2008年06月のコラム
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●2008年06月25日(水)

なんか知らないけれど、Eg整備の仕事ばかり立て続けに来ています。
カブ系の、クランクケースを分解してのアレコレがほとんどです。
結構ガスケットを在庫していたのですが、ついに尽きてしまい注文中です・・・・。


で。4ミニ食傷気味の私にとって救世主(?)となりうるのか、2サイクル車が来ましたv
わーい、わーいv久し振りですよ〜〜〜〜@

皮の先っぽKSR−Uが、放置プレー後にいきなりブン回して壊れてしまった物なのですが
一応セオリー通りにチェックを進めて行きます。
まずキックを手で降ろしてみると、ちと重くて引っ掛かります。
完全にEg内部に障害アリと判断して、腰上を車上にて分解の準備をします。
KSRはおミズなので(※水冷をぶいぶいではこう呼ぶ)、タレ(冷却水)を抜いてサクサクと頭を外します。
で、ピストンを上下させシリンダ内壁を見ますと、カジリはあるもののなんかピストンの動きは阻害されていない様子。
少し我慢汁(オイル)をくれてやっても、動きは変わらず、渋み&引っ掛かりが認められる。

・・・・こりゃ、腰下ですねぇ。
と言う事でシリンダとピストンをとっ外し、フラホのカバーも外して手でフラホを回して行くと
「ゴロゴロゴロ〜〜〜ギ・ギギ・・カツッ」。
ありゃりゃりゃりゃ。クランクB/G破損ですな。

魁!男塾の王大人のセリフで「死亡確認!」ってトコです。
またクランクか・・・・。

ワンターレンの死亡確認!は、つまり生き返る事が補償されてるんですよね。
なので、このKSR−Uもちゃんと直りますよんv
社外CDIとカーボンリードバルブまで付いてんですからね。


ここまでは、カブ系Egの呪縛・地獄のモンキーロードが一段楽して2スト車だったので
「2ストだもの。みつを」とか言いつつニコニコして作業していたのですが、
ここからは「2ストなのに」に変わって、以降感情チップをoffして作業します。

もっともモンゴリなんかよりEg降ろして分解するのは、スペースも広いし
構造的に「普通」なので楽なんですけどね。
(ちなみにカブ系ってのは意外と特殊な造りをしているのです。やってると判んないけど)

やはり、フラホ側のB/Gがボールの支持枠破損していました。
改めて「死亡確認!」です。
ちなみにピストンもカジってたんで交換。シリンダ壁のダメージは軽いので修正に決定。


あ、KSRのEgには一次バランサーが無いのですね。
ホンダのには付いているのに。(MB-5から。もちろんMBX,NS,NSRにも引き継がれています)

ヤマハはYSRの空冷2ストと、旧RZ系(〜DT50,TZR50まで)の四角いシリンダの水冷2ストにはありません。
まあるいシリンダのTZM/TZR-R系にはちゃんと付いてんですけどね。
スズキは・・・RG50Γ/TS系の水冷2ストにもやはり無いのです。
つまり、小さいクラスには一次バランサーは、排気デバイス同様「豪華装備」って事だったようで。

ちなみに、一次バランサーの効能は、クランクシャフトの一次振動をキャンセルしますので
スムーズに高回転まで回るEgとなります。
しかし、その反面、重りをぶん回すのでレスポンスは少々悪くなりますね。
なのでレース仕様なんかで取り外す仕様を選択した人も居たようです。
でも、どっちにするかは好みとかがはっきり分かれていたようで賛否両論あるのです。
私は、バランサーはあった方が良い派なんですけど。
元々無いんなら仕方ないですけどね。


一応念の為、クランクシャフトは芯出しする事にしました。
あと金額の概算を出してオーナーさんにok貰っていますから、部品注文リストを作らなきゃ。

で、シリンダは軽くポーティングしておきましょう。
もっとも鉄シリンダは加工するのが大変なんで、本日は片側だけ済ませます。
写真に映っているのの、右側部分のナイフエッジにしてあるのが加工済みでして、
反対側は手付かずです。
鋳物の感じとかはヤマハっぽいラフな物ですから、手を加えた効果は見込めます。

理由は特に無いのですが、久し振りに手スリでシコシコやりました。
いつもはエアリューターでやっちまうんですが、このバイクは作手の「手作り村」に遊びに行くのがメインなんですよ。
いわば、手造りの味ってのですね。真心込めて魂込めて精神注入します。

「夜な夜なシコシコポート」とでも名付けましょうか。
ちなみに、バイク本体の名前は「赤ぱいんU」ですv
2ストでパインパインさせて走る、赤いバイクなんで。


実は、2サイクルの修理車はもう一台あるのです。えぬえすわんです。
これまたEg掛からずなんですが・・・・圧縮がありませんね。
焼きつきの疑い濃厚です。火花は飛んでいるし、ガス与えてクランキングしても初爆が一切しません。
でかいキャブと妙なサイレンサが付いたマフラーのおかげだと思われますし、
車体その他のあちこちに突込み所満載なので、ちょっと金額出しに苦労しています。
もっとも親戚のコからの依頼なので、なんとかしてあげたいんですが・・・。

でも、一言、一言だけ気になるから言いたいな。
何で最近の若者の中では、ハンドル改造=大アツプハン、なのでしょう?
不思議で仕方ありません。
この極端なポジションでは前輪の感触/インフォメーションが希薄になりますし、
両手の操作系にも咄嗟の時に力が的確に伝わらず、運転するのに危険なんです。
店に来たヤンキー兄ちゃんみたいなコ達にも聞くんですが、「スタイルが良い」とか、
「腰が痛いんで・・」とかの答えしか帰って来ませんね。
腰痛は私も長年患っておりますが、むしろ前傾ポジションの方が楽ですよ。
ウインカーも上向いているし。訳が判らない・・・。

こういうのの修理は、本音を言いますと嫌々やる事になります。
いくらスピードを出そうが、ちゃんと運転できるマシンならば当然調子良く動いた方が良いに決まっていますが、
運転に支障をきたすような改造をしたバイクは、動かない方がむしろ本人にも世の中の為にも良いのかも?とか思うんです。

いわゆる「頑固親父のバイク屋」だったら、即効お断りって事になるんでしょうが・・・・
まぁビジネスはビジネスとして割り切ってやりますかな。
しかし、これはこれでお金が沢山掛かりそうですねぇ。
改造パーツの組み合わせ最悪ですから、修理してもまた壊れちゃうからノーマル部品も探さなきゃならないし
実際結論としていくら掛かるのかってのは判んなかったりします。
まぁエンジン部分のチェックをして原因特定をするのが先決ですか。


と言う事で、私は小さい水冷2ストに関しましてはホンダ派からカワサキ派になりましたv
まぁNチビでも持って来なきゃ、これは変わらないかな〜〜〜〜@

●2008年06月22日(日)

晩御飯・・・と言っても、ぶいぶいは夜中になってしまう時ばかりでして
必然的にその時間に空いているお店って事になります。

24時間やっていると言えば吉牛なんですが、残念な事にA*imaはあまり好きではありません。
まぁ半年に一回食べればいいな〜って感じです。

中華料理屋さんが結構お気に入りなんですが、そこはAM2:00まで。
それ以降となると、近所ではAM2:30までやってるラーメン屋さんがあります。
豊川市八幡町の「源ちゃんラーメン」です。

☆源ちゃんラーメンのサイト☆

ここは今時珍しく、老若男女を問わず幅広い年齢層に合った味ですね。
麺は細くて縮れており、シコシコツルツルした歯ごたえです。
スープは、「しょう油」「みそ」「白湯」「和風とんこつ」の4種類でして
その他に「台湾ラーメン」など辛口のもあります。
印象としては、寿がきやを思いっきり洗練した感じv
(思わず食後にソフトクリームをつい食べたくなるんですよ)


そんなこんなで、先日ちょっと大型バイクの車体関連トラブルで嵌まりこんでいたのですね。
低速走行で車体が不安定に振られると。
しかし私が乗ってもなかなか「コレだ!」という具体的な症状が確認出来ません。
元々こういう弱点はある訳でして、それが性格の範囲なのか、はたまた故障なのか。
そして直るものなのか否か。
不安定に振れるのは何となく判りましたが、オーナーさん達は口を揃えて「乗ってて怖い位」とおっしゃるのです。
でも、私自身はそこまでなのか??としか感じられない。(少し駆動力を与えると消失するんです)

なので一つずつ難点を潰して行く作戦にしました。
まず第一に気になったのは、トラクションが跳ぶ感じ。
アクセルをひねりEgがトルクを発生すると、心なしかワンテンポ車体の反応がズレるんです。
コーナーリング中もしかり。なのでラインの精度が安定せず大回り傾向となります。
ただしSS乗りの様にハンドルによっかかって乗ると、それは無くなりますから
原因としてリヤ廻りのガタと作動不良。
よって、スイングアームとリヤリンク周辺を完全分解して徹底的に見直しました。
(ちなみに最も疑わしいハブB/Gは前後共、とっくにチェック済みです。異常ナシ)

これでリヤ廻りはかなり改善されたのですが・・・・
肝心の「低速での不安定な振れ」は良くなりません。
乗っている方と私の差と言うのは体重位なものですが、それが問題となるほどではないはず。

で。
他の大仕事を夜なべしてするのに、腹ごしらえをしようと試し乗りがてらラーメンを食べに行きました。
姫街道を東へ向かうと、深夜にもかかわらずトラックが前に3台ほどいます。
なのでのんびりと後を付いて行き、道路の端っこに寄ると突然轍に乗り上げたんで
振られました。(タイヤが太いと大きく轍にハンドルをとられます)
しかし、その振られ方が問題です。
文字通り「バイクが暴れる」ようでずっと収束せず振られっ放しです。

こ、こ、これかぁ〜!判ったぞ〜〜〜〜@

はっきり症状と、その時のバイクの動きさえ判ってしまえばもう治ったも同然。
もちろんその日は前述の他の仕事をしなきゃなりませんが、それが終わったらやっつけようと決心しましたv

で、次の日。
フロント廻り全バラ、Egマウント総点検、Fホイールバランス取り(※簡易な方法で。設備が無いんです・・・)
足回りのセッティング見直し、を2時間で完了しテストラン。
やりましたよ、直りましたv
もちろん低速でのフラツキは元々性格として持っているのですが、振られ方が全然違います。
これならきっとオーナーさんも満足していただけると確信しましたv
苦節5年間。オーナーさんも私も何度と無く挑戦し敗れ続けて来たこの故障。
ようやく、完了です。

ここまで手こずったのが直ったのは、やはりラーメンのおかげ。
なので次の日の最終走行チェック(コーナーリング特性テスト)のためと、
また昨日と同じ状況を再現すべく、またまたラーメンを食べに行きました。
もちろん、轍に乗り上げましたが全然大丈夫。振られてもすぐ収束しますv
嬉しくて、ラーメン他サイドメニューを激食しましたよん。
でラーメン屋さんが閉店時間となってしまいましたんで外に出るとそのラーメン屋の大将が外でまったりしています。

その時、その大将が私の名前を呼ぶんです。
「えっ?誰だっけ?? こんなイカツイ怖そうな顔の人って知り合いに居たっけか?」
なので「ゴメン、あんた誰よ?」って聞いたら苗字を言ってくれたんですぐ下の名前まで判りました。
中学の時の同級生で、その時将来の夢として「料理人になるんだ」と熱く語った、その人です。
初志貫徹して、とても美味しいラーメンを作ってるんだな〜と感心してしまいましたv
(マジで知り合いの店とは知らなくて、ただ美味しい見事な味だと以前から思ってたのよ)
それが、源ちゃんラーメンです。

ラーメン店主は、難物攻略できたおかげだってのは知らないでしょうけど
私にとって「幸せを呼ぶラーメン」なんですよv
(ちなみに大型バイクのオーナーさんも大喜びしていましたから、皆に幸福を与えているのさ)
ちなみにその次の日もまた行きました。3日連続ですv

なんか料理漫画みたいな結末ですねぇ。


ラーメンの話に戻ります。
今では「とんこつ」が流行りなのか、何処に行ってもとんこつとんこつです。
私としては正直辟易しますし、一番味にごまかしが効くのもとんこつなんです。
(美味しく作ろうとするのは難しいけど、マズく無い程度なら最も簡単)
またラーメン作りは趣味趣向ではなく、ちゃんと仕事商品として通用しなければならないんですが
世の中作り手の独りよがりなのが多い事。
そもそもラーメンは「食事」と言うよりむしろ「軽食」「おやつ」としての気軽さは絶対に外せませんね。
テレビなどで「ラーメン道」とかやっていますが、アノ手の店で美味しかった試しがありません。

ようするに大衆食であるラーメンなら、好みはあっても誰にでも受け入れられる味でなくてはダメだと思うんです。
とんこつラーメンは、くどくてコッテリしてて苦手だなーって人にも美味しく食べられなければいけないのに
それがおざなりにされてるケースが殆ど。
ある意味、良いとんこつの指標として寿がきやの味が私の基準としてあるんです。
(子供にも喜んで食べられる、優しい味ですからね。)

それと最もやってはいけない事。
何処何処産の材料を使っています、と謳うことです。
「あのな〜、だからどうしたってんだよ〜」と言いたくなりますね。
有り難がれとでも?フフン、馬鹿馬鹿しい。
美味しいか否か、それだけですよ。
さらにその有り難い材料を使って美味しくも何とも無ければ、ようするに作ってる人の腕が並外れてヘタって事なんです。
何処産のだから美味しい、ではなくて、美味しかったんで気が付いたら何処産だった、が正解なんです。
(ちなみに大衆食を弄り回して高級料理化するのも間違いだと思います。
高級な食事をしたいならそもそも大衆メニューなんぞ喰わないぞv)

しかしおやつと言っても、料理の基本が出来ていなければやはり美味しくは作れない訳でして、
私としてはちゃんとした「料理人」が作っているかどうかが、ラーメンの評価に繋がります。
なので、やたらとサイドメニューを注文するんですよ。
(かなり料理人としてのレベルが判りやすいんです)
基礎がしっかりしていなきゃダメダメv


こうやって、美味しい、お見事って評価を出したのが、まさか知り合いの店だったとは。
しかし・・・看板に書いてあるんだが、大将って「頑固親父」なのかい?
私にはどうしても、真面目でがんばり屋さんなんだが、凄くひょうきんなヤツだった思い出しかないんですけどね。

まぁお互い夜中まで働いてんだが、体には気をつけましょう。

●2008年06月20日(金)

雨降りです・・・・時期的に梅雨だから仕方ないですけどね。

ここんとこ、カブ系横型Egの修理ばかりです。
ぶいぶいはなんか、モンゴリ専門店って思われているようですが
実はそういう訳ではありませんv

何でもやるんです。たまたま個人的にカブ系は好きなんですけど、
いわゆる改造Egに付いては、組み方だけではなく、パーツの組み合わせや
高馬力が得られる反面、抱えるリスクってのを了解していなければなりませんので
軽い考えで手を出すべきではありません。
じっくり作戦を練った上で、充分予算を用意してから取り掛かるべきでしょう。
(変な所を妥協すると、決して良い結果は得られませんよ)

最も悪いパターンは、完成後の全体像をイメージせず、部品単品だけを見て
「この凄い部品を付ければ速くなる」とか思い込んでしまい、目的が「部品取り付け」になってしまう事です。
凄いパーツってのは確かに魅力的なのですが、他の部分との兼ね合いがありますし、
そもそも現在の状態や要望(不満な点、良い点双方)を良く理解していなければ使えないのです。

とは言う物の、すっかり舞い上がってしまっているお客様に何を言ってもほとんど聞いていただけませんので
あまりにも無茶な要望なら、お断りしたりする場合もあります。
大抵、少し冷却期間を置けば冷静になつて頂けるのですけどね。

「うんうん、そーだねー」と、他人事だと思っているアナタ。
自分がいざその立場に置かれた場合には他の人よりも酷く突っ走ってしまうんですよ!
(何人もそう言うケースを見て来ています。)


昨日は、夜中までシコシコと4Lモンキーを直していました。
これはお客様が独力でレストアに挑戦されてほぼ出来上がったのですが・・・・
残念なことに、Egの調子がよろしくない。
Eg自体は何処からか調達して来た物で、詳細仕様は良く判らないとの事。

外から見た感じでは、シリンダは鉄で純正部品なのですが、排気量の刻印が削り落としてある点と、
少しばかりフィンが大きめな様なので、これは72ccのでは無いかと思われます。
ただヘッドに関しては、4L純正オリジナルな様子。(外観からは判断出来ないのですが)
試しにEgを掛けていただいたら、排気音が少しばかり低め。
そして回転が全域に渡り不安定です。

これは、多分良くある「純正70cc流用仕様」だが、ヘッドは50cc用のまんまの「やっつけ状態」なのでしょうな。
47φピストンの頭はでかいので、50cc純正ヘッドでは上死点で当ってしまいます。
それを避けるべく、ピストンの頭か燃焼室のどちらかを削ってあるのでしょう。
するとスキッシュエリアがぐちゃぐちゃとなりますから、燃焼が物凄く不安定となり、調子が出ません。

よーく見ると、ヘッドナットの位置とかヘッドカバーの向きが間違っています。
こういうショボイ間違いをする=初心者が組んだ=信用できない、と判断して
お客様には分解しての仕様解析を行ってからの修復作戦検討という事としました。

キャブ調整だけで何とか、という御要望は却下しました。ダメな奴は何をやってもダメですし、
原因の根本的な部分を解決しない限り直りません。
もっとも、悪徳ショップならば知らん顔してキャブを弄繰り回した挙句にその工賃をもプラスして請求しちゃうんですけどね。

お客様が「やれ」と言った事はやるべき、という考えはそれもアリですが、
それには店がやった事には請求書が必ず付いて来るという事を忘れてはいけません。
それが例え結果が伴わなくてもです。
(結果を出す責任を店が負うならば、全ての判断をさせてもらわなければダメなのです)


で、分解してみたら、やはり。
72cc用のシリンダ&ピストンが出てきたのですが、ヘッドは50cc純正。
スキッシュ部分をぐちゃぐちゃに削ってありますし、バルブが干渉した痕跡までありますね。
つまり、このヘッドは使えません。ゴミ決定!
全鉄燃焼室ででかい直角ポートの、すごく良いヘッドなんですが・・・・残念です。

結局、純正72cc腰上仕様ってコトで、70ccヘッド相当品をくっ付けることとしました。
ようは、社外品のボアアップヘッドなんですけどね。(早矢仕の中古品です)
カムとかは欲張らずに、普通の物を入れます。
旧型Egの場合だと、意外と組み合わせによっては50cc用ノーマルカムの方が良い性格のEgフィールとなったりするんですよ。

※中古ボアアップヘッドに付いては、本来販売しません。

私のコレクション用としてはありますが・・・。
ただ、お客様が値切ったりケチッたりしない良い方だったのと、
やはり私の琴線に触れる「'74年式Z50J/初代4Lモンキー」だったのもあって例外として出しました。
中古パーツってのは自己責任に於いて使う物です。
他人に責任をおっ被せて自分だけ美味しい思いをしようなんて、あつかましいですよ!
もちろんリスクを転嫁するならば、その分値段は高くなるのが当然です。
(ちょくちょく勘違いされている方が御来店されますが、丁重にお断りしています。
あまり粘っこい方は相手にしませんし、デッドラインを超えれば即お帰り願っています。
バイクに対しての愛情が濃い方には滅法弱いんですけどねv
金で愛は買えないと言いますが、「お金を出してあげる」のも愛情表現の一種だと思うんですよ。)


で。
年代物のEgは、ガスケットが固着してて取り除くのに結構手間と時間が掛かりますので
気長に作業しなければなりません。
なので誰も居ない深夜の方が、作業に集中できたりします。

やっとこさ腰上部分の組み付けまで完了したので、キャブやマフラーなどは後にして作業終了です。
(途中、スクーターの修理が一件入って来たのでちょっと遅くなりましたv)
何となく、良い感じですね。
Eg回すのが楽しみですv


そう言えば、その前にベンリィちゃんの修理もしていました。
調子良く稼動するのですが、何か異音がしていて、クラッチ操作で変化します。
「イオンあり絶好調!」って感じなのですが、すんごく気になるとのこと。
クラッチ部分の修理かな〜と思ったのですがバラしてチェックした所、多少の経たりはある物の、無事。

実際、もっと事態は深刻でした。
クランクシャフトとクランクケースの勘合部分のクリアランスが過大で、
クランクシャフトが左右方向にズレるんです。
これではカムチェーン廻りにも負担が掛かりますし、ゆくゆくはクランクが壊れてしまいます。(過去1度ブローしてます)
クランクケースとクランクシャフトを交換しなければなりませんが、
大修理なのでお客さんは大変です。

でもベンリィちゃんと同じケースをスーパーカブに使われてて(モンゴリダックスは別物です)、
確かどこかにカブの腰下があったはずなので、探し出しましたv
丁度欲しい、ケースとクランクはとても程度良好です。
ミッションのカウンターシャフトB/Gが壊れてますが、B/G本体だけ破損していてレース収納部分は無事です。
早速、分解・洗浄して隅々までチェックし、ガスケットも剥がして準備をしておきました。
明日にでもお見積もりを出して、お客様に相談してみようかと思います。
高額修理なので、もし決めてくれたらストックしてある秘蔵の「C90純正マフラー」をオマケすることにしようっと。
エキパイが太いので、75cc仕様とのマッチングは良いと思われるのですv
ちょっとだけ、取り付けに工夫が必要なんですけどね。
(いつももっと大変な作業をしてるんで、そん位は屁でも無いんだが)


・・・・また、クランクシャフト廻りの作業か。
何か、ウチ(ぶいぶい)ってすっかりモンキー屋になっちまったようです。
やたらとケース全バラする作業が多いな〜〜〜〜@


今日の作業を終了して、一服しつつくつろいでいたら、仔猫が入って来ました。
マジでちっこいです。黒/白のブチで、可愛い目をしています。
「やぁ!」って挨拶したら、ビックリしたのか恥ずかしがったのか、行っちゃいましたv
お家が無いのなら、私が飼ってあげるんですけどねぇ。
(ちなみに自宅では、親が猫嫌いなので飼えません。私は生き物は大好きなんですけど・・・)

もし飼ったとしたら、名前は「ポチ」ですよんv
(ちなみに犬なら「たま」です。)
こう言う所が、ぶいぶいなんです〜〜〜〜@


画像の説明です。
まぁ何の脈絡も無いのですけど、最近のぶいぶいのトレンドとして、
ニュートラルランプを高輝度LED化してステアリングステムナットに仕込む、ってのがあります。
写真の緑色の矢印の先っちょに、判りにくいですがポッチがありますね。
これが、ニュートラルランプです。
実は欲張って5000mcdという超々高輝度のLEDを買って来ちゃいましたから、フルパワーで点灯させるとエライことになります。
まぶし過ぎて何も見えなくなっちまうんです。
なので、かなり電流を絞り込んで明るさを抑えています。
(でも結構明るいです。日中、直射日光の下でも確認できる位。夜間は少し明る過ぎるかな?)
ギヤがニュートラルに入って光れば、ランプが何処にあるのか知らなくてもちゃんと判るので
こういう「隠しキャラ」みたいな取り付けでも大丈夫です。

さらにハンドルロック一体型メインキー化と併せて行うと、ご覧の通りメーター周辺がとてもすっきりします。
ミニバイクだと、この辺りのスペースが狭く、相対的にメーター等がでかくなりますから
他の物を可能な限り廃止するか、コンパクト化するのが良いのです。
走っている時、常に目に入る部分なのでココはしっかり作り込みをして末永く楽しむのがコツなんです。

このゴリラさんに付いているハンドルは何?って良く聞かれますが、
これは武川のバットスタイルハンドルって商品です。
特徴的な形状と、モンキー/ゴリラに併せた大きさで、8インチ仕様にはとても良く似合います。


モンゴリはブームも終わりかなと思いきや、相変わらず人気ですね。
そのおかげで、ちょっと高いってのが難点です。
ただ、気軽に乗るのは良いのですが、改造などはくれぐれも気軽にしないで下さい。
小さくておもちゃみたいなバイクですが、れっきとした「オートバイ」なのです。
ましてや改造ともなれば、結構本格的な部分のチューンとなりやすいので
しっかり頭を働かせて、ちゃんとやんなければダメダメですよ〜〜〜〜〜@

●2008年06月17日(火)

私はコーヒーが大好き、というか既に中毒の域に入っておりまして、
実生活ではお茶はほとんど飲まずにコーヒーばかりです。
ご飯を食べる時もコーヒーなのですが、さすがに外ではそういうのをやらないようにしています。
今日の晩御飯は、お寿司と・・・・やはりコーヒー。

コンビニで買って来るのですが、最近はちょっぴり高めですが色々な種類のコーヒー飲料が増えてきて
選ぶ楽しみってのもまた沢山出来ました。
元々あまり甘くない、ストレート系のが好きなのですが、ブラックで飲む場合に
豆を含めてコーヒー自体の味が出て来ますから、あまり安く仕立てたのは美味しくありません。
ちょっぴり高いのだと、そういうコスト的な縛りも緩いためか、そこそこ良い物もあったりします。


しかし・・・・これ、何か変だぞ。

画像にある、AGFの「Blendy 香るブラック」なのですが、続いて「甘さひかえめ」となっています。
え!?ブラックで甘さ控え目ってどーゆーコトなんだ!?

コーヒーを飲む時のブラックと言うのは、普通砂糖やミルクが入っていない状態の事ですね。
という事は甘さに付いて語ろうとしても、コーヒー本来の味としては主に「苦味」「酸味」のバランスに付いて云々する訳でして、
深く追求すると、そこに「渋み」、さらに「香味」という要素が入って来るのです。
という事は、常識的に「甘み」が介在する余地はまずありません。

およ?って思って、原材料名表示を見ると次の通りです。
コーヒー、甘味料(スクアロース、アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物)
なぬっ!?「甘味料」だとぉ〜〜〜っ!!
甘味料が入っていたら、ブラックの定義から外れるじゃないのさ。

で、疑問に思ったら早速メーカーサイトのチェックです。
Blendy : 商品情報 : AGF 香るブラック
この商品紹介のトップページのコピーからして、多分こいつらはブラックコーヒーって何なのか判っちゃあいないぞ。
色々なゴタクが並んでいるのですが、読んでいった正直な感想として、
これ、医薬品?としか思えません。

私の想像するに、以前問題となったあるある商法と言うか、
「お前さんは体の事よりまずその頭の悪い方を何とかした方が良いんじゃねぇか」みたいな方々をターゲットにした、
その手の商品のようです。
甘くなきゃ飲めないってんならブラックで飲まなきゃ良い。それだけの事であります。
ブラックで飲めるとエライ訳ではありませんし、コーヒーの種類によっては砂糖やミルクなどとの組み合わせで素晴らしい味わいを発揮する物もあるのです。
(コーヒー通はブラックで、という決め付けは間違いですよ)

元々味の素ゼネラルフーズってのは胡散臭い商品ばかり作ってるんで驚く事ではないのですが、
ここまで露骨におバカっぷりを堂々と晒すと、とても不愉快ですな。
薬事法の絡みで効能こそ謳ってはいませんが(何々に効く、と言うと薬事法の制限を受けます)、
「体脂肪が気になる方に」というグレーな表現がされています。
はっきり言って、セコいです。
甘い物が好きなのに辞められないって方向けなら、そもそもブラックコーヒーは関係ありません。
つまり、自分で物事を考える力のない人向けみたいな雰囲気がプンプンしてるのです。


と散々けなしましたが、ここまではとりあえずの第一印象としての正直な気持ちです。
「でも、ひょっとしたら」という可能性を否定してしまっては良くありませんからね。

で、プラックの定義の件。

メーカーの説明の中に、「コーヒー豆マンノオリゴ糖」とあります。
これは何かと言うと、コーヒーを抽出した後に残る出しガラに含まれる「マンナン(マンノ、はここから由来)」、
つまりコンニャクなどで語られる繊維質の性質を持った物質の事なのですが、
そこから加工して得られるオリゴ糖でして、人間がほとんど消化・吸収できませんからカロリーにはなりません。
ただ、腸内細菌を活性化するなどの働きがありますんでお通じが良くなるそうです。
(ちゃんと商品にも「〜お腹が緩くなることがあります」と書いてあります)

多分、メーカーとしては元々コーヒー豆からの物だから、コーヒー豆100%=ブラックである、と言いたいのかも知れません。
・・・でもこの会社の主力製品は「砂糖キビから味の素は作られています」ですから
味の素を食べる=砂糖を食べている→太るということにはなりませんので、それは無いでしょうね。

もう一つ。
ブラックコーヒーの定義ですが、先ほどのはあくまで日本での常識です。
外国では、ミルクが入っていない、黒色のままならば砂糖を入れてもブラックで通用する所もあります。
だから間違いとは言えないのではないのかと。
・・・ならば、ちゃんとどこかにそう謳っていなければなりませんな。
そもそも、こういうブラックの定義ってのは私のようなヒマ人でコーヒーマニア位しか知られていませんから。



で、で。買って飲んでみました。
評価は、★☆☆☆☆以下。マズっ。
やはり小手先でいろいろこねくり回してインチキ臭のする商品なんてこんな物です。
30缶1ケース\1000-程度で安売りしている缶コーヒーと同じレベル。
もちろんこれは好みの問題ではなくて質の話ですよ。
まぁ無駄金使ってしまいましたが、ちゃんとお金出して実際に試しての批評ですし、
このコラムのネタ(毒舌)にもなったからまぁいいゃってコトでしょうか。


今日、お客さんとリッタークラスの大型バイクの話をしていたのですが、
(実は最近ぶいぶいは、ちょっぴり臨時のビッグバイクブームなのです)
そもそもリッターバイクってのは常識を外れた所にある乗り物だと思うので、
それを乗ろうってんならある程度覚悟を持って乗るべきだと私は思うのです。
しかし、現在のリッターバイクはとても扱いやすく作ってありますから実際誰にでも乗れるのです。
もちろんこれは時代の流れと技術の進歩のなせるワザで正しいんだとは思うんですけど・・・・
しかし。見栄を張りたいだけならイザ知らず、元々こんな物だって軽く考えて技量不足の人が乗るってのは
危険を知らないだけで、実際とても危険極まりない事でしょうね。
このクラスはどうデチューンしても、簡単にスピードが出てしまいますから・・・・。
そして、そのスピード感をも抑えてあるのです。
ライダーの自制心をアテに出来ていた時代はとっくに過ぎています。

やはり、本質は大事ですから、それなりの手ごわさってのは演出としてでも必要ではないでしょうか。
転んだりぶつかったり倒してみて初めて、「やっぱり大型バイクは違うな〜」と思っても手遅れなのです。
なのでちょっと調子付いて走り、一線を越えると危ない挙動の兆候を示す、
いわゆる「きわどい」味付けの大型バイクってのもまた、正しいんだと思うのです。
もちろん基本性能がお話にならないほど低過ぎるのはダメですけどね。


この辺りは、「甘さ控え目のブラックコーヒー」に通じる部分がありますんで
やはり、この変なコーヒー飲料もアリ、なのかも知れません。
ちょっぴり考えさせられ、ホロ苦いコーヒーでした。

●2008年06月10日(火)

下のコラムにも書きましたが、今年度のテーマを忘れて更新サボってましたv
そして定番となりつつある、辻褄合わせの長文コラム発射!

ちなみに、データ量は約12KB/6,000文字あります。


その代わりと言っては何ですが、こっちはまたまた恒例の「小ネタ」短文コラムです。
インパクトのある画像でどど〜んってブチかまして、投げっ放しですよv
面倒臭がり屋さんや忙しい方には最適ですね。


ちなみに解説。
このピストンは、キタコ:ウルトラSE115cc/Ape100他用の物です。
故障によりクランクシャフトを交換しつつ、トップギヤをクロス化して組み立て作業をしていたのですが、
これから腰上部分を組む工程でふと沸いて出てきたのがこのネタ。

いやいやいや、おバカッぷりフルスロットルですな。
「今時の中学生でも、こんな事しねーぞ!」と怒られそうです。
でもボクは悪くない。悪いのはキタコがこんなマーキングするからだ。
キタコ劇場・番外編ってことなんだよ〜〜〜〜@
注:キタコ劇場とは、キタコのカタログにもある名物コーナーの事です。
サイトにも公開されているので左のリンクを辿ればご覧いただけますよv



手で隠していて見えない部分がありますが、上段は「SE115」の仕様識別で、
下のは「EX」という排気側の、向きの表示になってますv


だって・・・作業はこのEgのオーナーさんが真剣に見てんだもん。
慣れているとは言え、こういうシチュエーションは緊張するんですよー。
なので、このシモネタを一発かましてオーナーさんを脱力させ、こっちはその隙にバッチリ作業を完了しましたv
おまけとして、このノリがEgにも伝染したのか、とっても良いフィールで回る仕上がりとなりましたです。
良かった、良かったv


●2008年06月09日(月)

今年度こそは、マジメにコツコツとブログを更新しようと思っていたのに・・・・。
気が付いたら、月が変わっていましたよ。ョョョョ
なぜかと言うと、ここ最近カスタム車両製作とか電気関係の大掛かりなのとか立て込んでいたからなのです。

それと、ビギナーライダーさんへの啓蒙活動とかも。


啓蒙って何ぞや?
ボヤキや愚痴にならないように気を付けて書こうと思いますが、いわゆる「バイクの楽しみ方教室」です。
バイクの楽しみってのは、人によってそれぞれ色んなのがあると思いますし、こうでなければならないってのはありません。
青春と命を賭けてスピードの向こう側(?)を追求するのも、旅行(ツーリング)のお供としてでも、
愚民共からの羨望の眼差しを集め(見栄を張る、とも言う)る手段としても、仲間とワイワイやる為のキッカケとしても、
はたまた生活の足としてだけでも何でも良いのです。

ただ、私個人的な考えとしては「バイクで無理をしてはいけない」が絶対条件だと思うんですよ。
運転は勿論の事、ただの自己主張の為のツールとしてでもです。
無理してスピードを出したり乱暴な運転をすれば事故を起こしてケガをしますし、
ハッタリをかまし知ったか振りをし過ぎれば、人間関係を壊します。
つくづく、バイクはリスク負担が大きい物なんだなーと思いますね。

しかし、中にはバイクの楽しみ方が判らない・見つからない、または誤解してしまっている方ってのが結構いるのですよ。
そういう方へは、「ぶいぶい教徒」として洗脳してしまえ・・・という押し付けはしませんが、
気軽に楽しく乗れるように、きっかけ作りのお手伝いをさせていただこうと思ってるのです。
(なかなか、それが難しいんですけどね)

もっとも、バイクを楽しむためにはそれなりの努力は必要です。
クルマほどではないけれどお金は掛かるし、運転もコツを掴むまでは難しい部分もあります。
それらを乗り越えてこそ得られる物が、バイクの楽しみなんですわ。
もちろん努力するのと無理するのは、似ているけれど違います。



で、堅い話はおいといて。
写真のモンキーちゃんは、最新作のです。
かなり以前から構想を練っていた物で、テーマとして「バトル も 
出来るぜ高級仕様」。
ベースモデルはもちろん私の一番大好きなZ50J/J1・通称4リットルモンキーです。
1974年〜1977年のモデルですね。
ぶいぶいでは、「おにぎりモンキー」と呼んでいますv
(ちなみに新しい方は「らっきょモンキー」、大昔のノーサスのは「かまぼこモンキー」です)

実際、今ではこのモデルが一番苦労するんです。
部品も出回っていませんし、あっても程度が悪かったり値段が高かったり。
ふた昔前まではその辺に転がってるモンキーの代名詞だったんですけどね。
(私の乗ってるのは当時店売りで5〜6万、個人売買で2〜3万で入手できたんです。知り合いから貰えたりもしました)
でも、重ねて言いますが私の中ではモンキーの真髄と言えば、このおにぎりモンキーなのです。

オーナーさんに明細を書け書けと言われていますけれど、実は余りにも懲りすぎてどう書いてよいのやらって状態です。
(ゴメンよ・・・忘れている訳ではないんです。)


車体全体としては、モンキー本来の「コンパクトさ」を重視しています。
大きくしてしまうとエイプとかとかち合いますからね。
それと、ぶいぶいお気に入りのベーツライト仕様。
これはホンダ・レブル(250アメリカン)からの流用です。
社外品は配光とか照度で満足できるのが中々ありませんから、純正流用が一番良いのです。
ただ電球が「PH8ハロゲン」なのでちょっと高いですv
シートは純正形状の社外品です。枕みたいな形は実用性も高いのですよ。
(ちなみに定番はTLシートですが、アレは見た目は良いけど乗るとヒザの曲がりがきつくて・・・・)
ちょっぴりアメリカ〜ナv的な雰囲気も出しています。
そもそもモチーフは、ハーレーのスポーツスターですからね。

エンジンは、カプ90腰上ベースの、タイカブ100EXピストン(+1.00mmオーバーサイズ)で101ccです。
何でオーバーサイズピストンなのかって言いますと、タイカブは100ccと言いつつ実際の排気量は97ccなのですよ。
排気量3桁かどうかってのがイメージとしては大事なんです。
+0.75mmOSを使えば実排気量が100.13ccとなるのでいいじゃんってなるのですが、
魂の汚れきった私の判断では、それではダメ。
だってそれでは四捨五入してヒャクって言ってんじゃないの?と意地悪な事言われる可能性がありますからね。
なので、予防線として有無を言わせず3桁だぞ〜っと説得力のあるこのピストンにしたのですv
実際Eg出力や特性的には変わんないと思いますけどね。
むしろシリンダー端の厚みに余裕がある97cc仕様の方が有利かも?
内燃機屋さんイジメにもなりましたから。(その分、余計に料金払ってます)
ハイカムも入れていますが、これは高回転出力向上目的ではなくて、中低速トルク特性をマイルドにしたかったから。
だって、発進でサオ立ちになってしまいやすいとドライバービリティーが悪いからね。
でも、結果的に12,000rpm超のすごい回るEgとなってしまいましたv

腰下は6vゴリラベース。
純正流用4速フルクロスミッションも入れてます。
既存Egからの改造では費用的に躊躇するのですが、イチから作ったコンプリートエンジンゆえ当然の如く採用。
電装はジェネレータから12vCDIなのですが、クランクケース剛性の点で旧型ベースにしたかったんですよ。
どうしてもロングストローククランクは振動が大きくなりますからね。
もちろんクロモリ製のシリンダスタッドボルトも使っていますし、クランクの芯出しもしています。
これらが奏して、振動も少なくスムーズに回る良いEgとなりました。

オイルクーラーは大きなのが付いていますが、これは見栄えの点でタケガワのになりました。
やっぱり、余りにも地味路線では寂しいですからね。
当初の予定では小型の物で済まそうとしていたのですが、オーナーさんはちょっぴり豪華なのが好みなので
追加オプション装着です。(マフラーも同様)
タイカブ相当の仕様で圧縮比も高くはないけれど、やはり熱ダレ傾向が見られるそうなのでオイルクーラーは必要と判断しました。
アルミではなく鉄シリンダーですから放熱対策はしなきゃね。

キャブは、オーソドックスなケーヒンPC20Φ。
本当なら22Φ相当がマッチングの点で良いのですが・・・おにぎりモンキーはスペースが乏しいのです。
でも、と言うかだからこそのファンネル仕様ですよ。
このチョイスも正解でしたv
実はRAYバルブっていう発展形も考えたのですが・・・前述の通りあまりにも中低速トルクが強過ぎると却ってデメリットが大きくなります。
まぁ運転に慣れて来てから、その辺りは追加で考えれば良いんですよ。

この特徴的なマフラーは「オオニシヒートマジック」のプチEVO-SHOT/カールエンドってのです。
フルチタンエキゾーストで、オーナーさんの選定です。
(バイクが小さいので、サイレンサーが小さいのが良かったとか)
音は、付属バッフルも装備したら意外と静かです。
当然ながら、豪華絢爛高級高価な製品ですが、かなり作りも特性も優秀です。
(ちなみに私は●シムラのは余り好きではありません。80点な良い子性能とか、使ったら負けかなみたいな気持ちとか)

このバイクの特徴のアルミタンクは、ビックシーダー製です。
当コラムでも書いた事ありますね。
大きなメリットとして、「リザーブコック」が使えて便利です。
本来のおにぎりモンキーにはリザーブがなく、ガス欠=立ち往生だから安心してツーリングに行けないんですよ。
一応、現在の燃費は50km/Lと優秀なのですけど、不安要素が無くなったってのは良い事です。

足回りは、比較的簡単にスピードが出てしまうEgなのでどうしてもやんなきゃなりませんが
コストの問題とか、剛性バランスとかで支那製のをベースにしています。
もちろん、私は騒ぎの渦中に平気で冷凍ギョーザを食す度胸はございませんから大幅に手を加えていますよ。
これまた、イチから作るコンプリートゆえ工賃コストを考えずに済むから出来る事でして、
既存の支那フォークをこのようにしてくれってのは結局ちゃんとしたフォークが買える金額になってしまうので
支那製品を使う「安さ」と言うメリットが無くなってしまいますから非現実的。
(いっつも持ち込まれる度に苦労して説明するんです。工賃値切られたらその分手を抜けってことですかぁ?とか)
リヤサスは暫定的に南海部品の280mmオイルショックを付けていますが、これはKYBのガスショック(MGS280)になります。
もちろんこれまた、追加オプションで。(←オーナーさん鋭いぞ。こっちが妥協した部分を攻めて来るんだから)

テール廻りはミニバイク用ではなく、もちょっと大きいクラス用の社外品を使っています。
振動でちぎれたらシャレになりませんからねv
同様の理由でウィンカーはオフロード用の耐震性が高くちっちゃいのを使っています。
(ちなみにおにぎりモンキー純正のたる型ウインカーは確実にちぎれますから使えませんv)

ホイールに付いては、アルミでもなくワイドリムでもないんです。
鉄のメッキホイールで、リム幅は純正相当の2.75J。
流行のアルミワイドってのは、見た目最優先で走行性能は確実に低下するんです。
しかも使っているとすぐに歪んでしまいます。超扁平タイヤとの組み合わせなら尚更ですが。
「リム剛性」とか「耐久性」という言葉を知っていれば絶対に使わないパーツです。
あくまで実戦向きの、スタビリティを増した方向で考えてあります。

電装関連は前述の通り12vCDI仕様なのですが、色々工夫しています。
カギに付いては使いにくいけれど、本来のおにぎりモンキーの場所に付けています。
ただしヘッドライト常時点灯仕様のAB27モンキー準拠としていますから、キーユニットはAB26ダックスのを使い、電気回路の変更を避けています。
オマケとしてホンダ純正イモビライザー(盗難防止アラーム)も付けられるようになっているんですよv
(多分、付ける事はないでしょうけどね。あくまで可能性として配線を残しています。)

ニュートラルランプは、ぶいぶい主流のLED/ステアリングステムナット埋め込み型です。
これはメーター廻りがスッキリするから、モンキーちゃんみたいな小さいバイクには欠かせませんな。
純正部品流用の安定化電源回路ユニットで信頼性はバッチリです。
ちなみに、ウインカーの「ハザード装備」もやはりしてたりします。
(追加仕様として、ウインカー鳴動機能も後日付ける事となりましたv)


とても書ききれないのですが、この長文でも「概略」なのです。
オーナーさんにお渡しするにはレポート形式にした方が良いかな?
技術屋さんにはその方が馴染みが有って良いでしょう。
別紙としてプレゼン仕様のパンフレット添付ってのも作ろうっとv


そして待望のオチです。
実は・・・ベースのおにぎりモンキーから残ってる部品ってのは「フレーム」「キースイッチステー」だけなんですね。
それとネジの一部とか。
タンクキャップの一応おにぎりモンキー用のですが新品にしています。
でも燃料コックはApeの物です。(燃料配管レイアウトの都合で。モンキー用じゃないんですv)

まぁ、外した部品はヤフオクで売却してはじめて、それがこのバイクが売れた利益となるから良いや。
ちなみに。車両販売価格がほぼ原価とイコールだったりします。(もう、こういうおバカな事はしませんv)

写真の状態はシェイクダウン時なので、あとから追加・変更した部分があります。
例えば電タコとか、強化IGコイルとか、ホイールの飾りボルトとか。
シート後が寂しいんですが、ちゃんとグラブバーも付くんですよ。

今回は製作者の私もオーナーさんも、共に気合が入りまくって協力して作り上げたので、
凝りに懲りまくったとっても良いバイクが出来ました。



そうだ、いつもの忘れてた。
ニックネームなのですが、開発段階から適当に呼んでいたので沢山あるんですよ。

最初は排気量から「101匹モンキー」だったんです。
今は第二次プランのアルミタンク採用により、「ピクニック弁当」とか「アルミおにぎり」とかです。
ほら、遠足の時とかに持って行くおにぎりってアルミ箔に包んでたでしょ?
他に、マンガの食キングにちなんで「鬼切り」ってのもいいかな〜〜@
秋田おにぎり篇ね。
でも、アノ話は猿蟹合戦をモチーフにしてるから、お猿さんは悪者かつ負け組みだからパス。
このアルミおにぎりちゃんは、とっても速いんです。

あ・・・・アルミおにぎり、で決まりでしたねv
「ピクニック・行楽のお供に」の前フリ付きで。


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