●2008年07月02日(水)
今回は、ステアリングステムのベアリングの話題です。 ちょくちょくバイクブログで見る形式でダラダラと綴ってみました。 約5千文字もありますが、はっきり言って読む人の事なんて全く考えていないですv
KSR-U「赤パインU」号ですが、そんなに走行距離がイッていないにも関わらず、 ハンドル中点とかで、カクッと引っ掛かりが発生しています。 当然ながらステアリングステムの軸受け部分損傷、と言う事で、一度分解チェックしました。 漢(オトコ)カワサキ、とは良く言ったものです。 なんと、当然あるはずのシールがありましぇんv かなりステム軸は太くてコッツイのはとても良いのですが、タマタマは不釣合いなほど小さめ。 上下それぞれ23個ずつ入っています。 この辺りの造りだけではなく、足回り全般的にコストダウソの痕跡がチラホラ見えますねぇ。 どーせ小さいバイクだし、速度だって知れているからでしょぅか。 KSRはとてもカッコイイのですが、足回り周辺の造りに弱点を抱えているようです。 レースも結構キていますねぇ。替えたい所なんですが、一度組み直しにて様子を見ます。 この車種は、上側も下側も共通の大きさのタマタマなので、下に入っていたグループと、 上に入っていたグループを入れ替えて組むのです。 もちろん、完全に洗浄して磨耗をチェックし、新しいグリスをたっぷり付けて組み立てです。 感じとしてはまぁまぁ良好。 微妙にごくごく僅かな引っ掛かりは感じますが、実用上問題となるほどではないでしょう。 今回も修復予算が決まっているので、とりあえずコレで行きますv
だがしかし。 ここ最近は、なんか寝苦しくして仕方ないですね。 夜中にふと目がさめてしまいます・・・。 また寝違えてしまったのか、首が痛いです〜〜〜〜@ 私は、交通事故の後遺症で首を痛めていますので、いわばウィークポイントになっているのです。 その時、ひらめいた!! そうだ、首根っこが弱点ってのは、KSRも一緒なんだ!(←MMRキバヤシ風に) これでは良くない。首根っこはハンドリングの要ですからね。 オーナーさんは、ド走る方なんで、誤魔化してはすぐ馬脚を現してしまいますし、 完璧なるチビバイクを目指しているので、ここは妥協してはイカン。 絶対にイカンのじゃあ〜〜〜〜@ と言う事で、写真をご覧いただいている通り、テーパーローラーベアリングの採用ですv
実は、個人的に言いますとテーパーローラーB/Gはあんまり使わないんです。 何でかって言うと、タマタマB/Gでは点接触なのが、ローラーだと線接触となりますんで ちょっぴりステアリングの作動が重たくなり易いのです。 (もちろん組み付けの時のコツで、かなり解消できるレベルなんですが) 大体、高価ですからねぇ。 と言う事で、早速部品探しです。 RCエンジニアリングが最も有名ですから、まずはそこから探します。 「SSK125/81-5178」という品番で、\6,300-。 適合車種は次の通り。 AR50/80/125、KH100/125 ・・・なんか、終わっていそうなバイクがずら〜っと並んでいますな。 しかしなんで、KS/KSRとKSR110が入っていないんでしょうか。 私的にはこれらはカワ重の小さいのの中では、メジャーな車種だと思うんですけどね。 特に、KSR110って現行じゃないですか。KSRだってまだ現役なんです。 入れ忘れたのかな?もしミスなら致命的ですよ〜〜〜@ ベアリング寸法は、次の通りです。 上側:25x46x11.6 下側:28x46x11.6 (mm) ん〜変なサイズだv もちろん、現車で確認済みですからバッチリ使用可能です。 でも、欠品みたいですね。この部品では良くある事なんで、仕方ないから他の所を探します。 なんちゃらMEとかいうKSRで有名なショップにありました。が・・・9975円だとぉ〜っ!! ヲィヲィ、そりゃボリ過ぎでしょ。 でも、ちゃんと見つかりましたv 早速、注文したらすぐに届きましたよん。 ダストシールの付いていないタイプですので、耐久性って面では不利なのですが、まぁ由とします。
ご覧の通り、インナー側レースとコロ部分はくっ付いて一体型です。 アウターレースをフレームに打ち込むのですが、ここは結構コツがあるんです。 レースを歪めず真っ直ぐ奥までしっかり入れる必要があるので、力の加減が重要となります。 (良く、「難しいのでバイク屋さんに・・・」と言われています。しかし、私の場合、自分がバイク屋さんなので甘えられない・・・) 失敗すれば、確実にハンドリングに影響しますし、この大事なB/Gもパーです。(上下セットしかない) とは言う物の、結構ノリノリで打ち込みしますv 古いレースはその辺にあった長いボルト(多分なんかのアクスルボルト)とハンマーですっ飛ばします。 勢い余って上側のレースは何処かに飛んでってしまいましたv そしてフレーム内部をチョロッとキレイにして、レースが入る部分の寸法測定です。 これで、打ち込み具合をしっかり把握しますので重要なのですよ。 何処まで入ったのかが判らなければ、しっかり奥まで打ち込むことは適いませんからね。 (当然、無理な力をレースに加えればアウトですから) 打ち込みは、プレスまたは特殊工具での圧入する派と、トンカチで入れる派がいますが、 私は長年に渡りトンカチを愛用しております。 「ハンマーだとダメージがあるんじゃないか?」と言う方がいますが、これはナンセンス。 圧入でも大きな力を加える訳なので、ド真っ直ぐ入っていかなければ対象物は歪みますよ。 とにかく、対象物を傷めずに組み付けることが出来れば、方法はあまり重要ではなかったりします。 嵌め合いが固い場合、フレーム側をちょっと暖めてあげたり、CRCという名のローションを塗って挿入するのはHの時にも使えるテクニックですね。 で、無事めでたくイイ具合に取り付けが出来ましたv ・・・ここで、ひとつ。 実は、後々取り外しをすることを考えると、予めツメを引っ掛けるミゾをレースに作って置く加工をします。 写真の通りピッタリ収まりますから、そのまんまだと外す足がかりが無いのです。 ただ、私の所にはボロいながらも溶接機がございますから、それらの加工はしていません。 (外す時は、どうせ再利用しないからブリッジを溶接してしまいます。壊れたB/Gのアウターレース抜く時もこの方法です) この時点で一度、仮組みをします。 ちゃんと真っ直ぐレースが入っていて、完璧に軸線がストレートになっているかどうかのチェック。 まだグリースは付けません。当然プリロードは掛けず、微妙にクリアランスがゼロになる位での仮組みです。 すーっとステアリング(アンダーブラケットだけだが)が動き、変に左右の端付近で重くなったりしないかを念入りに点検。 ん〜イイ感じv 後は、景気良くグリースをコロに塗り込んで、レース側にも塗り塗りします。 これはステアリングステムってのは作動範囲が限られていますから、回転によるグリス浸透ってのは期待できませんので、 ハミ出ても良いので沢山入れてあげるんです。 で、本組み立て。 ここが一番気を使う所でして、一度ちっょとプリロードを掛けて組み、上下をハンマーでコツコツと軽くドツいて馴染ませ、 それから一度ナットを緩めて、再度、良い具合の所まで締め込みます。 この位慎重にやんないと、後々動きがおかしくなりやすいのですよ。(だからテーパーローラーは、余り好きではないの) 「丁度良い感じ」ってのがかなり微妙でして、B/Gのクリアランスがゼロに限りなく近い、微妙なプリロードが掛かっている状態。 ホンの少し、作動に抵抗を感じるかどうかってトコなんです。(グリスの抵抗を除外して) もちろん締め込み過ぎればステアリングは重くなりますし、緩ければクリアランスではなくガタとなってしまいます。 その境界がタマタマB/Gよりもかなりシビアなんですよね。 こればっかりは、経験を積んで感覚を掴まなければいけません。 たっぷり時間を掛けて、じっくり念入りに、ココしかないと言う所に調整したら、後はマッハの勢いで全ての部分の組み付けです。 トップブリッジを取り付けてしまえば後は安心。(もう、ステアリングステムB/Gのプリロードは変わらないから) 取り付けが完了したら、バイクのフロントを持ち上げたまま、またまた動きのチェックです。 前後に揺すってガタが無いか、上下はどうか、ステアリングの動きはどうか。 ん〜〜〜イイ、イイわぁv (←いつもこの時、オ姉さん言葉になるのが私の習性です。でもオカマじゃないよ) 最終的に、タイヤの下にダンボールとか敷いて、ハンドルを左右に切ってみたりします。 ※ステアリングステムのテーパーローラーB/G組み込みの工賃は、大体¥8,000-位です。 つまり部品代と合わせると、約1万5千円也。 結構高いんだな〜@ なぜ、これだけしつこく動きを確認するかって言いますと、「重要」だから。 ステアリング部分ってのはごく僅かな不具合が、物凄くハンドリングに影響するのです。 これはカッ飛び派の方ではなく、ごく普通に足としてバイクに乗られる方にも、例え無意識のうちにでもしっかり認識できるのです。 大体バイクの運転ってのは、元々カーブは怖い物なんですよ。 なので、少しでも安心してカーブで乗れれば、それはすごくバイクが楽しくなる事請け合いです。 ブレーキも勿論重要なのですが、それに負けず足回り、特にステアリング周りの動きは大事です。
ここまでやって、ようやくKSRの車体廻りが出来上がりましたv フロントフォークのオイル交換&リセッティングもしたし、リヤサスのリンク廻りも手を入れたし。 フロントブレーキが貧弱と言われているんで、メッシュホースにもしたんですよ。 (実は、まだリヤのブレーキフルード交換が残っているんだが) まだエンジンは載っていませんが、押し引きしたり、跨ってシコシコやったりすると、とってもイイ具合です。 入庫時点とは、雲泥の差がありますね。 テーパーローラーB/G化により、フロント周りの動きはしっかり正確になります。 こりゃかなりのコーナーワークが期待出来ますねぇ。 難点って言うか心残りは、やはりリヤサスのリンク廻り。少し動きに不安定感が感じられます。 もちろん、実用上問題になるレベルではありませんよ。あくまで、神経質に注目しての感じです。 カワ重伝統の「ユニトラック」なんですが・・・肝心の作動部軸受けが全て樹脂ブッシュなんですよね。(手抜き、だと思う) 良く似た足回りのホンダApe(プロリンク)は、車体側⇔スイングアーム側のレイアウトを反対にした構造なんですが、 こちらは部分的ではありますが、ちゃんと軸受けメタルになっていますし。 社外品でコロ軸受け化するパーツも出ていますから、これはシェイクダウンしてから採用するかどうか決めようと思います。 私、個人的には、是非手を入れたい部分ではありますが・・・・ダンパーとの兼ね合いもありますし、予算の都合もありますからね。 で、現行のKSR110なんですが、こっそり直押しに変更されていたりします。皮先セコイぞv 大体KSRでも最初の型にはスイングアームに「Uni-track」とイデカールがあったのに、最終型では無くなってたりしますんで、 多分私の思うに、ここの弱点はちゃんと判っていたんで捨てたかった、無かったコトにしたかったんではなかろうかと。 そもそも、ミニバイクにリンクサスの効能はあるのかどうかって言われれば、あんまり恩恵はない、が本当の所なんです。 今日はオーナーさんがみえなかったんで、今の所は私1人だけで楽しんでいますv ん〜イイわぁ〜コレv
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