●2008年06月25日(水)
なんか知らないけれど、Eg整備の仕事ばかり立て続けに来ています。 カブ系の、クランクケースを分解してのアレコレがほとんどです。 結構ガスケットを在庫していたのですが、ついに尽きてしまい注文中です・・・・。
で。4ミニ食傷気味の私にとって救世主(?)となりうるのか、2サイクル車が来ましたv わーい、わーいv久し振りですよ〜〜〜〜@ 皮の先っぽKSR−Uが、放置プレー後にいきなりブン回して壊れてしまった物なのですが 一応セオリー通りにチェックを進めて行きます。 まずキックを手で降ろしてみると、ちと重くて引っ掛かります。 完全にEg内部に障害アリと判断して、腰上を車上にて分解の準備をします。 KSRはおミズなので(※水冷をぶいぶいではこう呼ぶ)、タレ(冷却水)を抜いてサクサクと頭を外します。 で、ピストンを上下させシリンダ内壁を見ますと、カジリはあるもののなんかピストンの動きは阻害されていない様子。 少し我慢汁(オイル)をくれてやっても、動きは変わらず、渋み&引っ掛かりが認められる。 ・・・・こりゃ、腰下ですねぇ。 と言う事でシリンダとピストンをとっ外し、フラホのカバーも外して手でフラホを回して行くと 「ゴロゴロゴロ〜〜〜ギ・ギギ・・カツッ」。 ありゃりゃりゃりゃ。クランクB/G破損ですな。 魁!男塾の王大人のセリフで「死亡確認!」ってトコです。 またクランクか・・・・。 ワンターレンの死亡確認!は、つまり生き返る事が補償されてるんですよね。 なので、このKSR−Uもちゃんと直りますよんv 社外CDIとカーボンリードバルブまで付いてんですからね。
ここまでは、カブ系Egの呪縛・地獄のモンキーロードが一段楽して2スト車だったので 「2ストだもの。みつを」とか言いつつニコニコして作業していたのですが、 ここからは「2ストなのに」に変わって、以降感情チップをoffして作業します。 もっともモンゴリなんかよりEg降ろして分解するのは、スペースも広いし 構造的に「普通」なので楽なんですけどね。 (ちなみにカブ系ってのは意外と特殊な造りをしているのです。やってると判んないけど) やはり、フラホ側のB/Gがボールの支持枠破損していました。 改めて「死亡確認!」です。 ちなみにピストンもカジってたんで交換。シリンダ壁のダメージは軽いので修正に決定。
あ、KSRのEgには一次バランサーが無いのですね。 ホンダのには付いているのに。(MB-5から。もちろんMBX,NS,NSRにも引き継がれています) ヤマハはYSRの空冷2ストと、旧RZ系(〜DT50,TZR50まで)の四角いシリンダの水冷2ストにはありません。 まあるいシリンダのTZM/TZR-R系にはちゃんと付いてんですけどね。 スズキは・・・RG50Γ/TS系の水冷2ストにもやはり無いのです。 つまり、小さいクラスには一次バランサーは、排気デバイス同様「豪華装備」って事だったようで。 ちなみに、一次バランサーの効能は、クランクシャフトの一次振動をキャンセルしますので スムーズに高回転まで回るEgとなります。 しかし、その反面、重りをぶん回すのでレスポンスは少々悪くなりますね。 なのでレース仕様なんかで取り外す仕様を選択した人も居たようです。 でも、どっちにするかは好みとかがはっきり分かれていたようで賛否両論あるのです。 私は、バランサーはあった方が良い派なんですけど。 元々無いんなら仕方ないですけどね。
一応念の為、クランクシャフトは芯出しする事にしました。 あと金額の概算を出してオーナーさんにok貰っていますから、部品注文リストを作らなきゃ。 で、シリンダは軽くポーティングしておきましょう。 もっとも鉄シリンダは加工するのが大変なんで、本日は片側だけ済ませます。 写真に映っているのの、右側部分のナイフエッジにしてあるのが加工済みでして、 反対側は手付かずです。 鋳物の感じとかはヤマハっぽいラフな物ですから、手を加えた効果は見込めます。 理由は特に無いのですが、久し振りに手スリでシコシコやりました。 いつもはエアリューターでやっちまうんですが、このバイクは作手の「手作り村」に遊びに行くのがメインなんですよ。 いわば、手造りの味ってのですね。真心込めて魂込めて精神注入します。 「夜な夜なシコシコポート」とでも名付けましょうか。 ちなみに、バイク本体の名前は「赤ぱいんU」ですv 2ストでパインパインさせて走る、赤いバイクなんで。
実は、2サイクルの修理車はもう一台あるのです。えぬえすわんです。 これまたEg掛からずなんですが・・・・圧縮がありませんね。 焼きつきの疑い濃厚です。火花は飛んでいるし、ガス与えてクランキングしても初爆が一切しません。 でかいキャブと妙なサイレンサが付いたマフラーのおかげだと思われますし、 車体その他のあちこちに突込み所満載なので、ちょっと金額出しに苦労しています。 もっとも親戚のコからの依頼なので、なんとかしてあげたいんですが・・・。 でも、一言、一言だけ気になるから言いたいな。 何で最近の若者の中では、ハンドル改造=大アツプハン、なのでしょう? 不思議で仕方ありません。 この極端なポジションでは前輪の感触/インフォメーションが希薄になりますし、 両手の操作系にも咄嗟の時に力が的確に伝わらず、運転するのに危険なんです。 店に来たヤンキー兄ちゃんみたいなコ達にも聞くんですが、「スタイルが良い」とか、 「腰が痛いんで・・」とかの答えしか帰って来ませんね。 腰痛は私も長年患っておりますが、むしろ前傾ポジションの方が楽ですよ。 ウインカーも上向いているし。訳が判らない・・・。 こういうのの修理は、本音を言いますと嫌々やる事になります。 いくらスピードを出そうが、ちゃんと運転できるマシンならば当然調子良く動いた方が良いに決まっていますが、 運転に支障をきたすような改造をしたバイクは、動かない方がむしろ本人にも世の中の為にも良いのかも?とか思うんです。 いわゆる「頑固親父のバイク屋」だったら、即効お断りって事になるんでしょうが・・・・ まぁビジネスはビジネスとして割り切ってやりますかな。 しかし、これはこれでお金が沢山掛かりそうですねぇ。 改造パーツの組み合わせ最悪ですから、修理してもまた壊れちゃうからノーマル部品も探さなきゃならないし 実際結論としていくら掛かるのかってのは判んなかったりします。 まぁエンジン部分のチェックをして原因特定をするのが先決ですか。
と言う事で、私は小さい水冷2ストに関しましてはホンダ派からカワサキ派になりましたv まぁNチビでも持って来なきゃ、これは変わらないかな〜〜〜〜@
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