●2008年12月30日(火)
昨日の続きですv
DTMの作業は、ただひたすら各パート毎に音符を置いて行くのですが、ある程度カタチになって来たら次は奏法の表現をします。 これはメロディーなどに表情を付け、ともすると無機質で一本調子になりがちな電子楽器に「命」を吹き込む作業です。 ここでいつもジレンマに陥るんですv と言うのは、PCに演奏させるよりも人間が弾いた方がはるかに良いんです。(電子楽器でさえ) しかもノリノリで速いテンポの曲よりも、スローテンポでキレイな曲になると、ここはすごく重要になります。 入力パラメーターはグラフ線と数値で指定できるのですが、この加減ってのがなかなか決まんない事が多いです。 あまり大げさにし過ぎると不自然となりますし、大人しくし過ぎると判りません。 腹八分目にして、ツボだけ押えておくってのがコツになりますね。 どうしても行き詰まった時は、他のパートがある程度出来ていれば伝家の宝刀「リアルタイムレコーディング」です。 つまり、キーボードを弾いた入力データで「録音」するんですよ。 (実際は録音ではなく、入力データのリアルタイム記録です。) これもまた、後で直接データをいじって修正すると変になりやすいのでビシッと決まるまでやり直しします。 意外に思うかも知れませんが、メロディーラインにはこの方法を使う事は殆どありません。 途中のソロ演奏部分とか、コードのバッキングとかですね。 パーカッション(リズム)も雄大でスローな曲だと使うかな。
例えば、このコラムで良く流れる「軍艦マーチ/pachincoバージョン」ですが、 途中のブラス楽器(ラッパ)のソロの所(2つあるけど両方)、イントロの出口、打楽器が直弾きですね。 盛り上がり部分に魂を注入したかったんですv ミスター・ロンリーは、ピアノのアルペジオがそれです。 微妙にモタモタする感じがどうしても欲しかったから。 それと2コーラス目のメロディーに異なる音がユニゾンでのせてある部分です。 (ユニゾン、とはメロディーラインと同じ旋律で一緒に弾くことですよ。) なので、結構「裏方さん」に持って行くんですね。 森の熊さんは、全て直弾きですけど、これはソフトの使い方の練習で機能確認のため作ったモノなのです。
で、最後に、各パートの音量バランスとパン(音の定位)を調整します。 場合によっては発音タイミングをずらしたりもします。 もうこの時点ではミキサーさんになったつもり、聞く立場に変わります。 電子音ってのは倍音構成が整然とし過ぎている、という弱点がありますから、音の響き方がおかしくなる部分がどうしても出てきます。 しかもmidiで使う前提だと、再生環境によってもそれが変化するので困りますね。 これは使用音源の種類をいくつも切り替えて、妥協点を探します。 つまりM$オマケシンセで聞く時のことをどれだけ考えるか(逆に言うと切り捨てるか)次第なんです。 最も困るのは楽器パランスの差異ですね。余りにも違いすぎる事があったりします。 ここで聞くモードは、曲の「流れ」全体を受け止めるのと、一部分に注目するのと随時切り替えながらです。 これもまた訓練次第なんですが・・・・・ 例えば大自然の中でぼんやり周囲の音が聞こえて来る感じと、雑踏の中で相手の話し声を聞き分けるって感じの違いでしょうか。 ここまでの過程の作業は、1コーラス作った時にある程度進めておいて、2〜3コーラスはコピーペースト機能を使ったりもします。 (xxコーラスってのは、歌詞で言うと1番、2番、ってのです) このコピペ機能は便利だけど、間違えやすいんで注意して使わなければなりません。 コピペ結果から編集して行ったら、結局ほぼ全部書き換えたなんでコトもザラにありますv
この「演奏」「聴こえ方のバランス」「響き」の作業をする時には本来スピーカーで鳴らして行うのが良いのですが、 近所迷惑になっても良くないし、そもそも作品が未完成な時点で他人に聞かせられないって気持ちがありますから、 この時もまた、ヘッドホンで聴くことが多いですv これで使っているヘッドホンは、オーディオテクニカのATH-A55がメインです。 これまた密閉式で、外部からの音を遮断してくれる大きなハウジングの物です。 ※写真は、置き方が左右反対に見えます。コードが付いている方がLchとなります。 詳細は→オーデイオテクニカのサイト ATH-A55 メーカー希望小売価格は\11,550-(税込み) ※サイトの価格は税抜きです。 いわゆる普及クラス〜中堅の製品ですね。 (テクニカのは〜5/7/9とシリーズでラインナップされてて、5は普及クラスなんですが) このヘッドホンの特徴は、かなり聴きやすい周波数特性を持っていて、低音〜高音までキレイに鳴ります。 少し音の明瞭度が少ない感じがありますが、これは上位機種だと良くなってるのかな。 重量はこのガタイでも300gを切っていますから、かなり軽いです。 イヤーパッドの密着も良いのにソフトな当り方なので、とにかく長時間の使用で疲れることはありません。 (でも、音を聞いてての疲れってのがあるんだな) 感度も良いので貧弱な出力のアンプ回路でも、大きな音で鳴ります。 これは音楽鑑賞用ですね。 自然な音で鳴りますから、普通に音楽を聞くのにとても良いんです。 その代わり高音域は艶やかに出ますので、電子楽器音を聞くのには高域が耳に刺さる感じがしてしまいます。 低音は迫力がありズンズン響くので、DVD映画なんかを鑑賞する時にもピッタリです。 コードは片だし(左側)、ストレートで、プラグはTMS3.5φです。 ちょっとイスの足とかで引っ掛けるコトがありますね。
装着感がとても良い反面、この大きなイヤーパッドってのは寿命が短いんです。 ある程度の年月使っていると、表面が剥がれて来てしまうんですね。 なので、スペアのイヤーパッドを購入してあります。 (2つ購入し、交換して1つ予備がある。写真にも写っていますね) スペアのイヤーパッドは、\1,250-します。 この手の補修部品とか買う時は、通信販売を利用することが多いです。 ココとか→サウンドハウスのサイト もっとも、通販には魔力が潜んでおり、「どうせ送料が掛かるんだから」と余計な物まで買い込んでしまいがちなんですv なので2つイヤーパッドを買った、のかも知れませんね。 よくよく考えてみると、このヘッドホンも既にある程度使ったんだからモトは取れている訳で、 不具合が起こった時点で「上位機種への買い替え」を検討しても良いんですよ。 しかし、「スピーカーやヘッドホンの音質は、値段に比例する」という原則はあるのですが、 ヘッドホンの場合はそれぞれの製品に個性がありますんで、上位機種が必ずしも上回るとは限りません。 なので、使ってみて気に入った製品はなるべく長く使い続けたいんです。 これは昔々、松下のRP-HT250という\29,800-もするヘッドホンを使っててすごくお気に入りだったんですが、 長年の酷使によりドライバが吹っ飛んでしまいました。(片方、鳴らなくなった) この時は補修部品で修理をしたんですが・・・全然、鳴り方が変わってしまったんです。 かなり特性が荒れたので、結局オーディオ事業部さんに相談して対処していただきましたが、製造時でも特性がなかなか揃わなくて苦労しているとの事でした。 これも10年以上使いましたが、最終的にはハウジングまで割れてしまって廃棄することとなりまして、 その後継モデル(つまり松下で一番高いの。値段は3万近くの同じクラス)を迷う事無く買ったんですが・・・音質の違いに唖然としましたね。 全くもってお話になりません。音悪い。1万円クラスにも劣る。 もちろん事業部さんにまた相談したのですが、性能の限界だそうでがっかりしました。 つまりハズレってことでした。 ※以降Panasonicのヘッドホンは購入していません。更にその後継モデルの音質は多少マシにはなったけど。 たぶん、今でもどっかに仕舞ってあるはずなんですが・・・・。 そんなこともありまして、とにかく気に入った機種に巡り合ったんなら大事に長く使うのが良いです。 それと、スペアのイヤーパッドも事前に購入しておきましょう。 ヘッドホンの故障するパターンってのは、踏ん付けて壊す/コードが断線する/イヤーパッドが破れる、が殆どです。 ちなみにイヤーパッドの交換ですが、ある程度手先が器用な方じゃないと出来ない事もありますよ。 オーディオテクニカのこのでっかいヘッドホンは、交換しにくい部類に入ります。 (すでに私のは2回交換しています)
満足度は、★★★★☆(かなり良い)かな。 星が一つ足らないのは、前述のRP-HT250が余りにも音質が良かったんで、どうしてもそれと比較してしまうから。 もちろん価格帯が異なりますし、マニアのレベルでは1万円前後の製品は「入門用」なので、もっと高級な機種への期待を含めてです。 オーディオマニアってのは「音を聞く」事が目的なのですが、普通の「音楽を聞く」目的ならば これは文句無しに満点だと思います。 私は、実はオーディオマニアじゃ無いのです。マニアの方をお仕事で相手してはいましたが・・・・。 (良い音で聞くのは好きだけど、大金掛けてまで求めるような情熱はありません。)
他にも沢山のヘッドホンがあります。 それはスピーカーで聞くよりも、気兼ねなく大音量で鑑賞出来る所からなんだと思います。 ほとんどが密閉式ですね。旧い旧いパイオニアのとかもお気に入りで一時期集めてましたから。 開放型のも1つありますが、それはまたの機会にご紹介します。 インナーイヤー型ってのは過去使っていましたけど(結構、高級なのも)、やはり私の耳穴形状には合わないようでした。 人間の耳の穴のカタチってのは、人それぞれ大きく違うのはもちろんですが、同じ人でも左右で違うんですね。 確かどっちかの耳への納まりが悪く、すぐ浮いて来てポロッと取れちゃうんです。 耳乗せ型ってのは、なんか落ち着かないんで好みに合いません。 やはり、私はしっかり安定して装着できるタイプの方が安心出来るようです。(側圧の強いのは全然気にならない) ただ、スピーカーよりもヘッドホンの方が耳の健康を害しやすいので音量はほどほどに、 そして休憩を挟みながらってのをお忘れなく。 難聴になってしまうと治療は大変なんだそうですよ。
このスーパー長文コラムを書いている時にもBGMを、このATH-A55で聞きながらなんです。 (もちろん昨日のコラムの時は、PRO/4AAで聞きながら書いていましたv)
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