2008年07月のコラム
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●2008年07月26日(土)

ずーっとバイクのネタが多かった割に、今まで触れていなかった件があります。
本当だったら、真っ先にやらなければいけなかったんですけどね。

と言う事で、「マフラー」のお話。

マフラーは、エンジン側の「エキパイ:エキゾーストパイプ」と、先っちょの「サイレンサー」で主に構成されています。
もちろんその区切りが外から見てはっきり判るものもあれば、デザイン上曖昧なのもあります。

マフラーの役割は、2/4サイクル問わず「排気ガスの排出」の他に、「排気ガスの出具合を整える」のもあります。
後者は「音を小さくする」事も含まれますが、それだけではなくて適度な絞りにより排気ガスの圧力パルスを上手に流し、
「排ガスの出て行く勢いを利用して、混合気の充填効率を高める」のであります。

ちょっと言葉が難しくなりましたが、この効果ってのは「パワー(トルク:ちから)が出るようになったり、反対に出なくなったりする事で御判り頂けるかと思います。

え〜っ!?そう言うのって、抜けが良いとか悪いとかの話じゃないの?
・・・と思われる方もいるのではないでしょうか。
実は「抜け」のみでマフラーを考えるのはダメなのです。
エンジン出力向上効果の大きいマフラーが大きな音を立てている事は良くある事ではありますが、
だからと言って、音が大きければ高性能、とはなりません。
判りやすく言うと、1+1=2だけれど、2は必ずしも1+1であるとは限らないって事です。

しかし、昔も今も変わらない部分ですが、難しそうな理屈よりも端的に簡潔さを求める人が多いと言う事実があります。
あまり頭を使いたくないってことでしょう。
それはそれで人それぞれなので別に構いませんが、頭を使わないと決めたなら最後までそれを貫いて欲しい物ですv
(つまり結果を気にするなって事ですよ。良くなっている筈だと固く信じてくれれば幸せになれます)

話が脱線しましたが、エンジン特性を主に決めるのはエキパイの方です。
適度な排気抵抗(太さ、長さ、曲がり方)をしていればエンジントルクはバッチリ出ます。
また反対に、この部分の作りがエンジンとの相性が悪ければ、どうしようもありません。
サイレンサー部分は、あくまでお手伝いとしての役割です。

ただ、ノーマルマフラーではより厳しい消音性能が求められますし、高温高圧な排気ガスに晒されますので
かなりの耐久性が無ければ製品として成り立ちません。
社外品では、「今の所」その点ある意味ルーズな部分がありますから有利と言えば有利です。
もちろん、ちゃんと消音性能とか耐久性を踏まえた上でより良いフィールを実現した優秀な製品もありますけどね。
(大抵、そう言うのは高価です。コストを犠牲にしているってことですね)

優秀な製品がある反面、どうしようもない粗悪品もまた存在します。
そもそも何のためにマフラーを交換するのか、という理由を考えてみて頂きたいのですが
人によってはそれがはっきりしなかったりするんです。
「カッコイイから」「とりあえず替えたい」「音が気に入らない」などは、突き詰めて言えば
「マフラー交換、そのものが目的」ですから、交換さえ済ませてしまえば目的は達成されます。
なのでその結果御こった事は気にしてはいけないと思いますよ。

そこでせキャブセッティングと言う名の「魔法」に頼ったりします。
もちろんそれで解決する事もありますが、解決しない場合もまたあるのです。
じゃあ、どーしたらいい?と聞かれても、返事に困ってしまいます。

1.ノーマル状態に戻す。
  これが最も確実な方法です。店では第一にこれをお奨めしています。
  いろいろと実験の上改善策を模索するのは、「研究機関」ならそれが仕事なんですが・・・・。

2.他の部分との組み合わせを改めて考えてみる。
  多分、これが最も現実的に良い方法でしょう。
  キャブ調整や吸気方法の見直しなど沢山考えられる事があります。
  ここで重要なのは、まず「成功例を参考にする」と言う事ですね。
  マフラー製造メーカーに問い合わせたり、改造車のノウハウを持っている方のアドバイスを貰ったりとかは
  実はとっても良い方法なんです。
  ただし、正解が見つからない・無い、という事もあると言うことをくれぐれもお忘れなくv

3.動くんなら、それで我慢する。
  もっとも簡単に実現できる方法です。(お勧めは出来ないが)
  そもそも難しい問題を出来もしないのにやるのが根本的な間違い。
  もちろん、これによってバイクが壊れたりする事ってのは結構ありますが・・・壊れたらまた買えばそれで解決。
  それが受け入れられないってのは、単に我侭なだけですから、それはママにでも言っててちょ。

・・・と後半はかなり酷い事を書きましたが、これが現実なので悪しからず。

ここで、ようやく画像の話が登場ですv
このマフラーは、Dax/シャリィ用として凄まじい価格で売られていたものです。
タバコ1カートンと同等なんですよv
デザインは初期型のノーマルをなぞっているので、レトロ志向の人にはたまりませんね。
しかも、「スチール(鉄)製なのに、フルチタン並みに軽量」というオマケ付き。

ようするに、板圧が薄いんです。しかも実用強度すら充分ではない程に。
もちろんエンジン特性なんて知ったこっちゃないって感じなのですが・・・・
じつはなかなか侮れないものがあるんですよ。(Eg仕様にもよりますが)
しかし「どう見ても、ショボイ」ってのが最大のウリなのは間違いないですv

これがまた丁度Egとの相性が良かったのと、装着しているバイクの改造コンセプトが
「溢れんばかりのチープさと、隠された高性能の両立」だったのです。(???)
簡単に言うと、同じ性能なら低コストの方が優秀ではないか、という考え方で、
昨今の4miniカスタムの豪華絢爛志向へのアンチテーゼなんですv

ただ、作りの粗暴さは如何ともしがたく、最初に付けたマフラーは内部隔壁が僅か一ヶ月で破断しました。
なのでこれは2本目なんですが、これまた走行中にエンドバッフルが脱落して行方不明。
爆音より全域トルク減の影響が大きく、当店でエンドバッフルを製作したのがこの写真の物なんです。

バッフルって言っても、実際はパイプ状の「笛」なんですけどね。
でも、この穴の開け方にノウハウがありまして、上手く作るとかなりパワーが出てしまったりします。

しかし、ただ単に性能が良くなっただけでは済まされないのがぶいぶいです。
「見た目の情けなさ」「何となく湧き上がってくる笑い」も重要。
なので、ふと思いついたアイディアがこの「中途半端な出具合」なんですよv
本来の姿はマフラーエンド部とツライチですし、もう少し長ければキャプトンマフラーみたいでカッコ良いです。
(このサイレンサー形状だと、正確にはトライアンフマフラーなのですが)

なんか、さかりのついた犬のチ●ポみたいですね〜〜〜〜@
その情熱的な雰囲気が、ミラクルパワー発生の源だと信じています。(実際とてもトルクが出ます)

だからと言って、この変態的な趣向は誰にでもお奨め出来る物ではありません。
このケースはオーナーさんが私と旧知の仲で、お互いの信頼関係があるからこそ成せる技なのです。
多分、普通の人には「余りにもカッコ悪い、というか変なので止めときな」って言うと思います。

しかし・・・過去、ホンダから出ていたCB125JX(JC09=後のモデル)の純正マフラーもこんな感じでしたね。
先っちょの辺りのデザインが中途半端で、かつ黒くしてあり、まるで包茎のようです・・・・・・。
どうしてこんな風にしたのかは判りませんが、他にも「どう見てもこれはカッコ悪いだろ」ってバイクは
色々ありましたからねぇ。

見た人が笑える、ウケの点でf私のはかな〜り優秀だと思いますよv


最後にマフラー選びのコツです。
まず、高性能とか色々望むものがあるのならば、情報収集は大事です。
良い製品ってのは結構評判が高くて、ちょっと調べるだけでもゾクゾクと出て来ます。
ただ、あまりにも偏った意見を鵜呑みにしてはいけません。あくまで「参考」に留めておいて
後は実践して評価を下すべきです。
・・・自分が納得できるまで、色々なマフラーを試してみる事が必要となります。

もうちょっと簡単に、かつ無難にって言うならば是非「ちょっぴり高めの製品」を選びましょう。
ブランドも大切ですよ。
ブランドってのは必ずしも高性能の証ではありませんが、昔から知られていたり良い評判の物ってのは
概ねハズレは少ないんです。
しかも、もし失敗しても転売して処分・資金回収の点も有利なんですv

もっとも良くない間違いは、「値段だけで選ぶ」こと。
安いのは安いなりの理由ってのがあるのです。
安くて良い物を求めるのはとても素晴らしい事だと思いますが、それは自己責任で。


材質やデザインでまずどんなのが良いかを決めて、それから予算に応じて買うものを選ぶってのが一般的な方法です。
もちろん最初からコレってのが決まっていれば、後は金の調達のみ考えれば良いです。

ちょっと愚痴になってしまいますが、この金の調達とか、どんな感じのが良いかの決定すら
他人任せって人が多くて閉口しますね。
現代人は病んでいるんでしょうか・・・・・。
得をしたければその分、自分で努力しなければならない。
こういう基本的なことから説明する事が多いんです。
一応マフラー交換ってのは、そもそも「余計な事」をわざわざするんですから、
面倒臭ければ別に無理してまでやらなくても良いんですよv

しかも、色々悩んでいる過程ってのは結構楽しい事なんですけどね。
一生懸命考えて悩んで、そして結果が得られればその楽しさは倍増します。
もっとも、一度味あわないと判んないかも知れませんけど。

●2008年07月22日(火)

やっと梅雨明けした様子でして、とても暑い日が続いています。


で、本日はちょいと食べ物のお話。
ジャンクフードの代名詞と言われている(?)、ヨシギューなんですが
この牛丼が家庭でも食べられるのだそうです。
確か昔ヤフオクで業務用の横流し品らしき、大きなのを売りさばいている方とかを見た事がありますが
これはれっきとした商品ですので、ちゃんと1食分のパックになっています。

こちら→吉野家冷凍牛丼の具 テレビショッピングのショップ島
ここも→吉野家|食品通販ならファミマ・フードパーク

30食入りで\9980-、15食入りだと\5250-なので、単価が
\332〜\350となりますね。
牛丼の並を店で食べると、一杯\380-ですからちょっぴり割高となりますが好きな時に食べられるのは嬉しい事です。
これが牛皿となると、お店では並が一杯\280-ですからね。

このようなテイクアウト商品ってのは、カレーのココイチなんかでは店頭販売しているので知っていたのですが
ヨシギューは「お弁当」として完成品での販売はしているものの、牛丼の素自体の店頭販売はしていないようです。
なので、通販で購入するしかないようです・・・・・。

レトルトかな?と思いきや、実は冷凍食品だったりするんですよ。
これは多分、想像するに「食感」を再現するためではないかと。
レトルトだとどうしても煮込み過ぎたような感じとなりますからね。

でも、私はあんまりヨシギューには行かないんです。(半年に1度位で良いのです)
理由はやはり、口に合わないから。
もちろん突然猛烈に食べたくなる事はありますし、若い時はちょくちょく夜遊びした時とか、昼食を急いで済ませたい時には重宝しました。
でも、やはり味が飽きやすいんですよね。
最近はほとんど食欲が無いので、牛丼は食べていませんです。
しかし人によっては既に中毒化しており、いつも食べていないと禁断症状(?)を呈するレベルになっていたりするので
良く判んないものです。
よくこのサイトを見ると、豚丼とか牛焼肉丼とかもラインナップにあります。

まぁこんなの金払ってまで食べる物なのかねぇ?と思う方もいるでしょうが、
多分、そういう人が正常ではないかとv

●2008年07月13日(日)

♪噂を信じちゃ いけないよ〜♪
・・・と、のっけから年齢を感じさせる唄なんですが、
世の中色々と不確定かつアヤシイ説とかが渦巻いているわけです。
さらに、バイクに関する薀蓄ともなれば凄まじい物がございますね。

という事で、またまたバイクのネタ。
久し振りにモンキー関連ですv

モンキーのEgに付いては、大まかに言って3種類があります。

まず第1として、一番旧い4gモンキー〜初代らっきょタンク(6V系)。
これは「2.6PS仕様」と呼ばれていますが、現在ではすでに程度の良い状態の物は少なくなっています。

第2に、6V電装なんだけど3.1PSになった物。
初代ゴールドモンキーがこのはしりで、モンキーが初めてマニュアルクラッチになりました。
これは後のタイプへの過渡期に当りますから、あまり数も多くはありませんが、
安く買って中を開けたらびっくらこいたってパターンが多々あります。

そして今回の真打とも言える、一番新しい12v系。
カムシャフト両端にボールベアリングが入った物で3.1PS。
実際ピストンもヘッドの燃焼室やバルブサイズも、一つ前のと同じなのです。
このタイプが現在最流通しておりメジャーになっています。

ただし。
古のモンキーブームなどで激しくEgチューンされて来たのは、やはり一番最初のタイプでして、
ホンダからレース専用パーツ(Y部品)とかも供給されていました。
シリンダヘッドを交換するタイプのボアアップキットも、この時代の70cc版をベースにしており、
それはホンダ純正の70/90ccに付いても同様で、基本的な燃焼室/バルブサイズは踏襲しております。

という事は、現在モンキーブームではあるものの、やってる事に付いてはかなり昔の物がベースとなっている訳です。
(もちろん細かい部分に付いては色々な改良等はありますよ。)

しかし、この保守的な流れの中にあってもポンっと革新的な手法が出て来たりもしています。
今をさかのぼる事13年位前ですが、ボアアップキットの画期的な製品が出ました。

私の記憶では、CF-POSH、デイトナ、SS-Jun辺りから「ノーマル50ccヘッドをそのまま流用したボアアップキット」がデビューしたのです。
当初は75cc/48φで、ビストン(とその付属品)+アルミ製シリンダーおよびガスケット類がセットになってて2万円弱。
それまではボアアップ=ヘッドも交換でしたから、7万円前後は必要だったのです。

当然、4サイクルエンジンの特性の鍵を握るヘッドが50ccの物ですからパワー的にもそれなりですし、
そもそも高回転が回らなくなりますからいくらファイナルで誤魔化してもそんなに最高速は上がりません。
ノーマル60km/h→せいぜい70〜75km/h位でしたね。
しかしコスト的にも安く済みますし、低速トルク増大で乗りやすくなりますし、
なんと言っても元々パワーは控え目ですから、エンジンの他の部分への負担が少ないというメリットがあります。
※それまでのボアアップキットは、クラッチとオイルポンプ等潤滑・冷却系も強化しなければなりませんでした。

ここに着目した私は、何とかしてこのお手軽キットで元気に走れる仕様が出来ないものかと考え、
カムシャフト交換&ポート加工をメインに手を加え、回らなかった高回転まで回せるようになりました。
すると、これまた普段乗りにうってつけの仕様なんですね。
競争すると負けてしまうけれど、走りを楽しめる最低限レベルのパワーは確保している。
ということであります。そしてコストも安くて長持ち。

未だに一元的な物の考え方しか出来ない可哀相な方も多いのですけど、
そもそもチューンナップを考えるに当って、「どう使うか」「何を求めるのか」そして「何を捨てるのか」は重要です。
所謂、目標の選定。
さらに、コスト。費用的な問題ですね。
理想実現の為には費用は惜しまない、という割り切りが出来るのなら別ですが、
それでも同じ結果を得られたと仮定して、よりコストが低く出来る=技術的に優秀であることには間違いありません。
お金を出さない分、手間隙と技術は惜しんではなりませんのでより難しいのですけどね。
色々な事情や都合とかを考えて行くと、とにかく難しいのです。

で。とりあえずの目標は「リミ解したスポーティーな原チャリ(スクーター)並み」の動力性能の実現です。
ベースマシンとして、ドカティM400の子供として購入したモンキーRと、友達の4gモンキー。
モンキーRに付いては、本来この車種は「豪華絢爛に」するのが主流でしたから
それに反して、徹底的にコストを掛けず、立派なパーツも使わずという方針で行きました。

実はもう一つの実験の意味もあったんです。
それはドカティM400にもジョカモト製540ccボアアップキットってのが出ていまして、
これも600cc版のボア径で、特殊仕様なピストンを用いております。
中免の壁ってのは結構厚いものでして、それを突破できる夢のような(?)イケナイ代物で怪しい魅力があるのです。
ただ、排気量は増えるものの果たしてヘッド周りは400ccのまんまんでまともなフィールで回るのだろうか?
と、そのような疑問がありましたから実験しようと思いました。
(そもそも400ccドカティ自体、元は350ccからの排気量拡大版・日本向け特別仕様ですから)

今ではどうだか知りませんが、当時はこのお手軽キットに対して否定的なものの見方をする人が殆どでして
自分でやってみてもいないのに「ありゃダメだ」と断言してしまうんですね。
当然、何がしかの根拠があってそういう結論を出す方もいるので「なぜ?」と突っ込んで聞いてみるのです。
すると大抵は「バルブが小さいから」とのお答え。

・・・それでは納得できないんですよ。
と言うのは確かに新型となったモンキーEgはとても小さなバルブになりましたから見た感じの印象はそれで良いのですが、
世の中のもっと大きい排気量のバイクのEgだからって、バルブサイズはそんなに大きくはありません。
単純に考えれば、カワサキのZ1(Z900RS)。
これはシリンダ一つ辺り225ccほどありますんで、49:225=約4.6となります。
でも吸気バルブを例にしても、49ccモンキーは19φ。でもZ1のバルブは4.6倍の87.4φもありません。
確かな寸法データは手元にありませんが、丁度2倍位の大きさです。
(ちなみにヨシムラのビッグバルブの径は39φです)

・・・という事は、必ずしも大きいとは言えないまでも、バルブサイズの大きさが75ccで回らない原因であるとは断言できないんじゃないかと。
もちろん、素直にその疑問をまたぶつけても、論理的な反証をしてくれる方はおりませんでした。
なので、後はバルブの開き具合をもっと大きく増やしてあげればイケるのではないかと思い、
さらに吸排のポートも加工してより積極的に高回転化してあげれば、失われる中低速トルクは増えた排気量トルクで相殺、
うまくいけばお釣りがくるのではないかと見当を付けた訳です。
そして、色々な試行錯誤の末、その通りの結果が得られましたv

ここでマフラーはともかくビッグキャブを採用しなかったのも、これまたお手本と言うか根拠がありまして、
そもそもホンダ純正の72/85ccってのはキャブは16φなんですよね。(モンキー49ccは13φ相当と言われている)
という事は、少なくとも16φキャブまでで充分な口径の大きさにはなるはずなのです。
実際、キャブが大きくなれば加速力は鋭くなるものの、結局燃費が比例して悪くなりますので
その当時簡単に入手できた最も小さなビッグキャブのケーヒンPC20は「でか過ぎ」と言う理由で使いたくなかったのです。
とりあえずキャブはノーマルで行きました。(その後XL80s純正キャブに交換しました。多分15〜17φ位だと思います)

ここで、ようやく最初の話に繋がる訳ですが・・・

とても元気良く走るモンキーRは私のお気に入りだったのですが、
自慢しても「だってモンキーRだからでしょ」という冷たい反応しかなかったのです。
じゃあモンキーR=速いバイク、な訳ですかぁ???
確かにカタチはスポーティーでいかにも走りそうなんですけど、実は「遅い」バイクなんですよ。
そりゃ当たり前ですね。4.5PSのスペックなんですがカブ系4サイクルには変わりありませんから。
(リミ解のみで、最高速は約65km/h程度ですv)

でも、このモンキーRってバイクは細かい部分の作りが結構凝りまくっていまして、
Eg内部パーツにしても、純正で4速トップギアのレシオがクロスしていたりとか(Jazzも同様)、
プライマリードリブンギアが薄く軽くなっていたりとか(省燃費仕様全盛期のカブも同様)、
さらにモンキーより弱いバルブスプリングが組み込まれていたりとか。(キッチリ9,500rpmでバルブサージングが来ますv)
給排気ポートも大きいですね。カムシャフトはカブ70/90のにソックリです。(多分、ほぼ一緒な仕様なのかも。)
カムシャフトはベースサークル(所謂、太さ)が大きいのでロッカーアームも旧2.6PSのと同じ物です。

それに加え、巷で囁かれていたのは「バルブが一回り大きい」という情報。
組んだ同時には計測しなかったので、今回修理するに当たりしっかり測りましたよ。
比較として'01年モデルのAB27モンキーのも用意しました。※写真参照
ちなみにモンキーRは初期型の方のです。

結果は・・・・確かに、吸気バルブの大きさが違います。
モンキーの19.0φに対して、モンキーRは20.0φ。

とてもセクシーなウエストバルブになっていたり、傘R角が大きく高回転型になっていたりもします。
排気バルブも微妙に傘R角が、吸気とは逆に小さくしてあったり、とにかく細かく違うのです。
この辺りの微妙な形状の差異は他車種との比較でも見られますが・・・。
噂は本当でした。モンキーRの吸気バルブは1mmでかいです。

こういう所に、ホンダの技術者の狂気を感じますね。
ちなみにモンキーRの方のバルブがピカピカに光っているのは私の仕業です。
本来の純正品はここまでにはなっておりません。

で、なぜ突然モンキーRの修理となったのかってのは・・・
先日のKSRがとりあえずシェイクダウンとなり、あとは冷却水ホース交換と、
露天のウンコのように固くひび割れしたタイヤを新しいのにするのですが、とりあえず現在完熟走行中モードで乗って頂いております。
それらのパーツも既に手配済み。
という事は一緒に遊んであげないと「実践データ」が取れませんのでその為もあります。
(XL80s@100もあるのですが、こちらは売り物なのですv 10.5万ですよ〜〜〜@)

さらにもう一つ。新しい挑戦として「50ccノーマルヘッドのベースで、どこまでイケるのか?」と言うテーマを掲げ、
前人未到のロングストローク・105cc化をして見ようと思いました。
元々75cc(47φx41.4mm)から88cc化(52φx41.4mm)したのですが、このお手軽キットも今ではすっかりメジャーとなりましたんで、
次は、105cc(52φx49.5mm)にもう一つステップを踏み出そうと。
多分これをやっている方はまだいないのではないでしょうか。

クランクシャフトは壊れてしまったので交換しなければならないのですが、
今までと同じ仕様で手堅く直そうと思っていたものの、それでは面白味はありません。
でも、無理があるパッケージングなのは明白だから正直どうしたものかとずーっと考えておりました。(約2年間)

しかし、先回の「4gアルミおにぎりモンキー/101cc」の凄まじいばかりの動力性能から
やはり冒険をしても、排気量増大の恩恵は絶大なので、是非やってみなければならないと決意いたしました!
やってやろうじゃないのさ。
(もし結果的にうまく行かなくても、またやり直せばイイんだからねv 私のは工賃タダですし。)

KSR-U「赤パイン」号のシェイクダウンで、2スト80ccの動力性能の良さに感激したのですが、(マジで速いゾ)
それと同時に、4ストマシンでこれに適う仕様は・・??と考えてしまいました。
やはり、88ccベースの仕様では難しいです。
ましてやノーマルヘッド改では尚更です。

まだまだ課題は山積みです。
Egパーツは用意済みですが、問題は吸排気系。
増えた排気量に対応できるかどうかは不明です。特に吸気側。
(改エアクリーナーボックス+XL80sキャブですから・・・)
もちろん車体やブレーキもメンテしなければなりませんが、そちらも既に部品は用意してあります。
交換作業に付いては、いつも通りマッハの勢いでやってしまえばそんなに時間は掛かりません。
とにかくナンバーも付いたままになっていますし、8月になれば丸2年放置プレーってコトなので
とにもかくにも、この機会に修理したいと思います。

という事で、丁度お客さんのEg修理のついでに自分のもサンドブラスト掛けましたv
まずはお客さんの方優先ではありますが、そちらの方も大体見通しが付いていますんで
同じ作業はまとめて、同時進行で行きたいと思います。

ここで、ちょっと訂正です。
モンキー(AB27)とモンキーR(AB22)の、排気バルブのサイズも違いました。
モンキーRの方がやはり大きいです。
特に、バルブシートとの接触面での大きさは直径で1mm位の違いがありますです。
排気バルブの大きさは、モンキーの16.0φに対して、モンキーRは17.0φ。です。
つまり、吸・排気バルブ共に、モンキーRのは1mmでかい事が確認されましたv




●2008年07月02日(水)

今回は、ステアリングステムのベアリングの話題です。
ちょくちょくバイクブログで見る形式でダラダラと綴ってみました。
約5千文字もありますが、はっきり言って読む人の事なんて全く考えていないですv


KSR-U「赤パインU」号ですが、そんなに走行距離がイッていないにも関わらず、
ハンドル中点とかで、カクッと引っ掛かりが発生しています。
当然ながらステアリングステムの軸受け部分損傷、と言う事で、一度分解チェックしました。

漢(オトコ)カワサキ、とは良く言ったものです。
なんと、当然あるはずのシールがありましぇんv
かなりステム軸は太くてコッツイのはとても良いのですが、タマタマは不釣合いなほど小さめ。
上下それぞれ23個ずつ入っています。

この辺りの造りだけではなく、足回り全般的にコストダウソの痕跡がチラホラ見えますねぇ。
どーせ小さいバイクだし、速度だって知れているからでしょぅか。
KSRはとてもカッコイイのですが、足回り周辺の造りに弱点を抱えているようです。

レースも結構キていますねぇ。替えたい所なんですが、一度組み直しにて様子を見ます。
この車種は、上側も下側も共通の大きさのタマタマなので、下に入っていたグループと、
上に入っていたグループを入れ替えて組むのです。
もちろん、完全に洗浄して磨耗をチェックし、新しいグリスをたっぷり付けて組み立てです。

感じとしてはまぁまぁ良好。
微妙にごくごく僅かな引っ掛かりは感じますが、実用上問題となるほどではないでしょう。
今回も修復予算が決まっているので、とりあえずコレで行きますv


だがしかし。

ここ最近は、なんか寝苦しくして仕方ないですね。
夜中にふと目がさめてしまいます・・・。
また寝違えてしまったのか、首が痛いです〜〜〜〜@
私は、交通事故の後遺症で首を痛めていますので、いわばウィークポイントになっているのです。


その時、ひらめいた!!

そうだ、首根っこが弱点ってのは、KSRも一緒なんだ!(←MMRキバヤシ風に)
これでは良くない。首根っこはハンドリングの要ですからね。
オーナーさんは、ド走る方なんで、誤魔化してはすぐ馬脚を現してしまいますし、
完璧なるチビバイクを目指しているので、ここは妥協してはイカン。
絶対にイカンのじゃあ〜〜〜〜@

と言う事で、写真をご覧いただいている通り、テーパーローラーベアリングの採用ですv


実は、個人的に言いますとテーパーローラーB/Gはあんまり使わないんです。
何でかって言うと、タマタマB/Gでは点接触なのが、ローラーだと線接触となりますんで
ちょっぴりステアリングの作動が重たくなり易いのです。
(もちろん組み付けの時のコツで、かなり解消できるレベルなんですが)
大体、高価ですからねぇ。

と言う事で、早速部品探しです。
RCエンジニアリングが最も有名ですから、まずはそこから探します。
「SSK125/81-5178」という品番で、\6,300-。
適合車種は次の通り。

AR50/80/125、KH100/125

・・・なんか、終わっていそうなバイクがずら〜っと並んでいますな。
しかしなんで、KS/KSRとKSR110が入っていないんでしょうか。
私的にはこれらはカワ重の小さいのの中では、メジャーな車種だと思うんですけどね。
特に、KSR110って現行じゃないですか。KSRだってまだ現役なんです。
入れ忘れたのかな?もしミスなら致命的ですよ〜〜〜@

ベアリング寸法は、次の通りです。
上側:25x46x11.6 下側:28x46x11.6 (mm)
ん〜変なサイズだv
もちろん、現車で確認済みですからバッチリ使用可能です。

でも、欠品みたいですね。この部品では良くある事なんで、仕方ないから他の所を探します。
なんちゃらMEとかいうKSRで有名なショップにありました。が・・・9975円だとぉ〜っ!!
ヲィヲィ、そりゃボリ過ぎでしょ。

でも、ちゃんと見つかりましたv
早速、注文したらすぐに届きましたよん。
ダストシールの付いていないタイプですので、耐久性って面では不利なのですが、まぁ由とします。


ご覧の通り、インナー側レースとコロ部分はくっ付いて一体型です。
アウターレースをフレームに打ち込むのですが、ここは結構コツがあるんです。
レースを歪めず真っ直ぐ奥までしっかり入れる必要があるので、力の加減が重要となります。
(良く、「難しいのでバイク屋さんに・・・」と言われています。しかし、私の場合、自分がバイク屋さんなので甘えられない・・・)
失敗すれば、確実にハンドリングに影響しますし、この大事なB/Gもパーです。(上下セットしかない)

とは言う物の、結構ノリノリで打ち込みしますv
古いレースはその辺にあった長いボルト(多分なんかのアクスルボルト)とハンマーですっ飛ばします。
勢い余って上側のレースは何処かに飛んでってしまいましたv
そしてフレーム内部をチョロッとキレイにして、レースが入る部分の寸法測定です。
これで、打ち込み具合をしっかり把握しますので重要なのですよ。
何処まで入ったのかが判らなければ、しっかり奥まで打ち込むことは適いませんからね。
(当然、無理な力をレースに加えればアウトですから)

打ち込みは、プレスまたは特殊工具での圧入する派と、トンカチで入れる派がいますが、
私は長年に渡りトンカチを愛用しております。
「ハンマーだとダメージがあるんじゃないか?」と言う方がいますが、これはナンセンス。
圧入でも大きな力を加える訳なので、ド真っ直ぐ入っていかなければ対象物は歪みますよ。
とにかく、対象物を傷めずに組み付けることが出来れば、方法はあまり重要ではなかったりします。

嵌め合いが固い場合、フレーム側をちょっと暖めてあげたり、CRCという名のローションを塗って挿入するのはHの時にも使えるテクニックですね。
で、無事めでたくイイ具合に取り付けが出来ましたv

・・・ここで、ひとつ。
実は、後々取り外しをすることを考えると、予めツメを引っ掛けるミゾをレースに作って置く加工をします。
写真の通りピッタリ収まりますから、そのまんまだと外す足がかりが無いのです。
ただ、私の所にはボロいながらも溶接機がございますから、それらの加工はしていません。
(外す時は、どうせ再利用しないからブリッジを溶接してしまいます。壊れたB/Gのアウターレース抜く時もこの方法です)

この時点で一度、仮組みをします。
ちゃんと真っ直ぐレースが入っていて、完璧に軸線がストレートになっているかどうかのチェック。
まだグリースは付けません。当然プリロードは掛けず、微妙にクリアランスがゼロになる位での仮組みです。
すーっとステアリング(アンダーブラケットだけだが)が動き、変に左右の端付近で重くなったりしないかを念入りに点検。
ん〜イイ感じv

後は、景気良くグリースをコロに塗り込んで、レース側にも塗り塗りします。
これはステアリングステムってのは作動範囲が限られていますから、回転によるグリス浸透ってのは期待できませんので、
ハミ出ても良いので沢山入れてあげるんです。
で、本組み立て。
ここが一番気を使う所でして、一度ちっょとプリロードを掛けて組み、上下をハンマーでコツコツと軽くドツいて馴染ませ、
それから一度ナットを緩めて、再度、良い具合の所まで締め込みます。
この位慎重にやんないと、後々動きがおかしくなりやすいのですよ。(だからテーパーローラーは、余り好きではないの)
「丁度良い感じ」ってのがかなり微妙でして、B/Gのクリアランスがゼロに限りなく近い、微妙なプリロードが掛かっている状態。
ホンの少し、作動に抵抗を感じるかどうかってトコなんです。(グリスの抵抗を除外して)
もちろん締め込み過ぎればステアリングは重くなりますし、緩ければクリアランスではなくガタとなってしまいます。
その境界がタマタマB/Gよりもかなりシビアなんですよね。
こればっかりは、経験を積んで感覚を掴まなければいけません。

たっぷり時間を掛けて、じっくり念入りに、ココしかないと言う所に調整したら、後はマッハの勢いで全ての部分の組み付けです。
トップブリッジを取り付けてしまえば後は安心。(もう、ステアリングステムB/Gのプリロードは変わらないから)
取り付けが完了したら、バイクのフロントを持ち上げたまま、またまた動きのチェックです。
前後に揺すってガタが無いか、上下はどうか、ステアリングの動きはどうか。
ん〜〜〜イイ、イイわぁv (←いつもこの時、オ姉さん言葉になるのが私の習性です。でもオカマじゃないよ)
最終的に、タイヤの下にダンボールとか敷いて、ハンドルを左右に切ってみたりします。

※ステアリングステムのテーパーローラーB/G組み込みの工賃は、大体¥8,000-位です。
 つまり部品代と合わせると、約1万5千円也。 結構高いんだな〜@


なぜ、これだけしつこく動きを確認するかって言いますと、「重要」だから。
ステアリング部分ってのはごく僅かな不具合が、物凄くハンドリングに影響するのです。
これはカッ飛び派の方ではなく、ごく普通に足としてバイクに乗られる方にも、例え無意識のうちにでもしっかり認識できるのです。
大体バイクの運転ってのは、元々カーブは怖い物なんですよ。
なので、少しでも安心してカーブで乗れれば、それはすごくバイクが楽しくなる事請け合いです。
ブレーキも勿論重要なのですが、それに負けず足回り、特にステアリング周りの動きは大事です。


ここまでやって、ようやくKSRの車体廻りが出来上がりましたv
フロントフォークのオイル交換&リセッティングもしたし、リヤサスのリンク廻りも手を入れたし。
フロントブレーキが貧弱と言われているんで、メッシュホースにもしたんですよ。
(実は、まだリヤのブレーキフルード交換が残っているんだが)
まだエンジンは載っていませんが、押し引きしたり、跨ってシコシコやったりすると、とってもイイ具合です。
入庫時点とは、雲泥の差がありますね。

テーパーローラーB/G化により、フロント周りの動きはしっかり正確になります。
こりゃかなりのコーナーワークが期待出来ますねぇ。
難点って言うか心残りは、やはりリヤサスのリンク廻り。少し動きに不安定感が感じられます。
もちろん、実用上問題になるレベルではありませんよ。あくまで、神経質に注目しての感じです。
カワ重伝統の「ユニトラック」なんですが・・・肝心の作動部軸受けが全て樹脂ブッシュなんですよね。(手抜き、だと思う)
良く似た足回りのホンダApe(プロリンク)は、車体側⇔スイングアーム側のレイアウトを反対にした構造なんですが、
こちらは部分的ではありますが、ちゃんと軸受けメタルになっていますし。
社外品でコロ軸受け化するパーツも出ていますから、これはシェイクダウンしてから採用するかどうか決めようと思います。
私、個人的には、是非手を入れたい部分ではありますが・・・・ダンパーとの兼ね合いもありますし、予算の都合もありますからね。
で、現行のKSR110なんですが、こっそり直押しに変更されていたりします。皮先セコイぞv
大体KSRでも最初の型にはスイングアームに「Uni-track」とイデカールがあったのに、最終型では無くなってたりしますんで、
多分私の思うに、ここの弱点はちゃんと判っていたんで捨てたかった、無かったコトにしたかったんではなかろうかと。
そもそも、ミニバイクにリンクサスの効能はあるのかどうかって言われれば、あんまり恩恵はない、が本当の所なんです。


今日はオーナーさんがみえなかったんで、今の所は私1人だけで楽しんでいますv
ん〜イイわぁ〜コレv


●2008年07月01日(火)

梅雨、まっさかりです〜〜〜〜@


ちょいとリヤサス注文分が入荷してきました。
カヤバのガスショック、MGS280ですv
昔からあるんですよ、コレ。

知らない方もいると思いますが、減衰力は3段階に調整が可能です。
サスが伸びきった状態で上のエンドアイ部分を回すと、「カチッ、カチッ」と90度毎に
クリックがありまして、弱→中→強と変わります。
(強→→弱、へは180度ありますので、感触で判断しなければなりません)

減衰力は左右共、同一にしておかなければすぐにサスが抜けてしまいますし、
足回りも歪んできますから重大事項なんですv

で、仕上げにサスを少しだけ縮め(20〜30mm)、目的の方向へエンドアイを回せば
減衰力調整がフリーの状態で向きを変えられる、という事となっています。


足回りパーツってのは、車体とのバランスも考えなきゃならないのですが、
一応、「高い物ほど良い」の法則が適合しますから、選ぶ時はケチらない方が良いですよ。
もっとも、ぶいぶいではもっと安価なオイルショックが主流となっていますv
実は、オイルサスだとハードに乗ると多少暴れたりする傾向があります。
(もっとも、かな〜りのハイペースでカッ飛んでいる場合ですから、先にタイヤとかにキてるんですがv)
もちろん、ガスショックの方が良いに決まっていますけど、オイルショックは手軽に買えるので
そのメリットはとても大きいです。
もちろん、フロント側との兼ね合いもあるんですけどね。
(リア側を欲張ると、相対的にフロントが負け気味に感じたりするようになり易い。)
純正サスで、なおかつ経たり切ってる物をそのまま使うよりも、タイ製のとかにした方がお奨めです。

で。
「ボクはそんなにスピード出さないから・・・」と言う方。
本当に、スピードを「出さない」のなら前述の通りオイルサスで良いのですが、
もし本心でスピードが怖くて「出せない」、かつハイグリップタイヤ欲しいよ〜って人には
是非是非、まずは良いショックへの換装をお奨めします。
うまく行くと、タイヤのグリップ性能を物凄く高めてくれるんです。
ただし、くれぐれもこのパーツは消耗品なので御注意を。
未来永劫に渡って使える物では基本的にありません。

ただ、丁度適合するバネレートの物ってのは意外と少ないですね。
大抵のガスショックってのは、バネレートが低い傾向があります。(何故だろ?)
反対にタイ製のとかは、全般的にハードレートになっているようです。
厨極製は・・・問題外なんですが、一応ダンパーの弱さをバネレートを強力にして誤魔化しているのが殆ど。
しかも、フリクションが凄く大きくてスムーズな作動性とはかけ離れていたりします。

ダンパー(減衰力)が効いているのと、動きが渋い・引っ掛かるのとでは、
実は押した感じは良く似ているのですが、実走行での動作では雲泥の違いです。

・・・バイクメーカーがコスト削減をしたがる部分でもあるんですよ。
大きな声では言えませんが、ほとんど欠陥みたいな足回りが付いている車種ってのも結構存在するんです。


もしかして、バネの下に付いている「イニシャル調整」を回すとバネが強くなる、と誤解している方はいるのでは??
これは、プリロード=初期荷重が変わるだけでして、バネ自体の特性は変わりませんよ。
サスペンションの動き始める荷重は変わりますが、動き出せば同じなんです。
ただ、これもいじると多少バイクの動きが変わり(姿勢変化により)ますんで
実験してみるのも良いと思います。

くれぐれも、足回りを「固める」という固定概念はサラッと払拭してからにして下さいね。
良い足回りの基本は「猫足」、つまり良く動く事が最も重要なので。


で、最後に一つだけ突っ込みを。
このMGSには「この1本で!!マシンが変わる」とありますが、
ツインショックなので2本要るんだよねぇ・・・・。

これは1本売りなんですが、サスを買う時はくれぐれも1本売りか2本セットか間違えないようにお願いしますv


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