●2010年03月25日(木)
えー、次は昨日の予告通りにエンジン内部部品に進みます〜〜〜〜@ 主旨から言いますと、手持ちのカブ50エンジンを修理・整備して使おう作戦です。 ベースの仕様は、今の所腰下部分のみ、ジェネレータ関連はありません。 ミッション軸(カウンターシャフト)のベアリングが壊れております。 3速自動遠心クラッチで、キックスタートのみの、ごくありふれた仕様なんです。 ちなみに、ベアリングやシール類は新品があります。
とりあえず、腰下部分はそのまんま修復する予定です〜〜〜〜@ 確か遠心クラッチの仕様がスペシャルだったと思いますけど、これはノーマル仕様へ戻します。 最初にこのカブを引き上げた時にクラッチ滑りの故障が出てたので、修復がてら改造したんだっけな。 オイルポンプはどうだったか、ちょっと覚えていません。 ボアアップキツトは確かに私の手で組み込みましたが、ぶいぶいではない以前の店での話です。 あれから軽く10年は経っていますが、確かeステージキット組み込みのみで、キャブ他の変更はしておりませんでしたからね。 ひょっとしたら先ほどの、クラッチ修理の際に対策したのかもしれないです・・・・この時はぶいぶい工房でしたから、パーツのストックは幾つもありましたので。 もし容量upしてあっても、そのまんまで行きますけどね。 最近の純正Eg仕様ってのは、オイルポンプ大き目が流行ってます。 先進的だったのが、12vシャリィでした。アレはカブ90相当品がノーマル50で付いてましたし。 それとFIモンキー(Z50J9)に付いても同様でして、やっぱりカブ90相当品なんです。 ちょっとパワー的に不利なのかも知れないんですね。ポンプの駆動ロスってので。 けど、でも油圧が高いとフリクションロスが低減される部分も出てきますから相殺されるのかも知れないんです。 もしくは対した損失になっていないのかも知れないし。 ちなみに、負荷が高くて走行速度が低い目の使い方をするのならば、大容量オイルポンプは有効でしょうな。 このエンジンの使用目的の詳細は、後日晒すとして、まさにそんな感じの使い方を想定してるのです。 でも、もしノーマルだった場合はそのままですよん。 いちいち改造するのはキリがないし、むやみやたらとコスト投入すると、後々困りますからね。
とか言いつつも、夢が膨らみます・・・・・。 余分なコスト投入をしない原則を守りつつも、手持ちのパーツを使って組み付けて行くんです。 その手持ちパーツの中には、やはり色んなコンディションや、細かい仕様の違いとかがあるのですね。 そうなると、限られた範囲内の中でも、豪華仕様と廉価版と出てくるのです・・・・・。 ピストン/シリンダー関連は、前述の美品を使う予定ですので、ようするに豪華版ですねぇ。 クラッチ板に付いては、プレート部分はこの間引っ張り出してきた新品を使ってやろうかとか思っとります。 ・・・実は、この時点で、ガスケットも含めればコストは1万円相当に到達してしまうんですけど。 ヘッド関連なんですが、2〜3個は持ってますのでその中からよさげなのを選ぼうと思ってます。 内部パーツは別なんですけどね。 で、写真の「カムシャフト」が登場です〜〜〜〜〜〜〜@ スーパーカブの、新し目なカムシャフトってのは両端にボールベアリングが付いてる、細い軸のタイプですね。 しかし、このタイプってのは細かく見て行くと、確認できているだけで4つの種類があるのです。 モンキーRとか、70/90の太いのとかは含まずにです。 まず特殊なモノから。 AB26と言う形式の、復刻版12vダックスのカムです。 こいつはドイツ仕様で継続して輸出されてたダックスを、限定企画により日本に持ってきた経緯があります。 ですから、パワーは2.6ps/7,000rpm、最大トルク 0.29kg・m/4,500rpmとかなーり特殊な仕様なんです。 まぁギャチェンジもカブと反対に「かき上げてシフトup」と言う、なじみの無いパターンですし。 で、この非力仕様ってのはどこから来ているかと言いますと、カムシャフトにて大幅に抑制してんです。 比べてみるとAB26ダックスのカムってのは、リフト量がモンキーの2/3位しかなくてパワーが出ません。 ヘッドのポート形状や、キャブ・マフラーの造りは決して悪くないし、CDIだってスパカブのと何ら変わんないんです。 つまり、モンキー純正やCD/カブの純正カムに取り替えるだけで、本来の49ccパワーを出す事が可能となるのですな。 ・・・・でも燃費がちょいと低下しますねぇ。タンク容量の小さなダックスには気になりますけど、でもシャリィだって同じでフルパワーですし、 そもそも50ccノーマルクラスでそんな心配する方が野暮ってモノですよね。 この忌まわしきAB26カムの秘密は、たまたまお客さんののEg改造で取り外したのから見つけたのです。 新車で買って、そんなに走行距離も乗ってないのに、最初見たときは「何でこんなにカム山が減ってるんだ?」と不思議に思いました。 もしオイル切れ等での異常磨耗だった場合、必ず他の部分にもその影響があるはずですし、そもそもEg内部壁面とか見ればすぐに判ります。 が、全く持ってそんな痕跡は微塵も無かったので妙だな〜と感じたのです。 後から調査して、こういうコトだったってのが判明したんですv (ちなみにネットではCDIが悪いとか適当なコト言ってる人が多かったと思います) 次のは、ちょっと美味しい方です〜〜〜〜〜@ ホンダのカブ系50ccエンジンってのは色んな仕様があるのですけど、その中でもスポーティーな方のが知りたいですよねぇ。 一番人気が、AB22モンキーRです。 これはレーサーレプリカブームの落とし子、というコトでバイク自体がスポーティー路線ですから容易に連想できます。 でもこれはヘッドやカムシャフトまで違うんで、とりあえず除外です。 その他の車種で、意外かと思われるでしょうが・・・ジャズが、パイパワー路線なんです〜〜〜〜〜〜@ こちらは、バルブやポートは普通なんだけど、ちょいとキャブの口径がでかかったりします。 そしてあまり知られていないんですが、カムシャフトもまた微妙なハイリフトタイプです。 多分私も持ってましたから、どこかにしまってあるんだろうと思いますが・・・ちょっと判りませんv 以前測定したときは、確かバルブリフトが4.4mm位だったと思います。 つまりスーパーカブのカムに比べて、カム山が0.5mm高い=ハイリフトなんですな。 車体がでかいと言いつつもカタログスペック上だとカブより僅かに軽いんで、やはりスポーティー路線狙いだろうと思います。 ちなみに、ジャズの公称Egスペックは、4.0ps/7,500rpm,0.43kg・m/6,000rpmです。
で、後の2種類。 これは平成10年度の排気ガス規制が影響してて、それ以前とそれ以降ので分かれてます。 モンキーちゃんだと、Z50JとAB27。スパカブだとC50とAA01と形式も変わってますねぇ。 もちろんおおよその目安でして、排ガス規制に省燃費化を先取りして進めてたので、厳密な区分ってのはわかりにくいんです。 特にカブの場合は明確にカタログスペックが変わりましたので、「フルパワー」と呼んでる昔の仕様がこの数値です。 最高出力=4.5ps/7,000rpm,最大トルク=0.52kg・m/4,500rpm ('96のカブです) もちろんホンダの常として、スペック数値はあくまで「参考程度」に留めておかなくてはダメですよん。 昔から平気でインチキしますからね。 でも、何となくパワーがあるんだなぁと思ってくれれば大丈夫です。 その後のAA01だと、このスペックです。 最高出力=4.0ps/7,000rpm,最大トルク=0.48kg・m/4,500rpm ('02のカブです) もちろん数値は参考程度に・・・と何度も念押ししときます。
写真で2本並んでいるのが、まさにこの新旧(と言ってもどちらも新しいので、規制前・後の方が良いかも?)のカブの違いです〜〜〜〜@ 手前のカム山は、排気側。奥の方が吸気側なのですよん。 ようするに、排気側のリフト量を抑制して希薄燃焼セッティングにして、排気ガス規制をクリヤしたってことです。
つまり排気ガス規制によるEgスペックや仕様の違いってのは、主にマフラーの影響が相変わらずでかいんです。 新旧を比較すると、大抵はまず第一にマフラーに手が入っているのです。 多分これは、騒音とか排気ガスの公害規制をする目的ってのが多いからなんでしょうな。 つまり旧型のマフラーに替えてしまえってのが、フルパワー化への第一歩です。 もしくは社外マフラーですねぇ。 その次は、キャブレターです。 実の所、キャブっのてはあんまりパワーには関係しないんです・・・・・。 エンジンの始動性、安定性には大幅に寄与するのですけどね。 あとはせいぜい、口径の大きさで加速力が向上する余地が、あるかも知れないってコトでしょうか。 でも実際には、最初から付いてる口径で必要充分だったりすると、そこから大きくしても良くはならないんです。 エンジン回転の上限が、キャブで決まるってコトも実際ほとんどありません。 というコトで、新型だと確かに希薄燃焼をさせるために燃調は絞り気味になっています。 けど、キャブの構造はその状態でも安定動作するような新設計にはなってますが、馬力を抑制する方向にはなっていません。 (むしろキャブとして古い物より性能が高い場合が多いです。私は旧型Egに新型キャブの組み合わせはよく使ってました) つまりキャブを旧型に交換しても、残念ながらフルパワー化への方向とは違うんです。 エアクリーナーボックスに付いて。 スーパーカブだと、エアインテークダクトが4つのうち1つふさがってたりします。 でも、この部分で混合気量を抑制しているワケではありませんv ただ単に、希薄燃焼仕様にあわせたキャブ設定との兼ね合いでバランスをとってるだけです。 つまり吸気入り口を絞り、その効果で流速を増やして、負圧の安定化を目論んでるんですな。 もちろんこの部分を旧型のように増やしてやれば、エンジン特性は変化すると思います。 だからって、決して良くなるワケではないんです。つまりバランスですからね。 (むやみに通り道を広げるのは、ホイールのバランスウェイトを外して軽量化になったと喜ぶのと同じレベルですよ) まぁ全体的にフルパワー化をする上でのバランスで、旧型の仕様にするかどうかは最後に調整するってのが良いですね。
てなコトでして、もしフルパワー化を目指すのならば、希薄燃焼より過渡特性重視な燃調セッティングにして、ある程度抜け抜け志向の排気系で仕上げるってのが良さそうです。 もちろん過ぎたるは及ばざるが如しの言葉の通り、やり過ぎや極端なのはダメですよん。 で、今回のカブエンジン「良い子バージョン」なんですが、これを造るにあたっては排気ガス規制なんて知ったこっちゃねぇぞ方針で行きますv ・・・なんてコトを書くと脊髄反射で抗議メール送りつけてくる人がまた出てきそうですが、ちゃんとした理由があるので落ち着いて下さいね。 つまり、現時点で排気ガス規制を厳密に適合させようとすると、すでにキャブ仕様車のカブ(モンキーも)は捨て去らなければなりません。 つまり、全車両をFI仕様の新型に買い換えるべしって乱暴な事を言ってるのと同じなのです。 ここでは補修用のエンジン修理ですから、排気ガス規制をあえて意識する必要性がありません。 そもそも、その時代時代でちゃんと存在がokだった仕様なので、全く法的問題は無いんです。 ・・・・同義的責任とか人情に基づいてとか言われちゃうと、さすがに答えようがありませんけど。 あ、ブローバイ関連からしてもベースのエンジンは前の型だったので、素直に4.5psフルパワー仕様で良いですわ。 というコトでして、今回の作戦で使うカムは、排ガス規制前のモノってことに決まりました〜〜〜〜〜@ ぶっちゃけ、実際にはどちらでも大した違いなんて無いんですけどね。 強いてあげれば、マフラー交換したりの+αの時にちょっと効果的になる可能性があがるって位です。 全部ノーマルだったならば、ほとんど実車での性能の優劣なんてないんですから。 その証拠に、各構成部品の仕様が豪華なジャズと、'96C50カブのスペック対比で逆転してますよねぇ。 どちらも同じ時代のバイクです。 つまり各部分だけ豪華でも所詮性能は全体の組み合わせとバランスで決まりますし、特性だって全然違えばそれが優劣の区別にはならないんです。
で、ピストンは決まりました。 腰下もほぼ決まりましたねぇ。 カムもヘッドもまぁ決まってます。 あとは何だっけ?? もっとも今まで決まった部分は、ノーマル仕様のまんまです。 ただ手持ちの部品の中でもコンディションが優秀なのを使うって位ですな。 ヘッドに関しても、実はフルパワー時代のカブ50のを使う予定でいます。 ただし・・・・ちょっと外観が汚いんで、キレイにするにはどうしようかと悩み中。
そして、ここで誘惑がv やっぱり、スペシャルパーツを入れたくなるのですよ。 まず第一には、やはりピストン関連でしょう。 排気量を増やすことに付いては、まぁ検討してはいるんです。 折角の美品だからってムリに使わなくても良いですからねぇ。 しかも、どんなチューニング方法よりも、排気量upが一番有効なんですから。 今回は、馬力の要求ではなく低中速域での絶対的なトルクが必要なのです。 ですから、胃袋だけでかくなった仕様でも別にokだったりするのですね。 (その場合、あんまり排気量が大きいとバランスが取れなくなるので、ちょっとだけが良いです) ボアアップの排気量種類ってのは、ほぼピストン径の種類となります。 ノーマルが39mm、ストローク41.4mmですから、排気量は49.45・・・つまり49ccなのですね。 この排気量表記の数値の丸め方は、小数点以下1桁なのか、それとも整数部分だけなのか、混沌としてますです。 まぁそんな細かく拘らなくても別に構わないんですけどね。 昔の人は競技でレギュレーションギリギリの数値を追求されてた事情により、より細かく言いたくなる様子ですけど。 (50ccレースだと、49.99ccって所まで排気量を近づけたりしたようです。現在では考えられないんですけどね) で、ボアアップですけど、売られている(いた)モノのピストン径は大体次の通りで、その排気量も書いときます。 72cc・・・・ピストン47mm、71.8cc(ホンダ純正70ってのがコレと同じ) 75cc・・・・ピストン48mm、74.9cc(私の好きなキタコの鉄とか、他社もアルミシリンダーのを出してます) 80cc・・・ピストン49.5mm、79.9cc(台湾系の一部がこれ。大抵はその次の寸法だけど) 81cc・・・・ピストン50mm、81.3cc(但しこの寸法なのに、80ccキットと銘打ってるのもアリ) 85cc・・・・ピストン51mm、84.6cc(これはどういう流儀か、84.5ccなんて言ってる人がいます。84.5727なのに) 88cc・・・・ピストン52mm、87.9cc(腰上だけでの排気量upでは、この寸法まで) つまり、ピストン径が47mm〜51mmへと、1ミリずつ大きくなって行くんですな。 49.5mmってのはちょっと特殊なんだけど、通称50mmと言ってたりで実際あやふやなんです・・・・・。 そもそも80ccキットってのが後から出てきましたので、6v車にはあんまり無いんですけど。 でぶいぶい流としては、小数点以下ってのは必要が無いので通常言いません。 だって、いちいちそういう言い方をする人はノーマル排気量になると、途端に流儀を変えますからねぇ。 ちゃんと49.5ccと言えよ、とイジめたくなりますv それと80cc/81ccですが、これは80ccで良いと思います。キリも良いんで。 純正70だって72ccなんだから、それ位大雑把で何も不都合はないでしょう。たかが呼び方です。 しかも、本当の排気量と言うかピストン寸法なんてのは、測定しなければ判らないみたいな怪しい海外製のが流通してますからねぇ。 ちなみにそういう粗悪品のピストンは、0.3〜0.4mm位の誤差なんてへっちゃらなんです・・・・・。 もちろんですけど、場合によっては細かく呼び分けないとダメなコトもあるのですが。 お値段重視で考えると、海外製の80ccキットでしょうね。 ヤフーショッピングで探すと、\6,500-なんてのがありました。(\5,000-以上送料サービスなのでこのお値段で買えますよ) これがヤフオクだと、鉄シリンダー81ccで\6,000-(送料無料)なんてのもあります。 耐久性信頼性を考えると、実績のあるキタコの鉄75ccキットがオススメです。 お値段は\10,290-です。 本当はこれ位が妥当なんですけれど、80ccのは安すぎですよねぇ。 もっとも、これでもホンダ純正部品よりかは随分とお安く、お買い得だと思いますです。 まぁ欲張ってもキリが無いんですけど、悩みどころです・・・・。
その次ですけど、排気量は変えない、50cc堅持するってやり方です。 しかしキタコから「50ccハイコンプピストン」なる物が出てるんですねぇ。 商品番号 : 350-1133950 定価 : \10,500(税込) だそうです。 この製品は、排気量は50ccのままで、圧縮比だけノーマル10.0:1から12.0:1に高くするんです。 必然的にハイオクガソリン使用が前提となりますけどね。 さらに、ピストンリングは2本リングとなり、鍛造ピストンは軽量設計でノーマル40gから35gへと軽くなるのです。 実はキタコはこのピストンを使ったキット「パワーパック50」なんてのも出しているのです。 このピストンの他にハイカムとビッグキャブキットが同梱されてて、\31,500-です〜〜〜〜〜@ どのみち、こいつを採用するとなると75ccキットと同じ額の出費が・・・・・じゃないのです。 パワーパックが出ているって事から判る通り、少なくともハイカムに変えないと効果が望めないんですね。 純正流用ハイカムと言うとカブ90だけど、ロッカーアームも違うんで全部買うと、\7,500ちょい位かな。 (カムが\5,000-ちょっとで、ロッカーアームが1本\1,200-位だと思う) キタコのノーマルヘッド用ハイカム(パワーパック同梱のと同じかどうか不明)は、\7,560-で私も良く使いました。 タケガワのだと、\9,000-ですねぇ。安さ重視ならクリッピングポイントので、\6,000-位です。 というコトは、どのハイカム入れてもお値段的には似たり寄ったりなのです。 でも、入れないと多分お話にならないと思います・・・・・。 ということで、50ccハイコンプ仕様は面白そうだし大変興味深いのですが、今回の目的に合致しておりません。 なんか人に聞いた話だけど、ヤマハのタウンメイト(4stメイト)のピストンを流用してハイコンプ化をしたとかしないとか。 この情報の真偽も解明したいんですけど、なかなかタウンメイトの中身を開ける機会がやってきません。
まだまだあるので、次回のお楽しみとしときますv
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