●2008年01月27日(日)
さてさて、先日チラ見せのまんまになっていたお使いまし〜んの全容紹介です。 その名も、スズキ・チョイノリ。 (当店のはキック始動のみ・カゴ付きK3型です) 2003年にデビューした途端、新車で\59,800-、しかも国産と言う事で話題性満点のヒット商品となったカワイイ原動機付き自転車です。 ただ余りにも割り切った設計ゆえ、私のような販売する側からは敬遠されていたりもします。 (そもそも、最低限の動力性能で安く手軽に乗るように作ってありますから、普通の原チャリとは違うんです〜〜@) しかし、構造・設計には並々ならぬ工夫が凝らしてありますので、技術的な観点からは大変興味深い製品ですね。 例えば、部品点数を減らし、かつ公差精度の許容範囲を緩くしたりして低価格を実現しています。 現在のユーザー側からの評価第一声は、「遅い!」ばかりですね。 これは1名乗車して最低限走らせるだけの動力性能に敢えてしてあり、エンジン冷却・潤滑・駆動を可能な限りシンプルに設計しての事です。 なので、文句言っちゃあダメですよん。 ちなみに35〜40km/hの速度が出ますが、勾配・路面状況・風向きによりけりです。 条件が良ければ45km/h位まで伸びますし、登り坂だと20km/h近くまで落ちます。 登坂力がどの位あるのかは、後日実験したいと思いますね。 エンジンは、自然空冷4サイクルOHV。(冷却ファン,オイルポンプはありません。) エンジンオイル容量は、350ml(交換時300ml)。 今、これ書きながら飲んでいる缶ビール1本分v ※この車種に限り、当店ではオイル交換サイクルは300〜400km毎をお奨めしています。1回\450-ですよ。 2馬力のパワーです。これは普通の原チャリの1/3〜1/2位です。 燃費は40km/lを超える位良いです。 メカ音や振動は大き目。独特な「チョイノリ・サウンド」を奏でながら走ります。 ♪ブビビビビビビビビィ〜〜ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛・・・・♪ 先日申しました通り、発電機や草刈機のような構造のエンジンです。 (改造しても速くなりません。前述の通り設計の時点で馬力を低くして作ってます) 電気系は、12vCDIマグネット点火で基本モデルはバッテリーレス(レギュレター制御の全交流)。 ※高級版のセル付きモデルはバッテリー搭載してて設計が異なります。 ヘッドライトは上下切り替えではありません。12v15wシングル球でちょっと暗い目ですが、レンズカットも良く実用的な光量はあります。 ウインカーを出すとカチカチ音も出て、インジケータランプもメーター横に付いています。 運転操作は、ほぼ普通の原チャリのまま。 ただチョークが手動式(左にレバー有り)、燃料コックがリザーブ切り替え式で燃料計や給油ランプはありません。 始動は基本的にキック。 (ただし最初からクランクケースにセルフスターター機構の痕跡がありますので、 セル付きは企画段階で追加発売予定だったと思われます。 やはり初心者にはキック始動はちょっと敷居が高いからでしょう。) 驚くべき事に、速度警告灯があります〜〜〜〜@ 30km/hを超えるとピカーっ、、、ピカーっ、、、とやる気無く点滅します。 (実は乗り始めて3日目に、初めて気が付いたv) 最初期型には無かった、オドメータが付いてます。 リヤサスはありません。リジッド、ノーサスって奴ですv フロントにはサスペンションがちゃんとありますよ。 ただ、乾燥重量39kgという超軽量で、かつフロアボード下にエンジン・マフラーをぶら下げた低重心ゆえ、 走行安定性(直進安定性・ハンドリング安定性)はかなり強い目です。乗りやすい。 自転車に乗れれば楽勝ですね。フラフラしませんよ。(振動はクルけど) ただし、雨天など路面コンディションが悪いと結構シビアな挙動をしします。 まぁ雨降ったら普通乗らないでしょ〜みたいな。 オフロード走行は実験してみましたが・・・・死ぬかと思いましたv (グリップ領域を超えてからスリップまで早く、瞬間的に対処しなければ転ぶと思います) 試しに、オートバイ工房⇔豊橋の部品商まで往復してみましたが、幹線道路(R1)はすんごくキツイです。 ソープ嬢のごとく上手に抜かせてあげるテクニックが無ければ、危ないですね。 トコトコと、片道2キロ位の道程をのんびり移動する使い方を想定しているバイクですから。 ただ、ブレーキは良く効きます。 これは車体が軽いからと、前後共80/90-10のタイヤサイズゆえでしょう。 タイヤはなんとチューブレスです。(寿命は長そうですね。IRCのタイヤが付いていました) しかしリヤがノーサスなのでロックしやすいんです。雨天走行が弱いってのはこの事もあります。 私はロックさせるのが好きですけどね。ロックンローラーですからv 駆動系の構造は、ちょっと変わっています。 固定変速ではありませんよ。ちゃんとベルトを使った変速プーリーが入っています。 (コストダウンの為かWRは3個です。14g位かな。もっとも馬力は少ないし耐久性はエンジン本体すらあまり重視していないので、これで良いのでしょう) そして、二次減速ギヤもあります。シンプルに2軸です。 で、スプロケットとチェーンを介して後ホイールを回します。 チェーンサイズは細い目な415。社外品はレース用位しかないです・・・・・(高い。100Lで7千円位) まぁ、普通の原チャリと一緒で、ドライブシャフトに後ホイールの代わりにスプロケが付いてるって感じですね。 当店のチョイノリは、カゴ付き高級モデル(でもセルは無いよ)なので見た感じが判りにくいですが、 チョイノリの評価として高いのが、デザインです。 「ナメクジ」「オバQ」などと言われててカワイイお洒落な容姿。 シンプルで安いが貧相ではありません。この点はスズキと言うメーカーの底力を感じますね。 (カゴ付きモデルのウインカーはハンドル部分に移動してて、レッグシールド部分はメクラ蓋になっていますが・・・ 目を閉じたまつ毛みたいなんです。遊び心満点ですね。ただし良く見なければ気付きませんけどv) 総括すると、安く作ってありますが決して手抜きではありません。 使い方・使用状況は限定していますが、あくまでエンドユーザーに目を向けて作られた感じがありありと伝わってきます。 デザインしかり、割り切りの潔さしかりです。 スズキじゃなければ作れなかった原動機付き自転車ですね。
このチョイノリは、誤解に基づいた評価がされている事が多いです。 ちゃんと説明を受け納得してから乗らなきゃならないのに、価格だけで飛びついちゃう人が沢山いたんですよ。 実際メンテナンスにもコツが必要なので、なかなか調子を維持しにくいかも知れません。 私もキック一発始動のコンディションに仕上げるのにちょっと時間が掛かりました。 (実は、発電機や草刈機の修理もしているので、それが役立ったんです〜〜〜@ キャブはちゃんとバイク用の、ミクニVMキャブですよんv) まだ外観は持ってきたまんまですので、後日キレイキレイします。 マフラーに貼る、「ヨシムラ」の耐熱ステッカーも用意してあるんだぞv
ざっと、こんな感じで紹介しましたが、ちょっと変わった独特な乗り物です。 なので既成の原チャリと混同せず、この乗り物に対して正当に向き合える方でないとオススメすることは出来ません。 感覚的には、「高級なポケバイ」とでも申しましょうか。 個人的にはマニア向けのオモチャとして大変面白いと思います。 実用性は・・・・・交通事情によりけりですが、ちと厳しいかな? 一応、プライスは付けておきますが、既に私名義で登録してあります。 ※値切るようなセコい人には売れません。(登録手数料なども含めて) そもそも設計時点で耐久性に乏しいので普通に中古車として売るのには無理があるんですよね。 あくまで、私のお使い用まし〜ん&オモチャです。 そのためにわざわざ専用ヘルメットまで新調しましたから。 ニックネームは、「ありんこ」。
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