2010年09月のコラム
[過去のコラム一覧] [管理者モード]
●2010年09月27日(月)

ちょっとお散歩に出てきました〜〜〜〜〜〜@

私の住んでいる地方は田舎ですので、畑とかが沢山あります。
その中には作物を作っていなくて、代わりにコスモス畑として観光名所になっている所があります。
いくつかあるんですが・・・今回見に行ったのは、愛知県新城市富岡下川原のコスモス畑です。

通称「新城のコスモス迷路」と呼ばれてて、★地図へのリンクはココ★です。

正直言って、かなり辿り着くのに苦労するかも知れません。
新城からだと、横浜ゴムの横を通って野田城大橋を渡り、宇利峠(静岡県三ケ日へ抜ける道)に行く途中、「富岡」の交差点を超えしばらく進んで、右手に入って行くんです。
豊橋からだと、石巻の和田辻交差点を北上し、ずんずん進んでって富岡に入り、富岡交差点を右折です。
もっとも、イベントシーズン中は旗とか案内看板とかが出てると思われますので、近くまで行けば大丈夫でしょう。

とっても風光明媚な場所にあります。
近くには、新城カントリー(ゴルフ場)もありますし、東名高速道路の新城PAも近くです。
有名な黄柳野高校は富岡から更に奥の方に行ったトコにあるんですねぇ。


で、行ってみたのは良いんですが、残念ながらまだちょっと早かったみたいですねぇ。
コスモスは秋桜と書く通りに「秋の花」ですんで、10月が旬なのです。
特に今年は酷暑とも言うほど夏が暑かったのと、降雨が少なかったので生育がちょっと悪いらしいです。
シーズン中には屋台も出るらしいんです。
なので、10月半ば頃になったらまた出かけたいと思いますv

とは言うものの、チラリホラリと咲いていました。1〜2分咲きってトコですな。
ご覧の通りかなり広い土地に、所狭しと植えてあるのです。
ネットで、「新城 コスモス迷路」と検索すると、以前の様子とかが伺えます。
なんか昔と場所が変わったみたいなコトも書いてありますが、今年は上の場所で間違いありません。
どの写真を見てても、かな〜り咲き乱れててイイ感じなのですv


コスモス(COSMOS)と言えば、思い出すのは「ガチャガチャ」の会社ですねぇ。
地域によっては「ガチャポン」とか言うらしいですけれど、カプセル入り玩具の自販機のコトですな。
現在ではちょっと高級な内容とお値段のがありますが、昔のは大体\20-でした。
スーパーカー消しゴムとか、スライムとか、後にはキン肉マン消しゴムとか大流行しましたねぇ。
一時期は年商180億円にもなったそうですが、とにかく「パチモノ」「インチキコピー商品」のオンパレードでして、
私も子供心に、そのダーティーさに戦慄を覚えたものです。
一見、冗談みたいな「紛らわしい名称」を付けてて、その胡散臭さに笑っちゃってましたね。
(当時はガキんちょでしたけれど、決して本物と混同するコトはなく、偽モノは偽モノと皆認識してましたよんv)
しかし、ロッテのビックリマンシールを「ロッチ」にしてのパチモノが人気になり過ぎてしまい、訴訟されちゃったのです。
最初から著作権ガン無視でやってたのですが、どうやら限界となった様子で即効倒産してしまいましたねぇ。
詳しいことは、★コスモスの残党/ヤマトコスモスのサイト★でもご覧になってくださいな。


なので、私の世代ではコスモスの花のイメージってのは最悪です。
生命力が強くしたたかさがあって、まさしく「雑草」のようだ・・・・って印象ですからねぇ。
確かに、コスモスの花ってのはやせた土地でもどこでも植えられるほど強く、繁殖力も旺盛です。
台風で横倒しになっても、その状態で花が咲く程。

でも、花言葉は「少女の真心」なんですよねぇ。
このダーティーなイメージになったのは、やはりガチャガチャの会社が関係してるとしか思えません。
(あっちは「宇宙」の方のコスモスという名だったらしいですが。宇宙征服?とかするつもりだったらしい)


コスモス畑は各地にあります。
もしくは河川敷の群生していたりとかも、良くある光景です。
たまには心身のリフレッシュってコトで、お花見と洒落込むのも良いのではないでしょうか。


で、コスモスにちなんだ曲と言えば・・・・「秋桜(コスモス)」ですねぇ。
さだまさしの曲ですけれど、私は山口百恵バージョンも好きです。(懐かしい&年がバレる)
なんと十代でこの歌唱ですからねぇ。スゴイなーと改めてそう思います。



狩人にも「コスモス街道」って曲があるんですけど、知らない人も多いと思うのでパス。
(実は、私も知らないのです・・・・あまりヒットしなかったからでしょうね)


あぁ、しんみりしすぎてなんか暗ぁいです〜〜〜〜〜@

●2010年09月26日(日)

今回は、珍しくクルマの話題です〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

元々私はバイクよりも先に、自動車(四輪)の方が好きでした。
なので最も最初に買ったEg付き乗り物は、クルマの方だったのです。
あっちに出かけたり、こっちに出かけたりととにかく最初の頃はクルマに乗ること自体が嬉しかったですねぇ。

さらに、3代目のクルマで念願のターボパワーを手に入れて、ごく簡単にスピードが出るようになると
完全にその魅力にハマってしまいました〜〜〜〜〜〜〜〜@
なかなかパワーに振り回されるばかりで手ごわく、持て余し気味ではあったものの、それも少しずつ克服して行きました。
が、終いにはやっぱりという結果で終わってしまいました・・・・。

その後は、パワーよりもむしろ足回りやシャーシ・ボディの優秀なクルマに魅力を感じるようになりましたねぇ。
やっぱりその辺りがちゃんとしてると、運転しててとてもイイ感じなんです。
また、以前のパワーだけのクルマがいかに使いにくかったのかってのがよく判りました。
もっとも、足回りなどは真っ先にコストダウンされる箇所でもありますから、なかなか良いモノってのは少ないんですね。

外車にも目を向けるようになったのは、やはりボディ剛性バランスの優秀さからです。
その当時の国産車はどうしてもイマイチでしたからねぇ・・・・・。
ただし、電装系、特にエアコンとかの信頼性は断然、日本車に軍配があがりますけど。
それと、エンジンパワーもやっぱり日本車の方が出てましたねぇ。軽いからかも。


で、途中からバイクに出会って、そちらに傾倒して行ったのです。
やっぱり加速や開放感とかは二輪の独壇場でして、走る楽しさってのが数段上ですからねぇ。
もっとも、実用性の点ではクルマに劣るのは仕方ないですな。
特に、天候(雨天とか、暑さ寒さとか)の影響をモロに受けるってのが難点です。
クルマを持たなくなった時期もありましたけど、その点だけは苦労しましたねぇ。

こうなると、クルマってのは「屋根があって、エアコンが付いてる」なら何でもokってトコまで妥協できるんです。
もちろん、根っこの部分は大好きなですから本心ではないんだけれど、あれもこれもと贅沢は言えませんので。
そんなワケで、維持費の安い軽自動車を知り合いから譲ってもらって、乗ってましたv

そして商売を始めるに当たって、乗用車から貨物車へと乗り換えたのです。
貨物車ってのは荷物を積んで運ぶのが目的ですから、どうしても乗り心地とか走りは犠牲になってます。
なので、スピードを出して走っても、あんまり「楽しい」とは思えません。
ただ、今では希少なMTで後輪駆動なので、それなりに「ごっこ」的には運転が楽しめますけれど。
2シータに関しては、以前スポーツカーのも乗ってたので、その不便さは身に染みています。
いくら人を乗せる機会があんまりないと言っても、やっぱり困る時は出てきますからねぇ。

しかし、我が家にはちゃんと別に乗用車があるのです。


写真のクルマが、我が家の自家用車です〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
トヨタの「ベルタ」という車でして、ビッツとの姉妹車に当たります。
排気量ラインナップは、1000ccと1300ccがあります。(1500ccはありません)
さらに、1300cc4WDも別にあって、これは2WDとエンジン形式自体が全く別です。

前モデルは「プラッツ」でしたけれど、その時は2BOXハッチバックのビッツにトランクを足しただけって作りだったのですが、
モデルチェンジしてベルタになった時には、独立した別設計となったとのコトです。
トヨタのクルマの中で、最小・最安のセダンって立ち位置にありますが、専用設計のおかげで意外と車体は伸び伸びしてます。
カローラー・アクシオってのが上位車種にあるんですが、カローラは現在1500cc〜のラインナップです。

我が家のは、1300ccの方です。
エンジン形式は「2SZ-FE」と言いまして、4気筒ですねぇ。
ボアxストローク=72.0x79.6mmと、10%オーバースクウェアです。
パワーは87ps/6,000rpm,11.8kg・m/4,000rpmと、平凡なスペックです。
2代目ビッツから採用されてるモノですよん。

ちなみに1000ccエンジンは「1KR-FE」と言うモノなんですねぇ。
「東京フレンドパーク」で最後にダーツ投げて当たる、パピプペ・パッソこと「パッソ」などに使われてるエンジンです。
すでに伝統となった感のある、3気筒です〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
ボアxストローク=71.0x83.9mmと、かなりロングストロークですな。
パワーは70ps/6,000rpm,9.4kg・m/3,400rpmと、実用域重視で頑張っているんです。

実は、どちらも開発はダイハツです。
しかもベース設計が、軽自動車のエンジンなんです〜〜〜〜〜〜@
外観はとてもコンパクトでして、同排気量のバイクのエンジン並みの大きさにまとまってます。
1000ccのが3気筒になってるんで、実用域重視で豊かな中低速トルクを実現しているのです。
雑誌やネットでの比較インプレだと、どちらを選んでもほぼ変わらない様子ですねぇ。
(我が家は1800ccからの乗り換えでしたから、1300ccにしたのですが)
でも排気量は、高負荷領域でありがたみを発揮しますから、その時の為だと思えば1300cc版はムダではありません。

何故か、21世紀デビューのくせにオールアルミEgじゃないんですよねぇ。
鋳鉄ブロックは、Egブローしても何度でも生き返るとか某漫画に出てましたけど・・・・ブローは普通しませんv
多分製造コストとか、よりコンパクト化のためだと思うんです。
バイクのエンジンばかりみてると、オールアルミEgなんてありふれてんですけどねぇ。
(ちなみに4WD版は2NZでオールアルミです。同シリーズ1NZはプリウスEgですよん)


まぁ、クルマネタだからってあんまり特筆すべき点ってのは、このベルタさんにはありません。
「クルマなんて、安くて、壊れなくて、便利なら何でもokでしょ」って人に向けたモデルですからね。
もっとも現代では「クルマごとき」に大金を注ぎ込むのはスマートではない、という考え方も出てきてますけど。

ごくありきたりなFFです。
今ではほとんどがそうですが、リヤは独立懸架ではありません。
足回りの作りも乗り心地も安っぽいんだけれど、実際安いクラスなので仕方ないのかも。
ブレーキは、Fディスク・Rドラムで、これまた必要十分でそれだけですな。

でも、なかなか上手く設計がまとまってて、操縦性はピカイチですよん。
全く変なクセがなくて、すごく運転しやすいのです。(お年寄りにもオススメですv)
これは剛性「感」の高いボディと、軽量コンパクトなエンジンのおかげでしょう。
特にFFで問題になるフロント廻りが軽いんで、回頭・旋回性がとても高いんです。
さらにビッツに比べ大幅にロングホイールベースになってるので、クルマの挙動もマイルドなのです。
ちなみに車重は、1tちょいです。(1000cc版は990kg)

無理矢理ケチを付けると・・・・いわゆる「攻める」モードだと、途端に馬脚を現します。
強いアンダーステア、制動の弱いブレーキ、インフォメーションに乏しいステアリング、バタつく足回り。
もっともそれらは一言、「そんなスピードを出す奴が悪い」で片付いてしまいますが。
山道だと、平均40km/h〜のペースではグイグイ登って行くし、加速もスムーズで余裕すら感じます。
これが60km/hペースにあげると、もうどうしようもないですねぇ。
根本的な動きがアカンので、まったく無理が利きません。咄嗟の時にこれは難点となりそうです・・・。

つまり、普通に走ってる分にはむしろクラスを超えてる位の走りをしてくれるんですよねぇ。
運転のコツは、「ちょっと速度を控え目に、決して無理をせず」につきますです。
まぁスピードを出したって、全然楽しくともなんとも無い、むしろ苦痛なだけってので、安全運転仕様ですな。
エアコンは良く効きますよん。


変速機はCVT(無断変速)です。
これは以前スバルのヴィヴイオに乗ってて体験してますが、マジで「原チャリ・スクーター」ですねぇ。
エンジン回転数と車速の上昇カーブがマッチしない違和感は、エンジンの音が静かなので気になりませんけど。
このおかげで、実際の排気量以上に中低速域が力強く感じられるんです。
・・・・もっとも、これは50km/hちょっとくらいまでですけどね。

燃費は、★マークが4つほどつく時代のなので、とても良いです。
実質燃費だって、大体156km/Lは行ってるんじゃないでしょうか。
もっとも馬力に余裕が無い小排気量車ゆえ、運転状況により大きく変動するんでしょうけれど。
圧縮比が11.0:1(1.0L版は10.5:1)ととても高いんだけど、レギュラー仕様です。
この圧縮比は、カブ系Egのヘッド交換するタイプのボアアップ仕様と同じ位です〜〜〜〜〜@
燃料タンクには、42Lのガソリンが入ります。
思いっきり満タンにしても、\6,000-は行かないんですねぇ。(単価が@\142-を超えない限り)


しかし、デザインはなんか「膨らんで、爆ぜそう」な今風のモノで、あまり個性がありません。
無難で地味なので、駐車場でよく見失います。
でも、それだけ上手にまとまっているとも言えますねぇ。


運転方法ってのは、ありきたりなATなのであまりネタにする所はありません。
私はすでに何台もAT車を乗って来てますんで、軽トラはMTだけど混乱する事もないです。
あ・・・そう言えば、「左足ブレーキ」の乗り方に付いて、あちこちで議論になってたりしますよねぇ。

ようするに、右足でアクセル、左足でブレーキと、それぞれの足でそれぞれりペタルを踏む方法です。
一説によると、踏み間違える危険性が高いとか言われてますけど・・・・ホントかな?ってのが私の個人的意見です。
ブレーキとアクセルの踏み間違えは私自身経験はありませんけれど、間違える人はどんな風になってても間違えるのではないでしょうか。
例えオーソドックスな「右足のみ」でも、踏んづけるペタルを間違えたり、足が横にすべったりはしますからねぇ。
踏み間違えの暴走事故ってのは、操縦系統問題で言える部分は「AT化で発進がし易くなった」点に尽きると思います。
MTの場合だと発進させるのに余計な操作と神経が必要でしたので、ちょっと間違えたからってクルマが暴走するコトがありませんでしたし。

私は、左足ブレーキも使います。
やっぱり片方の足だけ使ってて、反対側は遊んでるってのは勿体無いですからねぇ。
(本当はミニに乗ってた時の走りのテクニックで多用してた。アレはパワー無かったからアクセルから足を離せない)
もちろん軽トラの時は、MTですからクラッチを左足で踏まなきゃなりませんので、オーソドックスな右足のみ法ですよん。
ようするに使い分けです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@


ネットとかで議論になってるのを見てみると、どうやら正しさの押し付け・反対意見の否定、に終始してるだけですねぇ。
こういうのは議論ではなくただの口喧嘩みたいで、とてもくだらないです。
私は、基本的にはオーソドックスな右足のみ法で最初習っておいて、後は各自工夫すれば良いと思っとります。
もちろん事故にならないようにという大前提ですよん。
(なのでハイヒール運転とかは絶対にダメだと思います)
そして、機械のせいにやたらとするのは間違ってる様な気もしますねぇ。
確かに、使いにくい部分や問題点を改善するのは正しいコトです。
けれどクルマやバイクみたいな機械の運転はある程度習熟性が必要なのと、緊張を伴っててしかるべきでしょう。
ちょっと使いにくいからってすぐ失敗しちゃうのは、運転者の資質の方に問題のほとんどがあると思うんです。
ぶっちゃけ、向いていない人ってのは居るんですよねぇ。
「ダメな奴は何をやってもダメ」とまでは言いませんが、やはり運転しないと言う選択肢もあるのです。
・・・年配者や病気などで運転するのが難しくなった場合に付いても言えるんです。


こんな、ごく普通というか安いクラスのクルマなんですが・・・・・・
お値段は車体本体価格で、140〜150万円もするんですねぇ。
もっと小さいのでも100万は軽くします。
ファミリーカーとして使いやすそうなのだと、大体250〜300万。
ちょっと凝った「イイ車」になると、300〜500万はするんですな。
これは20年前の相場と、全然変わってないですねぇ。

そのイイ車クラスの半分のお値段だと考えれば、確かに安いし、贅沢も言えないと納得できちゃいます。
むしろ、そんな安いのに良くできているな〜と思います。


やっぱり、クルマは高いですわ。
これがバイクだと、CBR100RとかYZF-R1のお値段クラスですからねぇ。
ビッグネイキッドだともう少し安いです。
そして、ちょっと拘りがある車種にしようと思うと、もう少し予算が必要なのも似てますねぇ。
ただクルマと違って、バイクの場合はもっと安いクラスが存在するんです。
新車はそれなりに高いけれど、でもクルマの半分で結構オシャレで良い物に乗れますからねぇ。

そんな高価な買い物をするってのは、大変なコトです。
だから不景気なこの時代、なかなかクルマの売り上げが伸びないのは仕方ないですな。
ましてや、趣向が贅沢になる傾向が強いと、あんまりショボイのは欲しくないってんで、益々手が届かなくなりますねぇ。
もっとも、機能・役割が重要なのがクルマですから、あるのと無いのとでは雲泥の差なんですけど。
私は、やっぱりあった方がイイな〜と思います。

コレはクルマを持っていなかった時期でも、やっぱりそう思ってましたよんv

●2010年09月25日(土)

今日も、カブ系エンジンのネタの続きです。
と言っても過去散々書いてきましたので、まぁ目新しいモノはないんですけどね。

内容としては、エンジンブロー(クランクブロー)の修復です。
クランクシャフトと腰上部品(ピストン&シリンダー)交換の、かなり大掛かりなモノでございます。
ちなみに車体関連もちょろっと修復している所がありますので・・・・大修理クラスですな。


「そんなコトはないよ〜、カブ系エンジンのクランク交換なんて、難しくないだろ」
などという声が聞こえて来そうです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

確かに、技術的な部分で難しい所はありません。
基本に則って作業すれば、誰にでも可能な内容です。
でも、ここで言っているのは「部品交換作業」ではなく、「修復作業」なんです。
つまり、どこからどの部分まで交換するか、または手直しで行くのか、パーツ構成その他に間違いがないのか。
微に入り細に渡って逐一検討を重ねなければなりません。
さらに、修復費用・コストの問題もまた重要になってきます。
必要なコストは仕方ないけれど、それでもできる限り費用は抑えて余計な部分をそぎ落とさなければなりません。
アレもコレも成立させなければならないので、けっこう悩みますねぇ。

またエンジンブローしていると、その状況にも寄りけりですが内部が結構大変なコトになってたりします。
写真のクランクケース類は既に洗浄済みなんですけれど、この洗浄にかなり時間と手間が掛かってます。
ちなみに、写真のがエンジン丸ごと一台分です。
キャブとジェネレータは台座ごと車体に付いたまま、ステップバーとマフラーは別にしてあります。
意外と、分解してあるとかさばりますねぇ。

もっとも、ここまで作業が済んでいれば、後は簡単です。
順序良く組み立てていけば、出来上がりですからねぇ。
まるでプラモデル感覚、とは良く言ったモノですけど、あくまで今のこの状態からスタートならばという仮定です。
実際にはそんな仮定は成立しませんので、もっとドロドロした現実が待ってんですけどね。


目ざとい人は、パーツ構成までこの写真で判ってしまうんでしょう。

クランクケースは、AA01カブのモノ。50ccです。
リトルなのかスーパーなのか不明ですけれど、トップギヤスイッチが無いのでプレスカブでは無いです。
さらに、ミッションのカウンターシャフトB/Gが「小さい方」なのもその証拠です。
当然ながら、12vCDI電装系ですよん。

トランスミッションは、ベンリィCD50の4速ですねぇ。
シフトドラムは旧ゴリラかダックスの物を使って、リターン化してあります。
シリンダヘッドもベンリィCD50のモノです。ポート他の加工でチューンナップされてます。
インマニはちょっと珍しいけど、ベンリィCD90ですねぇ。
クランクケースカバー(ACG,チェーン側)はご覧通りベンリィCD50です。

クランクシャフトは、カブ/CDの「カブ軽量タイプ」のモノが入ってました。
もっとも修理交換するので、今度は「モンキー標準タイプ」になります。
オイルポンプは写ってないけど、タイカブ100EXですねぇ。
クラッチはタケガワの社外品。3枚クラッチってのです。ボアアップに対応させてんですな。
プライマリードリブンギヤはベンリィCD50のままです。


つまり、クランクケースがカブ(AA01)でエンジン番号から見ると、ベースEgがカブに思えます。
でも、実際にはCDがベースになってて、クランクケースは修理交換したんですね。
ベンリィCDの改造Egってのがホントなんですv


ベンリィCD50をベースにするのは、比較的中古相場で安い「4速マニュアル車」だからですねぇ。
モンキー・ゴリラのエンジンよりも、なんか安いコトが多いんです。
多分ですがロータリーシフトが嫌われてるからじゃないかと。
シフトドラム換装でリターン化が可能ですけど、大掛かりな作業になりますからねぇ。
なので変に拘らずロータリーのままで乗った方が現実的だったりするんですが。

ベースがCDだと、あんまりハードなチューンは出来ません。
クランクシャフトが「カブ軽量タイプ」ですから、耐久性の問題が懸念されますからねぇ。
ミッションのカウンターシャフトB/Gも小さいタイプなので、これまた耐久性の点で不利です。
そもそもベンリィCDのミッション軸はカブと同じ「ボールベアリング仕様」のいわゆる「細い方」です。
なので、クロスミッション改造とかには向きませんので、この部分は手をつけない前提となります。
(一応タケガワから、カブ用の5速ミッションキットは出てますけど)

もっとも、ハードチューンを実際にする人ってのは意外と少ないのです。
夢は大きく持ってても、やはり費用が沢山掛かるのでなかなかそこまで入れ込むコトは困難です。
それと、お金だけ掛けたからってokにはならないんですよねぇ。
コンプリート仕様とかで、かなり大胆に大金を掛ければ話は別です。むしろ、それこそが正統派だと思います。
夢追い人になっちまうと、空想世界でしか生きられなくなり、現実を見失いますよv
趣向は人それぞれだとは思いますが、やはり実際に乗らなければバイクは楽しくありません。

しかし、現実を見つめると・・・そんなに沢山お金をつぎ込んでも良いの?とか考えちゃいます。
チューニングってのは壮大なる無駄遣いをする事でもありますんで、ぶっちゃけ非常識な世界なんです。
「それをやってどうするの」よりもむしろ「やること自体に意義がある」んですな。


ようするに、一番大事で難しい部分ってのは、どの辺りで折り合いを付けて、上手に楽しむかってトコでしょう。


このネタは、部品単品の範囲でしか書けません。つか書きません。
プライバシーの問題もありますので、個人の車両特定に結び付くレベルまではダメです〜〜〜〜@

本当ならば完成してテスト走行インプレとかまでヤリたいんですけどねぇ。

●2010年09月24日(金)

エンジンブロー、その後で・・・・・
と言うコトでして、カブ系エンジン修復ネタを引き続きヤッて行きます。

ちょっと、予定していた部分以外で交換が必要なパーツが出てきてしまいました。
それは、「オイルポンプの駆動スプロケットギア」です。
パーツリストでは、名称が「スプロケット,カムチェーンガイド(25T)」となっています。
部品品番は、[14670-035-030]で、部品価格が\1,400-ほどです。
意外とお値段が高いです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@


このスプロケットの歯が、写真の通りかなり磨り減ってしまっています。
クランクシャフトのスプロケット(24T)からカムチェーンにて、カムシャフトとオイルポンプを回します。
しかし真っ先に磨り減るのは決まって、このオイルポンプのスプロケなんですよねぇ。
ここは、無改造車でも長年使用したエンジンでは磨り減っていたりする事があります。
カムチェーンの伸びが原因で、このギヤの歯がこんなになっちゃうコトだってあるんです。


当然、カムチェーンが掛かってる部分は全て、消耗してるはずですよねぇ。
こういう「消耗」系の壊れ方ってのは、かならず関連する他の部分も一緒にチェックしなければなりません。
ただし、テンショナーとかガイドローラーなんかはある程度減ってても機能には問題がなかったりします。
特にオートカムチェーンテンショナーが入ってる12v系Egでは、カムチェーン゛かゆるむ・たるむってコトが起こり難く、
たるんだチェーンが暴れての磨耗ってのには結び付かないんです。

なので、点検及び同時交換部分ってのは、カムチェーンとオイルポンプ位でしょうか。
オイルポンプに関しては、今回のように「エンジンブロー」をした場合、破片や金属粉が入り込んでポンプローターを損傷してるコトがありますね。
もっとも、オイルポンプにせよ、このポンプスプロケにせよ、取り外すのも結構面倒な場所にあります。
ですので、なかなかココまで見ようってコトにはならずに、ついついそのまんまに・・・ってなコトになりがちですな。
まぁ今回はクランクシャフト交換をしますので、完全にバラバラにして作業してますから点検は容易なんですが。

それでも、ちょっと注文するのを見落としておりました・・・・。
たかだかこの1個の部品がダメなだけでも、エンジンはキチンと働かないのです。
それに、写真の不良品の状態でも一応は回ってオイルポンプを駆動してくれるんです。
しかし・・・どうしてもコマ飛びを起こし易く、何らかの拍子に空回りしてしまう場合も考えられますね。

実は過去に、一機だけですがここの消耗により、始動して5分くらいメカノイズ(カタカタカタ、カタカタ、カタカタと断続的に)が出てたのがあります。
エンジンが完全に暖まってしまえばその問題のメカノイズが消失して、調子も良いんですけど。
これはつまり、冷間時にオイル粘土が高く、オイルポンプ負荷が高い時にだけ、カムチェーンがコマ飛びしてたんですね。
試しにオイルクーラー取り出し口をつけ、透明チューブでエンジンオイルの流れを目視で点検してみると、やはり断続的にオイル供給が止まってました。
まるっきり、不整脈の状態です・・・・・。
もちろんこのまま使用し続ければオイル供給に問題が生じて、ひいてはエンジンの焼き付き等の重大故障へ発展する可能性が高いです。

とは言う物の、この症状を修理するにはすんごく費用が掛かりますねぇ。
試算してみますと・・・・
交換部品は、オイルポンプスプロケと、カムチェーン。
この2点で約\2,500-です。
さらに交換するためにはオイルポンプを取り外して点検しますんで、クラッチ側のクランクケースカバーを取り外さなければなりません。
当然ですが、エンジンオイルも抜いておくんです。
これらで約\2,000-ですねぇ。
さらにエンジンの腰上(ヘッド、シリンダ)も外さなきゃならないんで、ガスケット交換が必要です。
これが\1,800-前後。
材料費で、合計\6,300-となります〜〜〜〜〜〜〜@

ここで欲をかいて、オイルポンプを大きいのにするとかだと、\2,000〜ほどプラスされます。
カムチェーンを強化品にしても良いけど、これは純正流用だとそんなにお値段は変わんないですv
あと、他の部分(テンショナーローラーなど)もついでに新品にすると、プラス\1,500-くらいですな。
なんやかんやと新品にすると、約1万円くらい用意しとかなきゃなりません。

んで、工賃ですが・・・・工数は1.7H/約1.3万円ほど。(車種により変わります)
つまり、2万円前後の修理コースとなっちまうんですよねぇ。
エンジン修理ってのは結構高く付くのです。

自家整備だと工賃は掛かりませんけれど、クラッチもフライホイールマグネットも共に脱着作業が必要です。
つまり、特殊工具が2つも必要なんですねぇ。
なのでそれを持っていない場合だと購入しなければなりません。
(工具・・・特に特殊工具はどこも貸してくれるトコなんて無いと思う。壊れたり、無くなれば死活問題ですからねぇ)


話は前後しますが、カムチェーンが掛かってる部品にはクランクシャフトのスプロケットギアも含みます。
ここはクランクシャフトがAss'y供給されるようになっても、別部品で出てくるんです。
名称は「スプロケット,タイミング(14T)」、品番[14311-KEV-900]で、\800-位です。
もちろんクランクベアリングも別部品として供給可能になっています。
あらかじめ全てがセットになってるのが、クランクシャフトCOMPです。

このスプロケットギヤはクランクシャフトのジェネレータ側に圧入されています。
クランクベアリングも同様です。
ココは加熱して取り外し・取り付けをする事が可能なんですが、大抵は内燃機屋さんに依頼するコトが多いです。
実は、一つ注意点がありまして、特にクランクベアリング交換をお願いした時の事例なんですが・・・・
出来上がったクランクを使ってエンジンを組み込むと、何故かカムとフライホイールの上死点を合わせられない事件が発生するのです。
カブ系Egのバルブタイミング調整ってのは、無段階ではなくカムチェーン1コマずつでしか変えられません。
調整ズレってのではなくむしろ組み付けミスに近いニュアンスになってます。
ちゃんと合わせマークに合わせて組み立てれば、それでokなはずなのですが・・・・・
そこがどうしてもズレでしまうと、すごく困ります。

大抵の場合は、例えばオイルポンプスプロケからチェーンが外れているとかのケアレスミスですね。
腰上のみの分解組立作業だと、ヘッド側から覗き込んでカムチェーンが正規の通り道になってるかを確認するしかありません。
この辺はバッチリokだったりすると、じゃあどうして合わないんだってコトになりますねぇ。
カムチェーンの伸びなのか?とか色々と悩むのです。

もしもこのような状態に陥った場合、クランクシャフトB/Gを交換とかしたならば、是非ともタイミングスプロケの位相も確認してみましょう。
でもここが不思議なんですが、現物に合わせマーク等はなく、サービスマニュアルにも記載が無かったりします。
正しいタイミングギヤの位相は、スプロケの谷間と、ウッドラフキー溝が正確に一致してる事ですv
キー溝は幅が4.0mmありますので、その中心を見極めるのはちょっと難しいかも知れません。

これがれっきとした内燃機屋さんの仕事でも、ついうっかりと合っていない状態で圧入してるケースもあるのです。
大抵はクランクの機能から、ちゃんと正しい位置に組んで置いてくれるんですけどね。
ひとえにこれは、合わせマークをつけないホンダが悪いと思いますv
知っていれば何てことないんだけど・・・。
悲惨なのは、位相ズレ状態が気が付いた時点で、ほぼエンジンを組み立て終わりに近い段階になってたりするんです。
もちろん修正するためには、またクランクシャフト単品の状態にまで分解しなければなりません。

原理的に、このタイミングギヤの位相を意図的にズラせば、カムタイミングを変更することが可能です。
例えばカム軸で3度進めたい場合には、クランク軸側では6度進めるようにすればokですね。
(14Tなので、半ヤマ分ずらせば6.5度変わります・・・・)
でもあまり実践的な方法ではないんです。
いちいち、タイミングを変えるのにクランクのこの部分をいじるのは大変ですし、また組立作業時に合わせマークが役に立たなくなるので困ります。
バルブ(カム)タイミング変更ってのは、色々と変えてみて良いトコを探すのが普通ですからね。
なのでやはりカムスプロケット部にて細工して変えるのが良いと思いますv

今回、交換するクランクシャフトのこのタイミングスプロケを改めて見てみると・・・
確かに、減っていると言われれば減っていますねぇ。
でもオイルポンプスプロケの減り具合と比べれば、全然大丈夫なんです。
別の何万キロも走ったクランクを見てみましたけれど、これもそんなに減ってはいませんでした。


話を、オイルポンプスプロケに戻します。
普通のギヤと異なり、黒いゴムが一体成形されて豪華な作りとなっています。
実はこのギヤは内側と外側の2つに別れてて、その間にゴムが緩衝材として入っているのですv
かなり硬度があるので判りにくいんですけれど直で一体にしていない、何らかの理由があるんでしょうね。
その豪華な構造により、一枚\1,400-ほどもするんです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

同様な豪華な作りによりお値段が高い部品は、クラッチ側の「プライマリードリブンギヤ」、あのでかいギヤです。
こちらも内側と外側が分かれてて、ゴム製ダンパー6つを介してリベットピンでかしめて作られてます。
シフトチェンジのショックとかを緩衝させてんですねぇ。
クラッチ側にも緩衝スプリング機構がありますんで、かなり豪華な設計です。
(モンキー以外だと、リヤホイールハブにもまたダンパーが入ってますし)


で、組付けする時にちょっと迷うのが「向き」です。
実はこのスプロケギヤは、向きがありますv
真ん中のネジになってる部分が出っ張ってる方が、オイルポンプシャフト側になります。
(写真/上では、シャフトが付く方から見ています。右下のクランクと共に写っているのはシャフトは向こう側に付きます)
これもまた、どこにも書いていないんです・・・・・。
もっとも、カムチェーンのチェーンラインってのを確認すればおのずと向きが判明するんですけどね。
逆にもすんなり付いてしまって、さらにその状態で使っててもすぐにトラブルにならないのでむしろタチが悪いです。
間違った向きで組まれて使ってたモノだと、スプロケの歯の側面に異常磨耗がみられるのですぐに判ります。


エンジン部品の中の、消耗性がある部分ってのはいつも交換しようかどうしようか悩みます。
「新品に勝るモノなし」ではありますが、だからってありとあらゆるトコを新品にしてしまうと費用がかさみます。
なので、あくまで交換するのは必要性がある部分だけが基本なんですねぇ。
理想を追求するのは良い事ですけれど、あまりにも現実と乖離してしまってるのも問題です。
今回はこの部分は交換しなくても済むと思っていたのに・・・・残念ですねぇ。
そうすると、ちょっと予算が足らなくなる恐れが出てきました。大丈夫かな?

●2010年09月23日(木)

さて、先日(9月16日)のコラム記事とカブってしまいそうで恐縮ですが・・・・
カブのクランクシャフト、続報ですv

「多臓器移植修復中」のカブエンジンですけれど、先日は腰上部を分解しての故障診断でネタをお送りしました。
そして、その後は・・・とうとう、クランクケース全バラにして、細部までキッチリと洗浄作業をしたのです。
ようするにエンジンブロー(クランクブロー)という、重症なのですね。
アルミと鉄の破片と粉末が、内部のオイルに混ざり循環して、ありとあらゆる部分に行き渡っております。
キラキラと光るラメのようで、見た目にはロマンチックなんですが・・・・・実は、トンデモナク性悪。

そして、クランクケース内部よりブローしたピストンスカート部分の破片も見つかりました〜〜〜〜@
ぬわんとッ!
まだ、加工跡がクッキリと残ってんですねぇ。
もちろん縦筋は一本太いのが走っているんですが、どうやらコンロッド大端B/G破損よりも前に、ピストンが欠けた様子です。
ローラーベアリングが粉砕された鉄粉が、ピストンサイドとシリンダーをサンドブラストしたようになるんだけれど、破片にはその影響が出ておりません。

つまり、こういう想像です。
まず最初に、ピストンスカート下部が油膜切れにより抱き付き・破損。
その状態でもエンジンは継続して稼動しており、コンロッドに過大な負荷が加わる。
シリンダーライナーの下部が摩擦熱で一部溶解。
終いには、コンロッド大端B/Gが粉砕破損、その破片でピストンとシリンダーに擦過傷が付く。
圧縮圧力が確保できずに、エンジン停止・始動不可となる。

つまり、壊れるべくして壊れたのではなかったと。(運が悪かったって結論)


そもそも、最初はまずクランクシャフトが逝かれたのかと思ってました。
分解してみて確認が取れたんですが、クランクはカブ(AA01)の「軽量タイプ:13000-GK4-760」の方でしたから。
もちろん車両とクランク仕様とはマッチしていますので、この組み合わせは間違いではありません。
しかし壊れてしまった以上は、組み合わせに問題アリだったのかも?との疑念が払拭できずに居たのです。

「カブ軽量タイプ」の方が、確かにチューンナップ用としては高性能を発揮させる方向では魅力です。
エコランにしろ何にせよ、とにかくフリクションロスが小さいってのが魅力ですからね。
(クランク慣性マスに関してはフライホイール等で変わるのでここでは言及しません)

軸受けってのは、原則的に細ければ細いほどフリクションロスも小さくなるんです。
「じゃあ、出来るだけ細くすりゃ究極の性能が出るのでは?」と単純な疑問が沸きますね。
これは確かに、その通りです。
・・・がしかし、物事には限度ってのがあるのです。
軸受けには当然ながら力(荷重)が加わってんですけれど、耐えられる力の大きさは太さに比例します。
つまり、大きな荷重に対して必要な軸受けの太さの下限ってのがあるのですねぇ。
なので、正解は・・・
「加わる荷重の大きさに耐えられる最低限の太さ(=細さ)の軸受け」を持つモノが、最も実用的な高性能部品なんです。
これはボールベアリングの場合だと、球の大きさ・個数に付いても同じことが言えます。
つまり、球が小さかったり少なかったりすると、回転フリクションロスもまた小さくなるのです。
その反面、一つの球に加わる荷重が大きくなるので、耐久性・耐荷重性は低下するのです。
社外パーツなんかで「高速ベアリング」なんてのが売られてますけれど、その性能向上の仕組みはこんなトコなんです。
・・・チューンナップ車両は、場合によっては「壊れてもかまわない、ある程度だけ持てばいい」という思想に基づいて作るコトもありますからね。
耐久性は非常に悪いので、私はこの高速ベアリングを採用してストリートユースのマシンを組んだコトはありません。


話は元に戻りますが、とにかく「カブ軽量タイプ」クランクはとても優秀なパーツですが、それは50ccで使う場合のみ。
ボアアップをしたエンジンに果たして、このクランクは耐えられるのか否か・・・という疑問が残ります。
もし耐えられるとしたら、それはどの位の排気量・回転数までかってのも重要ですねぇ。

ちなみに、「モンキー標準タイプ」クランクだとフリクションロスが大きくて、レスポンスが悪いのではないかと心配される方も出てくるでしょう。
でも実際には、このタイプのクランクでも良好なレスポンスが得られるコトだってあるんです。
例えば、私のモンキーRの2nd仕様がそうでしたねぇ。(モンキーRは、モンキー標準タイプのクランクです)


なので、この2つの違うタイプのクランクを、どう選んで使うかって問題の答えは現在もまだ出ていないんです。
特に耐久性の点に付いては未知数ですねぇ。

さすがに今回の修理の際には、こだわりましたv
以前も修理させていただいてるお客さんですんで、長持ちしてくれないとさすがに困ります。
ですから珍しく「モンキー標準タイプ」指定で、パーツの調達をしたのです〜〜〜〜〜〜〜〜@
これは・・・初めてのコトですねぇ。

今までで、クランクのタイプ指定して調達したのは、全て「カブ軽量タイプ」の方ばかりだったんです。
75ccキットだったり、純正50cc仕様だったりですから。
もちろんクランクシャフトを取り替えられる所まで作業する場合にしか、選べませんけどね。


そもそも、軽量タイプクランクの存在に気が付いたのが、「ジャズのクランク」伝説からでした。
75ccキット仕様を何個もやってて、何故かJazzエンジンをベースにすると良い結果が出るんです。
というかそもそもJazzエンジンは大抵「部品取り用」として使ってましたからねぇ。
純正クロスミッション(R仕様)がオイシイんで、それ目的で。
で・・・クランクはむしろ余ったオマケみたいな感じで、部品から組み上げるEgに使ってました。

作業してて何となく、クランクがなんか小さくて軽いような気がしてました。
そりゃ実際に現物を手で持ってんですから、その感触での話しですから、あやふやなものです。
更にホンダというメーカーは、ちょくちょく意味不明な仕様変更とかをしますんで、例え部品品番が一部異なってもそれは良くある事なんです。
(ちなみに12vクランクには、4ないし5種類の品番がある様子です)

しかし、Jazzにはもう一つ美点があって、純正カムがわずかながらハイリフトカムになってんです。
もともとJazzは全モデル4.5psの「ハイパワー仕様」ですので、ポート形状も良いんですよねぇ。
さらに吸排気バルブも、ウエスト形状っぽい方のが採用されてます。
だから、Jazzのヘッドをベースに改造すると、やはり良い結果が得られる事が多いんですv

つまり、どこがどのように、良い結果に貢献しているのかが判り難かったのです。
さらに使う改造パーツのメーカーや種類もまたマチマチですんで・・・・より問題は複雑になってきます。
(安物ボアアップキットとかも色々と使ってみましたねぇ。やはり結果はダメダメでしたけど)
こういう混沌とした状態での評価とかをするから、いわゆる「怪しい伝説」が生まれるんですな。
私も随分と、ドヤ顔で珍説を聞かされて来ましたけどv

なので、実際に検証をしなければノウハウとして使い物にならないってのをイヤというほど経験してきました。
ぶいぶいコラム記事でも、このようなネタをいくつも出してきたと思います。
(過去ログを整理して、まとめたサイトを作りたいな〜と思っているのですがv)


クランクシャフトは、単品になってると厳密にどの車種用のモノなのか見分けが付きません。
しかし、モンキーRが壊れた時には、ちゃんと記念に取っといたのですv
(当然、車両には改造暦すらなかった時から乗ってますからねぇ。他のクランクと替わってる可能性は無い)
さらに・・・丁度カブの部品取りエンジンから取り出したクランクシャフトをキレイにして、写真に撮ろうと思って並べてみたんです。
この時に、違う仕様の12vクランクが一同に会して重量の違いから発覚した次第ですな。

で、今回改めて両者を並べて写真を撮りました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@


「ボクのエンジンのクランクは、どっちのタイプかな?」
という事で、見分け方ですv

まず、第一にはエンジン番号から、そのエンジン(厳密に言えばクランクケース)の車種が判ります。
Z50JE〜とかAB27E〜ならば、モンキー/ゴリラですねぇ。
しかし困るのがスーパーカブのグループです。
カブには、「普通のスーパーカブ」と「リトルカブ」、それと新聞配達仕様の「プレスカブ」があります。
いずれもエンジン番号は、C50E〜またはAA01E〜なのです。
そしてプレスカブのみが、「モンキー標準タイプ」クランクを採用してんですねぇ。
・・・もっとも、ミッションが完全ロータリーになってる所から判別は可能ですけど。

普通の場合だと、クランクシャフトを交換する整備なんてのはごく稀です。
(但しオートバイ工房では何故か多いです・・・糞真面目に、メーカー標準工数で計算して請けるからかも?)
ですから、手に入れたエンジンのクランクシャフトが別の車種のに替わっている可能性ってのは、そんなにありません。
でも一応、確認のために見分けるポイントってのが知りたいですねぇ。

通常の整備では、腰上を分解してピストン交換の状態にはするかと思います。
これでは一番確実なクランクピン太さを確認したくても、クランクケースに阻まれて直接見られません。
ですから、判別はコンロッドになると思います〜〜〜〜〜〜〜〜〜@

冒頭の写真、上側を見ていただけると直接比較してありますが・・・これは太さや形状では判別できませんねぇ。
ちなみに、コンロッド厚み(最小)は、「カブ軽量タイプ」では5.4mm,「モンキー標準タイプ」では6.0mmですけど。
でも、この程度の寸法の違いだと、測る時にミスれば誤差の範囲内です。

でも、コンロッド側面に「刻印」があるのを見つけました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
「カブ軽量タイプ」の部品品番[13000-GK4-760]から類推できる機種コード「GK4」が入ってんですv
根元に「29」、真ん中あたりに「GK4」の浮き文字があるんですよねぇ。(向きはACG側)
反対に「モンキー標準タイプ」では、[13000-GB4-680]または[13000-GBJ-680]なんですが、機種コードは「GB0」みたいですな。
この機種コードのルーツは何の車種なのか不明ですが、カブ70のピストンピンなんかにも見られる記号です。
根元に「21」、真ん中あたりに「GB0」の浮き文字で、刻印の向きはクラッチ側にあるのです。
・・・刻印の向きは、同一車種で全て揃ってるのか判んないですけどね。
とにかく、「GK4」か「GE0」で、クランク種別の判別の参考になると思われますv


問題は、根元の数字「21」「29」ですな。
製造工場(メーカー)なんかに絡んでるのか、仕様の区別なのか・・・・。
実は同じような数字の問題として、カムシャフトの刻印やヘッドの刻印があります。
(ヘッド刻印の、数字ではなく英文字は、これは製造メーカー記号なんですが)
カムシャフトで有名になったのが、伝説の「41カム」ですよねぇ。
いつの頃か、ヤフオクの売り文句で囁かれたのが最初じゃないかと思われます。
旧型のモンキー、それとダックスなんかに入ってましたねぇ。

「41カム伝説」はすっかりメジャーになったみたいで、これもしたり顔で「やっぱ41カムだよねー」なんて語られて、私はニヤニヤするばかりでした。
実は41って刻印が入ってても、カム仕様はいくつか存在するんです・・・・・。
私も工場の中の部品から「41カム」を集めて、容器に入れてテーブルの上に置いといたので、実際に違いをご覧になった方もいると思います。
ようするに、ガセネタとか都市伝説の「区分方法」だったのですよねぇ。
一時期はマジで、通ぶってそういう区分方法を語るのが流行ってましたv

コンロッドもそれぞれ「29コンロッド」「21コンロッド」なんて区分方法(偽)で呼ぶと、なんか通っぽいですねぇ。
もちろん刻印にそうなってるので、間違いではないです。でも不正確ですよね・・・・。
ちなみに「カブ軽量タイプ」「モンキー標準タイプ」ってのは私がこのコラム記事の中で便宜上呼んでるだけです。
一般的な名称ではないので、ご注意下さいね。
しかし、これは別に通ぶってるワケではなく、正当な理由がちゃんとあってのコトですんで。

どこに基準を置くかってのなんだけど、私の場合はあくまで『12vモンキー』が標準と考えてます。
そもそも、エンジン改造から出てきた話ですからねぇ。改造と言ったらやはりモンキーです。
それに対して、カブのクランクが「軽量」である、と思ってんです。

これは別にカブを基準に考えて、新聞カブとかモンキーのを「強化品」と扱っても正解なんですよねぇ。
(カムチェーンなんかは純正流用ワザで「強化チェーン」ってのがありますし)
モンゴリはクランクだけではなく、ミッションの軸も太い仕様になってるんで・・・不思議な話です。
バイクとしてちっちゃくて玩具扱いな車種のモノの方が、何故か作りがゴツイんですよ。


しかし、ホンダさんは訳の判らない仕様分けとか好きですねぇ。
色んな車種展開をしてて、相応のスペックとか、時代の技術的流行とかの都合でこんなになっちゃったんだろうと思いますけど。
さすがにこれではマズイってんで、FI化と共に統合整理された部分が見られます。
・・・でも、なぜかACGカバーはカブとモンキーで形状が全く違うとか、未だに訳判んない区別をしてみたり。

これはホンダの抱える病気みたいなモノですねぇ。
それだけに楽しみが広がります。


2つのクランクをまじまじ〜と見つめてると、ウェブ部分もやはりちょっとボリューム(厚み)の違いにも目が行きます。
なんか、「モンキー標準タイプ」の方には貫通穴があったりとかしてますし。
と、ここでウェプ形状の肉抜きが、ちょっと複雑なコトに気が付きました。(写真では判りません)
バランサーレスの単気筒エンジンですから、振動を抑える為なんでしょう。
こういう部分は、エンジンの性格やポテンシャルに大きく影響するんです。

ま、メーカーさんだって「理想のクランク」なんて計りかねてんでしょうから、こっちも悩んでるのは仕方ないんですv

●2010年09月22日(水)

本日は、セコセコとデジカメの修理をしてます。
実は以前使用していた奴は、走行中の軽トラから落っことして外装がキズだらけ。
もう一台あったモノはと言うと、何故か光学制御系か何処かの不具合で、露光が変になっちまいました。

つまり、中身がペケなのと、外観がボロボロなのとがありますので・・・・・
現在の流行の最先端となってる、「多臓器移植」手術を敢行してみようと思いましたです。


実は、オリンパスC2-Zoomって機種は分解するのは初めてなのです。
デジカメの分解時に注意するのは、立体的な構造となってるので分解手順をよく考え検討するコトですな。
基本的には、見えているネジを全部外していけば突破口が開かれるはずなのですけど、ネジが隠れてたりする場合も多いですからね。
分解に使う工具は・・・何かのオマケドライバー(メガネ用です)がぴったりなので、これを使いました。
そのほかにはピンセットとタタミ針、それとビス受けのトレーとか。
精密作業のために手元をしっかり照らす、スタンドライトも必要です。

あ、フラッシュ搭載してますんで内部には高電圧部分がちょっとあります。
うっかり触れよう物ならば、電撃ショックに襲われますからね。
気を付けていてもついちょっとだけ触れてしまいビリビリとシビれるコトがあるのです。(喰らいました)
金属でコンデンサの端子を放電しても良いけど、これも考え物なのは・・・パチッ!!と派手に火花が飛んだり、電気回路を損傷したりする場合があります。
まぁ、あっちもこっちもリスクだらけなんだけど。


中身は、大きな基盤が2枚あります。
カメラ−ボディ前面に付いてるのが制御装置関連でしょうか。
メモリーチップICらしきモノも見当たります。
それと小型のボタン電池もありますねぇ。パックアップ電池でしょうか。
(電源を入れるたびに、日付設定しろと出てくるのはこの電池が消耗してるからかも)

ディスプレイ&操作スイッチ関連はシールド板に覆われ、カメラケース背面にへばりついてます。
この部分はどちらのカメラも不具合はありませんでしたので、取り外しての移植はしません。
あくまで、内部の制御基盤と光学系ユニットを、キレイな外観ケースの方へ移植するのです。

カメラボディ後ろ側の基盤中央に、CCD撮像素子が見えてますv
思わず、「わぁvしぃしぃでぃ〜だぁv」とウルウルしてしまいました。
光学ユニットは写真右側の黒い物体です。
基本的にネジ3本でカメラボディ前面に固定されているのですけれど、そこまで到達するのがちょっと困難ですな。
光学ユニットとCCD素子の間には、ちょっと判りにくいんだけれど偏光板フィルタが入るのです。
これはもう少しで紛失する所でした・・・ヤバかった)
多分、非可視光領域をカットしてるんでしょうな。
つまりこれを取り外すと、ひょっとしたら一時期流行った「透け透けハンディカム」のごとく、赤外線も撮れるようになるのかも知れません。
(もっとも色温度とかのバランスが狂うので、通常撮影に支障をきたすのは明白ですから実験はしませんです)
あ、もちろんですけれどホコリ・異物大敵です。

光学ユニットこそ、このオリンパスデジカメの心臓部ですねぇ。
ここの設計が実に見事でして、クラスをはるかに凌駕した画質を実現してんです。
ファインダー部分も一体になってて、組立工は調整とかの必要がないようモジュール化されてます。
ズーム機能のドライブモーター・メカ類も中に入ってんですよん。

大きな電解コンデンサが付いてる基盤が、高電圧注意のフラッシュ基盤です。
シビれますので要注意です〜〜〜〜〜〜〜〜@
フラッシュランプは、ちょっとしたメカ機構があります。
カメラのレンズカバーをスライドさせると、内部のロープが引っ張られフックを開放し、フラッシュランプが飛び出します。
ランプが出てると、検出スイッチをレバーが押すようにもなってますです。

そもそも、ミセス向けの簡単デジカメなので、もっと内部はシンプルだと思ってました。
意外と入り組んでて、しっかり作ってあるんだなーってのが正直な感想です。


てなワケでして、かなり大幅にバラバラにして、回路基盤と光学ユニットを入れ替えしましたv
そしてただひたすら元通りに組み立てて行くわけですが・・・・
これが可能か否かってのは、分解時にちゃんと頭の中に手順が入れられてるかに掛かってます。
各フレキケーブル・コネクタ類は、正確にキチンと配線できてるかもチェックしながら作業しますです。

で、完成したらメモリカード(スマメ)とバッテリーをセットして、作動チェックです〜〜〜〜〜@
再生モードからチェックしてって、次に撮影モードですな。
マクロのon/off、フラッシュ撮影、ズーム、と色んな作動をしてみて様子を見ます。

いやいやいや。
イイ感じですねぇ。

元々動いてたのの中身を移植したので、まぁ動いて当然ではありますが・・・
でも外装がキレイに蘇ったので、ちょっぴり感激です〜〜〜〜〜〜@
ちなみにドナーとなった方は、脳死が確認されてますので仮組みして袋に入れてしまっておきます。
(もっとも使える部分ってのはあんまり無いと思う)

作動テストも兼用して、このコラム記事タイトル写真を撮影してみましたv
本来200万画素ですから1600x1200ピクセルなんだけれど、この記事画面だと720x540に縮小してありますよん。
(元々は800x600だったけれど、それだと1024*768のノートPCで見た時に少し横幅が足らなくなるコトが判ったのです)


デジカメみたいな製品は、あんまり分解組み立て修理はしたくないですねぇ。
やはり小型化が進んでて、光学系とかメカ部分とかの物理的なユニットのおかげで立体的な組み合わせになってますし。
やっぱりシンプルに、フタがあって、取り外すと基盤があって、それを外してって・・・と判りやすいのが良いんです。
もっともメーカーの人ってのは、毎日同じような作業を繰り返してますんで、何となく構造のお約束ってのを把握できてるのです。
だから、例えぼーっとしてても内部奥深くの部品交換作業をすんなりこなしたりするんですよねぇ。

もっとも、オートバイのエンジンとかみたいに油汚れがキツイって事がなく、比較的キレイなのでやり易いんですけど。
しかも、力が必要ではないんです。
その代わり、細かい神経を使いますけど。


こういう記事を書く際に、『機器の分解組み立ては自己責任で』と一文が入るのがお約束です。
普通の感覚ならばこんなコトをわざわざ断り書きしなくても、常識で判りそうなものなんですが・・・・
でも、難癖を付けて喜ぶ人ってのはそう珍しくないようで、そういう人たちは決まって言うんです。
「だって書いてないじゃないか!」と。
そういう人は迷惑なので、早急に死んで下さい。・・・と書いたらちゃんと死ぬんでしょうか?
普通の感覚ならば、ネットで死ねと書かれて「はい判りました、そうします」とは行かないと思いますけど、
やっぱり世の中の変わった人ってのがたまたま居たりするのかも。

機器の分解は、やりたければどうぞご勝手に、としか言いませんv
くれぐれも高電圧部分にだけは、要注意ですよん。かなり盛大にシビれますです。


そして生まれ変わったデジカメなんですが、目印に「ぶいぶいステッカー」を貼ろうと思いました。
が・・・なぜかシワが寄っちゃうんです。
よく外観を観察してみると、微妙に立体的にアールが付いててステッカー面積分の平面がないですねぇ。
ちなみに、IBMのディスプレイにも貼りたかったのに、薄型ベゼル採用ってコトでステッカーがはみ出ます。
結局、2枚の貼り付け失敗したステッカーは、電気スタンドに並べて貼ってあります・・・・。
実はぶいぶいステッカーはまだ沢山あるんですよん。

んでもって、ちょっと探したらスマメ(スマートメディア)が出てきましたv
64MBが2枚と、8MBが1枚です。
128MB一枚ありますがこれは不良品で使用できません。

8MBはともかく64MBの一枚はスペアとして使えますねぇ。
もっとも通常はデジカメの中にセットしたままにしておいて使うんですけど。
時々PCへと移すんだけど、なんかあんまり必要の無い写真までついつい保管してしまうんです。
一枚ごとは僅かな大きさでも、チリも積もれば巨大データと化すんで要注意ですな。


で、動作チェックをしてて、初めて「ムービー機能」を使ってみましたv
拡張子は.movですので、QuickTimeムービー準拠みたいです。
まぁソコソコの動画が撮れますけれど、制約が沢山ありますねぇ。
あくまでオマケ機能でしょうな。
他にも、合成ツーショット撮影とか、他に画像加工機能とかもあるようです。
今までかなり長い間この機種を使い続けてきましたけれど、初めて使ってみたのばかりだったり。
デジカメなんだから、写真が撮れればそれで良かったんですよねぇ。

●2010年09月20日(月)

さてさてさて。待望(?)のバイクパーツネタです。
久々の、社外改造部品ですよんv

先日、純正クランクシャフトをアップしましたけれど、それ絡みのパーツです。
ちなみに、クランクシャフト交換修理、という案件なんだけど・・・・
実は、ピストン&シリンダーが破損してしまってます。
コンロッド大端B/Gがイカれ、破損した軸受けの鉄粉でピストンとシリンダーが抱き付きを起こして、
その後にスカート下部端が破損に至ったと思われますです。(赤矢印)
こんな状態でも、がんばって動いていたんだけど、盛大にメカノイズが出ておりました。
シリンダースリーブは一部、溶けかかってましたねぇ。

原因は・・・ちょっと判んないですねぇ。
回し過ぎ?なのか、寿命なのか。
キタコlightボアアップ88cc仕様の、何時ものなんだけれど。
なので、次こそは耐久性を持たせたいと思って、モンキーSTDクランクにて修理します。


んで、シリンダー&ピストンも交換するのですが・・・
いわゆる「ボアアップキット」での交換なんですねぇ。
ピストンとシリンダー、それに腰上ガスケットセットも入ってて一式なのです。
つまり、あと必要なのが基本的に腰下クランクケースガスケット2枚のみ。
(基本オーバーホールだとオイルシール等も交換するんですけどね)

この手の『お手軽ボアアップキット』なんですが、市場での評判はイマイチみたいですね。
実は、そのままポン付けしてもあまり性能向上は見られず、妙に大人しいフィールになっちまいます。
なので、カムシャフト交換は必須、さらに吸排気ポートの加工も必要になります。
その他細かいトコをチマチマと総合的に仕上げれば、実際かなり良い感じの性能とフィールになります。
競争するには非力だけど、一人でお出かけするには必要十分なパワーレベルですよん。


改造記事ってのはあんまり書きたくないんです。
どうしても読み手の想定レベル設定を低く考えると、初心者にもわかるようこと詳細まで説明しなければなりません。
しかし、あまりこまごまと説明してると全体像がしっかり伝わらなくなってしまいます。
さらにちょっとした表現のアヤで、他人の心情を害したりキズ付けたりして、思いがけないトラブルを引き起こしたりがあります。
そういうトコまで注意して・・・なんて考えると、どう書いていいのやら判んなくなります。

今出てきた「必要十分なパワーレベル」ってのは、具体的に速いのか遅いのか、どうなんだ?
という真っ当な疑問が沸くと思いますけれど、正直どう答えて良いのやら、です。
個人的な感想なんてのもあまりに抽象的ですし、だからってパワー計測してその結果グラフと数値を掲載してもバッチリokにはなりません。
何かとの比較だと判りやすいかも知れませんが・・・・

もっとも、書き手側も読み手側も共に理解する努力ってのが文章でのコミニュケーションでは必要なのが大前提なので、
その前提から外れてる人のコトまでは考えなくても良いのかも知れません。


お話を、元に戻しますv

エンジンパワーアップを目論む場合に、耐久性・信頼性の問題があります。
もちろん安全マージンを削って出力向上させてんですけれど、だからって「壊れても良い」ワケじゃないでしょう。
(目的によっては、本当に「たとえ壊れても良い」場合があったりもします)
商売として実行するんならば、私は「壊れては良くない」と思いますけどねぇ。
自家用としてでも、やはり壊れればまた出費を余儀なくされるんで、壊れて欲しくないんです。

なので、第一には「壊れない」耐久性のある仕様ってのを考えたいですな。


その2として、総合的な実用性能の要求です。
これは、つまり「まとまり」なんて言葉で表現されますねぇ。
例えば、燃料タンクの小さな車両には、多少なりとも省燃費を考えたエンジン仕様にしなければ使い物になりません。
過去に自家用のモノで、全くこの点を無視してパワー主体で作ったので、非常に使い勝手が悪く苦労した事があります。
ちょっと出かけようと思っても、足を伸ばすなんてコトが出来なくてツマンナイんですv
しかし、「割り切り」がワクワクするような面白さに直結しますので、どの位のトコでバランスをとるかが難しいですな。


これらを考えると、純正に準じた仕様で作るのが最も近道だと思います。
エンジンパーツ流用でも良いですし、いっそのこと丸ごとエンジン換装してしまうのも良いですね。
カブ系だとカブ90がありますので、この腰上とクランクを流用してピストンをタイカブ100のにした仕様ってのがオススメです。
カブ90純正の85ccだとちょっとトルクが細いですから。
発熱増大のリスクはあるものの、タイカブの97ccだと巡航時のエンジン回転数が抑えられ省燃費にも貢献します。
ただし・・・ギヤ比の設定が許すならばです。(多少ハイギヤードに振らないと効果がない)
それとシリンダ長が伸びるので、それにより発生する問題をクリヤしなければなりません。

昔の時代だと、純正72cc仕様ってのが持て囃されたコトがありました。
確かに耐久性の点で安心ですけど、ちょっとパワー的に物足りなさを感じるかも知れないですね。


他の方法では、改造範囲を少なくして、効率よく結果が得られるようにするんです。
もっともこれは工夫などが必要となりますので、ちょっと技術的には難しい部分がどうしても出てきます。
それと、出回っている改造パーツの中には使い物にならない位の、品質・設計のモノも混じっていますので、選定には気を使わなければなりませんね。


んで、写真のブツです〜〜〜〜〜〜〜@

ピストン&シリンダーは、ボアアップキットとして購入しております。
今回は初めて使ってみる、SHIFT-UPというメーカー製品です。
(過去、お客さんのご注文で部品の取り寄せだけはしたことがありますが)
品番[205088] 定価\15,750-。アルミシリンダ(鋳鉄スリーブ)の52φ・88ccピストンです。
ちょっぴりお値段が安いってのが良いですな。
それと、特筆すべき点は鍛造ピストンの採用です。
鍛造ピストンのメリットは沢山ありますけれど、果たしてこの製品がどの程度ソレを活かしているのかは判りませんけどね。
でも、何となく「ピストンがしっかり作ってある感じ」がするので、前々から気になっていましたし、機会があれば是非とも使ってみたいと思っとりました。
部品構成は、ピストン・シリンダー・ガスケツト類のセットです。


まずは、他のメーカーのとの比較ですv

(1)キタコ製lightボアアップキット88cc[214-1016401] 定価\21,000-
こちらは、従来最も良く使っている製品です。過去に一度モデルチェンジしてます。
部品構成は、ピストンとシリンダーとガスケットセット。

(2)タケガワ製sステージ88cc[01-05-502H] 定価\26,250-
これはハイカムが付属しているのが特徴です。値段の差はそのおかげです。
いくつか使用してみた実績がありますが、お奨めできます。

(3)デイトナ・ノーマルヘッド対応ビッグボアキット[72925(88cc)/72926(85cc)] 定価\12,075-
新発売で、とにかく安い!それと耐久性で有利な1mm小さい51φ版もあるのが良いです。
ただし設計レベルが低いメーカーなので、それが改善されてるか否か不明ってのが気がかり。
部品構成はキタコ同様の、ピストンとアルミ製シリンダー、ガスケット。

(4)ビームーンファクトリー製88ccボアアップキット 定価\14,490-
台湾メーカー製キットと形状は同じですが、実物を見た感じだとちょっと作りが良いみたいです。
ちなみにヤフオクなんかでは\8,000-位で似たような製品が出てたりします。


さらに番外篇として、鉄シリンダー製キットのもありますねぇ。
キタコ75cc、タケガワ80ccなんかは、私も良く採用した覚えがあります。
お値段が手頃なのに、部品精度や耐久性がとても良いんです。
ただし、今回はクランク交換修理のご依頼ってので、基本的には以前と同じ排気量にて修理しますのでパス。


タケガワ製のキットは、カムシャフトも一緒に購入する場合にはイチオシです。
厳密に比較すれば、キタコので改造した方がいろいろやって行くと結果的にパワー&スピードが得られやすいです。
けれど、その反面改造範囲が狭い場合にはむしろバランス的に優秀ですので、大人しい仕様で限定するならこちらですね。
もっともその差は微々たるもので、ほぼ無いと言っても差し支えなさそうです。
ちなみに、ハイカムはキタコ製[300-1083100]が\7,560-しますので、合計した金額だとタケガワの方が\2,310-も安かったりしますよんv
今回は補修用ってのでカムはそのまま使いますから、パスですな。

デイトナ製のキットは、多分もっともお買い得ではないかと思います。
アルミシリンダー/88ccキットでこのお値段ってのは、正直言うとヤフオクで出回ってるモノ以外で最安値じゃないかと。
但し私としては、初期の頃の同社製75ccキットの現物を見て、このメーカーの設計技術レベルは話にならないほど低くて信用できておりません。
そのような経緯があるので、エンジン部品に関してはあんまり使いたくないってのが本心です。
ただ、時にはびっくりするようなアイディア製品があったりしますので、メーカー全否定してるワケではないんです。
なので、恐る恐るですけれど、時にはここの製品をちょっと試してみたりとかはしてます。(大抵、なんらかのトラブルが発生しますが)
いくら何でもそろそろ改善されているだろうとは思いますけれど・・・・まぁ他のメーカーもあるので、デイトナさんにこだわる必要性はないですねぇ。
でも低価格は魅力です・・・・これにしようか、どうしようかかなり迷いましたねぇ。


ビームーン製その他は実績不明なのですけど、あからさまに安モノなので採用するつもりはありません。
アドバンスプロってメーカーのもありましたけれど、アレは精度的に酷いモノでした。
予算的にどうしても厳しい場合は仕方ないですけれど、それには結果性能をも諦めるのがセット条件です。
確かに50ccと比較してパワーアップするのを楽しむ、それだけなら良いでしょうけれど・・・


で、シフトアップ製です。
アイディア豊富で色んなパーツをラインナップしてくれてますねぇ。
作りとしてはあんまり問題になりそうな部分は、見当たりません。
台湾メーカー製と同じと見てましたけれど、どうやらキタコ等と肩を並べる程かも知れないと思い直してます。
鍛造ピストン採用ってのが、今回のチャームポイントなんですよねぇ。
実際に使用した方の感想だと、パワーが出てとても好感触だったとのことです。
ですから、今回の結果がとても楽しみです。
お値段がちょっと安いってのも良いですねぇ。(但し仕切りが高くて儲けは少ない・・・店としては美味しくないです)


現物のチェックですが、精度はかなり良好です。
ピストンの形状も、なんかすごくコンパクトになってて良いですねぇ。
肉抜きとかしてないけれど、このコンパクトさのおかげで結構軽量になってます。
ピストンプロファイルに関しても、デイトナみたいなアホ設計なんかしてなくて安心しましたv
ピストン/シリンダーのクリアランスは3/100mm位で、鍛造だからどうのってコトはないみたいです。
表面仕上げとかみても、コスワース製のを踏襲してるみたいでちょっとマニアックなつくりです。
追加工省略のためなのか、はたまた耐久性を鑑みたのか、ピンボス周辺に小細工はしてありません。
堅実な作りがされてますねぇ。
リングは、0.8-0.8-1.5の一般的な薄口仕様です。

シリンダー側も、良くある設計です。
オーバーサイズのスリーブを使い、スカート部分を削り込んでます。
金型の状態も良くて、バリなども最小限です。
ここはちょっと驚異的なんだけど、この内容のシリンダー単体で部品買いすると、わずか\6,300-なんですよ。
他メーカーのだと\15,000-とかしてたのに、びっくりです。
ちなみに・・・メッキシリンダだと単品買いで、\18,900-しますけどね。
(ヨシムラのキットはメッキシリンダ&鍛造ピストンの組み合わせなんです。但し\29,400-)
もっとも補修部品の価格設定なんてのは、製造原価との関連が薄いのであくまで参考程度に。
でも、52φシリンダだけ欲しいな〜って人には\6,300-で買えるので、かなり良いですよん。

取り説に関しては、一枚の紙にびっしりって感じに作ってありますが、必要事項はキチンと網羅されてます。
詳細はサービスマニュアルを参照して下さい、になってますけれど、実作業はピストン交換ですからサービスマニュアルだけで用は済みますが。
これは先ほど書いたのとかぶりますが、読み手の想定レベルをどの辺に持ってくるかの問題ですねぇ。

注意点ってのは・・・あ、このキットのピストンには珍しく「向き」がありません。
取扱説明書にもちゃんと記述があります。
吸排気バルブのリセスもないし、ピストンピンもオフセットされてないんです。
で、気になる圧縮比は・・・11.30:1ですねぇ。
タケガワのは11.5:1とほぼ同等です。

ピストンピンは、軽量タイプではありません。
ガスケットの作りとか見ても、別段変わったトコがありませんね。よくある補修品レベルです。
高級感ってのが残念ながらピストン以外には見られないので、一般にはあまり評価がされにくいかも。
あとちょっとここをこうしたら・・・が何点かはありますけれど、オーソドックスにまとめてある製品ですね。逸品とまでは書けませんけれど、良い感触ですv


WebDiary CGI-LAND