2008年08月のコラム
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●2008年08月30日(土)

ココ最近天気が悪いです。
さらに、私の苦手な「雷」がピカピカゴロゴロ言ってて困ります。

ずーっと前、電力会社の「雷情報」サイトを紹介したことがありましたが
実はあれは落雷と直接関連しないので、もっとイイものを出しますv

落雷情報のサイト

これは、過去にさかのぼって落雷があった所を表示してくれるものでして
こっちの方が実情に近いようです。
もっとも、雷ってのは積乱雲の発生・分布状況よりの予想をするしかないのですが、
この積乱雲ってのが神出鬼没でして、あっと言う間に成長するんで
落雷を予測するってのは難しいんだそうです。

昨日も夜半から明け方まで激しく落雷が続いてて、寝不足となってしまいました。
私は、雷が鳴っていると寝られない体質なのです。


で。バイクネタ。

ずーっと前に売れたけど戻って来ていたホンダ・ズーク「Fun-ny(フンニーちゃん)」ですが
ちょっくら引っ張り出してきてみました。

この手のスクーターは出足が悪いので、軽快な走りってのを実現させるには
ちょっとテクニックが必要です。
どんなコーナーでも25`以上を常にキープして、バンク角は控え目に、向き変えは短時間で、です。
ムキになってチョロチョロ〜っとカッ飛ばしていると、かなりイイ汗をかけますねv
当然ながら中腰でヒザを使ったコーナーリングをしなきゃならないので。
・・・本来は、もっとほのぼのと乗るバイクですよ。

マニアの方に、お安く現状にてお譲りしますvv

●2008年08月22日(金)

下の記事のバイク、ホンダFTR223はこちらです。
※ちなみに入庫時間もない時に撮影したので、一部仕様は異なります。

ずーっと昔、20年ほど前に本格派ダートトラッカーという新しいジャンルのバイクとして
「FTR250」が誕生しました。
その前にFT400/500ってのがあったのですが、250のはマジで作り込みをした、
いわば「ダートラ界のNSR」とも言うべき存在です。
あ、そのNSR250も同時期デビューでしたね。
レースで活躍していたフレディー・スペンサーの人気もまた、高性能バイクブームの後押しになっていました。

ちなみに後のXLR250シリーズの本当のベースEgとなったのはこのFTR250なんですよv
XLRシリーズのEg形式は「MD17E」ですが、MD17ってのはFTR250の形式番号ですからね。
とにかく微に入り細に渡って端々の作りは半端じゃなかったんですが・・・・
営業的には、不発。
(ついでにこの辺りからF・スペンサーも不調→引退・・・かなり後でレース復帰した)
トライアル同様、コアなマニア限定でしか流行らなかったようです。それと燃費の良さでバイク便御用達に。


しかし、時は流れ、「個性的なスタイルのバイク」ブーム到来。
そもそも、理由不明ながらひっそりとカタログラインナップに残っていたヤマハのTW200が
「スカチューン」という手法が発明され物凄い人気を獲得した所から、
ホンダも「変テコなオフ用途のバイク」ならイケル!と思ったんでしょうか、FTRの後継機種を開発しました。

これが、2000年にデビューしたFTR223です。
223ccという排気量などから見ても、相当ヤマハのヒット作を意識していますね。(多分)
当然ながらTWとは比べ物にならない程、街乗り他でも走りやすいです。
そもそもTWは「砂地」用なんで。(アノ太いタイヤは、砂地で潜らない為。そのおかげで舗装路では挙動が怪しい)

FTR223は本格派ではなく、コスト抑え目の作りでお気楽バイクと言われていますが、
聞いた話では、本格的なダート走行でも結構使えるらしいですv
この辺りは諸説交々あるんですけどね。
各社がラインナップした「お洒落街乗りオフ」の中では文句無く1番オススメ出来るほど、設計がしっかりしていますよ。


一応、新旧でユルくなった(?)部分を書いておきます。
(1)エンジン・・・どちらもSOHCだが、旧/4バルブ250cc>>新/2バルブ223cc
(2)キャブ・・・ケーヒン製で、旧/PJ(強制開閉・フラットバルブ加速ポンプ付き。FCRの原型)>>新/負圧サーボCVタイプ
(3)フレーム・・・旧/ダブルクレードル>>新/セミダブルクレードル
(4)リヤ足回り・・・旧/プロリンクサス>>新/直押し
(5)リアブレーキ・・・旧/ディスクブレーキ>>新/ドラムブレーキ
(6)トランスミッション・・・旧/6速>>新/5速

その他、フロントタイヤサイズが100/90-19だったのが、新型では後輪と同サイズ(120/90-18)になった。
ちなみにセルは、旧モデルにもちゃんと装着車があったのですv

ようするに過剰装備だった部分がシンプル化されていると思ってくれれば良いです。
旧型=正真正銘のレーサーレプリカ、新型=一般の人向けバイクなのです。
さすがにノーマルではユル過ぎなので(Egフィールが)、ぶいぶいではちょっぴり元気にしてあげています。


未舗装路に持ってって、カーブでリヤがズル〜〜っと滑りつつカウンターステアがピシッ!と決まった瞬間、
「 フ ァ ー ス ト ・ フ レ デ ィ ー 」 と 呼 ん で く れ !! てな気分ですv


(ちなみに低速域の瞬発力がある程度ないと、低い速度ではなかなかリヤが出ないんです〜〜〜〜@
 もちろん、速度が出ている時に滑らすほどの度胸&テクは私にはございません。だって怖いもん。だから瞬間なんですv
 ちなみに口だけ逆ハンがどーのこーの言ってれば、「嘘付きフレディー」の称号をゲットできます。
 つまり、どっちにしてもフレディー・スペンサーになれるのですよvv)

●2008年08月21日(木)

本日は、久し振りに売り物のFTR223を引っ張り出しました。
動態保存をしてありますが、やはりたまには動かした方が良いですからね。

で、試し乗りです。
このバイクのEgは、ルーツとしてCB90/125がベースになっており、XLR/XR200が基本となっています。
ヤマハで言うと、XT125/200ベースの旧セロー225ccと同格です。
SOHCの2バルブ・バランサー無し、というごくシンプルでオーソドックスな構成で
いわゆる馬力志向ではなく、低速からの立ち上がりレスポンス重視の軽量エンジンなのです。

ホンダには、このEgの兄貴分として250ccのXLR/XR等に採用されている物がありますが、
こっちはXL250sからスタートし、途中新設計され1カム・4バルブ(RFVC:放射状配置バルブ)化してバランサー採用にて
空冷ながら30ps位までパワーが出る、馬力志向の設計ですの全く別の物なんです。
ちょっとこの辺は込み入ってて難しいんですけども。

で、話は元に戻りますが・・・
FTR223の兄弟車としてSL230(トレッキングバイク)、XL230(レトロオフローダー)があり、
近年追加されたモデルとしてCB223というオンロード・シングルスポーツもあります。
厳しくなった平成18年度排気ガス規制で、ホンダの小さいバイクは壊滅状態となってしまいましたが、
このEgは元々馬力志向ではなく、安定した燃焼状態を出しやすい為、何とキャブレターのまま
この嫌がらせ規制基準をクリアしているのです。

ちなみにぶいぶいにあるFTRはH18規制前・平成10年度の規制対応の奴なので
一応AI(二次エア導入機構)とかは付いているのですが、スカチューン&スパトラのおかげで
とても元気になっていますv
この手のオーソドックスな2バルブEgをチューンする場合、むやみに構造上限界がある高回転化をめざさす、
むしろ美点とも言うべき中低速域のレスポンスを伸ばす方向のが良い結果が出ます。
吸排気の開放とか、圧縮比up、排気量upなんかが良いですね。

で、FTR223のスペックを見てみますと・・・・

ボアxストローク:65.5×66.2(223cc)
圧 縮 比:9.0
最 高 出 力:16ps/7,000rpm
最大トルク :1.8kg-m/5,500rpm
燃料タンク容量:7.2L


ほぼスクウェアに近いロングストローク型で、ちょっと気になるのが圧縮比が少々低いですね。
パワーを出すのならば、10.0:1超は欲しい所なのですが・・・。
もっともタケガワからハイコンプピストンが出ています。(11.4:1に上がりますv)
ハイカムもラインナップにありますけど、実はXR200のカムもプチハイカムとして流用が出来るのです。
プロファイル的には、FTR223<XR200<タケガワとなります。

もっとも、こんな本格的に改造をするにはコストも掛かりますし、耐久性がスポイルされますので
ここは「付いている物を活かしつつ、費用対効果を鑑みて」といういつもの手法で行います。
実は、このバイクが入庫した時点ですぐにマフラーとキャブのセッティングを行って
バタバタサウンドだけではなく、アクセルをひねった時の瞬発力を良くしてあります。
もちょっとレスポンスが良くなると、もっと楽しく乗れそうですね。

そして、とっても良いパーツを見つけてしまいましたv
キタコから出ている、「ライトスロットルバルブスプリング」402-180600/\630-。
※写真の商品です。但し中身は交換済みのノーマルSPですよ。
これは、負圧サーボ型のキャブ用のパーツで、純正エアクリーナー→パワフィルにした時向けとのことです。

そもそも、このスプリングレートを変更すればフィーリングが良くなると言う物ではありませんが、
負圧サーボキャブの機能上、吸気側の抵抗が大幅に変わる改造をした場合には、燃料の濃さ(ジェット類)だけのセッティング変更では
なかなか調子が良くなりません。
FTRはマフラーとパワフィルへの改造が主流となっているので、それに応じたパーツって事です。
(対応車種は、FTR223,FORZA/S[MF06])

本来の私の手法では、大抵ダイノジェットキットを採用するんですけど
現在入手が困難なのと(大手部品流通業者が手を引いているようです)、
やはり値段の点で、到底キタコのには適わないので今回は見送りました。
本音を言えば、そこまで良くしてどーすんの、もっと手軽に気軽にって気持ちもありましたけどねv

で、本日、ようやく取り付けをしましたvv
スカチューンが施されているので実は時間も手間も掛からないんですが、今まで先送りにし続けてたのです。
でも折角試し乗りする機会が出来たので、この際ちゃんと済ませておこうと。

インプレッションとしては、¥630-の値段からして考えられないほど「やって良かった」です。
さすがにEgがしっかり暖まらないと息ツキしてしまいます。
(反応良く大きめにスロットルバルブが開いてしまうため)
でも、中低速域のレスポンスはかなり改善されて、スタートダッシュが鋭く、アクセルでの姿勢制御もやり易くなりました。
初心者向けのフィールが、ベテランの人にでも楽しく乗れる良い感じです。
ゼロを一つ足した値段でも、これはやる価値がありましたね。

ただし。
あくまで、このパーツの性能が優秀って事ではなく、全体的なパッケージングのバランスから
スロットルバルブのレスポンスを軽くした方がより良くなっただけの事です。
もし他のFTRでこのバネにしたからって言っても、良くなるとは限りません。

そもそも付けたからって外から見えないし、中を見ても判りません。
あくまで考え方としては、セッティングパーツなんですね。
例えば、メインジェットが大きいのが付いてても他人に自慢できません。
それと同じなんです。

これで実際速くなったのか?と聞かれると、正直どう答えて良いか考えてしまいます。
この「速さ」の定義次第なんです。
絶対的な速度とかパワーは、多分向上している訳ではありません。
そもそもレスポンスを改善した所でそれらは直接関係しませんので。
ただし加速力はかなり向上していますので、とても軽快に走れます。

反対語で言うと、「軽快 < > 鈍重」。
速い遅いって表現では正確に伝わらないかなと思われます。

いつかはぶいぶいメカニカでやろうと思っていたテーマなんです。
この「速さの定義」ってのはなかなか表現が難しく、ずーっと思案に暮れてました。
もっとも判りやすい「速さ」ってのは最高速度だけど、それだけではないんです。

更に、本当に何も知らない初心者ほど、この「速さ」ってのを重視する傾向があるので厄介です・・・・・・。
もっとも、シンプル思考で済ませるんなら、速さを得る=大きいバイクに乗る、で答えが出てしまうんですがv
何のためにチューンするのかの根本的なテーマなので、本来一番初めにやんないといけないんですけどね。
そのうち時間を作って、ヤリたいと思いますv

●2008年08月18日(月)

先日のツーリング、続きです。

バイクで走行中、運転者からの景色はこんな感じですv
これからバイクにでも乗ろうかな〜って考えている人がいたら
是非、免許を取得して乗りましょう!

●2008年08月14日(木)

お盆ですv

さて、昨日13日は久し振りに遠出をしてまいりました。
小さいバイク主体で、茶臼山までのツーリングです。

ココ最近ウチのXLはちょっぴりスポーティーな味付けに変更していまして
高回転域が良く伸びる反面、少々中低速トルクが犠牲になってます。
いわゆる底力が薄いんです・・・・。
ただ平地では全く気にならないのだけど、問題は山道の登り坂で登坂力がかなり低下しています。
高いギヤで登っていくとじわじわとスピードが下がって行き、シフトダウンしてもそれがなかなか取り返せません。

その代わり、平地や下り坂ではレスポンスが良くて加速力も向上していたりするので
以前の仕様より数段良いのです。
総合的な実用性能を重視して以前の仕様に戻すか、かなり使いにくいけれど出力至上主義で行くか。

さらに足回りですが・・・・
フォークオイルの規定量は多分#10を110ccだと思いますが、そちらもちょっぴり仕様変更です。
初期旋回性を弱く、高速直進安定性他を強くする方向でセッティングしてありますので
いわゆる「カッ飛び仕様」ってのです。

燃費も少し悪くなりました(30〜35km/L)ので、あんまりツーリング向けではないのかも。
必然的に高回転域を多用せざるを得ないからなんですけどね。
それと根本的にタイヤが細くて小さいため、速度が上がるとバイクの動きがシビアになりますから
あまり欲張らず、ある程度の最高速で我慢しておいて、その範囲内での走りをよくしてあげた方が賢いのかも知れません。
この先、まだまだ悩みそうです・・・・。
気持ち的にはもう少しダラ〜っと走っててしっくり来る感じでも良いと思いますが
とりあえず、色々な仕様にチャレンジしてみようと思いました。

●2008年08月13日(水)

なんか最近、とても物騒です。


8/3〜7の4日間連続で、近所にて強盗事件が発生しました。
コンビニと書店です。
さらに8/12夜は、お婆ちゃんが轢き逃げにあって亡くなっています。
パトカーが沢山動員されていて、幹線道路を思いっきり封鎖して捜査しています。

中京テレビNews(強盗)
中京テレビNews(轢き逃げ)

犯人は捕まるのだろうか。
豊川は未解決事件が結構ありますからねぇ。

●2008年08月01日(金)

さて、月は替わりまして8月となりました。

今回もバイクネタです。
エンジンの命と言うべき、クランクシャフトは奥深くでグルグル回っているので
見た事が無いって人もいるでしょう。
この写真は、ホンダのDioの物でして残念ながら壊れてしまって動かなくなりました。
クランクウェブ(錘の部分)両端に付いているベアリングが粉々になっています。

このベアリングは、4/2サイクル問わずあります。
4気筒Egなどでは転がり軸受け(ボールベアリング)ではなく、滑り軸受け(プレーンメタル)の場合もあります。
滑り軸受けってのはイメージ的に「摩擦が多そう」な感じがありますが、実際の所は
必ず潤滑油を介在させて浮かして使用していますので、むしろこちらの方がフリクション的に有利だったりするのです。
ボールベアリングの方は、どちらかと言うと低速回転では軽く回り、高回転向きではないんです。

で。この写真のDioは2サイクルなので、潤滑の都合上ボールベアリングになっており、これが一般的な2サイクル車の姿です。
クランクシャフト自体は、エンジンに限らず自転車にも付いているくらいですが、
オートバイのエンジンのそれは、結構な長さがあるんです。
この写真の向きで言うと、右側にジェネレータ(発電コイル)とフライホイールが付き、
左側の端に変速プーリーが付きます。
左側の途中の螺旋部分は、オイルポンプの駆動ギアです。
(ちなみにヤマハのJogは、オイルポンプは右側・つまりジェネレーター側に付きます)

左側のベアリングが物の見事にバラバラに砕けていますね。
これは、駆動力によりベルトが引っ張られるテンションをクランク軸をたわませる方向へ力が加わっており、
不幸な事にちょっとした潤滑不良もしくは磨耗などの原因により、軸受けが壊れてしまったと考えられます。

さらに・・・この形式のEgは、この部分の破損ってのがちょくちょく見られる傾向があります。
ひとえに、設計が悪いのです。
ベアリングのタマタマがとても小さいので、軽く回る反面、どうしても耐荷重性が弱くなりますし、
最もシビアな左側ベアリングから、力の入力点であるプーリーまでが遠過ぎます。
つまり、テコの原理で、より左側のベアリングをこじる力が大きく加わりながらの運転となるのです。

ベアリングは一般的に、タマタマの大きさが小さいほど、軸の太さが細いほど、タマタマの数が少ないほど軽く回るんです。
エンジンのレスポンスも燃費も高回転域も全〜ん部有利になりますv
その代わり、上の方向で設計すれば耐荷重性・耐久性は悪くなりがちです。
つまり、大きな力を受け止める事が出来なくなっちまうのです。

軸受けに加わる力が大きいレイアウト&小さいタマタマのベアリングを使用ってのが
私の思う所の「設計ミス」の根拠なんです。
もちろんホンダの技術者はある程度は認識していたのでしょう。
でも、やはりフリクションロスの低減の要求が強かったのかも。
強度的に弱くしておけば、改造防止策にもなりますからね。

ただ、市場でのトラブル発生率があまりにも高かった為、こっそりこの部分は設計変更されています。
ちょっとタマタマが大きいベアリングになったのです。
知っててやりゃあがったな〜ってのが私の実感です。ホンダは走る実験室と言われる所以です。

で、実際の修理をするに当っては、まず壊れた軸受け部分を取り外します。
・・・と一行で書くと簡単そうなんですが、壊れ具合によっては結構大変なんですよv
もちろん車体からエンジンを降ろして、駆動部分もフライホイールも外してからクランクケースを分解して
初めてクランクシャフト単体に到達できるので、ここまでも結構手間は掛かっています。

で、目出度く壊れた部分が外れたならば、クランクシャフトの計測と、コンロッド大端部のチェックです。
この写真のクランクシャフトは大丈夫でしたので使えました。
右と左それぞれにあるゴムシールは、一次圧縮を確保するためなので分解したら必ず交換すべき部品です。
このシールが漏れていると一次圧縮も漏れて、始動性と低速(アイドリング含む)が不調となります。
Egを回せばその勢いで自然にシール効果が生じますのでEgは動きますけどね。
ゴム部品ってのは古くなると自然硬化しますので、例え距離を走っていなくとも交換したい部分です。

さらに、壊れたベアリングの破片がピストンを傷付けていましたのでピストン関連も交換。
シリンダーは、ダメージが浅ければホーニングで修正すれば大丈夫です。
(ダメージが大きければ、ボーリングしてオーバーサイズピストンを使うか、もしくはシリンダ交換となります)

後は、ガスケット類。
シリンダヘッド&ベースガスケットと、Egによってはクランクケースセンターにガスケットを使用しているのもありますのでこれも。
さらに、Egにより吸気側のガスケットも必要となります。

組み立てのコツってのがあるのですが・・・・とにかく端的には「真心込めて丁寧に」。
それと、正確に組み付けるってのはEg整備をする上で、基本中の基本ですから今更言うまでの事ではありませんね。
私はどんなに急いでいる時でも「チャッチャと組む」事はしません。
当然慣れていますから手を動かすのは速いのですが、その中で可能な限り丁寧に組むよう心掛けています。
この辺りは出来上がりの調子に結果として出るんです。

あわてんぼな方、面倒臭がり屋、物事を軽視する傾向をお持ちの方ってのはそもそも整備には向きませんよ。
さらにこういう場合では、部品の再使用可否の判断は難しいんです。
もちろんやみくもに全部新品にしてしまえば大ハズレをする確立は下がりますけど
実際、どこかは古いまま使う訳なので、おのおのの部分の動きや役割・使用状況を考えられなければ
やはりダメだと言わざるを得ないでしょう。
知識だけではなく経験が物を言うんです。

それと、「ついでにチューニング」する場合。
闇雲にやっては必ず失敗しますので、まず一度ノーマル状態で完調にしてから、再度分解し直して行うのをお勧めします。
もちろんノウハウ・経験があり、完成イメージを具体的に作れる方はその限りではありません。


で。
これだけやると、修理代は大体4〜5万位になります。
もちろん各部の破損・消耗状態により金額は大きく変わります。
走っててエンジンの根元の方から「ジャーッ、ジャーッ」って音がしてたのが段々大きくなり、
ある日突然エンジンが止まってしまった場合ってのがコレに該当します。

また、ずーっと動かさずに置いといたバイクを久し振りにいきなりEg始動させてブン回すと
オイル切れにより同様の故障となります。
置いといたバイクは、まずプラグの穴とかキャブの吸い込み口からとかに
2サイクル用エンジンオイルを少し注入し、プラグを外したまま何回かキックしてクランクを回し
油を引いておいてから掛けるようにすればこういう事故は防ぐ事が出来ます。
(面倒ならば、CRC5-56でも良いです)
4サイクルでも基本は同じで、まず新鮮なオイルを隅々まで行き渡らせておいてからエンジンを掛け、回すようにしましょう。

ちょっとした事で壊れてしまうのは困りますね。
でも、この写真のEgのように、いくら注意していても自然に壊れてしまう物もあるのです。
一般的に2サイクルエンジンは寿命が短いんです・・・・。

特に、イジって壊すケースがとても多いです。
2サイクルEgは構造が単純なので、頭が単純な人に好まれるそうですが
シンプルさゆえに、心配りが結果を大きく左右するシビアな面を持っているって事をお忘れなくv


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