、機構的には消耗するはずなんだけれど、扱いとしては定期交換部品ではありません。
ようするにミッション構成部品の一部として、減ってればミッションOHにてメンテナンスするコトになってんです。
ぶっちゃけ、消耗を気にしなくても大丈夫ってコトでしょうな。
5年または10万kmまでの保証とか付いてる普通の部分なんだそうで。
(もっとも長持ちさせるには正しい知識とノウハウに基づいたメンテナンスを定期的に行うのがコツ)

「ふーん、そーなんだー(捧読み)」ってのが私の率直な感想ですけどね。
HVのバッテリーとかと同様、この辺には何やら暗い影を感じます・・・・。
でも自家用車はCVTなんですよねぇ。

●2012年02月13日(月)

「スーパーカブ110」ネタの続きです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

実は突然なのですが、ホンダはこのカブ110の生産を中止してしまいました。
次モデルはどうなるのか等の詳細情報も含めて、公式発表はしていないのですが・・・・。

現時点で、もしカブ110が新車で欲しいって言ってもメーカーに在庫は既にありません。
なので流通在庫(バイク屋さんに置いてある商品)のみなのです。
ちなみに、配達業務用の「プロ」に関しては、まだ在庫があるみたいでメーカーから入って来るんですが。

これらはついこの間(2月初め)に、カブ110購入希望者から問合せを受けて確認済みです。


どうしてなんでしょうねぇ?
ホンダからの公式アナウンスが無い以上、明確な答えは判らないのです。
色々な憶測があるんだけれど、あくまで想像ですからねぇ。

まずは、タイ国を広範囲に襲った洪水被害による影響とか。
日本の自動車・バイクメーカーは、タイ国に生産拠点を持っている所が多いです。
もちろんホンダも現地法人までありますからねぇ。
それらの工場が洪水に遭ってしまい、生産計画から生産設備の大幅な再構築が必要になってたりするんですねぇ。

また、ホンダは二輪製品生産の海外工場移管を進めて行く計画だそうです。
特に中国工場での生産をメインにするんだそうな。
すでにトゥディとかリードとかのバイクは中国生産ですからねぇ。
カブに付いても、将来的に中国生産になると言う話でしたが、前倒しでもしたのでしょうか。


それと気になる説として、「カブ110は失敗」ってのもありますな。
つまり耐久性・信頼性の点で、ちょっと不安があるとのコトです。

クラッチの切れ具合が悪く、ギャチェンジやニュートラル出しがスムーズに行かない事例があるとか。
またこれは運転操作由来の可能性もあるんだけれど、ギヤ欠け・破損トラブル事例ですねぇ。
ちなみにクランクケースまで破損したコトもあるみたいです。
これに関してはメーカーは、「ギヤチェンジの時には一旦スロットルを戻して行って下さい」と言ってます。
バイクの運転操作でこれは当然なのですが、半自動ミッションを持つカブゆえに間違った乗り方がまかり通ったりしてるんで問題ですねぇ。

それと、焼き付きの発生とか、カムチェーン廻りやオイルポンプ駆動部分の故障とかもちょくちょくあるとのコト。
配達業務で使っていると、1.5万〜2.5万キロ程度の走行距離で壊れちゃったケースがあるんですねぇ。
オイル管理とかの要素も多分あるんでしょうけれど、郵政用の場合は比較するのはアノ「超耐久バイク」であるMD90なので。
つまり耐久性や信頼性に関しては既に特別なバイクではなく、普通のレベルになっちゃったのですv
それがいつまでも昔のままの感覚でメンテナンスとかしてると駄目なんですねぇ。

私の感じだと、オイルの品質にも気を使って欲しいと思います。
やはり横型Egで110ccの排気量ってのは、ちょっと構造的にも厳しいですからねぇ。
基本構造・基本設計に余裕があるとは思えないのです。
本当ならば、もう二周りほど大きいクランクケースであるべきではないかと。

解決するには、ベースエンジンから変えるしか方法が無いのかも知れませんねぇ。
つまり、一旦無かったコトにして、全て新しくするんです。
もしかしたら、その為に・・・・なんてつい考えちゃいますねぇ。


他には、販売価格抑制ですな。
やはりFI化などでカブはユーザー側から見ると値段が高くなり過ぎた感じがします。
まぁメカとかを見れば仕方ないのですけどねぇ。
しかし原付バイクは安くなければ存在価値自体が薄れてしまいます。
未確認情報ですが、次のカブのお値段は2万円ほど現行車よりも安くなるなんて話もあります。


もっとも、今はまだまだ厳しい排気ガス規制後の混乱期じゃないかと思いますねぇ。
そう言えば平成10年度の第一次排気ガス規制の時にも、カブ50のブローバイガス処理関連の設計が変わったりしてましたし。
当初の設計だと、ブローバイガスのラインから除去しきれなかったオイルミストがエアエレメントを汚損し、エンジン不調に陥る欠陥があったのです。
その後わずか1〜2年も経たないうちに設計を変更して対策がなされました。

で、未対策のモデルの措置はどうなったのかと言いますと・・・・・
実は何にもありません。そのままなのです。
なので、2001年近辺のモデルのスーパーカブ50(AA01.リトル・プレス含む)はオイルの量と粘度に充分気をつけないと後々大変なコトになります。
更に、オイル交換のタイミングで良いのですが、エアエレメントの点検清掃もした方が良いですね。
不具合が生じてるバイクのエレメントには、乳化したエンジンオイルがびっしり付着して塞いじゃってるモノも結構ありますよん。
そうなると万年窒息気味でエンジンが運転されるので、ガタガタになってしまうんです。
ちゃんと気を付けていれば大丈夫なので、リコールだとかサービスキャンペーンにはならなかったのかも。
(ちなみにリコールの場合は基本的に、人体に影響する事故要因のモノだけ該当するのです)


で、問題の次モデルですねぇ。
デザインも変わるのではないかと言われています。
しかし、以前の経緯も含め、一切の情報がメーカーからまだ発信されていません。
なので伝え聞いた噂レベルの情報を集めるしかないのです・・・・。

どうやら外観は、現行タイホンダ・ドリーム110当たりがベースになるようですな。
もしかしたらちょっとモダンな所謂Dio顔の125の方かも知れませんけどねぇ。
まぁ車体廻りとかは両者ほとんど一緒なのですが。

具体的なのはタイトル写真にしてみました。
くれぐれも、未確認情報・しかも噂レベルなので、不用意に話に尾ひれをつけて拡散しないように。
デマ拡散の原因とかになるのは勘弁です。
(ちなみに私は日本犯罪史上に残るデマ事件の舞台になった地域在住なのです)

写真に載ってはいませんが、テール周りになるとほとんどスクーターみたいです。
まぁ従来のテールよりか被視認性が良いし、出っ張りもないので優れていると思いますが。


しかし、長年慣れ親しんだ「スーパーカブ」の面影が無くなっちゃいますねぇ。
これで大丈夫なのでしょうか、心配です。
と言うのも、過去1980年頃にスーパーカブのデザインを刷新し、従来から一気にイメージチェンジしようとしたコトがありました。
四角いヘッドライトを持つ、後の「スーパーカブ・カスタム」の誕生です。
しかし残念ながら市場での評判はいまいちでして、結局丸いライトの昔ながらのカブに落ち着いちゃったのですねぇ。

個人的に、四角いライトのモデルは好きなのですが、これはヤマハ・メイトとかスズキ・バーディーと間違え易い気がします。
何かカブらしくないんですねぇ。
長い歴史に支えられた車種なので、やたらイメージを変える事は正直無理でしょうな。
似たような話は、ヤマハSRだとか、トヨタのクラウンだとかにも言われます。


あくまで参考画像ですが、こんなデザインにカブが変わっちゃったら皆さんいかがでしょうかねぇ?

●2012年02月12日(日)

本日も、バイクネタです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
突然真面目にヤリだすんだけれど、理由は何にもありません。
気が向いたと言うか、風向きが変わった、魂が降りてきたってな感じです。

テーマは、「ホンダ・スーパーカブ110」です〜〜〜〜〜〜@

今から2年ほど前にデビューした、第二種原付クラスのバイクです。
従来、スーパーカブは50ccの上位モデルとして70cc,90ccがラインナップされていました。
途中から70ccカブは無くなって、90ccに一本化されましたけどね。

カブのシリーズ展開はちょっと複雑で判りにくいのですが、大きく民生用と郵政用に分かれています。
民生用カブのなかには通常の「スーパーカブ」と、小径ホイールの「リトルカブ」、そして配達業務用の「プレスカブ」がありました。
しかしこの中で第二種原付モデルが用意されているのは通常のスーパーカブのみなのです。

リトルカブの場合は、ちょっと車体が華奢なのでスピードやパワーのアップに対応させにくい事情があります。
もともと買い物バイクのシャリィの後継車種としての役割がありますので、安定性より取り回しのしやすさを重視しているみたいです。
リトルカブをチューンナップしてみると、やはり70km/h位までスピードが出るとかなりフラフラしますねぇ。
しかもコーナーリングにしても、ちょっと何処かに飛んで行ってしまいそうな不安感に襲われます。
これはひとえに、2.75-14(前輪は2.50-14)と言うタイヤサイズに起因するんです。
通常のスーパーカブの17インチタイヤだと安定志向なのでそういう傾向は少ないんですが。

プレスカブの場合、配達業務用の装備だけではなくて、車体やエンジンにかなり耐久性重視の設計がされています。
コンロッドの大端・ミッションシャフトベアリング径も大きくなっているし、サイドスタンドもスイングアームに付いてます。
そしてギヤ比もまた少々異なります。
しかし何故か、70/90cc版ってのは出ませんでしたねぇ。
これは想像なんだけど、70cc/90cc版のエンジンは耐久性の点でちょっと不利だからかも知れません。
クラッチへの負担が大きくてこの部分は比較的磨耗しやすい傾向がありますからねぇ。
使う側としては、カブ90の粘り強いトルクは配達業務用にはまさしくピッタリなんですが。
70のカブは個人的に最もフィールが好みなのですけど、このクラスはホンダとしてはかなり昔に終わっちゃっている様子ですから廃止されちゃっても仕方ないんですな。
大昔は70ccはスポーティーなクラスとして持てはやされ、ダックスやシャリィにもラインナップされてたのですけどね。
もっとも90ccモデルは実質85ccなので第二種甲の黄色ナンバー同士となり、ようするに70cc版は90cc版へ統合された形になっているのです。
一時期は、カブとベンリィCDには70と90の両方併売されてたので混乱しやすいですな。

ちなみに、配達業務用として90cc版が用意されていない理由の予想には、一応ちゃんと裏付けがありますよん。
後述しますが、郵政用カブのラインナップがその根拠となっているのです。


話が進んできましたが、今度は郵政用のカブです。
一般の人は購入する事が出来ない特殊なモデルなんだけど、働くバイクの代表格ってコトでマニアには絶大な人気があります。
ラインナップとしては、50/70ccと90ccがあるのです。
もっとも普段良く目にする主力モデルはMD90なんですけどね。
(ちなみにMD50は保険業務とかの担当者が使ってるコトが多いみたい)
これまた70cc版は過去のモノとなってしまってるようでして、滅多に見る事が出来ません。

車体は旧型の行灯カブがベースなのか、構成が良く似ています。
そしてフロント周りはテレスコピックフォークになっているのです〜〜〜〜〜@
もっともこのフォークの内部構造はそんな凝ったモノではないので、性能に対して過大な機体は禁物ですよんv
あくまで目的は、「重たい荷物を載せて走る」コトでして、決してスピードを出すワケじゃないので。
ちなみに車体は50/70/90と殆ど一緒みたいですな。
タイヤサイズは街中の小回り重視で、前後共に2.75-14です。
(つまりフロント側のサイズはリトルカブと異なります)

で問題の90cc版、MD90に関してです〜〜〜〜〜@
民生用にはラインナップが無い、第二種原付クラスが郵政用にだけあるのが不思議ですねぇ。
でも実は、このモデルのエンジンベースがちょっと変わっているのです。
民生用カブ90(HA90)は基本的にカブ50エンジンがベースとなっています。

あちこちの改良はしてありますが、ベースEgはあくまで50なのです。
しかし郵政カブMD90のベースエンジンはC200というOHVモデルをルーツに持つ、全く別モノなのです。
ちなみに兄弟モデルとしてハンターカブCT110がありますねぇ。
大昔には、マイティダックスとかCL90とかもこのエンジン系統が使われていたのですが時代と共にすっかり廃れてしまいました。
その理由は、とにかく頑丈な設計になっているんだけどそれが災いしてフリクションロスが大きいんです。
各部分のベアリングサイズも大きめなので、排気量が小さいとパワーを喰われちゃうんですな。
ちなみにハンターカブCT110なんかは乗ってみれば判りますが、パワーがそんなに感じられずスピードも出ません。
もっとも、その頑丈さが買われて郵政カブMD90として長年に渡り使いつづけられて来たのですね。

つまり、配達業務用としての第二種原付カブとしては、耐久性の点で50ベースじゃ対応できないってコトのようです。


しかし、時代が大きく変わったのです〜〜〜〜〜〜〜〜@
第二種原付カブも、東南アジア生まれのタイカブとしてどんどん進化しました。
基本的には50ベースには違いないんだけど、かなり大幅に変わっているのです。
そしてC200系とは異なるのが、フリクションロス低減の面も忘れていないんですねぇ。
つまり改良すべき点はバッチリ設計変更してあるけれど、ヤリ過ぎてはいないんです。

そのタイカブシリーズも以前、日本に逆輸入した時期がありました。
タイカブEX100ってのがそれでして、オイルポンプ流用なんかで人気がありましたねぇ。
いずれは第二種原付カブがこのEX100へ置き換わっちゃうのか?と思っていたのですが、その当時はそうはならなかったんです。

しかし、とうとうカブ90(HA02)も排気ガス規制のあおりを受けてモデル消滅になりました・・・・。
そして後継モデルとして登場したのが、このタイカブシリーズをベースにした「スーパーカブ110」なのです。
FIを採用したモデルでして、エンジンベースはWAVE110ですねぇ。
クラッチが2つ付いてて、遠心クラッチ部とシフトチェンジ時の自動クラッチ部が別々なのです。
これはひとえにクラッチ容量をアップさせる為なんですねぇ。
(従来のカブエンジンのクラッチは、たった1つのユニットで全部の動作をしていました)
ちなみにカブ110は部品の約2/3はタイ国で製造されていますが、組み立ては日本で行っているそうですよん。
ここまでが、2年ほど前の話ですv


スーパーカブ110は、車体フレーム構成がとうとう大変更されちゃいました。
従来の前半パイプ&後半モノコックプレス鋼板ではなくて、全パイプフレームなのです。
足回りは前テレスコフォーク、後角断面パイプのスイングアームとこれまた大変更ですな。
ちなみにフロントフォークに関してですが、カバーで見えにくいんだけどクランプはアンダー一箇所、つまり音叉型になってるのです。
つまりフロント周りもフレームも、丁度スクーターと同じ構造だと言えば判りやすいでしょう。
なのでスポーツ性に関して過大な期待をしてはイケマセン。
旧モデルとの比較ならまだしも、絶対的な走りの性能ってのは重視されているワケじゃないのです。
で、ここまで大幅な変更がされているにも関わらず、外観デザインは見事に従来からある「スーパーカブ」の雰囲気を保っています。
これは素直に凄いと思いますねぇ。
どうしてもこの手のバイクを愛用している方々ってのは保守的な考え方をしますので、あんまり変わっちゃうと馴染めませんから。
ヤマハ・メイトやスズキ・バーディーではなく、あくまでホンダ・スーパーカブじゃなゃならないんです。


そして配達業務用としてのモデルも用意されています。
ちょっと地味な存在なのですけど、「スーパーカブ110プロ」がそれですねぇ。
「プロ」って付いている所がミソなのです。
小径タイヤと前後大型キャリアを装備してて、従来のプレスカブを踏襲していますねぇ。
しかしフロントフォークは全然違うモノが付いていて、スポーツバイクのと同様に上下2箇所クランプなのです。
つまりちゃんとしたトップブリッジがあるんですな。
もちろんこの目的は、重たい荷物を運搬する為でして、決してスピードを出すコトではないのですけど。
ちなみにリヤサスもバネレートの高い設定になっている様子です。
お値段は通常モデルの約4万円増しと高いんですよんv

そして郵政用モデルなのですが・・・・これが特筆すべきなんだけど、民生用のカブ110プロとほぼ同一なのです。
違うのは、色だけですねぇ。(郵政カブは赤色です)
それとグリップヒーターが標準装備されている位ですか。
つまり、やっと我々一般ピープルもお金を出せば郵政カブと同じのが購入できてしまう時代が来たのです。
ただしエンジン内部の詳細に関しては、まだまだ資料不足ゆえ突合せが出来ていません。


今回のタイトル写真は、この郵政カブMD110のビストンとシリンダーです〜〜〜〜@
故あって新品部品を取り寄せましたので、色々と眺め回してみました。

まず驚くのが、シリンダーがアルミなのと、ピストンの軽量化設計ですねぇ。
まるで、と言うかまんまタケガワのボアアップキットそのものです。
ちなみにボア×ストロークは50×55.6mmだそうです。(数字は諸説あり)

ノギスでの実測値だと、ピン上(ピン穴の端〜ピストンの肩まで)が、18.0mmです。
ちなみにピストンピン径は従来のカブと同様の13.0φですよん。
という事は、サイズ的には限りなくタイカブ100EXに近いですな。
HA02カブ90のピン上は17.3mmですので、ほぼ取り付け互換が期待出来ます。
しかしEX100と異なるのが、ピストンヘッド形状でして、大きく凹んでいるのです。
写真ではちょっとキレイに写りませんでしたが、まるで50用のsステージボアアップピストンみたいですな。

でピストンリングなんですが、これまた郵政用だからか、インサイドベベルタイプの形状になってますねぇ。
慣らし運転の短縮にはとても効果があるのですけど、こんな贅沢なリングは郵政仕様だけなのかは不明です。

シリンダーの長さは70mmあります。
通常のカブ50系統は63mmですから、都合7mm長いですねぇ。
ちなみにHA02カブ90のシリンダー長は69mmですから、110はプラス1mmなんでしょう。
スタッドボルトはタイカブ同様M7になっているのです。


ちなみにシリンダー[12100-KWB-600]の部品価格は、約1.7万円もします〜〜〜〜@
ボアアップキットではノーマルシリンダーをボーリング加工するようになっているので、予備が欲しいって人がいると思いますが意外と高いんですねぇ。

シリンダー下端面のオイル通路はちょっと変わっています。
まず一番目をひくのは、リターン側のトンネルが無くなってるんですねぇ。
オイルの回収は、カムチェーントンネルから行っています。
(ちなみにFIカブ50のシリンダーは従来と同じでリターントンネルがあります)
さらにオイル供給ラインがシリンダスタッドボルトに沿う構造は同じですが、右下ボルトだったのが右上ボルトへ変わりました。
これは、実はヘットカバーに「オイルシャワー」機構が付いてて、吸気バルブ側へオイルを一部噴射しているんです。
その為にオイルラインが変わっているのですねぇ。
ここはFIカブ50も同様の変更がなされています。

で、スリーブの下端に一部切り欠きがあります。
写真左下で確認ができますが、カムチェーントンネル側が凹んでます。
これがどのような意味を持つのかは、ちょっと不明です。
FIカブ50にも同様の切り欠きがあるのですが、位置は反対側なのです。
もしかしたらピストンピン内の空気抜きなのかもしれませんねぇ。

部品はタイ製らしいです。
ちょっと気になるのが、バリが結構あることですな。
写真上の大きなのをよく見ると、スリーブ上端カドにバリが立っているのが判りますよねぇ。
キタコやタケガワのシリンダーには過去から見てますが、一度もこんな酷いバリがあったコトはありません。
もっとも実際の使用に対して問題となる部分ではありませんけどね。
組み込み作業中とかに手を切らないよう気をつけなきゃなりません。



実は、スーパーカブ110がデビューしてまだ2年なのですが、早々にモデル終焉と言う事で生産中止になったようです。
マイナーチェンジをして、どうやらデザインが大幅に変わり、ちょっと値段も下がって、さらに噂では中国生産になるとか・・・。
と言う事で、カブ110ネタは続きます〜〜〜〜〜〜〜@


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