●2009年06月19日(金)
と言う事でして(ナニが?)、昨日の続きのブレーキネタです。 クランケ(患者)は働くカウンタック/蒼き流星ACTYトラックでございます〜〜〜〜〜〜〜@
いよいよもって、ブレーキパッドの交換作業ですv と、その前に・・・・こんな疑問が出てくるでしょうな。(ネットだから特に) 「ブレーキってさぁ、重要保安部品じゃん。自分で勝手に交換しちゃっていいの?」 「法律違反ですよ。違法行為をネットのような公共の場で書くのはどうなのか?」
答えは、「全く問題ありません」です。 なので余計な心配はしなくて良いんですv へっへっへっ。 と言いますのも、実は自動車の整備は規制緩和によりユーザー自身の責任において行う事が法的に認められています。 以前はこのような重要な部分を整備したら車検場に持ち込んで検査(分解整備検査)を受けなければならなかったのです。 しかし、その項目は平成10年をもって廃止されました。 よってこの疑問に付いては現在はナンセンスな物だと言う事となりますです。 とは言うものの、こんなのクルマ業界の人は無論、自家整備する人ならば皆知ってる位有名なコトなんですけどね。 もちろんこの辺りの整備をしたら整備点検記録簿へ記録しとかなきゃなんないのは変わっていませんよ。 ちょっとネットでこの辺のコトを調べてみたら・・・・げっ。 まだ知らずに、しかも他人をその上で批判してる人がいるよ・・・・・・。 それも一人や二人ではないんです。 凄いのになると「私は自動車整備業関連の者ですが」と前置きしてるし。やれやれ、ってヤツですな。
言うまでもありませんが、もし整備上何らかの不具合やミスをすると、その結果は推して知るべしです〜〜〜〜〜@ これはクルマだけではなくオートバイでも同様ですよ。 なのである程度技術に自信がある人ならイザ知らず、やったコトもないのに「よ〜し、パパ整備しちゃうぞ〜」なんて気軽な気持で行うのはダメです。 ヤルのならば命がけで取り組んで下さいな。本当に命掛かってますし。 まぁ、やり方ってのに付いては現在情報社会ですから、比較的簡単に調べて知ることは出来るんですけどね。 やり方、と言っても作業手順のコトなんですけど、実際に整備をする場合はそれだけでは不足です。 いわゆるコツってのもあるのです。工具の使い方とかネジの扱い方とか清掃や点検に付いてとか。 特に初心者さん達には、ネジを外す・締めると言った基礎がちゃんと出来るようにするまでが大変でしょう。 ・・・ブレーキ廻りのネジの締め付けで、「絶対に間違いない」位、確実に行えなければ整備完了とはならないのです。 その為には、経験値も大事ですし、道具も合った物・使いやすい物をちゃんと用意しておかなければなりませんね。 という事は・・・節約の為の自家メンテってのは、目的自体がズレちゃうコトが多分にあるのです〜〜〜〜〜〜@ と、一通り注意事項のお約束を書いといて、次はいよいよ作業の実況ですv
準備としては、必要な道具を出しとくコトとか色々あるんですけど・・・・・ ブレーキ整備には「粉」が付き物です。ブレーキダストって言いますけどね。コナ。 この粉ってのは、人体に有害なんですよ。 もちろん昔は「アスベスト」も含まれていたのですが、これは既に廃止されて使用しておりません。 だからって、やっぱり粉塵は体には良くないのです。 ちょっとでも吸い込むと、ノドや鼻がムズムズヒリヒリして来ますからね。 なので、面倒でもちゃんと事前に「防塵マスク」で防護しておくのですv それと、作業手袋も要りますね。 私の場合は軍手が嫌いなので、ちょっと高価ですけど皮手袋を常用しております。 (物凄く細かい部分の作業の時はさすがに素手ですけど・・・・クルマの場合はそんな細かいのは無いです) 準備段階は、まだまだあるのです。 新品のブレーキパッドの面取りをしておきます。 写真上段の左側です。 カドが立ってると、何か引っ掛かりそうな雰囲気ですんでコレを落としとくのです。 どの位削っとけば良いのかと言いますと・・・ノーマル準拠のパッドならば写真の程度で充分ですな。 これが鳴き易いメタル系パッドの場合は、ちょっとローターとの出入り方向を大きめに面取りしとくと良いですv もっとも、あんまりヤリ過ぎると・・・・無くなっちまいますんでほどほどに。 ここは手作業で真心込めてと言いたいんだけど、グラインダーに「ブライトディスク」なるのを装着して行いました。 紙やすりが沢山付いてる感じの、磨き用ディスクです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ 対象物を傷めずにキレイに面取りができるんですよね。しかも楽ですし。 勿論ですけどコナが出ますんで、防塵マスクは装着済みってコトです。(作業完了まで同様) ちなみに、ローターとの接触面をヤスリがけする必要はありません。 つーか平面が崩れるのでやってはダメなんです〜〜〜〜〜〜〜〜@ これをヤルのはあくまで中古パッドを再利用する時位ですか。
まずは、おクルマのホイールナットを1つずつ、ちょっとだけ緩めて締めておきます。 これはジャッキアップしてからだと、ナットが固まってる場合に回せなくなりますので、その為です。 ちなみにサイドブレーキ=リヤのみに効くので、ジャッキアップすればフロントホイールはクルクル自由に回ります。 後輪駆動車ですから、ギヤを入れといてもやはりフロントはフリーなのです・・・・・。 (停止状態でもタイヤは車体を支えてますんで、思いっ切り緩めちゃダメですよん) そして、ジャッキアップです。 私のトコはフロアジャッキがありますので、これでフロント側を一気に両方共持ち上げますv (どうせ、右側も左側も両方ヤルんですから) その前に後輪に輪止めをしておく、持ち上げた車体の下に安全の為ブツを仕込んどくとかのお約束もあるんですけど。 細かい事に付いては、いちいち書かなくてもokだとは思いますけどね。 そして、ホイールを外します〜〜〜〜〜〜@ この時にホイールナットが4本と少ないので、助かります。少ない方が楽なんですよ。 インパクトレンチでガガガガ〜とやれば簡単だけど、今回はクロスレンチにて手作業で行ってます。 折角買ってあるんだから、こういう時位しか使わないんで。 (でも締める時はやっぱり手作業の方が、締め具合が判って安心なんですv) ホイールを外したら、ちょっとキャリパーが見えやすい方向へハブの向きを回しとくのです。 運転席側ですとハンドルを左に切った状態にすると良いんですv そしてローターとかに付着したブレーキダストをあらかたココで清掃しときます。 写真中段の@が、ココまで済んだ所です。
次は、キャリパーの取り外しです〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ ピンスライド式の、方押しシングルポッドですねぇ。 モンキーR(Dioキャリパーになってるけど)と同じです。でもサイズはでかいです。 このスライドピンの部分のボルト計2本を外すのです。 本来ならば固くてなかなか回んないんですけど、実はちょっと前点検や清掃の為に外してますんで、今回は楽々。 もしも固くて外せない場合は・・・・困りますねぇ。 ブレーキ部分なので、やたらCRC5-56とかぶっ掛けるワケには行きませんし。 もしヤルんならば、スプレーするのではなく油差しで、目的部分のみ局所的に注油するなどの工夫が必要です。 (こういう状況があるので、不慣れな方が作業するのはオススメ出来ないのです。無茶苦茶ヤリますからねぇ)
写真中段のAです。 キャリパーが外れたら、ブレーキダストを落とします。 この時にくれぐれもブレーキホースへ無理な力を加えないようにしとか無きゃなりませんな。 清掃ってのは、あくまで機能的な障害となる恐れがあるから行うんです。気分的な問題ではありません。 でも、やっぱりキレイになるとなんか嬉しいものです〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ 当然ですけど、落ちたコナで周囲は大変なコトとなっておりますです。
写真中段のBです。 その次はキャリパーピストンを押し込むのですけど、この時にちゃんとマスターシリンダーのトコの液量確認しておきます。 これを怠ると・・・ブレーキフルードが逆流して、溢れる場合があるのです。 これまた素人勘違い例ですが、「ブレーキフルードが減る」ってコトは、漏れてでもない限りあり得ません。 そして漏れていればブレーキは効きません・・・・。 パッドが消耗すればその分キャリパーピストンが押し出されてますので、そちら側へ液が移動してるだけです。 それなのに、自分で勝手にフルードを足しちゃう人がいるんですよねぇ・・・・・。 どうも知識不足ゆえ、ある一部の現象に目を奪われ、全体を見ようとしないんですな。 視野狭窄、とも言います。 こう言う人はとにかくちゃんと協力してくれる業者さんを捕まえておくコトが大事です。 とは言う物のあまりにもしつこいと、さすがに相手側はたまりませんので逃げ出しちゃうかも。 ・・・私も逃げ出した例は沢山ありますよv 決め台詞は「安心して乗れる新車しかないですね〜〜〜〜@では。」なんですが。 なので心配性な人は新車にして、それを定期的に買い替えするのがベスト、と言うかそれしか無いですな。
で、ピストンを押し込む方法に付いてですが、色々あります。 バイクの場合は単純に押し込むだけなんですけど、クルマの場合だと「回すと引っ込む」のもあるのです。 特にリヤブレーキがディスクの車種には良く見られるんですな。サイドブレーキとの絡みなんでしょうけど。 このピストンの押し込みにもコツがありまして、なるべく傾かないよう真っ直ぐに押すのです。 プライヤーとかでやっても良いんだけど、真っ直ぐ押すのは難しいかも知れません。 写真のような道具があると都合良いですねぇ。 (専門工具もあるんだが、私の場合多種多様なのを扱うのでこのクランプバイスを愛用しておるのです) ※この時のピストンの動き具合もチェックしておきます。スムーズさに掛ける場合は、要追加整備ですからね。
そして、古いパッドを取り外し、パッドの固定バネ(金具)も外して清掃しときます。 あまりにも経たりとかがあれば、要交換です。 これまた基本中の基本ですけど、付いてた向きとか場所とかはちゃんと覚えとけってコトですな。 ・・・判んなくなって電話で聞いてくる人がいますけど、大抵は教えてあげません。 その状態でも良いから、こちらにお任せしていただけるように促します。 理由は、こんな基本もなってない人が触った件に関わるのはゴメンだからです。それ、死ぬよv さすがに死んでもらっては困りますから、死なないようにって気持で言ってるんですが・・・逆切れ者も出ますねぇ。 もっとも、そんなコトすりゃ縁が切れますんで、後は勝手に死んどいて下さいってなもんだ。 以前も書きましたけれど、無償でアドバイスを受ける立場=弟子入り扱いで、お客様ではありません。 なので、バカ、ボケ、死んで来いっ!と罵詈雑言を浴びせられても「スミマセン」と頭が下げられなくてはダメです。 まぁ普通にプライドがある人なら堪らないでしょうな。 という事は、普通の神経をしてたら、聞いて来ること自体が間違ってるってコトになるんですけどね。 (但し、女性にはこんな厳しいコトは言いません。甘いんですょ。もち下心全開ですけどv)
そして新しいパッドにパッドシムを組み込んで装着します。 パッドグリスはなるべく使わない派なんですけど、でも極薄く必要箇所には塗布しときますです。 一度組み込んでみたけれど、やっぱりちょっとだけ塗った方が収まりや動きが良好でしたからね。 この「様子や具合を見ながら」ってのは大事なコツの一つです。 今回みたいな社外品を使う場合では、ベースプレート形状の誤差などでこういうコトは良くあるのです。 まぁ酷いのになると、思いっきりカタチが違ってて引っ掛かりまくり修正しなきゃ付けられないなんてのも。 ・・・そのまま組み込んじゃうと、走行中引きずりを起こしどんどん過熱して、必要な時にブレーキが効かないって状態になりますな。 ようするに「あるべき状態にする」のが大事なんです。 その具合ってのが判るかどうかってので、これまた経験値とか技術とかの話になるんですけどね。 写真中段のCDが、済んだ状態です。
後は、ブレーキキャリパーを元通り確実に取り付けます。 ちゃんとブレーキホースなどの部分も点検しとくんですよ。折角バラしたんだから。 そして・・・ここからが大変です。 実は、ブレーキダストがホイールにも凄い沢山こびり付いてますv コレを清掃するのですが・・・写真中段の下にある通りですね。 ちょっと写真が小さいので判り辛いんですけど、約1mmちょい満遍なくこびり付いてましたから。 真鍮ブラシでゴシゴシとこすって清掃です。 ちなみに、ダストはホイール一つあたり片手に軽く一杯ほど出てきましたです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ あぁぁぁ・・・・地球に怒られそうですね。ちゃんと土に返しときましたv もちろんですけど、ホイールの裏面だけではなく表側もついでに清掃しましたよ。 これまた気分的な問題ってのではなくて、一度キレイにしとけば次の汚れ具合で、今回取り付けたパッドの消耗具合が 外からパッと見て判りやすいからなんです。(微妙な洒落のつもりなんだけど)
そして、反対側もまた同様に作業を行います〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
写真は前後してますけど、今回の反省ですv 先日「ブレーキパッドが消失した」と表現しましたけれど、実は「かな〜りヤバイぞ」レベルで運用中止したんですよ。 ようするに、完全に無くなっちゃってて走ってた、なんてコトではありません。 とは言う物の、写真上段/下段を見て頂ければ一目瞭然ですが・・・・ギリギリの綱渡り状態です。 不思議な事に、助手席側と運転席側では消耗具合ってのが違うんですよねぇ。 でも片効きってワケじゃ、ありません。 これは多分左曲がりでブレーキ使う時が多いからなんだと思います。日本の交通事情ならばね。 それと、アクティはどうだか知りませんがクルマのブレーキ油圧ラインってのは通常2系統独立してるんです。 大体、フロント右&リヤ左/フロント左&リヤ右と、ばってん状にクロスしてますな。 これはフュエールセーフ機構なんです。 万一油圧ラインにトラブルが発生しても、ちゃんと真っ直ぐ止まれるようにってコトです〜〜〜〜〜@ なので、油圧の掛かり方の条件が違うんで、必ずしも左右同じな減り具合となるとは限らないんです。
で、この「かなりヤバいぞ」レベルでの、運転してての症状ですな。 まぁ普通の人は何かおかしいかもってんですぐ分解チェックするワケには行きませんので、これ大事です。 これは、強くブレーキ掛けた時なんかに、たまにですけど「ゴ〜ッ」とジャダーが感じられる事がありました。 その発生頻度は、徐々にですが多くなってきたのです〜〜〜〜〜〜〜〜@ それと、ブレーキがピーピー鳴くようにもなりましたねぇ。 終いには、ハンドルを片方(私の場合には左)に切ると僅かながらピーピー鳴いてましたし。 そこでちょいとブレーキを掛けると音が変化しますです。 ちなみに、ここまで来てもブレーキの効き具合ってのの変化は、判りませんでしたよ。 もちろん原理的にはブレーキ効力は低下してるはずなんだけど、少しずつ悪くなってくるんで気が付かないと思います。 で、乗用車と貨物車の違いなのか何なのかってのは不明ですが・・・・ 純正パッドだと、大抵は消耗インジケーター機構が付いてんです。 ちょっとした金属製の爪なんですけどね。 パッドが減って来てブレーキングをするとこの爪がローターに当たり、キーキーと盛大に音が出るようになってるはず。 ブレーキ掛ける度にキーキー音が出るし、終いにはブレーキ使わない時もキーキーとうるさいんです。 で、びっくりして車屋さんに点検に出すと。 そしたら目出度くパッド消耗発見・交換となり、ディスクローターまで逝っちまわずに済むんですv しかし・・・アクティトラックには無いんですねぇ。そのメカは。 パッドシムに大抵は付いてんですけど、いくら眺め回しても見当たりません。 じゃあ何で最後の方でピーピー言ってたかってのは、実はパッドが思いっ切り消耗すると固定の具合が甘くなります。 すると共振しやすいんです。 それと、バックプレートに伝わる熱も大きくなりますんで歪みが出てくるんですな。(確認済みです) と言う事は、やっぱりこのクルマは定期点検がとても大事だってコトとなります。 ユーザ車検も良いけれど、定期点検の機会ってのでちゃんと車屋さんにチェックしてもらうのも、やはり大切なんです。
今回はマジでギリギリまで使い倒した感がありますv 運転席側/外側のパッドはライニングが僅か0.数mmでして、ちょっとだけバックプレートが擦ってましたし。 でも一月前に見た時はココまで減ってなかったような・・・・中央の溝が薄っすらと残ってましたからねぇ。 しかし良かったのはローター側へのダメージはありませんです。もちろん磨耗はありますけどね。 とは言う物の、多分次回のパッド交換をする時はディスクローターも交換する事になりそうですけど。 しかし48,000km走行でコレですか・・・・先が思いやれられますねぇ。(運転の仕方が悪いと思う)
で、将来の為にお値段とかをちょっと調べてみました。 ☆ヤフオク☆ホンダ アクティ(HA3)/ディスクローター 実はパッド以上に、このディスクローターってのは材質や加工法により品質が千差万別なのです。 なので、製造メーカーやブランド銘柄ってのの選定には、充分に気を付けなければなりません。 実は私はパッドは社外品でも平気なんですけど、ローターの社外品は何かイマイチしっくり来ないんです・・・・。 相場を見ると、安い物だと\6,000-位からあるようですな。 (ちなみにローターの場合は、2枚1セットなのを確認しとかなきゃなりませんよ。まれに一枚売りもあるので) ボッシュ製なんかはお馴染みなブランドなのでよさげですv でも、多分私が選ぶとすればもちょっと高くて\8,000-位なんですが「DIXCEL製」のヤツになると思います。 このディクセルってのは実績があるので安心ですからね。 あ、少し安いのでPALAUT(パロート)製のもありますねぇ。これは日産系のメーカーです。 ちなみに、「ハ゛」ロートって良く間違われてますv こっちの方が良いかな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
おおおっ。やっぱりと言うか、スリット加工を施したのも売られてますねぇ。 それとドリルドローターもありますv これらはバイクではごく一般的なんですけど、クルマではちょっとしたチューニング品なのですv まぁ大抵は既製品をどこぞのショップが追加工してんですが。 NCフライスとかがあれば簡単に出来ますからね。 実は、このスリット加工ってのはメリットもありますけどデメリットもまたあるのです。 ドリル穴のも同様ですよ。 こういうのが何でしてあるのかって言うと、一つは「ブレーキカスの排出」です。 ブレーキはパッドとローターを締め付けて摩擦力で利かせてますんで、どうしても削れてカスが出ます。 にっくきブレーキダストですね。 問題は、このカスが、ローター/パッド間にはさまっていると、ちょうとコロのような働きをしてしまい、摩擦力に影響します。 そのカスの逃げ道となるのが、このスリット溝であり、ドリル穴なんです。 それとパット表面が炭化・・・つまり焼きが入ったり、あと酸化により硬化してるのを「一皮剥いてあげる」清掃作用もあります。 もう一つ、「放熱性を高める」役割もあったりしますです〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@ と、良いコト尽くめに見えますけど、デメリットもまたあるのです。 ブレーキローターってのは摩擦熱が沢山出るんです。 当然ですけど、クルマの運動エネルギーを摩擦による熱エネルギーへと変換してんですからね。 なので、ローター材質に求められるのは、この摩擦と熱に対しての物理的強度ってのが大事なんです。 ここに余計な加工がされてると、どうしても強度的に不利となります。 それとヒートクラックと呼ばれる「ヒビ」も入りやすくなりますね。(特にドリル穴周辺には、よく見られますです) もちろん温度分布も偏りがちですんで、微妙に歪んだり、また偏磨耗も起こしやすいんですよ。 なのでローターの寿命は、無加工の物よりも短くなるんです・・・・・。 それと・・・パッドとローターの接触面積がこの溝なり穴なりの分だけ減りますので、その分摩擦力が小さくなります。 という事は、ブレーキ効力も低くなる要素があるのです・・・・。 しかもパッドを一皮剥いてばかりいると、やっぱり減りも早いんですよ。 なので、加工によりブレーキ効力が増えた分と、減る分のバランスを考えてなければダメです。 見栄えが良いからって、沢山の溝なり穴なりがある物だと、むしろノーマルより性能が低いなんてコトになりかねません。放熱性を改善するのは、やっぱりベンチレーテッドディスクの方が合理的でしょうな。 アレはディスクローターの中に空気通して冷却してんですからね。 ちなみにモンキーRもTT-Rも使う「ウェーブローター」に付いても、摩擦面積が少ないので全く同様のジレンマがあるのです。 まぁバイクの場合はブレーキの絶対的な効きに関する性能的な余裕は沢山あるのです。 車重だってとっても軽いんですから。しかもローターは露出してて冷えやすいと。 なので、微妙なタッチを優先しているからこそ、ノーマルでも穴が開いてたりスリットが有ったり平気でしてんです。 ・・・4リッターモンキーの前ブレーキは、NSR50そのものなので効き過ぎて使いにくいです。 コレを改善するのに、ウェーブディスク化するのも良いアイディアだなーと思ってますv
私の軽トラみたいなのだと、あまり欲張っても実際に良い事なんてのはほとんどありません。 なので、ごくごく無難にシンプルに、普通の部品を選んだ方がオイシイのです。 こういう「匙加減」ってのが結構大事なんですよねv
で、目出度く作業も完了しましたが・・・まだまだヤルべきコトはあるのです。 まずは、ブレーキペタルをシコシコと踏み込んで、戻してしまったキャリパーピストンの位置をちゃんとします。 コレ忘れて、出発即ドカーン!!って事例は沢山あるんだそうな。 次に・・・パッドの焼入れとか当たり付けです。慣らしとも言います。 実は、「焼き入れ」に関しては、メタル系には「やりなさい」と書いてあるのも存在しますけど。通常は不要です。 まぁ結構な熱を出す行為ですから、それやった後はフルード交換必至ですけどね。 もっともレジン系でも、焼入れ済みのでも、最初にローター温度を300度位まで一度上げてから冷ますと良いんです。 (パッドから白い煙が出てきます〜〜〜〜〜@) もちろんですけど、これも微妙な加減が必要ですよ。 ヤリ過ぎると「丸焼け」となります。つまり焼き入れ所かフェード済みの炭状態になっちまうんです。 なんて難しい御託を並べてますけど、実際のやり方は簡単です。 しばらくの間は、強くブレーキを掛けないコト。ただそれだけです。 (ちなみにしばらくってのは、100kmほど走行が目安と言われてます) 私の流儀ですと、チョコチョコとブレーキを当ててやって、しばらく冷やして、またチョコチョコと当てて・・・・ すると僅かにタッチが変化して来ますから、そしたらクルマを止めて冷却です。 大体この時のローター温度が300度前後となるんですv で、ブレーキが冷えたら、またジワーっとブレーキを時々使ってやって、段々と当たりを付けるんです。 ある程度当たりが付くと、ブレーキを踏んで効く感触が一定になります。 ま、ここまでやったらとりあえず終了ですな。 もちろんですけど、それ以降も出来る限りブレーキを強く掛けないようには注意するんですけどね。 こうやつて初期の当たりをバッチリ取っとくと、慣らしの期間が比較的短くて済みます〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜@
で、初期当たり付けまでは済ませましたv またちょっと気が早いかも知れませんけれど・・・NTB/NAOパッドのインプレです。 ちょっと感触的にはソフト&マイルドですね。 言葉で表現すると、「ぷにぷに感」があるんです。 でも初期制動タッチも踏んで行った先も、ガッチリはしてないけどしっかりしてるんです。 まぁごく普通に乗る分ならば良いかなと、今の所はそう思います。 カッチリ感ってのが出るのかどうかは、慣らしが済んでからのお楽しみですね。 で、自家整備だと特に気になるのが・・・・鳴き具合です。 今回の作業もキッチリ慎重にやったお陰で、鳴きは一切発生しておりません。 もちろん交換前にあった、ハンドルを切るとピーピー言ってたのも無くなってますです。 そして・・・ちゃんとブレーキを戻したら、キャリパーピストンもスッと戻ってる感がバッチリですv ブレーキを踏んだ感触も、常に安定してますので、安心して乗れるようになりました〜〜〜〜〜〜@
で、最後の仕上げです。 これは・・・人間側なんですよ。 ブレーキダストのコナまみれとなりましたので、さっさとお風呂に入ってキレイキレイしますv これを怠ると、何となく体調が悪くなったりとか、皮膚にボツボツが出来たりとかで散々なんです。 粉塵公害ってのはバカにしちゃあイケマセンね。 それと、つくづくクルマってのは地球に厳しいんだな〜とも思います。 排気ガスはもちろんのこと、ブレーキだってタイヤだって公害の発生源ですから。 磨耗した分は確実に、地球を汚染してるんですねぇ。 ・・・環境保護団体とかは絶対にクルマなんて乗ってはならんと思うんですわ。電車も禁止ね。 私は・・・まぁ地球に怒られる方を選びますよ。ワザと汚すなんてコトはしないけどv
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